54 【半再演RP】異世界温泉物語【R18】
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もう慣れすぎた躰からは、彼の逸物が抜かれることが淋しくて、出ていく瞬間にきゅっと無意識に締め付けてしまう。
そうしたらなおさら喪失感に苛まれてしまって、彼と繋がっている方が自然になってしまった躰に怖くなってしまった]
んぅ……っ なに?
[後ろから抱きしめられて噛み跡を舐められてしまっては、くすぐったくて体をよじる。
クリスマスにもらったプレゼントで、つけられた傷を隠せと言われ頭が痛くなる。
ぶつぶつ文句を言おうとすれば、懐柔するかのように抱きしめられて、それで何も言えなくなる自分は彼を甘やかしすぎていると思うが。
いい加減服を着ないと、と服をどうしようかと考えていたら、室内の電話が鳴り出した。
電話に近かった夜長が出て応対しているのを傍らで聞いていれば、食事の事についてだったようで。
その間に室内を見渡し、先ほどと微妙に位置が違う布団と、そして新しい就寝用の二人分の浴衣がきちんと畳んでおかれているのに気づいた。
―――絶対仲居さんに色々ばれてる……っ気づかれているっ!!と顔を覆って呻いたが後の祭りで。
そういえばお腹が空いたな、とセッティングされている食事に目を奪われていたら、こちらに注意しろとでもいわんばかりの夜長に先ほどから放置されてばかりの胸の粒をいじられて、ひうっと高い声を上げてしまった。
こら!と目で叱ろうとすれば、押し付けられた何か。いや、ナニか。
それの正体に気づき、ぎょっとしてから青ざめる。
え、ちょっと待って、と顔が引きつらせてしまったのは、当たり前だっただろう。
電話機を置いた彼から、温かな料理とマッチが廊下に置いてもらうことを聞き出すと、慌てて替えの浴衣に袖を通し料理を中に運び、旅行のだいご味の二人きりの食事を楽しもうか]
ほら、夜長……あーん。
[彼の口元に、茶わん蒸しを掬った匙を寄せている。つやつやした銀杏の鶯色が美しい。
自分で自分の料理を食べればいいのだが、彼が膝の上に自分を置いて離さないのだから、こんな食べ方になってしまう。
自分は彼に食べさせているが、彼は自分に食べさせてくれる。
食事の合間に、口づけを交わすのか、口づけの合間に食事をするのかわからない。
揚げ物も膾もおつゆも、何もかもが美味しくて、なのに食べきれそうにもない。
それは量が多いというより―――確かに量自体も多いのだが、そうではなくて]
夜長ぁ………っ もうお腹、いっぱい……だからぁ……♡
こっちの方にも、ちょーらぃ……っ
[ずっぽりと夜長の屹立を菊門に咥えこみ、躰をよじり腰を自ら揺らしておねだりをする。
震える手で皿を置き、我慢しきれなくなって彼の首元に縋りついて、彼の膝の上に足をついて、自ら上下に動きだした。
びしゃびしゃになった雄の先端部からはまたいやらしい液がにじんで、彼の腹を汚すだろうか。
理性を飛ばして本能だけの雌になって。
確かにそれは彼によって蕩かされた後では珍しくないことではあるが、あれは異常だったと思い返して羞恥にどんよりとするのは、帰ってからのこと。
旅の恥は搔き捨てというけれど、同行者は掻き捨ててくれないことを痛感してからであった*]
[恥じらうならやらなければいいのに。
なんて浮かんだ意地悪な言葉は飲み込んでおく。
驚いただけで嫌だったわけでもない。
彼女と目を合わせた女性の気持ちを
少しだけ垣間見た気分にはなったが。]
……普段の服装のせいもあるかもしれないな。
きみにとってはただの制服のようなものかもしれないが。
[本当にそう考えていたのかそれを言い訳にしていたのか
自分でも今となってはもうよくわからない。
けれどわたしが触れなければ清らかななままだったきみの体を
すこし男に慣れさせる行為に背徳を感じていたのは事実だ。
それに後ろめたさを覚えるどころかむしろ
……その先は黙っておこう。]
……いいや?
例え道理や神の教えに背こうとも今日は
もう止める気はないな。
きみもいい加減、それを求めてくれているだろう?
[断定に近い問いかけの返事は
求められる口付けで事足りる。
粘膜で触れる口付けのやり方も
口づけの合間の息継ぎの仕方も
口の中で感じる感覚すら
わたしで覚えたんだよなぁと思えば
「純潔を散らす」なんて表現は今更な気もした。
誘うような甘い声の音も
快楽に蕩ける瞳の色も
神聖な清らかさには程遠い。
子供たちの輪の中で、
太陽の光を浴びて微笑む無垢な少女に
わるいことを、おしえているような
背徳感だけは何時までも付き纏って
……躊躇いよりも、仄暗い興奮を覚えるなんて。
きみには言えるはずもない。]
[肥ったという意味でなく。
肉付きが良くなったと感じるのは欲目だろうか。
最初に此処に挟ませた時よりも柔らかく感じる腿を
確かめるつもりで執拗に撫で回していたら
随分と紳士的な問い掛けが投げられた。
そうだね、無遠慮に撫で回す前にそれは必要な言葉だった。
女性の肉体を持ったイケメンを地で行く彼女に
ちょっと感動すると同時
変にときめきそうになる心臓を宥める]
ああ、もちろん。
触れてくれ、どこへなりと。
[安心できる場所を探るみたいな
随分と幼けないく感じる触れ方に
わざわざ前置きをして一体どこに触れてくれる気か
少し期待した自分の浅ましさがぐさりと刺さるが
無視して触れる手のひらに上から手のひらを重ねた]
なんだか、恥ずかしいね。
伝わるだろう。
……こうふんしているのが。わかるかい?
[少し早い鼓動の振動が彼女の手のひら越しに
自分でも感じ取れる気がする。
その理由を教えるように潜めた声で囁いて
まるできみがそれを確認しようとしたかのように
言い聞かせて、すりかえる。
すっかりはだけはじめた袷を広げるように
彼女の同じ場所に手のひらで触れれば
柔らかな肉に無骨な指が僅かに沈む。
きみの心音も少し早い気がするのは、
興奮よりは緊張だろうか。
何時もなら落ち着くまで呑気に待ってしまうけれど
今日は構わず滑らせた手のひらが
柔らかな膨らみをすっぽりと包み込んだ。]
[どこにどう触れればきみが反応するか
もうすっかり覚えてしまった掌に迷いはなく
焦らしもせずにきみの息を乱すことばかり考えて
息苦しさに喘ぐ吐息を貪るみたいに何度も唇で塞ぐ。
肌が掌に吸い付くような気がするのは
手のひらが汗ばんでいるせいかあるいは君の肌のせいか。
あるいは体中に降らせた口づけのせいかもしれない。
心地よくて何時までも触っていたいが
今日は朝までそうしているわけにも行かない。
帯を解いていないせいで引っかかったまま
乱れきった濃い色の浴衣が
ぼんやりとした明かりの下白い肌を浮き上がらせて
ひどくいやらしい装いに見えおかしな高揚感を得る。
脚を広かせたせいで晒された下着の布地だけが
彼女の肌を隠す最後の一枚みたいに張り付いているのは
その上から隠れた場所を随分としつこく虐めたせいだろう。
臀部と脚の境目の感触を楽しんでいた指先が
肌と薄い布地の間に滑り込んで
軽く引っ張るようにして喰い込ませた
完全に楽しんでいる顔をして目を細める笑顔は
「王子様」には程遠い、わるい顔をしていた]
ぬがせて、いいね?
[いいか、問うのではなく、いいと言えと
命じるような強引さで尋ねて、返事を乞う。
YES以外有り得ないところまで許されて
何をいまさらと自分でも思わないでもないが
聞きたい欲求に素直に従った。
貞操帯でもなんでもない、薄っぺらな布だ。
軽く引っ張っただけで無防備に隠れた場所を晒すし
ずらしてしまえば指以上の侵入も容易く許す。
なんならこの下に隠された肌に触れるのだって
べつに初めてのことではないし。
今だって薄布越しに柔らかな肉の割れ目に
無骨な指を浅く押し込んでは
執拗に可愛がってやった後だというのに、本当に今更だ。
けれど、今日はもう、途中ではやめないと告げたから。
この先を、きみにも、求められたくて。*]
| 寝かしつけてんですよ。 子守唄も唄ってやろうか。 [Yes/Noを聞かないまま、 >>134 うんと小さいときにだけ唄っていた子守唄を口遊む。 まだ変声期前のボーイソプラノは、 もうすっかり大人の声になってしまったけれど。] なあに。 [なんでもない、と言った妹が、そっと指を握るのに眦が下がる。 幼い頃からの癖だ。 たまらなく、愛おしい気持ちになる。 そうして規則正しい寝息を零す寝顔を見つめていれば、 程なくして、徹夜明けの限界が来る。 無声のおやすみ、だけが、静かな空間に滲んでいった] (138) 2021/01/12(Tue) 0:14:46 |
| ―奇跡からの”おはよう”―
[瞼に刺さる光で目を覚ます。 数度の瞬きの後、輪郭を取り戻した視界には、 作業途中で保存されたDTMソフトの画面が映っていた。
ゆめ、と声もなく呟いて、眉間の皺を解すように指を当てる。 随分リアルな”夢”だった。 ともあれ、現実でもちょうど シャワーを浴びようと思っていたところだったし、と 立ち上がって、ふと足が真下にあったビニール袋を蹴る。]
……これ、
[蹴っ飛ばしてしまったそれからは、 ――ちょうどはんぶんこ、された土産物が転がり落ちて。 せんべいを踏み割ってしまわないように、丁寧に拾った。 行きが突然なら、きっと帰りも突然だ。] (139) 2021/01/12(Tue) 0:14:57 |
| [時計を見る。 鼻先を擽った温泉の香りを鑑みるに、 今更シャワーを浴び直す必要もないだろう。
きっともうすぐ、電話が鳴るだろうな、と。 予測したのと、着信音が響いたのと、どちらが先だったか。
その時は、]
おはよう、真里花、いい夢見ましたか。
[太陽の位置なんてそっくり無視して、 そんな言葉から始めようか*] (140) 2021/01/12(Tue) 0:15:04 |
ん?マゾヒストなのかなって
[何と問いかけられたら敢えてしれっとそう答えた。
何をされても喜ぶ身体なのだと言えないのだと答えられないと気づかずにくすぐったいと身を捩る彼の首筋を丹寧に舐めよう。暫くは痕が残りそうだとほくそ笑んだのち、掛かってきた電話に出た。傍らには彼をおいたまま、どうやら彼の方も色々ばれている事に気づいたようだが、後の祭りだしここから先は開き直ってもいいのではないか。と此方は考えていた。
少し前から開き直っていないか。と指摘されればその通りだ。と頷くが電話で食事について話し合いながら彼の胸粒に触れれば、抗議の視線が此方にと向かう。今度テレホンセックスだったか。それを試すのもいいかもしれない。もっとも直に触れるのが一番だが。
顔を青ざめさせた姿に、んと首傾げ。
熱は冷めず、それを彼に押し付けたものの
其れに怯える姿は見えても、気にしなかったのは確信犯]
[浴衣に着替え、二人っきりの食事を楽しむ時間は良いものだ。
彼を離したくないと膝の上にのせたままを許されているのも、含めて幸せな時間を過ごしている。その上、彼は此方へと匙を向け、食べさせようとしてくれるのもまた嬉しかった。口を開きて]
……ああ、ん
鬼走も、ほらあーん。
[美味しいな。と銀杏を噛み。
彼の方にも、と茶碗蒸しを掬い、唇にと寄せた。そして、彼がそれを口に含めば口づけを交わし、甘く笑っただろう。鍋の火によって更に室内は暖められている。けれどそれだけではない、熱がこもっていた。先ほどの怯えが嘘のように彼は発情している。嗚呼、可愛くて堪らない。ふにゃふにゃになった身体を抱き寄せて、瞳を覗き見る。
まだ料理は残っているのに]
…はっ、
[彼のオネダリに声が笑う。
菊門に雄を咥え込み、腰を振る姿は発情をもはや隠していない。我慢できずに上下へと動き出す彼の臀部を撫でれば、軽く一叩きしてはしたなさを窘めよう。もっとも彼の中で熱持つ逸物が興奮を伝えるから、それはただのエッセンスだと彼も気づくだろう。]
お残しなんていけないな。
[理性を飛ばし、本能だけになった雌を舐るように
軽く腰を支えて、彼のいやらしい腰振りを楽しもう。焦らすように動かず、ほらと口を開けさせて彼の唇の中に残った天ぷらを入れれば、そのまま箸先で彼の胸粒を摘みあげよう。此処の実も美味しそうだと囁き。彼がそれに鳴いたら奥を押すように、腰を動かし。びちゃびちゃに濡れた腹で逸物を押して]
…おもらししすぎだろ?
――エッチなお汁ばかり出して
大きな
クリトリスだな。
[箸を置けば、熱源を掴み。
そう告げてそのまま机の横に彼を押し倒そう。上で舞う彼を見るのも好きだが、こうして向かい合い、抱き合うのも好きだ。それにこれなら彼を沢山啼かせることができ、啼いている顔が見れる。髪を掻きあげさせ、腰を振れば、すっかり雌穴になった其処の良いところを突いてついて。
羞恥すら忘れた彼の身体を存分に味わった。
仲居さんが片付けにくる頃には
彼は布団の中、息も絶え絶えで気を失いかけていたかもしれない
―――片付けが終わった後、水を飲ませ
浴衣を取っ払い、また耽けて]
全部食べるだろ
…抱きつぶすから、覚悟しろな?
[好きだろ。と甘く囁く声は
啼く声に届いたかどうか。濃厚な温泉宿での一晩は、忘れられない一生の思い出となった。帰宅後、どんよりとした彼の身体をマッサージしたり、抱きしめたりとかいがいしくも世話を焼く顔は生き生きとしていて、温泉の効果を彼に見せつけただろうか。]
[特別に想う相手に注ぐのは、格別だった。
余韻に浸る間にも
しっかりと味を確かめながら
精を飲み下していく様子が目に入り、
吐息がさらに甘
く溶ける。]
はぁ…… やはり、
お前が良い。
お前でなければ駄目だ。
[愛
おしむように頭を撫で
もう片方の手で、耳の輪郭を辿りながら
告げた。
染み入るような声で。]
[たしかに、セーマには
余に心酔し切っている者たちも居る。
だが、彼らは理想を重ねているだけで
その枠組から外れた瞬間、
裏切られたと言って
狂ったように批判し食って掛かってくる。
歯止めが効かぬ分、厄介だ。
だから、
重要な仕事は任せぬし
余の傍に侍らせたりもしない。
欲の為に働く者は、
適切な報酬や恩恵を与えることで
WinーWinの関係を築ける。
余に味方した方が利の大きい現状では
叛逆を考える者もおらぬが、
それも、利あっての話。
血の効能が尽きれば、
簡単に崩れてしまうものだ。]
[”疎まれている者、
不当な扱いを受けている者たちの
安住の地を作り上げよう”
掲げた理念。
何より欲していたのは自分だ。
だが、組織が軌道に乗り
腰を落ち着けられる土地が出来たというのに
一向に心は休まらなかった。]
[そんな折だ。
ふたりを見出したのは。
互いに寄り添い、
支え合って
必死に生きる子どもたち。
他人はおろか
血の繋がりすら信じられぬ自分には
不思議で、奇異で、実に興味深い生き物だった。
特に、兄。
身勝手な輩の唱える基準
”正義”などというものに合わせ
妹のために、と
生まれ持った資質を殺して生きていた。]
[彼を雁字搦めにしている”常識”から
解き放ってやったら
どんな姿を魅せてくれるだろう。
素晴らしい能力を花開かせ
今とは違う生き方を謳歌するだろうか?
それとも────?
見たかった。知りたかった。
だから、策を講じ
スグテガデール星人を嗾けて
彼らを蔑ろにした大人ごと星を始末させ
その渦中、
助けるフリをして
ふたりを手元に連れ帰った。]
貴公らは自由だ。
此処で好きなように生きれば良い。
[衣食住を与え、
余の庇護を公言の元、
セーマの同志たちとも交流させた。
彼を縛りつける正義も無ければ
蔑ろにする者も居ない。
抑圧し続けていた頑な心を解きほぐし
本来の自分へ戻すには、
絶好の環境だ。
蛹が蝶へ羽化するように
ジャックも華麗な変貌を遂げるだろうと予想して
今か今かと愉しみに待っていた。]
[だが、予想は外れた。
彼は何よりも
”妹”のことを優先し、
此処を離れることを選んだ。]
[これが、余の
執着
に火を点けた。
絆などというものは
幻想の産物だと思っていたが
ふたりの間には、どうやらあるらしい。
今、思えば……妬ましかったのだ。]
さっさと服を脱ぎ、全裸で四つ這いになれ。
どうした、
やりたくなければ、構わぬぞ?
妹に替わりをさせるだけだ。
[こんな風に、彼女を盾に脅せば
どんなことにも耐えたし、
何でもやった。
妹への揺るぎない想いを
見せ付けられる度に
欲しい、と
何が何でも手に入れたい、と
ジャックの全てを望むようになり。]
[余のものにしようと
躍起になって調教を繰り返すうちに
己の方が、ジャックに溺れ切ってしまった。
寝ても覚めても、
貪
って……
これが、
セーマが地球に攻め込まなくなった
期間の真相だとは
銀河警察も知らぬ事実。]
[だから、
何故?の問いに
答える必要を感じぬほど、
周知の事実だと思い込んでいた。
傍に置いておきたいと望むのは
後にも先にも
ジャック、お前ひとりきりだ、などということは。
]
[反対の足まで
ぐじぐじと湿った感触に
なってしまっていることに気づいても
愛
い奴だと思ってしまうことが止められない。]
また達ったのか?
本当に淫乱な犬だな、お前は。
どうせ、口だけでは物足りないんだろう?
奥までずっぷりくれてやるから、
壁に手をついて
尻穴がよく見えるように高く掲げろ。
[半勃ち状態になっていた男根も
あまりの可愛さに
急速に勢いを取り戻し、
早く突き立てさせろと喚く凶刀へと変化する。
欲に掠れた声で命じると
淫靡な色の宿った瞳で舐めるように見下ろした。]*
[花は甘い蜜を湛えて蝶を誘う。
鳥は美しい声で鳴いて番いを求める。
そのどちらも持ってはおらず
求め方さえも知らなかった僕は、
君に何もかもを教えてもらった。
君を言葉で悪戯に煽るような真似をしながら
ただただ恥ずかしさを覚えるばかりで
虚勢を張るのに必死だった僕はもう居ない。
君がそうさせた。君が、僕を変えた。]
……うん。そうみたい、だね……?
[君の鼓動が普段より少し早いと感じられるのは
君が頻繁に抱きしめてくれて、
通常の速度を知っているからだ。
もっとこうふんして、と皆までは言わないが
誘導されるまでもなく
君の気持ちを知りたくて手を伸ばしたのだと、
指先で円を描いて鼓動に唇を寄せる。]
[自分がしたのと同様に胸元へと触れられれば
それだけで心臓がどきりと跳ねた。
恥ずかしさより今は触れていて欲しさが勝って、
手のひらをそっと君の手に重ねた。
君の手や唇は驚くほど正確に迷いなく
僕が強く反応する箇所を撫でて触れてくる。
決して偶然ではなく憶えてくれているのだと
気恥ずかしい喜びを感じてしまう心とは裏腹に、
執拗に与えられる快楽に呼吸は苦しくなって
零れる熱い吐息もうわ言のように君を呼ぶ甘い声も
ぜんぶ君の唇に攫われていく。
心地良さと焦れったさに潤む蕩けた瞳で見上げれば
楽しそうな、悪い男の顔で微笑む君がいた。
──ずっと前にも、
同じような色を宿して笑う
楽しげな笑顔を見た覚えがある。
君があまりにも僕に甘くて優しいものだから
あれは僕の見間違いだったのじゃないかと
ずっと思っていたけれど、
やっぱり見間違いではなかったらしい。]
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