【人】 野性のファイター ファルーサ騒がしい煉獄のタウンを通り抜け、ひとけ少ない路地裏に来た。 俺がよく通る地域のひとつで、 喧嘩上等のならず者がよくうろついている。 その道端で、ひとりのガキが泣いていた。 "…………うええん……ひっぐ……ひっぐ…………" あれはおそらく煉獄に来たばかりの子供だろう。 親も兄弟もいない状況に寂しくて泣く奴がたまにいるのだ。 こういうのは狩る対象にもならねえ。 無視して立ち去ろうとしたけど、 ───どうしてか、世話焼きな天使のことが脳裏をよぎった。 あれは神の力を借りて見通す。 煉獄の住人たちの人生を。 このガキの人生を見た時、 いま涙にまみれているガキの目を通して、 俺の姿も映るんだろうか。 (74) Oarsman 2021/09/18(Sat) 19:16:05 |
【人】 野性のファイター ファルーサ 「……ちっ。おいガキ。おまえ迷子か?」 ガラじゃねえけど話しかけてみる。 "………………うわあああああ──────ん!" うわっ、こいつ身体ちっせーのに こんな大声どこから出してんだ!? 至近距離だったから思わずびっくりしてしまった。 「あ〜〜〜うるせえガキだなぁ! コワモテで悪かったな!! 人がせっかく聞いてやってんのによ!!!」 逆ギレである。ガキにも負けない大声である。 とっとと余所行けや!とガキを抱きかかえるようにして 動物の友を呼び大地を駆けて、神殿に放り込んだ。 ふん。やっぱりガキはクソだ。 天使よ、あとでこいつの人生見た時に 俺が親切を働いたことを知って驚くがいい。 その頃にはもう俺は煉獄にいないかもしれねえけど。[〆] (75) Oarsman 2021/09/18(Sat) 19:16:43 |
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