[小満域に彼が入ってすぐに出逢ったのは、ちょうど領域の外にいたからで偶然にも近かったのだが。
まあ、世界中探されはじめた相手が入域してきたら、市井でも小さく話くらいにはあがろう。
時間の問題だった、それだけ。
とっとと領域に匿って、格別の酒を出して。
先代の零した愚痴の話を聞けば、なーにが子育てだ、と肩竦め。
風呂の思い出話になれば、やっぱ今からもう一回行くか?なんて笑い。
いずれ小満を出ると聞けば、行くのか、と寂寥隠さず見送った。
命尽きるまで世界を巡りたい。
その願いを駄々で止めるほど、子供にはなれなかった。]