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人狼物語 三日月国


168 【飛び入り歓迎】Hospital of Delusion ー妄執の病院ー【R-18RP】

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【人】 空虚 タチバナ

― 8月17日 ―


[白を纏った身体は今、彼の腕の中にある。>>89

 彼の返事も待たずに離れ(と言っても数歩程度だ)、
 腰に回したシーツは床まで広がって
 咄嗟に踏ん張ろうとした足先を掬った。
 結果、一瞬だけ全体重を預けることになってしまい、
 あわあわと彼の胸へ飛び込んだ。

 どうやら私の夢が届けた幻ではないらしい。
 再び天才との評価を受けて>>90
 気恥ずかしさを孕んだ表情を隠すように
 額を彼の左胸へと押しつける。]

  そ、そんなの当然でしょ……だって、

[ワンピース大好き。結はワンピースが好き。
 明日≠烽ワたシーツ探しに行こうかな、なんて
 逸る気持ちを抑えつつ顔を上げて、]
(107) 2022/08/17(Wed) 23:07:40

【人】 空虚 タチバナ

[一番とか特別とか、それも間違いではないけれど、
 二番だって普通だって彼のものだから。
 私の全てが、あなただけのモノだから。

 結の手が肩を掴んで隙間を作り、
 彼の視線が広がる白を見下ろす>>90。]

  ……うれしい。

[もっと見て。もっと夢中になって。
 彼が意味をなくした過去が私をもっと貪欲にする。

 「患者むかち」だった私が、
 「ひとりの女の子あなただけのわたし」に生まれ変わっていく。

 結がまた私を抱き寄せた。
 彼の考え>>L11に気づく様子もなく、
 腕の中でうっとりと目を閉じた。]*
(108) 2022/08/17(Wed) 23:10:35

【人】 空虚 タチバナ

 
[その後、互いの「大切な日」を書き記した。
 割れた窓ガラスが散乱していた。

 私にはあと一つしかなくて、最初の紙を選ぶ。
 ベッドはなぜか抉られてスプリングを晒している。



 名づけの意味なんていらない。苗字も不要だ。
 複数人の足音、指示を飛ばす籠った声。

 彼の呼んでくれる響きだけがあればいいから、
 元より成果が得られると思ってなかったのだろう。

 「かれんの誕生日」と綴った。
 「いません」と報告する声は淡々としている。

 
(109) 2022/08/17(Wed) 23:15:08

【人】 空虚 タチバナ

 
[それから彼が描く絵の美しさを知り、
 毎年多くの失踪者がいる中でも有数のスポットだ。

 かと思えば個性豊かな動物たちに笑って。
 隊員たちは慣れた手つきで捜索を勧めている。

 正直、私はすべて動物側の出来だったけれど。
 とある部屋に入った時、一人が口を開いた。



 いつか思い描いた未来>>2:L1より歪だとしても
 どうしてわざわざこんな所に死にに来るんでしょう。

 幸福な日々が、二人の「刻」を彩っていく。
 足元で踏みつけられた薄汚れた紙が音を立てた。
]*
 
(110) 2022/08/17(Wed) 23:15:29

【人】 勢喜 光樹

[己の歪みきった思考や価値観は、>>-221
傍に居てくれるお前の存在によって、
別な視え方へと変わって行くよう。

仕事の都合で、朝帰りになる事もあったし
作ってくれたお弁当だって、>>93
きっと持っていけない日もあっただろう。

そんな日々が続く事があったとしても、
お前は毎日、手料理を作って
この"家"で俺を待ってくれているから。>>99

この"家庭"では、この温かな食事が
冷え切ってしまう事など、決して無く。]
(111) 2022/08/18(Thu) 1:02:37

【人】 勢喜 光樹

["家族"とは────…もしかしたら、


      隆史お前という"存在"、なのかもしれない。]*
(112) 2022/08/18(Thu) 1:03:27

【人】 勢喜 光樹

─記憶─


[居間はいつも散らかっていた。

空になった酒瓶とアルミ缶。
空になった煙草の箱と吸い殻。
空になった弁当箱と、カップ麺の器。
食べ掛けの乾き物と、飲みかけの携帯ゼリー。

台所はいつも汚れていた。

埃の被った炊飯器とオーブントースター。
油に塗れた電子レンジとガスコンロ。
黒ずんだ冷蔵庫と、黴臭い流し台。]
(113) 2022/08/18(Thu) 1:44:19

【人】 勢喜 光樹

[俺に部屋なんてなかった。
寝る場所はいつも、この汚い居間か台所。

両親アイツらにはあった。
穢れたベッドのシーツ上。毎晩、事に及んでいる。

己の存在など無いかのように振舞う日もあれば、
己をゴミを見るような目で視認し、罵る日もあった。]
(114) 2022/08/18(Thu) 1:45:07

【人】 勢喜 光樹

[分からなかった。

何故こんな所に居なければならないのか。
何故両親アイツらは俺を縛るのか。

少しでも反抗しようとすれば
ガムテープで口を塞がれた。

少しでも抵抗しようとすれば
麻紐で身体中を括り付けられた。

少しでも歯向かおうとすれば
結束バンドで手足を絡げられた。

身動きの取れなくなった己は、
この汚い場所で、寝転がされるだけ。]
(115) 2022/08/18(Thu) 1:46:08

【人】 勢喜 光樹

[何かしたい。

そんな欲求すら抱く事を赦されない。

何故、俺は生まれて来た?
何故、俺は生きている?
何故、そんな目で見る?
何故、そうやって貶す?

何故、俺は……………


   何故………………何故………………]
(116) 2022/08/18(Thu) 1:47:47

[だが、そんなのは………

         もう、"どうでも良い事"だ。]

[───"想い"。

お前隆史の色に染まりゆく事を
己は拒みはしない。
寧ろ、其れは悦びとすら感じる。

そして己は、お前隆史をこの鳥籠の中へ
永劫、閉じ込め続けて行く。]


["記憶過去"は、お前現在で埋め尽くされるのだから。*]

【人】 四谷 隆史

[光樹の言葉>>-223を聞いて、
よしやるぞ!とやる気に満ち溢れる己は
光樹を世界の中心として今日も地球は回っている状態であった

今日は魚、じゃあ明日は豚だ。
ちょっと奮発してブランド豚とかでもいいかもしれない
何時か好きの中に、君の特別好き、を見つけたら
そんな未来を想像して緩む口元

君が笑みを零しながら食べる姿を見ると
俺も喜びに胸が満たされるのである]
(117) 2022/08/18(Thu) 7:37:23

【人】 四谷 隆史

[どんなに忙しくても毎日掃除は欠かさず
布団だって週に1回はお外に干して毎日ふかふかにしよう

お弁当や朝食が不要な日があっても
その分次の食事は豪華なものにと張り切って

あなたにとって家が、いつでもあたたかでありますように
あなたにとって、この場所が「帰って」きたくなるような
そんな場所になれるように

ただいまと、声がしたら
待っていた俺がお帰り、と返せるように

君の中を俺で満たし、俺の中は君で満たされる>>*27
それはとても

         幸福、なこと!!*]
(118) 2022/08/18(Thu) 7:42:22

【人】 千早 結

   

 ──うつつの世──

   
 
  かれん、もういいよ、目を開けて
   
   
[壁にかけられたカレンダーの日付は、
0年12月24日を示している。

この夏の出会いを始まりとしてきみと創り上げた羅針盤カレンダーは、どこかの世界の西暦を捨てぼくたちの紀元を記していた。

今日はぼくの誕生日だ。

昨夜から二人で仕込んだ手料理が並ぶテーブルには、調理場から借りてきたパスタ鍋がワインクーラーの顔をしてステンレスぶりを発揮している。もちろんここにはアルコールはない。シャンパンに見立てた炭酸ジュースのペットボトルが誇らしげに氷の中で揺れている(ラベルは剥がした)]
   
   
(119) 2022/08/18(Thu) 9:57:15

【置】 千早 結



   
[開け放った窓の外からあたたかな日差しが差し込んでいる。
遠くから聞こえるひぐらしの声や、
子供たちの笑い声、
懐かしい曲を綴る歌声も。

雲ひとつない突き抜けるような真っ青な空には、透き通った白い三日月が浮かんでいる。

ぼくたちの暦の上では冬なのだけれど、
季節は目を離すと春にも冬にも変化したりもしただろうか。
それすら楽しんだりして]
   
(L12) 2022/08/18(Thu) 10:05:40
公開: 2022/08/18(Thu) 10:00:00

【人】 千早 結

   


  長くなっちゃったね、
  ずっと立っていて辛くなかった?
   
   
[ドレッサーに簡易裁縫セットを置き仮縫の糸を引き抜き布音を鳴らす。至近で鋏や針を使うときみを怖がらせてしまいそうな気がして、支度を終えるまではと目を瞑ってもらっていた。

リネンにドレープを施し君の体に合うよう巻き付け留縫を終えた白いドレスは、きみの白肌をより輝かせているようだ。この時ばかりは胸の虚ろも照れて隠れてしまっただろうか。

括らずに三つ編みをしてからゆるくピンでまとめたアップの黒髪には、レースのカーテン生地で作ったコサージュを飾った。

完全に自分好みの「形」を押しつけてしまってはいないだろうか。目を開けたきみの反応を待つ。すこしどきまぎとしている]
   
(120) 2022/08/18(Thu) 10:15:57

【置】 千早 結

   

[僕はといえば購買で手に入れた白いシャツと、
皺の寄らなくなった黒いスラックスという
傍目にみればウエイターのような姿なのだけれど]



  ・・・どうかな、いや、ごめん、
  先に言っちゃう。ものすごくきれいだ
   
   
[やっぱり堪えきれなくなって、
ぼくはふにゃりと破顔してしまった]*
   
   
(L13) 2022/08/18(Thu) 10:18:38
公開: 2022/08/18(Thu) 10:20:00

【人】 空虚 タチバナ



[一日一日を指折り数えるようになった。]

 
(121) 2022/08/18(Thu) 21:11:42

【人】 空虚 タチバナ

[「おはよう」と挨拶を交わし、朝が来る。
 結がふたつのカップに飲み物を入れてくれる。
 最初は三つだった選択肢も、
 備えつけだけでなく、購買の物がいくつか増えた。

 コーヒーのことが多かったけれど、
 空が暗く暑い夏は冷たいオレンジジュースにしたり、
 入道雲の広がる乾いた秋は紅茶を選んでみたり、
 眠れない長い夜の後にはホットミルクを準備したり、
 眠らない夜を求めた日はただの水を交わしたり。

 最初の頃はずっと同じ物を望んだけれど、
 味に鈍い私でも炭酸が楽しめると分かってからは、
 ごく稀にこちらから誘うこともあった。

 別々になんてしませんとも。やです。
 だって彼の感じたことのすべてが欲しいんだもの。

 だからと言って彼に無理強いすることはしない。
 一方が支配するのではなく、互いが望むまま、
 話し合うことができるのだから>>87。]
(122) 2022/08/18(Thu) 21:12:07

【人】 空虚 タチバナ


[それから先のことは決まっていない。]
 
(123) 2022/08/18(Thu) 21:12:21

【置】 空虚 タチバナ

 
[締め切った窓の外で雪が降っている。
 遠くから聞こえるうぐいすの声、
 子どもたちの笑い声、
 聞き馴染んだ曲を奏でる歌声も。

 重い雲の隙間からは柔らかな陽光が降り注ぎ、
 霞んだ星空を覗かせていた。

 季節が混じって歪んで、時間が戻って捩じられて。
 私たちの願いが二人の世界を描いていく。]
 
(L14) 2022/08/18(Thu) 21:14:13
公開: 2022/08/18(Thu) 21:15:00

【人】 空虚 タチバナ

[夜は、二人で日記を書いた。>>-231

 色素の薄い彼の髪色に似た色の表紙。
 これまでなかったはずだが、
 待ち構えたように購買へ現れたものだ。

 カレンダーの枠には入らないことに早々に気づき、
 探しに出かけた時のことだ。
 そのせいで彼が書き込むことがない限り、
 カレンダーには二つの特別な日だけが残っている。]
(124) 2022/08/18(Thu) 21:14:36

【人】 空虚 タチバナ

[日記を書き終われば、暖房をつけて一緒に眠った。

 睡眠が必要なのは彼だけだったけれど、
 冷たくて、寝返りの邪魔もしてしまうけれど、
 それでも私は彼の傍を離れない。

 彼の寝息と一緒に心音を確かめるのが好きだった。
 時折解け、また抱きしめてくれる腕が欲しかった。
 眠らない情熱的な夜も、眠る静かな夜も、
 彼のすべてが私に与えられる幸福を享受した。

 実際そうなのか私が抱く夢なのか分からないけれど、
 彼の鼓動は日に日に弱くなっていくようだった。
 時折私の肌へ彼の体温が移るような気もした。]
(125) 2022/08/18(Thu) 21:15:13

【人】 空虚 タチバナ

 
[まるで――まるで、
 ひとつの心臓いのちを共有するように。]
 
(126) 2022/08/18(Thu) 21:15:47

【人】 空虚 タチバナ

 
[少しずつ、私の死が彼にのしかかっていく。
 代わりに彼の抱えた病は鳴りを潜めていたはずだ。
 現世から解放された時間は正しいものではないし、
 私以外が彼を蝕むのを許すはずがないからだ。

 具合が悪そうな様子はないはずだから、
 彼の身体が弱っているという訳ではないと思う。
 本当は私も眠ってしまい、夢を見ているだけかも。]
 
(127) 2022/08/18(Thu) 21:16:19

【人】 空虚 タチバナ



[遠ざかる心音と共に一日一日を数えている。]*

 
(128) 2022/08/18(Thu) 21:17:56

【人】 空虚 タチバナ

― 0年12月24日 ―


[彼の声>>119に促されて目を開くと、
 見慣れた背景といつもの彼がいた。]

  ん、大丈夫。ありがと。

[相変わらず彼は私を生者と同じように扱う。
 彼と二人過ごすようになって半年近くが経ち、
 戸惑うよりも受け入れることが日常になった。

 視線を滑らせると、日常と違う箇所が目に入る。]
(129) 2022/08/18(Thu) 21:18:15

【人】 空虚 タチバナ

[手先の器用な彼は料理も上手にできるようだった。
 あるいは、半年間の成果かもしれない。
 味見のできない私は彼の隣でお手伝いをする。
 彼ほどではないけれど、多少は成長したと思う。

 その結果の料理が皿に乗り、湯気を立てている。
 ワインクーラー代わりのパスタ鍋は少々大きく、
 ラベルを剥がしたペットボトルの白い頭だけが覗き、
 プラスチックの身体を悠々と氷の海に
 半分浸していることが容易に想像ついた。]

  ……今日、結の誕生日だよ?

[何よりも違うのは私自身だろう。
 景色からもっと近い場所へ視線を戻すと、
 主役より着飾った自分の姿が見えた。

 普段パジャマの袖で隠れている白い腕は露わに。
 反対に胸元は彼が与えた白で覆われている。
 腕を持ち上げて頭を触れば、
 三つ編みの凹凸が指の腹を擽った。]
(130) 2022/08/18(Thu) 21:19:27
 




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