[ 最初は「問題児なんているわけないじゃんおおげさだなぁ。」
と思っていた。
だが、本当に存在していたのだ。しかも同じ大学の学生とか。
どうやら法学部の教授が、知人であるカフェの店長に
面倒を見て欲しい人物がいる、と送りつけらて来たらしい。
(※又聞きにつき、正確に表現されているとは限りません)
最初はおおげさだなぁと思っていた。(大事なことなので二度)
いざご尊顔を拝見すると──
髪の色はグラデモヒカン、顔中ピアスだらけ等のDQNかと
思いきや何だか穏やかそう、且つ王子様然とした、
小柄な白皙の美青年だった。
取り違えがあったのかと疑った程に肩透かしだった。
しかし奴が来てからというものの……。
同僚も、社員も、やがては客も──
奴の噂を聞かぬ日は無くなるようになる。
──主に、良くない方で。