124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】
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小蝶……?
私のことでしょうか?
[ どう呼んでくれても構わなかった。
菜虫化蝶でも、シャーレンでもない、愛称だと
その人は言っただろうか。 ]
いいえ 気に入りました
[ 啓蟄様の蛍でもなく、
可哀想な翳りを宿した女でもなく、
ただの常連客……にしては、気に入ってかわいがって
くださっているという自覚は多少在るが。
そう呼んでくれることが、幾度も肩の荷を
下ろしてくれた。
言うなれば、孵化した雛鳥が世界を知ると同時に
親と認識するように。
私はよくよく、その店へと足を運ぶようになった。
特に悩みを話したりだとかはしない。
私がただの私であることを忘れないために――。 ]
| あらおいしそう。 ちょうだい。
[ ある程度気心の知れたもの。 ――筆頭は多分、雀始巣殿か麦秋至殿あたりか。
その人の皿からひょいと、一口分頂戴して ] ごめんね?お腹が空いていたの
[ ころころ笑いながら会場をぐるりと眺める。 この会場の中で、堂々と居られるだろうか。 多分、否であるからきっとここは、 あまり人の目の届かない、会場の隅。 ]
それぞれ思い思いに過ごされているから ちょっとくらいいいかなって
[ それでも目上の方が現れたら、 つい猫かぶりしてしまうのだろうけど。 ぺろ、と舌を出して悪びれない様子で、 もう一口、と誰かのお皿を狙っている。* ] (56) 2022/01/28(Fri) 14:34:18 |
[わたしがお人形になったのは、きっと2歳かそこらの頃だと思う。
わたしには、父親が”いた”。最後に顔を合わせたのはもう随分と前のことになるけれど、一応いた。
父の記憶は擦り切れてしまって、ほとんど覚えていないけれど、いつもわたしのことをぞっとするほど冷たい目で見ていたことだけは覚えている。
お母さんは、いない。
[母の腹を裂いて生まれたわたしのことを、父はどんな思いで見ていたのだろうか。
そんなこと、わたしにはどうしたってわからないけれど良い気分ではなかっただろう。そうでなければ、あんなにも冷たい目で見ることはないと思う。まあ、愛した人を殺したわたしのことなんて、愛せないだろうとは幼心によくわかっていた。
わかっていたから、わたしは何も出来なかった
みたこともないけれど、わたしの母はお人形の様に綺麗な顔だったそうで、そんな母に父は一目惚れのゾッコンだったらしい。これは酒に酔った父の談。わたしの顔に気づいた父は、わたしを人売りに
売り払った。
綺麗な顔の子供は、とても高く売れるから。
初めてわたしに向けられた父の笑顔は、それはもう嬉しそうで、あの時のわたしには笑顔の理由はわからなかったけれど、すごく嬉しかったのだ。
それが、4歳のとき。寒い雪の降る日で——……
聖なる日の夜のことだった。
日々わたしを打つ父の手に怯えて、すっかり子供らしさを失っていたわたしをあの人が気にいるのは、道理だっただろう。彼は、わたしを見て大きな口を三日月の様に曲げて笑った。
これほどまでに、理想の”お人形”があっただなんて!]
[ああ、ああ、居もしない神様。
わたしは生まれた時からお人形になる運命だったのか。]
[それから、4年。
4年もだ、思い返せば随分と長く、あの息が詰まる様な
お部屋にいたものだ。
お部屋にいた間、何人ものお人形の入れ替わりを見た。
かくいうわたしも、一度はゴミ箱
-という名の地下室-
に放られたのだが、あの人の気まぐれでもう一度
お部屋に戻ってきたこともある。それが、あの時はよかったのか悪かったのかはわからなかったし今もわかっていないけれど、あの雨の日、霜降域の北で捨てられたことだけは、良かったのだと思う。
紫明様に拾ってもらえて、霜降域で暮らした日々はわたしの中で甘やかな記憶。
それまでずっと白黒の様だったわたしの世界が、一気に色付く様な毎日で、大変だったことも楽しかったことも色々あったけれど、今でもずっと大切に心の中に仕舞っている思い出。]
[だからこそあの日、白露に推薦されたことは、ずっとわたしの心臓をじくじくと刺し続けていた*]
[秘密基地を作ってから少し経ち、いつものように遊んでいた時の話。
「げしさまってきっとすごいひとなんだよね。だってこのりょーいきのひとたちをみんなしあわせにしてるんだもん。ぼくもそんなひとになりたいなあ…」
『あおいくんにはむりむり。だってここにどれだけのひとがいるとおもってるの?そのひとたちぜんいんをしあわせになんてできっこないよ
「そんなことないもん!ぼくがつぎのげしさまになって、いまのげしさまよりもっとしあわせなりょーいきにするんだもん!」
『むりだとおもうけど、いつかもしほんとうになれたら……わたしが、あおいくんのほたるになってあげる』
…そんなこと言ってたっけ。それから暫く経って段々疎遠になって。葵くんのことなんて忘れかけてた頃に……
「……やぁ、萩ちゃん。迎えにきたよ。」
…本当に夏至の名を継いで、私を迎えに来てくれたっけ。]
| ―― 麦秋至殿と ―― [ 密約はかわされた >>112。 やがてそこに小満様が現れ、去る。 念を送っていたと彼女が言ったら、 何かしら送られている気がしたわと苦笑いを一つ。 ] ふふ [ 今にもどうしたのですか >>113と問いそうな声色、 それに目線。あわあわとする彼女を見て 笑ってしまうのだからお里が知れましてよ。私。 さて、どう種明かしをしようか。 いやだった?ごめんなさいねとしおらしく 謝ってみる? 甘えちゃったのと舌を出してみる? どちらにしたってそんなことないですと 返されそうだがどちらか選び取るなら後者に、 ] (120) 2022/01/29(Sat) 15:06:55 |
| ……あら [ しようかと口を開きかけたが。 黙したままで伸ばされる手 >>114が頭に伸びる。 ] ( これは 少し予想外…… ) [ ぱちぱちと瞬きを数度繰り返し、 手が止まったなら ] もうちょっと。 [ そう言って悪戯をする子供のような顔を してみせたかしら。それが叶えられたなら 満足そうに、むふ、と笑って――。 ] (121) 2022/01/29(Sat) 15:07:11 |
| 篠花様に――? [ 小満様から頂いたお茶を永久保存したいのですが なにか良い手立てを知りませんかと問う……? ] ふ、ふふ、さすがにこんなことで お手を煩わせるわけにはいかないわよぉ お願いすれば叶えてくださる度量も それはお持ちでしょうけど。 お優しい方だものね、だけど [ 言うてお茶、消費するものである。 そんなものを永久保存するファン――…… まぁ探せばいるだろうけども、そこまで狂気に 染まってはいない、 筈である。 ] (122) 2022/01/29(Sat) 15:07:43 |
| いつかお会いした時に、 おいしかったです、ありがとうと お伝えしたいから、やめておくわ。
でも、私のために考えてくれて ありがとう。
[ ――先程と反対に、ふわふわと揺れる髪の毛に 手を伸ばし、そっとその頭を撫でる。 よくできました、おりこうさんね。 いつか生徒に向けて言った言葉を思い出しながら、 慣れた手つきで、私か彼女が飽きるまで――。* ] (123) 2022/01/29(Sat) 15:07:55 |
── 遠い昔の物語 ──
ゆき
ゆき
頑張り屋さんのあなたに贈り物をするわね。
この子は働き者だから、きっとあなたの役に立つわよ。
[ まだ就任して間もない
とはいえ既に数年はたっていたかもしれない?
冬至に、雪うさぎ
を贈った目論見はなんだったか
今はもう覚えていないけれど、
助け、というよりは、癒しになればいい、
という気持ちが強かったように思う。]
[ だから、しばらくして、その子が冬至の蛍ー麋角解となり
おつると愛らしい名前で呼ばれていると知った時は
ほっこりとして、
鹿の角を模したつもりのおかきと、鶴を模したつもりの琥珀糖を作って、冬至へ差し入れしたのも良い思い出だ。
当時、試行錯誤して書いた製法は、
長い時を経て、洗練されたものとなっている…はず*]
| ―― 会場内 ―― [ 立春様持ち込みの和菓子がおいしい。 その情報はどこからか齎された。 ひとからつまみ食いも、あまり褒められた行動では ないので、自分もと一歩、賑やかなパーティの空気に 触れにゆく。 お盆の傍には >>3:3某かのアンケート。 きのこたけのこの争いを思わせる内容。 ] ……大福ならつぶあん、 あんまんならこしあんという曖昧な回答は 許されるのかしら? [ そっと見ないふりをしてお盆に載せられた 和菓子達としばしにらめっこ。 ] ……どれも美しくて、おいしそうなのね [ こまったこまった独り言も溢れてしまうというものだ。* ] (124) 2022/01/29(Sat) 16:25:36 |
[ 嬉しいはずなのに。
同時に、距離が遠のいた感じがして
ずっと、寂しくて────。]
――いつかのこと――
[立秋域から来た手紙に、返信はしなかった。
私は自分のしたいことを好きにしただけであって、誰かの助けになったつもりはない。
好き放題が結果として彼女に届いただけ。だから、蛍たちが手紙を届けに来たときも『身に覚えがないな』なーんて肩をすくめてばかり。
彼女の名前だけを記憶に刻む。忘れられない名前が増えていく。
立秋域を出るというのだし、返信はしたところで届かないだろうとも勝手に当たりをつけて、それきりにした。
つもりだった。]
[後日。
遊びに来た子供のような声に呼ばれて、領域を開く。]
おや立秋。なんのことだい。
……といっても、君にとぼける必要もないか。
お願いねぇ……
何でもいいの?
[わーいお土産、と中を開ければ、立派なコーン。茹でるか焼くかスープにするか。想像は尽きず、喜色に口元が緩む。
紅茶とクッキーは、明日のお茶の時間に取り置こう。]
あのさ。
ちょうどワイン煮込みを作ってたんだけど、味見をお願いしてもいいかな?
[私はただ好きにしただけで、お礼を言われる筋合いはない。
だから願いはただ、偶然訪ねてきた友人と食卓を囲みたいと*]
[初めて中央に来た時を思い出す。
それは、ぼくは雨水になりたての日。
ぼくはその時魂を扱う仕事が初で、流石に緊張していた。
でも忙しい時期。迷っている暇はない。
中央の人に方向はこっちであってますか? と尋ねたら、灯守りがきらいな人だったのか。そんな事も知らないのですか? という態度をとられて無の表情になった。当時は飛べるとか、そういう感覚もなかった。人間の意識のままだった。
その後普通に真面目そうな人を捕まえて聞きなおした。]
[灯宮というらしい。暗い中を一人で。
ぼくの灯りを頼りに歩けば導の灯が目に入る。]
……綺麗
[一つ一つの光が、目に映す色を万華鏡のように変える。これが、灯守りと蛍しか見れない景色。
人が還る場所。
ぼくは灯守りとしての能力を使う。
その光は、蛍のようで、まるで雪のようで ]
[
──── 見とれる事暫し。
はっと我に返って各灯守りにその光を送り出すように能力を使った。
飛び立つ灯は、これからの命となる。
そう思うと涙が出ていた。]
[これが、ぼくがこれから背負うもの。
とても重くて、綺麗で、たいせつなもの
ぼくはそれを こわいと思わなかった。
綺麗だと、思ったんだ──── ] **
[ ひとの寿命を超越した存在はにがてだ。
だって気味が悪いじゃないか。
なに食わぬ顔をしてひとのかたちをしているけれど
もうそんなものひとではないと子供心に思っていた。
早めに次を探さなければわたしもじき同じものになる。
鏡の向こうに、ちっとも変わらなくなった自分をみつけて
そうと気付いたのはいつだったか。
現金なもので、あんなに気味悪がっていたものに
自分がなるかもしれないと気付いても、
『都合がいい』と思っただけだった。
自分がひとでなくなろうとも、そんなことはどうでもよくて
あのこを最期まで看取れる可能性があるのなら
それでいいと。
けれど。
灯守りの役目を終えても
あのこはきっとわたしのもとへ帰ってくることは
きっとないんだろうと、わかっている。
わたしの傍が帰る場所であったことなど終ぞないのだから。
姉で在りたいと淡い希望を抱きながらも
家族になることから怯え逃げ続けたわたしの傍が
あのこの帰る場所になるなんて都合のいい結末
未来永劫訪れることはないだろう。 ]
| ―― ??? ――
……比べるべくもないけれど、 やはり、
[ 髪は纏めてくるべきだったと一人ゴチる。 啓蟄様の統治域は、春の訪れの肌寒さの感じられる気候。 夏の匂いと雨の融合するこの場所とは全然違う。 調節できるように、カーディガンを持ってきて 良かったと、思う。長袖のそれを少し捲って。 日傘をくるくる、回しながら道をゆく。
己の生活区域との違いは、 いちいち新鮮で、目新しく。
ただ歩いているだけでも、 とても楽しかった。 ]
湿気で髪が……。
[ ぶわりと広がる髪は、とても美しいと言えるような 状態じゃないけれど、そこはご愛嬌というやつで。
さて――。 ] (163) 2022/01/29(Sat) 23:59:49 |
「 会合の日のお約束
覚えておいででしょうか。
五日後の正午に、
お邪魔させていただこうと思っております。
お忙しいところ恐縮ですが、
ご都合よろしければ、お会いできませんか?
叶うようでしたら、お待ちしております。
追伸
もしご都合つかなくても、
街の中を散策しておりますので、
その時は またの機会に。 」
| [ 待ち合わせをしようにも、 連絡先を持ち合わせていなかったもので。
せっかちにも開花した香りの良い白い花の 花束と手紙は、無事に届いただろうか。
届いていたとしたら、きっと、 後少しで、お会いできるでしょう。* ] (164) 2022/01/30(Sun) 0:00:23 |
手紙” ――
『 5月×日 天気:晴れ 気温:恐らく少し日差しが暑い
この地は水田が広がっている。
立夏の季節であるから田植えの終えた水田が見受けられる。
水の張られた田が、青空を映している。
その中に立てば、美しいと思うのかもしれない。
海では初鰹の季節だ。
船が大物を運んできている。
そろそろ、海に行っても心地の良い季節かもしれない。
…… 』
立春様や、ローザがくださる景色に紛れて
文章だけのそれも、わたしは飾っていました。
大寒域でも一年のうちで数えるほどしかありませんが
蒼い空が、見られる日があります。
澄んだ空気に映し出される空は、とても美しいものです。
田園は知識の上ではありましたが、
見たことはありません。
大寒域の住民達よりも、
別の域へゆくことは容易い立場です。
あ
[ わたしは、あなたを何も知らない。
あなたが経験してきた愛も、かなしみも。
だからあんな事が思えたのね。
わたしは驚いたのです。
好きではない、って解答に?
そうだけど、ちょっとだけ違うの。 ]
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