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人狼物語 三日月国


124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】

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ーー回想:お祭りーー
[昔々の話。私が灯守りとなってそれなりの年月が経った頃。
街へ視察へ出ていた時に、女性の悲鳴が聞こえた。
現場へ向かうと、どうやらスリに合ったらしい。
幸い、犯人は捕まり、盗ったものは返却済みではあったが、犯人は反省するふりすら見せなかった。
それどころか、盗られる奴が悪いと吐かした。

その態度に、さすがの私も怒った。
普段は自分の灯りの器にしている氷を溶かさないようにしたり、食材の鮮度を保たせたり、大切なものを保管するために使っている能力を、初めて人へと使ったの。
男衆たちに頼み、適当な空き家の、何もない部屋に放り込ませた。


 そこで一人、反省なさいな。
 反省したら出してあげるわ。


時間の流れさえ干渉しない、何もない空間。
そこへ閉じ込め、周囲に食事も水も不要。近付くな。と命じると、そのまま領域へと帰った。

次の日ーー私達の時間では1日だけれど、スリの時間ではどのぐらいの時間かしらね。
扉を開けてみると、憔悴したスリが地に頭を付け、泣きながら許しを請うてきた。

そんな出来事があったわけだけど、それが子供への叱り文句になっていると知った時は遠い目をした
あまり怖がらせるつもりはなかったのだけれど、どうやら見た目と立場が相まって、叱るときの“怖い存在”として使われるようになったらしい。
しかもまさか、親から子へと受け継がれてるとは。
……子を育てる親の助けになっていると考えると、まあいいのかしら?]

 

 
[ぽかんとしていることには気付いたけれど
そのことには指摘をせず、微笑んでおきましょう。
何故呆けられたのか。まさか叱り文句のせいだとは知らず

幸い、従兄の方が声をかけて我に返っていたので、こちらから何か言うことはなかったわ。

あれでもない、これでもないと従兄に投げつけていく様を見て、困らせてしまったかしらと思っていると、差し出されたのはりんご飴。]


 好きな色を私に?


[2つあるから、差し出されたのは
小雪域でよく育てられている、爽やかな色の青りんごの飴。
お礼を述べて受け取ると、そのまま口の中へ。]


 美味しい。


[好きだというその色を、迷いもせずに渡してくれた。
そのこともあってか、今まで食べたりんご飴の中で一番美味しい気がした。]
 

 
[彼女が質問をしてくるのならば、答えて言ったでしょう。
ただ、1つだけ。即座に答えることができなかった。]


 …………。


[
素直な子供からの質問だからこそ、来るかもしれなかったのに。
あまりにも不意討ちすぎた。
何の答えも用意していないから、答えに窮してしまった。
今更ここに来て、兄の話が出てくるとは、思っていなかった。
]
 

 

 代替わりの理由に関しては……そう、ね。
 …………灯守りの仕事に関して、は、


[
それが仕事だと割り切っていた。
好きか嫌いかではなく、“やらなければならないこと”思っていたから。
この仕事が好きかと言われると、わからない。
]
 

 

 …………やりがいは、とてもある仕事、よ。



[求められた解答から、少し外れた答え。
聡い子供なら、答えまでに時間がかかったこと、微妙に解答からズレていることから、“好きではない”ことを悟る事ができたかもしれないけれど。
この時の私にはそこまで頭は回らなくて。


だから、私は誤魔化すためにとっさに質問を返した。]
 



 貴方は、私の蛍になりたいと思う?
 家の仕来りに従って、蛍になりたい?
 
 
[殆ど答えを言ったことに気づかない。]

 

 
[これ以上、これ関係の質問が来たらなんと答えよう。
と必死に考えていたが、先に終わりがきたようだ。]


 ええ、またね。


[手を振る子に振り返して、その姿が見えなくなるのを確認すると、ほっと安堵の息を吐いた。
もらった飴を口の中に頬張るが、味はわからなかった。*]
 

[とは言え、きっと村雨と顔を合わせたら。
 死に目には立ち会わせてほしいと冗談めかしながらでも告げてしまうし、そうなったら逃げるだの何だの、過去の話が出てくるだろうか
 いつぞや、今の雨水には想像もつかないだろう様子で、つんとそっけなくあたっていたこととか。
 逃げ出しては捕まって、やめろときゃんきゃん騒いだこととか。
 一時期はきっと名物と化していただろう、青い戯れ。
 ああ、だけど。

 人と関わる楽しさと温もりは、彼に教わったのかもしれない。
]

―― 月夜・金色の領域にて ――


[ 先代の頃とは少々趣の違う金色の領域を冬至の彼女はどう思ったか。それを私は知らないけれど。
 
 月の光を頼りに、彼女が田の中に分け入っていくのを唯見ていた。
 ……彼女の様子が何処かおかしい、と気付くのに時間は掛からなかった。 ]


  …………え……


[ どう見ても“米”を収穫する動きではなかった彼女の行動。
 理由に気付いたのは、彼女の言葉を聞いて初めて、だった。
 私は出身も処暑域であり、常に田園風景が側にあった。
 しかし冬至域の彼女は違う。
 “知らない”のだと、その考えは頭になく、目を瞬かせ、
 それから、頭の中で手を打った。 ]

[ それでも私はまだ、何もせずに彼女を“観察”していた。
 けれど彼女が頭を下げるから、私もようやく腰を上げた。

 ……さて。ここは処暑の領域である。
 領域内のものは私が操作出来るため、稲を米に変えるのは大した労力は要らないのだけれど。
 気紛れに、鎌を使った正しい収穫の仕方を教えた。
 籾から白米にする部分はショートカットしたけれど、ぽつぽつと正当のやり方を教えながら。 ]

[ そこまで来れば、後は冬至の彼女がやってくれた。
 丁寧な米炊きというのも、おむすびを握るというのも、そちらの工程も面倒な事だと思うが、私は見ているだけだった。 ]


  …………………


[ 好きな具、を問われ、答える事が出来なかった。
 特に強い好みはなかったし、そもそも当時は選り好みする程、食材がなかった。
 口に入れても大丈夫だという判断をするのに、随分労力を掛けていたから。

 ……と、いうのと、彼女のおむすびを食べられるかどうかは、まだ悩んでいたから。

 彼女は特に気にせず、だったか、そのまま話を続けて、出来上がったのは、彼女の手の中で出来上がった三角形のおむすび。
 もう朝だという彼女の言葉に、そういえば、と空腹を覚える。 ]

 
[ 空腹の魔法か、それとも、領域の米があまりにも美味しそうに出来上がっていたからか、或いは――彼女の功績か。
 私はそれを食べることが出来たし、人の作ったものに対して、美味しい、と安堵を覚えた。
 隣で頬張る彼女をじっと見つめて。
 彼女の温かい言葉に、微かに笑んだ。
 涼しい初秋の暁のひと時。深く、印象に残っている。 ]
 

―― 続・金色の領域にて ――



  ………………


[ その数日後、また冬至の彼女が訪ねてきた。
 彼女の予想外の行動に、私は内心只管に困惑していた。
 その日は夜に眠っていたため、その時間に頭がはっきりしていたけれど、故に余計に彼女の行動の意味が受け取れなかったのかもしれない。 ]


  ……………そうですか
  ……好きにしてください


[ 結局、長い沈黙の後に数日前と同じ言葉を告げて、私は冬至の彼女を見守ることにした。
 彼女は苗から育てようとしただろうか? それならば、何も生えていない場所を用意した。
 ……領域が常に一面の金色ということは、刈り取ってもいつの間にかまた金の稲として存在しているということなのだが、それは彼女には言わなかった。
 彼女がそれを知ってなお、そうすることを選んだのかどうか、というのは分からないが。

 冬至の彼女。会合にも端末で参加するぐらい、滅多に姿を現さない。
 ……その彼女の姿を連日見ることになったのは、非常に不思議な気分を覚えた。
 けれど……領域に独りでいる時間が減ったことは、私の心を癒していったのだと思う。 ]

[ それはとある稲刈りの光景を眺めていた時の事だ。
 私は時折手を出すぐらいで、冬至の彼女を見守っていることが常だったのだけれど。
 意気揚々と稲を刈っている、ように見えた彼女の様子がおかしいと気付いたのは、彼女の作業を大分眺めた頃か。
 ――彼女は、田の中にぱったりと倒れた。 ]


  …………!


[ 私はその光景を見て血の気が引いた。
 “灯守り”が倒れるということ。それは“彼”のことを思い出す。

 暫く固まっていたが、ようやく狼狽えながら彼女の元に行くことが出来た。 ]


  
冬至、さん……



[ か細い声で彼女を呼ぶ。
 彼女が息絶え絶えに吐く言葉によると日が苦手、であったらしい。
 そういえば冬至の領域は闇に包まれた場所、であったか、とようやく思い当たる。
 それから、どうして私の所に出てこようと思ったのだろう、と蛮勇にやや呆れてしまった。
 ともあれ、震えながら彼女の身体を抱え、なんとか家の中まで運んだ。
 彼女が調子を取り戻すのを見れば、私は心から安堵した事だろう。 ]

[ そんなことを経ながらも、冬至の彼女は諦める事をせず、領域を訪ねてきた。
 彼女のいう助っ人――彼女の蛍である雪兎を入れるのはたっぷりと悩んだけれど、許可なしに入れるようにはしなかったが、訪ねてくるようならば入れることにはしていただろう。

 それから彼女は、立秋の彼を勧誘したらしい。
 領域にやってきた彼と、それから使い魔達は、私から見ても、強力な助っ人、と形容できた。
 収穫の際には私も動いて、そうして出来上がった白米。
 料理の食材は皆で持ち寄ったのだったか、そして料理は冬至の彼女に殆ど任せたのだったか。
 豪華な朝ご飯を前に、私は私なりに、感動のようなものを覚えていた。恐らく、表には殆ど出ていないが。 ]


  ……………美味しいです


[ 普段よりも食欲が湧いているような気がするのは、私にとってとても珍しいことだ。
 その珍しさを興味深く覚えながら、立秋の彼が、冬至の彼女に声を掛けるのを聞いていた。
 ……冗談に乗るのは苦手なために私は黙っていたが、実際彼女が望むなら、農家への道は開かれているのではないか、と思っていた。 ]
  

 

  [ そんな、楽しい記憶と、今も“日記”残る記録。** ]

 

―― 回想/あるお祭りの日、それから ――


[小雪さまが笑っておられたため、
何度も聞いた𠮟り文句を思い出して震えることはなかったものの、
粗相はしないように心掛けていたつもりです。
せっかくの食べ物をたくさん買いまくったあげく落としてしまったということにもならず、
小雪さまに、と渡したりんご飴を、
彼女は「美味しい」と言ってくれました]

あ、ありがとうございます!
よかった……。

[ほっ、と一安心してから、わたしもりんご飴を口に運ぶ。
心なしかいつもよりおいしい気がした。
……いつもというには語弊はあるか。なにせこういうお祭りの時しか食べない。それでも]

[やがて食べることより小雪さまに色々訊ねることに夢中になっていった。
言葉のやりとりはそれはもうぽんぽんと進んでいた記憶。
ただひとつ、わたしが灯守りのお仕事について訊ねた時を除いて]


  …………。そう、ですか。

[わたしは頭の回るこどもだったから。
小雪さまが答えになってない答えを返したこと、
ちょっと考え込むみたいな間があったことを、
素直に、何か言いたくないことがあるからだと受け取りました。
というか、素直に「好き」と返らなかったこと、それ自体が答えのようにも思えました。

好きでやってるわけではない?
とはいえ、やりたくないという気持ちが彼女のどこかにあるのなら、
今頃立派な統治者として名を馳せてはおりますまい。

“縛られている”。
その時わたしは小雪さまのことを初めてそのように思いました]

[遠からず、わたしは小雪さまの蛍になる。
小雪さまにも蛍を受け入れる意思がある。
それは前から決まっていたことだ。
そこにわたしの意思が介在する余地などひとつたりともなかった。

いずれは受け入れろと言われていたことでした。
けれどその時のわたしには受け入れる心の準備はなく、
小雪さまの言葉も、「仕来りに従って蛍になるしかないのだ」と、
言われているように聞こえてしまいました]



わ、わたしは……、
決められたことに従うんじゃなくて、自分の意思で蛍になりますからっ。


[ちょっとむくれた様子で告げる。
たとえ灯守り相手でも物怖じしなかったのだ、わたしは。

従兄に止められるのがもう少し遅かったら、
「どうしてやりたくもないのに灯守りをやるんですか」とまで訊いていたかもしれない。
けれど、そうはならなかった。
小雪さまが手を振り返してくれたのを見届ければ、
あとは振り返ることもなく、従兄に文句を言い始める。
飴ごとりんごをしゃくっとかじったけれど、幸せみたいな味はしなかった]

[それからわたしはお父さまや叔父さまなど、目に付く大人に「どうして?」を繰り返した。

  どうしてこのような仕来りがあるの?
  どうしてそれに長い時間従っているの?
  変えようとは思わないの?

結論から言えば、満足する答えは得られなかった。
誰も彼も、現状に満足しているか、すんなりと受け入れていた。
それでもわたしは何かを変えることに固執した。

季節が一巡りした頃、わたしのまなざしは小雪域の外へと向いた。
他の場所ではどのような統治が行われているのか。
どのような灯守りがいるのか。
そもそも書物や噂話でしか知らない“外”とはどんなところなのか。
統治者の補佐としてではない、ただの“わたし”として、それを知りたいと思った]

  [わたしがわたしを変えるしかない、と思ってしまった*]

 ― 枇杷の花 ―



  [  一方的に、色んな場所へ届けたお手紙は
     おへんじの形も色々でした。
     中には謎かけのようなものも混じって。  

     添えられたひとことと、花の正体。
     どうやら枇杷という木の実のなる花のようです。  ]


     いい香り。



  [  大寒域には枇杷はありません。
     そういう意味でいうならば『ない』けれど。


     ……わざわざくださるお返事だもの。
    回答は楽しいものでなくてはね。  ]




  [  ……みつけた。花言葉。
     『治癒』『温和』『内気』

     それから、『静かな思い』
     『密かな告白』


    『あなたに打ち明ける』  ]





  [  大寒域には気の利いた花なんてないから
     可愛いらしい便箋でお返事するしか出来なくて
     ごめんなさいね。


     かわりにはしらせた言葉はこんなもの。  ]




   かわいらしい悩みがいいですか?
   それとも少しくらい過激な告解がお好みかしら。




  
例えば、◼️かを、◼️したことだとか。


   
  [  それだけ書いて送り返しましょうか。
    大寒域に秘密はないけれど。


    ねえ、あなたはわたしを知りたいと、
    思ってくださったかしら? *]

ーー回想:あとの祭りーー
[血筋や家に縛られず、兄が灯守りでいればいいと言った。
ーー駄々を捏ねても行ってしまった。

私は仕来りを壊そうとした。
ーーそうすれば兄が戻ってくると思ったから。

壊せなかった。
ーー篠花家ではない子、銀の髪ではない子。
  それを後継者として据えればいいのに。
  そんな簡単なことすら、できなかった。


どうして?
ーー……本気で壊したいと、願ったわけじゃないもの。]

 

 

[私はただ、“   ”を埋めたいだけ。
そんな理由で、後継者を選びたくない。選べない。]


 
 

 
[小さく黙ったそれが、何を思ったのかはわからない
でも、何かを思ったのはよくわかった。

好きかどうかなんてわからない。
ただ、今ここで、放り出すことだけはできない。
私がやらなければ誰がやるのか、蛍すらいないのに。
放り出したら統治域の人達が困るから。]




 ……そう。



[むくれた様子の子には、それだけ返して。
自分の意志で決めるというのなら、強要する訳にはいかないと。
年上ならいざ知らず、自分より遥か年下の子を、自分の我儘に付き合わせることはできない。
この子の願いを優先するために
もう、我儘を言って置いていかれるのは嫌だから
、私は諦めた。
]
 


 

[だから私は、あの時も追うようには言わなかった*]


 

ーー回想:秘密ーー


 ……なるほど?


[可愛らしい便箋に書かれた文字を見て目を細めた。
返事が来ると思っていたかと言われると、半々ぐらい。
だが、まさか二択を迫られるとは思っていなかった。]


 こう返ってきた、ということは。
 ちゃんと意図は伝わったってことよね。


[どうしようかと考えた末、取り出したのは一枚のコイン。
悩むぐらいなら、天に運を任せてしまいましょう。
まあ私はそこまで過激な秘密はないから、到底釣り合うとは思わないけれど。

無言のままにコイントス。coin]