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人狼物語 三日月国


98 【身内】狂花監獄BarreNwort【R18G】

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【人】 知情意 アマノ

折角、忠告を与えてくれていた彼の言を振り払ってまで、更なる戦いに身を投じようとしていたのに。>>124
避けようと思えどこの一瞬に振り解けるわけもなく、この一瞬ですら遠吠えに侵食されて何もできやしない。>>+44
『協力者』の資格を失ったのだとどこか遠くで思う。これはきっと、この一瞬への現実逃避だ。>>128

そうして男は、男の長く続いた苦痛によって弾けそうになっていた戦意は、三日月に裂かれて。>>123>>130
対峙する彼の囁きに、身とともに精神をも裂かれたような激しい苦痛を覚え、もう取り繕いもできなくなる。>>c66
腕を撫でる手の優しさが、ひどく痛い。この優しさを受け取る資格など、きっと私にだけはないというのに。>>+46

ここにいない彼の姿を何故か見出してしまった。
「君は君の存在を間違いだと思うかね?」と問いかけた己に、
肯定を示したあの柘榴色が頭に過る。

(133) 2021/10/12(Tue) 13:04:48

【人】 知情意 アマノ

それからは、見ての通り、聞いての通りだ。

男は対峙する相手ごと杭で穿たれ、悲鳴とも慟哭ともつかぬ叫びをあげる。逃れることも叶わぬ苦痛が思考を焼く。
ああ、焼かれろ、焼かれてしまえ、こんな知性しこうは望んでいない。


男は再度、眼前の男と杭で貫かれ、……今度は声を上げようもなかった。どこが、何が痛いのか、分からない。
痛みに従って零れる涙が、何に由来するものなのかも分からない。


串刺刑に処された男の驚異的な身体能力の実現に貢献する機械化した部位はその悉くを破壊され、肉体の損傷もまたやがて死に至るそれであるのだろう。
男はもう立つこともままならず。能力を扱うことも叶わない。あとはもう、この青々とした空の元、生き生きとした生命の緑の上で、汚らしい赤の海に溺れることになるのだろう。>>+48

(134) 2021/10/12(Tue) 13:05:06

【人】 知情意 アマノ

――そう、なってしまう一瞬前。
男は空へ一筋の雷光を届けた。
それはきっとこの隔離エリアの照明にほんの一瞬の悪戯を……
一瞬の明滅を、届けるのだろう。
(135) 2021/10/12(Tue) 13:05:48
アマノは、ダビーの知情意を朧気ながら受け取って、血の海に沈みながら青空を眺めるだろう。>>+54
(a47) 2021/10/12(Tue) 13:50:53

【人】 知情意 アマノ

「……私より……ダビーを先に……」


あれだけのことを行った看守のことだ、自分よりも失血は多いだろうしそれだけ死に近いに違いない。
息も絶え絶えに、うわ言のように囁いた。不死兎にも当然聞こえることだろう。
(139) 2021/10/12(Tue) 14:01:53
アマノは、応える言葉も術もない。されるがままに肉が動き、瞳に溜まっていた涙が垂れていくだけだ。>>140
(a48) 2021/10/12(Tue) 14:15:03

アマノは、蘇生後初めて意識を取り戻した。
(a69) 2021/10/13(Wed) 12:43:44

【人】 知情意 アマノ

――何度目かの生に立ち返る。
男の瞳が今生で初めて映したのは、男の記憶にある最期の光景である何処までも突き抜けるような青空ではなく、腕を伸ばすまでもなく届いてしまう曲線――カプセルタイプの蘇生装置の曲面だと男も理解はしている――に遮られた男からすればそれも遠い場所であることは間違いのない天井だ。

男は暫し、ただぼうとそれを映すだけだった。
遅れて思考がダビーへと、己を殺し自らもまた死んだであろう看守のことへと移る。彼をどうしようもなく傷付けたことに、白々しくも痛みを覚える自分がいて、痛みを忘れようと目を閉じた。
痛みなど問題なく耐えられる。慣れているから大丈夫、

(195) 2021/10/13(Wed) 12:44:34

【人】 知情意 アマノ


――『貴様の『苦境に耐えられる、慣れているから』が通るのなら、そのものへ与える苦痛も当然のものでなくてはならない』――


自らが傷付けた彼の先輩にあたる天才ただびとに投げかけられた言葉を思い出す。
――大丈夫、
じゃない。

私は知性を脅かし、思想を、知性を殺したのだ。
知性を殺し、感情を殺し、意志を殺す苦痛は――当然ではない!


そう、その思考に至ってしまってからは早かった。
愚考すら失っていた脳の内側に思考の濁流が、罪悪の汚泥が流れ込む。

忠告を与えてくれるほどに気にかけてくれる人がいて、
思考の答えを求めて自分を対話相手に選んでくれた人がいて、
自分に存在する懸念を全て踏まえて友人と言ってくれた人がいて、
自分の過ちで苦しんだのにそれを赦して友人と思ってくれた人がいて。

――それでも誰のことも見ていない。誰のことも見えていない。
そんな傲慢な人間は、誰だ?

私だ


(196) 2021/10/13(Wed) 12:45:06

【人】 知情意 アマノ

「――――……ゔ、ああ、あ゙、」

こんなどうしようもない己に気付いていたのはきっと、一人じゃないのだろう。
見ていない、視界に収めていないという言葉も尤もだと言えるのだろう。

――それならば。君を君として……  として、私は欲しよう――


己があの日告げた言葉が、人々に対して当然あるべき姿だったのかもしれない、と思考が巡り。
己に初めてそれをさせてくれた、初めてそう思わせてくれたあの柘榴色が脳裏に過る。

彼はどうなったのだろう。
死んでいるのなら、早く癒えるばかりを願うのみだ。
生きているのなら、退屈で死なせないように早く戻らねば。
いずれにしても――今、こんなにも、会いたい。

…………ナフ、ナフ……!
(197) 2021/10/13(Wed) 12:45:38
アマノは、蘇生装置の中、泣いている。わざと暴れてロックをかけた。
(a70) 2021/10/13(Wed) 12:46:27

アマノは、片腕で目元を覆い、暫く。それから二度目の眠りに落ちる。
(a71) 2021/10/13(Wed) 13:39:11

アマノは、蘇生装置の中で、再度目を覚ます。ロックはもうかかっていない。
(a76) 2021/10/13(Wed) 15:40:59

アマノは、聞きたかった声が自分を呼ぶのを聞いて、
(a79) 2021/10/13(Wed) 15:59:29

【人】 知情意 アマノ

>>202ナフ
「ナフ……ッ、」

男は急いで、しかし蘇生装置に再度ロックを掛けられないようにゆっくりと、蘇生装置のカプセルを開ける。
蘇生してから一度もついたことのない手は、足は、あまり自由には動かないけれど、多少強引にでも動かして。

「君は、
……君は……
(203) 2021/10/13(Wed) 16:00:41

【人】 知情意 アマノ

>>204ナフ
あなたの想像通りであるが故に、それはあなたの自惚れにはなり得ない。
知っての通りだとは思うが。

飛び込んできたあなたを避けることなどありえない。辛うじて支えられたのは蘇生装置を壊してはまずいだろうという配慮故だ。もし勢いが殺しきれなくてもいいように、あなたを両腕で抱き締めはしている。

それから、あなたがずっと探していたその答えを。
自分がずっと持ち続けていた、待ち続けていたその言葉を聞いて。
色々思っていることや痛みもこの一瞬ばかりは押しのけられてしまう。

「――……私も、」

震えるほどに歓喜する。これをあなたから向けられることに、あなたもまた同じものを感じてくれている確信があるから、尚の事。

「私も君が好きだ。愛している。……すまない、私の死をあげられなくて」

囁くように言って頬を摺り寄せる。まだ赤い目元に残ったほんの少しの雫があなたの頬や髪に触れるかもしれないが、それを気にすることもなく。
(205) 2021/10/13(Wed) 16:34:28

【人】 知情意 アマノ

>>208ナフ
あなたの胸中がそうであることを男は知らず、手足に感覚が戻ってきたのか少し強めくらいの力加減になるよう腕に力を込める。

「チャンドラ様とダビー様を同時に相手するのは少々きつかったな。……今度は君にあげよう。いつにしようか」

そう冗談を紡げる程度には回復した安定をもとに、抱き締める腕が縋るものに近いことを認識もせずに、こちらもくすくす笑って。
あなたの諦念に近いその言葉を聞いても、男は手の力を緩めることも、そうして拒絶することもなかった。とん、とん、と優しく背を叩く。

「そうか。それで、何か問題でも?」
(209) 2021/10/13(Wed) 17:48:41

【人】 知情意 アマノ

>>210ナフ
当然、この力加減を覚えている。
何度抱き締めたと思っている。

あなたの期待に足る器なのかは分からないが、少なくともそれをあなたから明かされない限りは男は知る由もないだろう。

「なら近日中に……今はまだ立ち直り切れていないのでね。やはりアンタレス様はそちらで引き受けてくれていたのか、ありがとう。いい子だ」

冗談か否かに関わらず、あなたが望むのならば男は全てを捧げる心積もりである。こちらも全てを欲しているのはあなたも知っての通り。ぐぬ……になっているあなたに首を傾げつつ言葉を続ける。

「ないとも。言っただろう、君をナフとして私は欲すると」

――君が悪魔で、ともに在ることが苦痛だとしても。
君と離れてしまうほうが苦痛であるはずだ――


そう答えたあの時から意思に変わりはない。抱き締め直されれば少しほっとしたように息をついた。

「……もっと色々話したいことはあるが、カウンセリングを終わらせないといけないし……他の蘇生者も出てきにくいだろうからな……一旦移動しようか、ナフ」
(211) 2021/10/13(Wed) 18:39:19

【人】 知情意 アマノ

>>213ナフ
あなたが色々とぐぬ……になっている理由をこの男はよく分かっていないので、何か思うことがあるのだろう、後で聞こう、くらいの着地点になっている。

「ふふ……それではナフ、移動しながらでもいいから君から見た問題を教えてくれないか。ひとつひとつ考え、答えていこう」

傷ついても苦しんでも思考は止められないし、答えはきっと同じになるのだろうと思いつつ。あなたの考えることが言語として出力できるものであることを祈ろう。
時間はそこまでないはずだから。


「構わないとも。寧ろ私の方から頼みたい、一緒に来てくれ」

差し出された手を取り指をするりと絡めて、男は床に足をつく。最初の数歩は若干のよろめきもあったが、以降はスムーズな動作で歩き出す。叶うのならばこのままあなたと歩き、速やかにカウンセリングをクリアしてしまおうという心積もりだ。
(215) 2021/10/13(Wed) 20:56:59
アマノは、他蘇生者に対して、すまない……の顔をした。与太時空の話。
(a83) 2021/10/13(Wed) 20:57:39

アマノは、自分も食材入りしたな、とちょっと思ったりもしている。これも与太時空。
(a84) 2021/10/13(Wed) 20:59:30

アマノは、与太時空じゃないイクリールにとっても食材か……となった。ありがとう、自信を持とう……?
(a86) 2021/10/13(Wed) 21:10:37

アマノは、処刑には色んな種類があるんだな……と思った。社会的に死ぬ看守か。なるほど。与太時空。
(a87) 2021/10/13(Wed) 21:15:47

アマノは、与太時空でのフリップを受け取ったかも。
(a88) 2021/10/13(Wed) 21:18:16

アマノは、ダンスバトルで決闘するか……?になった。冗談です。与太時空です。なお73くらい。
(a90) 2021/10/13(Wed) 21:23:50

アマノは、メサが粉にしたフリップに静かに黙祷を捧げた。
(a91) 2021/10/13(Wed) 21:24:22

アマノは、カウンセリングを行い、すぐに出てきたことだろう。一秒たりとも無駄にできない。
(a92) 2021/10/13(Wed) 21:25:40

【人】 知情意 アマノ

男は恐らく、愛しい者と連れ立って処刑室へと向かったことだろう。表情は戦闘終了間際よりは辛うじてまともといったところ。

心地は穏やかなわけがない。最悪と言っても過言ではない。
しかし、これも自分が望んだことなのだから、止める理由もなく。

「……一応聞いておいた方がいいか? 死亡条件は」
(218) 2021/10/13(Wed) 21:40:29

【人】 知情意 アマノ

「……どうしてもやりたいという人間がいないのならば、最後は私に殺らせてほしい」

明確な意思表示だ。それから、自分がそう認識している以外にも美食家がいる可能性も踏まえて言葉を付け足す。

「ああ、あと……見繕う者がいるなら先に見繕って宣言しておきたまえ、言われないと残せない」
(222) 2021/10/13(Wed) 21:54:28

【人】 知情意 アマノ

>>+96ミズガネ
男はあなたが来ていることに気付いて一瞬僅かに驚きを示したが、その程度だ。
あなたから処刑対象へ視線を戻すように、
そうして己の瞳の色を気取らせないように
、一度目を伏せあなたから視線を逸らした。

「……そうか。やるならやるときにでも言ってくれ」
(226) 2021/10/13(Wed) 22:09:58
アマノは、ナフの一歩後ろへ。今はまだ自分が行く時ではない。>>224
(a101) 2021/10/13(Wed) 22:10:38

アマノは、己の手を強く握った。強く、強く。
(a102) 2021/10/13(Wed) 22:15:32

アマノは、誰が次に行くのかと見渡した。誰もいなければ最後は、
(a104) 2021/10/13(Wed) 23:51:19

【人】 知情意 アマノ

男は、男が過ちを犯したが故に彼を殺すのだと理解している。
自らの罪であなたに手をかけるのだと知っている。

「……私が君を殺すのは、私がここで犯した罪故だ」

罪状なんて大仰なものがつくでもない、しかし明確に相手を傷つける行動であった。
そうした行為があなたの精神を殺し、肉体をも殺すことに繋がったのだ。

私がやる。私が、やる。


一歩一歩、近づいていって<kana 決闘相手>処刑対象/kana>の眼前に立ち。

「きっと何度も繰り返す必要がある。
 そうしないと私は、君を殺すことを軽く思う日が来るかもしれないから。
 ……塵芥などと、笑っていいものではないと、私は思っているから」

言いながら男は拳を掲げる。ずっと握り続けていた拳、……血を流した手。
その手で、何度も。
何度も、あなたが気を失うまで。失ってからも。
死ぬまで。


最初に殴ったのは胴だろうか。次は左腕だったかもしれない。それから、それから……

ひどく野蛮で、ひどく稚拙で、ひどく滑稽な演目だっただろう。
あなたという役者は
例え表情があったとしてもなくなっていくので
何も映さず、男という役者は人が人なら哄笑でもしながら行っていたであろう殺戮にじっと眉を寄せたままなのだから。
瞳の揺らぎに宿る感情は、きっとあなた好みのものだったはずだ。


……あなたの死を確認して初めて、男は両の拳を下ろすことだろう。
(244) 2021/10/14(Thu) 0:37:44

【人】 知情意 アマノ

/*こういうところで文章ミスするの本当カス〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!ごめんなさい、心の目で読んで……

処刑対象決闘相手よ……
(245) 2021/10/14(Thu) 0:40:23

【人】 知情意 アマノ

死ぬまで殴り続けていたのだから、当然男の拳とて無事では済まない。
固く握りしめていた両の手を開き、手指の合間を汚さんとする血と眼前に横たわる遺体とを見て、見下ろして。

「――……ッ……」

声を発そうとして、音を生み出そうとして、それも上手くできないような。
しかし、ナフの言葉には頷きを返すだろうし、蘇生申請を訴えかける視線を看守達に向けたことだろう。
(247) 2021/10/14(Thu) 1:28:19
アマノは、イクリールと場所を入れ替わるようにして下がる。
(a107) 2021/10/14(Thu) 1:43:28

アマノは、イクリールの邪魔をしない。処刑室の扉横にいるミンに視線を投げかけ、まだ残るのか確認するように首を傾げる。
(a108) 2021/10/14(Thu) 11:56:22

「誰を殺そうか」

結局のところ続いてしまうのだ。殺すのが嫌になろうとも。殺されるのが嫌になろうとも。

「……もうチャンドラを殺す理由はない。トムに殺したい者がいるなら聞き届けたい、とセファーは思う。セファー自身を殺せはしないところだけ、惜しく思うが……」

狼は、特に希望がないようであれば18時頃に一人選出するつもりでいる。

アマノは、ミンに会釈し返し、己もその場を離れる。
(a111) 2021/10/14(Thu) 13:12:44

アマノは、輸血パックvilをそっと持っています。なんでだろうね。
(a117) 2021/10/14(Thu) 14:35:42

アマノは、本当になんでだろうね???になった。
(a118) 2021/10/14(Thu) 14:35:51

「チャンドラ殿殺したくないなら、か……
 私欲でいいならイクリールかなあ。
 
同族を食らった血は美味しいのか
という興味はある。個人的にはルヴァもいいけど、さすがに懲りずに立ち向かったら永遠に有給なくなりそう」

ぷー、と煙草の煙を吐いた。
有給は欲しい。

「チャンドラは既に一度ゲームから除外されているし、
 
オリオンから凄まじい圧を感じるからな


じ……と見るしぐさ。大丈夫だから安心してほしい。

「これまでのほとんどをセファーの私欲に付き合わせたからな、セファーはトムの私欲を肯定したい。襲撃もトムに任せよう。
 ……さて、そうなると処刑がイクリールに行くのはあまり都合が良くない気もするが。どこに入れるかな……」

「……確かにね。じゃあ誘導しておこうか……」

「……煙草、吸うのか。初めて見た」

あと有給はマジであったほうがいい。ので立ち向かう分には止めないけど無理はしないでほしい。休みは大事。

「助かる。ありがとう、トム」

「吸うよ。ハーブだけど」

いわゆる植物としてのタバコではない。

「タールトカナシ、ノンハイガンとかそのへん。
 昔は色々吸ってた。昔を思い出したから、久しぶりに」

「なるほど、……セファーはトムの昔をまだ聞いたことがなかったな」

囚人同士は囚人同士の傷のなめ合いに近いそれで、結果として過去に触れることも多かったが。あなたとはそういう言葉を交わしたことはなかったな、とこの狼は思う。

「トム、……ここで聞くのは野暮か、」

「……イクリール噛みで問題なさそうだな。セファーは今回手出しをしない、好きなようにするといい」

この狼は襲撃先を設定しない。全てはあなたに任せようという心持ちだ。

「端的に言えば、影武者みたいなものだね。
 外から有能な人物を当主に迎えるために、『最初から血族でしたよ』ってアリバイを作るための直系の長男が私。私の価値は姿で、顔。だからルヴァを受け入れた。私の顔を用いた天才、という存在を作るための私だから」

10秒足らずの過去だ。
遂げてしまえば、どうでもいい話。自分の拘りも何も。

「天才を迎えたからね、当然反撃されて生家は滅んで、私の役目は宙に浮いた。だからまあ、今回は、心残りを遂げることができて。久々にすっきりしてるかな」

貴族にはそれなりに良くある秘密。
口止めは他の貴族に口酸っぱく言われていたけれど、位を返上した今となっては矜持を守る必要性は自分の心理にしかなかった。

「野暮というよりは、これは舞台のパンフレットかな」

「……何もかもが物で目的じゃないか、人でさえも……ああ、私が言えたことではない、か。私のやっていたこともそうだったな」

己が色んな人と言葉を交わし知ってきた中にその要素が全くなかったわけではないことに、男は死を経て漸く思い至ったらしい。本人に自覚がない故に厄介だったそれを見て、あなたの言っていた『視界に映さない』という言葉は間違っていなかったのだと思う。

「あなたという存在の価値は他の何にも代え難いだろうに。それと……舞台のパンフレットとあなたがそう形容するこれが、私はずっと欲しかったように思う。……ありがとう、知る権利をくれて」