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【人】 欠けた星 スピカ>>@12 ブラキウム 「なっ……! なにそんな訳の分からないこと言って、ちょっと……待ちなさい! 貴方のご家族や友達が心配するでしょう!」 慌てて手を伸ばしても捕まらない。 眼鏡を奪われた時と同じように女の細い指が虚しく空を掴む。 先程と違い、走ったせいでもう自分の足は動きそうにない。少女の背中が見えなくなるまで呆然と座り込んでいた。 「子供、本当に苦手だわ……どう関わったらいいのか分からないもの…… このままで良くないとは分かっているけど……」 ため息とささやかな独り言が尽きない。 少女の姿が消え、彼女の痕跡は眼鏡に落ちた雫だけとなった。 レンズの上に乗るその涙を拭く手つきは今になってようやく優しくなり始めた。遅すぎると悪態をつく。 拭き終えて少し休んだ後。女は最後にもう一度だけため息を吐き出して歩き出したのだった。 (62) 2022/01/16(Sun) 22:12:21 |
【人】 彷徨民 ウミ『おー』 空飛ぶ馬が駆け抜けた風圧でふよふよと流されながら、真っ暗なお空に消えたふたりを見ました。 『あのこもとべる』 『おそろい』 空飛び仲間に認定しました。 (64) 2022/01/16(Sun) 22:30:36 |
【人】 こどもの アルレシャ>>@14 ブラキウム 星の煌めく夜空にキラキラとした軌道が描かれます。月明かりがぐっと強くなったように感じるでしょう。二人を遮る物は何一つありません。 「ヘイズはねー、きんいろのかみでー、みどりのおようふくきてるよ。 シャトはねー、しろいかみでー、おこるとこわいの!」 何かを思い出したのか、アルレシャは顔を険しくします。怒られたことがあるようです。 「くらいから、ランタンもってるとおもうんだけどぉ……」 眼下に広がる大きな庭園を見下ろします。湖は月明かりを映し、所々に淡い光が浮いている様子が見えました。 どこを切り取っても絵本のような景色です。 (65) 2022/01/16(Sun) 22:30:48 |
アルレシャは、空飛び仲間に認定されました。 (a7) 2022/01/16(Sun) 22:32:24 |
【人】 欠けた星 スピカ「はあ……」 何度目になるか分からないため息。広間の煌びやかな様子とは裏腹に女の心は曇るばかり。 それでもお腹は空くわけで、くうと鳴いて主張するそこを隠すように撫でた。 「……御伽噺や伝承の中には、冥界や異世界の食べ物を口にすると元の世界に帰れないなんて話もあるけれど……でも、美味しそうね……」 (66) 2022/01/16(Sun) 22:40:46 |
スピカは、広間を見渡す。料理を見て、人を見て、それから……開け放たれたバルコニーの様子も。 (a8) 2022/01/16(Sun) 22:42:00 |
【人】 婉容 ラサルハグ>>63 ウミ 「私も? ……ははっ、そうだね」 浮かぶあなたの手がこちらに届くのなら、こちらの手はあなたに届くだろうか。 どちらにしても、あなたに向けて手を伸ばす。 阻まれなければ、同じように頭を撫でようとしただろう。 「いつの間にかここに来ていたのも、偉いのも、お揃いだ。 よく分からない城ではあるが、お揃いだらけの君に出会えただけで、迷い込んだ甲斐もあったというものさ」 「ありがとう、ウミ」 感謝の言葉を伝えることは大切なことだ。 大人の私がきちんと手本を示さなければならない。 そう思ったのも確かだが、言葉そのものに込めた気持ちも確かなものだった。 (67) 2022/01/16(Sun) 22:46:46 |
【人】 欠けた星 スピカ「ち、ちょっと!」 疲労が溜まっている足の悲鳴も無視して駆け出す。 美味しそうな料理が並ぶテーブルに見向きもしないままバルコニーへ。タバコを落とした先客がいたとしてもお構いなしだ。 勘違いでなければ今子供二人が伝説上の生き物に乗って飛んでいかなかったか? 「何が起きているの!? 危ないわよ、どうして子供たちが空を飛んでいるの!?!」 バルコニーの手すりを掴んで空を見上げるばかり。何の力もない大人は何もできやしない。 星の煌めきも、ペガサスの軌跡も、子供たちの話し声も何も拾い上げられないまま心配そうに見つめていた。 (68) 2022/01/16(Sun) 22:49:50 |
【人】 こどもの アルレシャ>>@15 ブラキウム そうして暫くの間、お城の周りをぐるぐると回っていました。途中でバルコニー>>68に向けて手を振ったり、お散歩気分です。 「アルもみえなーい。きゅーけいしよっか」 湖畔に降り立つと、大きな布がどこからともなく現れます。それを原っぱに敷いて腰を下ろしました。 「やっぱりアル、ひとりできちゃったのかなぁ……。かえりみちもみあたらなかったし……」 往生際の悪さもありますが、子供なりに飽きっぽさもありました。友達が居なくなって寂しいのは事実ですが、探し続ける程の集中力が無いのです。 (69) 2022/01/16(Sun) 23:11:39 |
【見】 小娘 ブラキウム>>69 アルレシャ 「わあっ………」 そろりと地に降り立って、貴方の隣に腰を下ろす。 そんな挙動ひとつひとつすら、何だか特別だ。 「……ねっ、それならさ。 あたしとここで暮らそうよ。 ここには何でもあるし、煩いおかーさんも居ないよ? あたし、アルと一緒に居られたらきっと楽しい!」 広くてきらきらした水面を見つめて ほう、と楽しさを詰め込んだため息を吐く。 「あたし、ここの子になるんだ! もうおうちには帰らない!」 果たして、その言葉は明日も変わらず吐けるだろうか。 目の前の喜楽ばかりを愚かに求める様子は まさしく小娘と言って過言ないだろう。 (@16) 2022/01/16(Sun) 23:31:43 |
【人】 欠けた星 スピカ「な、ぁ……」 星の煌めき、天馬の輝き。美しい光の海に思わず息を呑む。 ――まるで昔読んだ絵本の一ページのよう。 けれど夜の風が頬を撫でられれば夢見心地も霧散する。 「……ッ、使用人! そこの貴方! 今すぐランタンを貸してもらえるかしら! それからブランケットと、あと温かい紅茶を入れた魔法瓶をバスケットに詰めて用意してほしいの!」 バルコニーから広間へ跳ねるように走っていく。スカートの裾が派手に翻っても髪が乱れても、気にしてなんていられない。 「子供たちだけで外に出たのよ、危ないでしょう!? ご家族がいないなら誰があの子達の様子を見るっていうのよ!」 口喧しく使用人を急かした後、女は荷物を持って飛び出した。 10歳にも満たない子供が魔法を使えることも、降りた先が湖畔であることも知らないまま。 子供を守るのは大人の役目なのだから。 私は子供の時そうしてもらった覚えはないけれど、 でも、そう教わったから。 (70) 2022/01/16(Sun) 23:49:47 |
【人】 婉容 ラサルハグ「……おや」 遊び戯れる子どもたちの姿を微笑ましくすら思っていた女は、血相変えて城を飛び出す淑女の姿に視線を移した。 「………使用人。 私も少し、ここを出よう」 白いコートをたなびかせ、一言告げると広間を出ていった。 ウミとの会話も全て終えた、それより後のことである。 (71) 2022/01/16(Sun) 23:55:18 |
ブラキウムは、アルレシャと過ごした夜のことを、きっとずっと忘れない。 (t3) 2022/01/16(Sun) 23:57:42 |
スピカは、城を飛び出して、そのまま走ろうとして、一つ気付く。 (a9) 2022/01/17(Mon) 0:04:49 |
スピカは、まるで親のような顔をして、まるでうんと大人のような顔をして、それでも。 (a10) 2022/01/17(Mon) 0:08:29 |
スピカは、子供たちの名前すらも、まだ知らないままだ。 (a11) 2022/01/17(Mon) 0:08:56 |
【人】 魔女 イクリールキョロキョロと館を探索しています。 部屋を覗き込んでは、一人で感嘆符を漏らしながら。 「あら〜綺麗なお庭ね」 吸い寄せられるように調えられた庭園へ足を運びます (75) 2022/01/17(Mon) 2:09:09 |
【人】 こどもの アルレシャ>>@16 ブラキウム 「……アルは、ママにあいたい」 バスケットからパンをひとつ取出し、小さな口で齧ります。俯いた横顔はきっと暗いでしょう。 しかし顔を上げてブラキウムを見ました。 「だったら、アルのおうちにくる? ママはやさしいし、なんでもあるよ。おともだちだってたーっくさんいるから、さみしくないもん。 たくさんいれば、いろんなあそびができるから、もっとたのしい! かえりみちは……まだわかんないけど」 アルレシャもこのお城は好きですが、やはりお母さんとお友達に会いたいという気持ちは拭えません。 (76) 2022/01/17(Mon) 7:58:12 |
【人】 こどもの アルレシャ>>70 スピカ 夜空を見上げれば、ペガサスの描いた軌道がまだ残っているでしょう。もっとも、その内消えてしまうことは明らかです。 それを辿れば湖畔へ向かえるはずです。 特に隠れようともしているわけではありませんから、きっと二人を見つけるのは容易です。勿論、追手にその意思があればですが。 (77) 2022/01/17(Mon) 7:59:16 |
【人】 こどもの アルレシャ>>73 アマノ 「わわっ………、ほんとぉ……?」 先程とは変わって、今度はアマノを見下ろす形になりました。 「……うん」 その言葉に少し安心したのか、涙を拭いて頷きます。そして一緒に来ているかもしれないお友達の特徴を言いました。 金髪の少女ヘイズと、白髪の少年シャト。 この二人がアルレシャと特に仲の良いお友達です。 「おじさん、おなまえなぁに? アルはねえ、アルレシャっていうの」 (78) 2022/01/17(Mon) 8:14:29 |
【人】 なんでも屋 アマノ>>78 アルレシャ 「おじさんはアマノってんだ。 人探しは仕事でよくやるからなぁ、任せな」 この城にはいない可能性が大だが0ではない。 出口を探すついでにガキ二人探すくらいは十分できるだろう。 「アルレシャ? あー、長いからアルでいいな。 ちびに報酬ふっかけるほどおじさんも落魄れちゃいねぇがな。 タダで仕事してやる代わりに、友達とママがみつかるまで泣くんじゃねーぞ」 父親がいないのなら、こんなふうに高くに抱き上げられたことはなかったかもしれない。 自分とて、これくらいの子供が居ても…………おかしくはない。 なんだか妙な事になったなぁと思いながら、ぽんぽんと背中を撫でるのだった。 (79) 2022/01/17(Mon) 11:56:32 |
ウミは、お庭に流れている。ふよふよ。 (a12) 2022/01/17(Mon) 12:39:18 |
【人】 こどもの アルレシャ>>79 アマノ 「うん……アル、なかない。アマノもないちゃダメだよ」 お返しにと、アルレシャはアマノの頭を撫でます。 アマノの話は所々アルレシャには難しかったのですが、お友達とお母さんを探してくれるということは理解できました。 「アルねぇ、おそらからさがしてみるの。 アマノはー、こどもがはいっちゃいけないところとか、おねがいねっ」 とはいえ、このお城にそんな場所があるかさえわかりません。恐らく調理場や倉庫が『子供が入ってはいけない所』になるでしょうか。 きっとアルレシャが思い付かない場所だってあるはずです。 (80) 2022/01/17(Mon) 14:00:04 |
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