09:00:13

人狼物語 三日月国


23 【完全身内】Días preciosos【R18RP村】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:




[
  ────…また、この 夢 か
               魘されるのにももう慣れた ]*


 [ 真面目に報告しなさいと注意したら煽られた>0:>37
   気性が荒いとかいうレベルで済ませていいのか
   教会の常識から叩き込んでやった方が良いかもしれない

   当然だが、裏で起こった事
   ご機嫌が悪い理由などは知りもしない
   報告されていないからね ]


   ああ、シルビアさん
   今は対吸血鬼用の新たな武器を模索中です

   それと、あの半吸血鬼に
   今は注視しているところです


 [ 特務機関の長が声をかけてくる
   彼女は吸血鬼を完全に滅しようと願う者

   この世界にも派閥の様なものはある
   大抵は吸血鬼を憎んでいる、が
   吸血鬼は当然教会と敵対しているし
   中には吸血鬼を崇めるカルト的な
   よく分からない団体もあるかもしれない ]
 


 [ そして己は

   己の探究心を満たす様な
   研究が出来るなら、そう

  
人は一体何処まで強く在れるのか?
   吸血鬼の不老不死の原理は?
   心と記憶はどこまで結びついているのか!


   だがその為には必要な物が多い
   武器屋は平和では儲からないように
   お金がなければ研究できない
  
争って貰わねば研究できない!


   この世の進歩に犠牲は付き物だ
   化学と魔術の進歩の礎となれ ]
 


 
[ そんな狂った魂の奥に秘めたものを
  1番はじめの目的だったものを

  知るものは誰一人居ないだろう
  手段と目的が歪んでしまったのだから
  己ですら、分からず見失なう ]


 




……… の、解放。



 

 [ ー レポートNo.0319 ー ]

   個体名:クラレンス
   種族 :半吸血鬼(元人間)

   当機関の者が連れ帰って来た子供
   亡くなった彼等の証言と
   No.0319の半吸血鬼化した体質から
   真祖によるNo.0319の吸血鬼化の途中で
   当機関ハンターと真祖が接触したものと考えられる

   以上の経緯により
   真祖を目撃している可能性が非常に高く
   真祖へと繋がる手掛かりとなるだろう

   追記
   前例の元人間半吸血鬼の様に
   自己破壊または逃避の兆候が見られる
   非常に精神的に不安定である為
   記憶処理を行おうと思う

   特定の記憶を抽出する手段を開発し
   真祖への手掛かりを手に入れたい**
  




────あれから1ヶ月が過ぎた



[  相変わらずこの半吸血鬼は非協力的で
苛立ちと不快。疑心が困惑していた。

  よくよく半吸血鬼を観察すると
  時折左手首の袖に触れていること

  あの日から
  ぼんやりと沈思しているようであった。 ]


   ……おい!
   戦闘中にボーッと、してんな!


[  腰から銀の短剣を引き抜く
  呆然と佇立している半吸血鬼に狙いを定めていたグールを
  一気に詰め寄り刺し貫く

    轟ッ…巻き起こる風とともに剣の先から
    赤い、赤い血のような炎が広がり

    半吸血鬼────クレメンスとの間に輪を作る。

   時間稼ぎのようなもの
   グールは超常の炎に弱いので焼け焦げて灰となる。 ]

    雑魚相手怪我すんな
    怒られんの俺なんだぞ!


[  募る苛立ちの正体も、不明瞭のまま怒号する
  チリチリと周囲の地は焼け、腐った肉が焼けて
  不快な臭いが鼻をつく

   それにも況して、この男の様子の奇妙さが不快だった。 ]*

   そんな疑問と違和感ばかり抱えたまま
   日が昇らぬうちに宿へ戻る

   左手の革紐を触りつつ、朝を待った ]**

──酒場の2階──

[酒場の2階は経営者一家の住居スペース
一家といっても今はお兄ちゃんと私の2人だけ

前はお父さんもお母さんもいたけれど
色々あって…うん、いなくなっちゃった

お兄ちゃんも一時期は離れて暮らしていたけれど
それにもおおーーきな理由があるから

今は休んで欲しいのです]


 お兄ちゃーん
 どうしたの?なんか気になることある?


[最近前にもまして出かけているような?
気のせいならいいのだけど、やっぱり心配です

だってあんなことがあった後だし、って言ったら
困った顔をされるかも、しれないけど]


 それとも、地下のことでなんかある?


[私が出来るのは教会の取り締まりの目とかを
ちょっとだけ欺くこと

それも実は教会内部のひとがほとんどしてるし
怪しくない人を、うん、秘密の場所へ案内すること

だからきちんと聞いておけば
多少の力にはなれるでしょう?]*

あの半吸血鬼の注視は引き続きしていて頂戴

  真祖に繋がるかもしれない
 あの子を逃がすつもりはないの。


[ 誰しもが目的如何はあるものだ
 あのハンター見習いの坊やが──復讐に燃えるように

 狂気的な思考の研究者にも嘗てはあったのだろう
 それも私には無関係のこと。]
 
  その為にあの子を、見習い風情を
  ミゲルを相棒につけたのだから。

[ 喪失記憶を刺激するか否か?
 今は誰にもわからぬことだ、ああだが

  ミゲルが勘づく可能性はあった。
  調査資料に目を通す。

  彼らの出身は同じ村────だ。

故にこそ監視につけた。
  故にこそエッセンスとしてヒントを時折与える

  嘗ての知人が人間で成り下がった
  記憶失きものが知人だと言ってくる

   ────どちらも滑稽だ ]*


 [ あれから
   ぼんやりしている、と言われればしていたのだろう

   元より戦闘には非協力的と評されていたが
   それ以上に、自分の命はどうでもいいかと言いたげに
   戦いの場で立ち止まる姿は奇妙だったろう ]


   …………。


 [ 目の前で炎が広がる

   火が嫌いだとか苦手だとかそんな事はない
   灰となり焼け落ちた肉の匂いは当然不快だが
   そんな事も気にしないとばかりに
   燃え残りの小さな火を見つめて ]
 



 ( 怪我をしたからってなんだよ )


 [ 叱られるだろう告げる声
   気にかけられているのは自分ではない
   そんな仲でも当然無かったし
   あまりに今更な事でもあったが

   あの日に出会った同胞らしき者の言葉を
   想起させるには充分だった ]


   ( …自由に生きる権利、か )


 [ ひとつの道しか知らない囲われた者
   レールの外がどうなっているかは知れない
   向こう側はより棘の道かもしれなくとも

   確かにあの言葉は優しかったのだ
   半吸血鬼という身では滅多に触れられない、それが
   忘れられずに、彼を一層悩ませ続けている ]
 


 [ 一通りの怒号を聞いた後に
   自分の剣を抜いて、グールに向けた ]


   …………そう。


 [ 口数も行動も
   そして口答えの回数も減ったその姿は
   やはり奇妙に映るだろうか

   考え事の結論はいつも決まっている
   血をなるだけ吸いたくないと考え続ける限りは
   教会の支配下からは逃れられないのだ、と

   ………緋の目は、なにも見ていない
   態度が不快だと言いたげな、その顔すらも ]*
 

──酒場の2階──

 [ 帰ってきてグラス一杯の水と共に飲むのは
   本来は機関にしか出回らない吸血衝動の抑制薬

   ぐーっと一気に飲み干していれば
   気分の落ち着きと同時に訪れたのは妹の声 ]


   前に買い出しに出た時に
   同胞を1人見つけてしまってね?


 [ 出かけているのは彼の様子見も込み込み

   夜にハンターも連れず1人で出歩いてた事やら
   その明らかに無の境地のような表情だとかで
   何かしらに大きな問題がありそう、と

   赤の他人だろうが気になるだろう? ]
 


 [ たくさん外を出歩く事で
   妹に心配されていることも
   それは多少は…気付いてはいるけれども
  
そうそれは、ふかーい事情込みでね


  教会と同胞達の動向の視察と
  それから半分同胞が暴れたりしないか

   それを見る目は、止められない ]


   どうにも上手くいってないようだし
   どこかで一度、ゆっくりと話をしてみたいよねぇ

   そろそろこっちからアプローチしてみようかな?


 [ ありがたいことに
   妹は少し危ない事でもたくさん協力してくれる

   話合いながら新たな計画を紙に記した
   さてさて、今度の計画はどうなることやら! ]*
 

[  燃え尽くすような──炎が広がる
  チリリッと燃える髪の毛の先

  過呼吸を起こしそうであろうとも
  瞳に恐怖が映ろうとも


   誰も誰も気にも留めない
   こんな暗い昏い世界で

   底に潜む憎悪だけが生きる証だ。それだけでいい。 ]


( …────…火が、こわい )



[  どうせ使わざるを得ないのだ
  グールの爪がこの男に向けられていた時に

  発現したのが気まぐれでなくとも  ]

[  狂気の実験の成れの果て
  ───…超常の能力は人の身には負担しかない。

  成長を止めた体同様に
  精神も止まったかのように ]


  だからっ!
  後ろだっていうんだよッ!


[  グールが2体半吸血鬼の男へ向かっていた
  男の反応は、遅い  ]

( ──────……ッ )

[ 恐怖心を胸の奥に仕舞い込んで
 炎を発現させる。敵を、標的だけを焼き尽くす。

 周囲一帯にグールが倒れている。
 ほとんどが焼失した惨憺たる状態だ。

  きちんと戦え
  能力使わせるな
  一体何を考えてるつもりだ。

  過ることは山ほどあった。

────それでも視線はその赤い目ではなく ]


  アンタ、怪我は?


[ グールにやられた右腕から血を流して
 疲労が濃い気配を漂わせて

  尋ねても届かないことを、尋ねる ]



  ……ホントは、言うなって言われてたけど
  アンタが死んだり逃亡したら

  処分って名前で始末されんの俺の方なんだ

[  親のいない子どもを集めた非人道な実験
  その適性試験を合格しなかった者の末路など

  この半吸血鬼には、無関係だろうけれど

  言い訳には、充分成り得た。 ]

  戦うのが嫌なら、

  その辺で戦ってるフリしてるだけでも
  ……別にいいよ。

  アンタさぁ戦うのは嫌なんだろ?
  お互い、処分も処罰も受けたくないだろ… *

──酒場の2階──

[お兄ちゃんは混血なんだそうです

吸血鬼っぽいとこを私は見たことはないけれど
吸血衝動を抑える薬を飲んだ落ち着いた様子に

うんうん、今日も元気そうと1人で納得して]


  あ、そうなのね?
  うまくいってなさそうなの

  それじゃ心配だよね

[教会に所属してるひとみーんなが悪いと思ってないけど
教会自体はあまり好きにはなりきれないのも本音で

お人好しのお兄ちゃん
それでも誰かのために頑張るお兄ちゃんは

私の自慢のお兄ちゃんなのです! ]


  それじゃ前みたいに誘いこむ?
  うーんとおとなしく来てくれるかはともかく

  来てくれたらお話は、出来るだろうし

  …無理に裏切れってわけじゃないしね

[でも教会の、お兄ちゃんの同胞さんの扱いは

宜しくないのは目に見えていて
お兄ちゃんのスカウト率はかなり高い

抑制剤。
その為だけにやりたくもないことをやらされる

まるで奴隷みたいな扱いは、私も好きじゃない]


 最初は話し合いね、話し合い
 お兄ちゃんのお仲間だけで

[新しい紙に書かれる計画
こう見えてお兄ちゃんは人脈あるし、なんとなんと
共存派のリーダーなんだよ、凄いでしょう!

アジトは酒場の裏の床を細工した地下にあります!]*

──それは1ヶ月の最中の出来事

[  普段変わらぬ他愛の無い報告をして
  打ち込みに要すること、寸時

  尋ねなかったと言えばその通りだ
  でも、あれは、あの特有の編み方は
  ……あの金飾りは…──────。 ]


  『クラレンスは、ファディ地方にいたの?』


[特務機関の中でも特殊な扱いを受けているこの研究者なら
或いは、と思ったかも知れない。

生態を知りたいことを知っていたかはまた別として


 ………ただ、どうしたって知りたかったのだ。
 だってもうあの編み方を知る者はいない筈だから]*



[
   届かぬ優しさなど 意味はないのだ


   それを優しさなどと認識していないから  
               それでも……   ]


 [ 他者も、己のことすらも
   見ようとしない愚か者は

   その火の能力の意味の重さも
   代わりに失ったものも全て、知りやしない

   背後から迫るグール
   考え事から戻ったばかりでは気付けるはずもなく
   後ろだと飛ばされた声で振り返り
   傷を負うことを覚悟したところで
   燃え落ちる人型を、目にした ]
 



   ……何してんの


 [ ハンターだけに大怪我させたら
   半吸血鬼側だって説教ものだ

   どちらかが怪我するなら?
   怪我を負うべきは身体が強くて治りの早い半吸血鬼だ
   そう、教え続けられている
   あくまで教会は人間の為のものなのだから ]


   …………だから、何さ


 [ 自分が生きるので精一杯だ
   同情だとかしている場合じゃあない
   それも散々敵視された相手に、今更…

  
冷え切った心からは礼の言葉は上手く出ない
 ]
 


 [ 戦っているフリだけで欺けるなら
   そうだそうだと話に乗るだろう

   確かに戦うのは嫌だった
   グール程度の相手ならばフリでもいい

   だが試験時間を越えれば
   相手は吸血鬼。本格的に誤魔化せやしない ]


   戦うのは、嫌だけど

   突然、何。
   いつもならさっさと戦えって言うだろ

   調子狂う
   ……まあ死なないようには気をつけるよ


 [ 逃亡は…どうせ逃げる手段などない
   死にさえしなければ互いに守られる
   誤魔化せるうち、ならば

   戦わなくていいと言われただけ
   それでも、語調が少し和らいだ   ]**
  


 [ さらさらっと書き上げられた計画用紙
   たまにちょっと乱暴な方法で
   お客さんを呼び出すこともあるけれど

   そうでないと話ができない時もあるのだ
   ごめんね…とは思うけど、も ]


   断られたらその時、その時
   いつだってそうだっただろう?


 [ 相棒と上手くいっているだとか
   無駄に正義感が強いだとか
   そういう人は喜んで仕事してるから
   邪魔する事は当然出来ない
  
そう、例えば…あの伝説のように?
 ]
 


 [ 人脈とお金は、まあまあある
   今のこの、明らかに居候みたいな状態で?
   そう思われるかもしれないけれど

   共存派の仲間達ですらまだ知らない、秘密が
   私の中にはあるのだ ]


   決行する日はいつにしようか?


 [ それが決まったら、あとはその日を待つだけ
   あとは準備をする為に地下へgo! ]*
 



   そうですね
   真祖に繋がる情報は、欲しい


 [ 彼等が同じ村の出身である事は知っている
   大きな村では無いし彼等の年も同じ
   彼等の過去の全てを知る訳ではないが
   少なくとも知人ではあるだろう

   記憶処理をかけている限りは
   あの半吸血鬼は過去を何も思い出す事はない
   だが、外部刺激はどうか?

   それでもしも何か
   呼び覚まされる物があったなら
  
封じられているだけのそれ
何も知らずにその欠片に触れて
繋がりが酷く心を乱す可能性がある
 ]
 


 [ 元が人間なのだ
   無意識に彼が吸血を
   異常なまでに拒むのはそれが理由だろうか

   元人間の半吸血鬼が
   記憶処理をせねば酷く不安定なのも
   当然、当時の襲われた恐怖が根付くのもあるが
   己の生と魂の歪みなんぞ
   簡単に受け入れられないところがあるだろう
  
処理をかけたところでああなのだから



   故に
   研究者の希望を述べるなら
   性格的に精神を刺激しやすく
   真実を知れば眠る記憶を刺激しかねない
   あの見習いハンターと組ませぬべきだが
  
自己破壊や逃亡をされたら如何するつもりだ


   何を一体愉しんでいるのやら
   上の決めた所に口出しなどせぬが
   別の目的はともかくとしても
   心模様を楽しむ趣味は研究者にはない ]**
 


 [ そして、ある日のこと

   自分にとってどうでもいい報告か
   それとも少しはまともな報告になったか
   そんな事はさておき、だ

   飛んできた質問
   答えるべきか否か、長考し沈黙した

   基本的に彼は聞かれた事には答える主義だ
   本来答えられぬような情報でも
   暈すなり言えないなりと必ず返す
   逆に聞かれぬ情報を開示する事は殆ど無い ]


   『どうしてそれを知りたいのですか?』


 [ 知人か?事実に近づく事を述べるのは躊躇われた
   だが、知人だという事実で
   吸血鬼嫌いの彼の態度が柔らかくなれば
   あの半吸血鬼が精神的に安定する可能性は
   ……無いわけじゃ、ない

   貴重な個体を失うわけにいかないからと
   質問の回答にも慎重になったが
   普段あまりいれぬワンクッション
   それが逆に、答えかもしれない ]*
 

[  冷たい声の響きは慣れたものだ
  記憶に眠る
  硝子のように透明だが頑丈に守られた大切な宝もの

  生きるのに精一杯のはお互い様だ
  人体実験のすべてが成功する筈も無く
  死の淵に落ちたものを何人も見ている

   ────これも世界の真実なのだ。 


  吸血鬼を相手取るには
  まだ僕は未熟で不安定が過ぎるのだ  ]

[  欺けるかどうか
  定かでは無いが報告をするのは自分だ。

  欺けない筈も無い。
  恐怖と憎悪で凝り固まった心にも
  まだまともな人間らしい感情が、あるなら  ]


  …僕はこんな風にしか生きられないからだ。


[  戦えというなら戦う術しか知らない
  犠牲になれというなら犠牲になるしか知らない

  生きて生き続けることが罪だというなら
  受け続けなければいけない。 ]


   たまには相棒らしいことしたっていいだろ


[  抑揚のない声が柔いだ気がするのは錯覚だろうか?
  或いは心の奥底の願望か

  自分のことも儘ならない半人前に、
  どうして希少な半吸血鬼を宛がったのか

  ────今迄避けていたものを見つめる。 ]

[  夜になり街へと帰路についた
  気掛かりがあるので
  別行動を提案したのは自分のほうだ

  後ほど借りている部屋で
  そんな風に声を掛けることも
  今迄ではしなかったことにも気づかずに。 ]


   後で、話しとがあるから
   ……アンタは俺と話しなんてないだろうけど


[  聞いて欲しい
  いつ戻るかなどわからないので抑制剤を渡した。

  夜にひとり歩くのも、好きではない。
  あの子がいなくなった後を思い出させる。

  ──────それでも
 ]*

[  ある日を境に半吸血鬼──クラレンスの報告は増えた
  あの左腕のミサンガを見てから

  手のひらを見つめる
  火傷だらけの手のひら

  対象のみ焼き尽くす超常能力は
  自らも焼き尽くそうとするのは────

  己を憎んでいるからだと言ったのは
  報告先のこの”先生”だ ]


 『答えても答えなくても今後に差し障るから
  どうせなら知りたい』


[  この先生の関心事が相棒の半吸血鬼に
  向けられているのは知っていた。

   ……敢えてこちらの弱味を曝け出す。

  教会の本質を見極めるためにも   ]

『最近、能力の発現の後の疲労感と
 前よりも威力が落ちてるから気になってる。 』


[ それだとて嘘ではなかった ]*

[さらさら、綺麗な字で書かれる計画書
ゴーゴーと小さく拳を握って片手をあげて

お兄ちゃんが悪いことをしてたら叱るけど
お兄ちゃんが悪いことをしてないって知っているのです

この世の中はとっても不便!
知らないままで騙されてる人もいるから
人助けです!(相手が半吸血鬼でも人っていいます!)]


  お話だけでも出来るようにしよう
  セッティングは任せて

  お昼の営業今日はなしーとかも出来るからね


[ 決行日と聞いて、うーん、うーん
  唸ったり、首を捻ったり

  献立と売り上げがいい日を考えて  ]

 明日以降ならいつでも大丈夫なようにしておく
 お兄ちゃん怪我しないように頑張ってね


[ 地下は案内ぐらいで余り入れては貰えないけど
  いろんなことを知ってしまった側のお兄ちゃんは

  暢気にその日暮らしなんて出来ないものね?
  だから私はいつでも笑顔で迎えて
  笑顔で帰りを待つのがお仕事です! ]*


 [ どうせ差し障ると言われようと
   己が目を向けているのは半吸血鬼の方
   非常に強い力を宿した事には興味はあったが
   研究者としても数あるハンターのデータよりも
   希少個体の方が大事なのは言うまでもなく
   普段ならば知ったこっちゃないと突っぱねるのだが

   ある日から突然半吸血鬼の報告が増えた
   それは、ようやく説教を聞いてくれたかと思っていた

   送られてきた文章を見て、瞬きをひとつ ]


   『そうですか』


 [ 報告の増加は半吸血鬼に目をやるようになった事を意味し
   能力の減衰は彼の能力の根本の減少を意味するならば

   導き出される仮定
   もうある程度答えに勘付いている?
   この問いは確認といったところだろうか? ]
 


 [ もしもそうならば
   隠しても隠さずとも大差はない

   YESかNOかが不確かでも
   ある程度の根拠を持っての問いだ
   向こうから地方の指定をされているのだから

   過去の彼の半吸血鬼への態度も知っている
   前なら興味どころか敵視していたはずの
   彼の過去について問われたのも後押しした ]
  

   『その通りです』


 [ 簡潔に文字を打ち込み、もうひとつ ]


   『彼は半吸血鬼としては特別で
    普通の半吸血鬼よりも繊細です
    そして、大事な情報も握っています
    ………どうか逃さぬよう 』


 [ 教会所属であろうとも己の目的の全てが
   機関の、教会の目的と一致しているわけではなくとも

   逃してはならない。それは一致していた ]*
 

[  説教が聞いたのではなかった。
  この見習いは問題児でもあるぞ!気をつけろ!

  無論のこと教会すべてを信じ切っているわけではない。
  信を置くならば、と仮定して持ち上がる1人が彼だった。

  簡潔な答は無関心か。それとも?

   確かめたい
   確かめたくない

   知りたい
   知りたくない

   1ヶ月余りの葛藤を画面を見つめスライドする ]

[ ────…その文を

  何度も何度も読み返す


   それが意味するところは?
   あの村は僕以外滅びた

    僕の罪だけを残して ]

[ 長身の男が倒れかかったから
  きちんと確認は出来なかった

  だがあの編み方は
  あの村特有のお守りで……

  あんなにもぼろぼろなのはどうして?
  くすんだ金属は銀ではなく────。

 『彼は半吸血鬼としては特別』
  その意味も薄い感情も知ろうとしなかった

  もう一度…これ以上の返信を期待せずに打ち込む。 』


   『 どんな風に特別なの? 』


 [ 僕は何も知ろうとしなかった
   八年前に教会に保護されてから

   僕は僕で生きるのに必死で
   生きる意味を探すのにの必死で…──── ]*


 [ こんな風にしか生きられないと
   そう告げる声がいつもの怒鳴り声よりずっと
   耳に、頭にスッと入ってくる

   喋りたくもないから黙れと言いたげに
   早めに寝かせた宿の夜を思い出せば
   その落差は自分でも驚いてしまいそうだ ]


   ………そう


 [ 同情や慰めの言葉はかけない
   かけられる程の優しさをコイツに対して
   持ち合わせてない

   進む道が一つしか見えない
   言われた通りにしか生きられない
   その意味と辛さぐらいは、知っている ]
 



   相棒らしい事するなら
   最初からしたらいいのに
   ……中途半端な優しさは困るだろ


 [ 気まぐれなんて要らないと突っぱねる

   何があって、何を想って
   一体今何が起こっているのか知らないから
   今日の出来事の全ては
   突然態度が軟化した様にしか映らない

   再び冷えた目を向けられるなら
   偶然なんて知らなくていい、と
   閉じた心は今日も開く事はない

  
柔いだ声と言葉
凍った感情が溶けた雫だとは彼すらも知らない
 ]
 


 [ 聞くかは分からないけど、と言いたげに
   だが話す事を止めたり嫌がる事はせず
   淡々と、こちらはいつもの態度が出て

   改まって話があるなどと切り出されるのは
   それもまた経験がないこと ]
  

   ……勝手に話せば?


 [ 街へ戻り、別行動と言われても
   特にしたいこともない
   抑制剤を飲む為に
   何処かで飲み物を調達したい程度か

   やる事を済ませて早めに先に戻ろうか?
   先述の通り調子は狂いっぱなしだ
   もしや自分が体調が悪くて幻覚でも見てるのかと
   錯覚してしまうぐらいには
   今日は、とても変な日だったのだ ]
 


 [ 先の戦闘ではないけれど
   そうやって別の事に気を取られていたからか

   忍び寄るものには気付かなくて
  
今度は1人だから助けも入らない



   夜の街を歩く人影が
   誰にも知られないうちにひとつ、”消えた”   ]*
 


 [ もう一度送られて来ている
   更に深い所まで聞かれている

   ただの興味や好奇心ではないと確信した
   本気であの半吸血鬼を見ようとしている
   何かを見つけようとしているのか

   一体何が彼を変えたのか?
   少々気にはなったが己の研究には無関係だ
   続く質問にも、また文字を打ち込む

   今度聞かれた事はコルド的には隠す事ではない ]


   『彼は生まれついての半吸血鬼ではなく
    元々は、人間です

    故に先天的半吸血鬼よりも
    吸血鬼の一面の制御に長けておらず
    感情面の躁鬱を引き金に
    暴走したりする事があります

    繊細というのはそういう事ですね』


 [ 生態と扱い方を知らせれば
   彼が聞いてくれるかは分からぬが知らぬよりはいいだろう
   彼の暴走は互いに得しないだろうから ]*
 

[────恐らくこれが
 今迄の積み重ねなのだろう


 平素変わらぬ無機質な声
 いつも通りならば反発した
 
 半分でも吸血鬼が
 僕のすべてを奪った同族の類が、と

  返す声は持ち合わせていない
  この1ヶ月に内からの疑念が膨れ上がり

  徐々に軟化した態度が
  顕著になりつつあるだけだ。 ]

[ 勝手に話せば?
───それを譲歩と取ってしまう。

 この街にいる間借りている部屋で
 時計の針だけいやに鮮明だった。

 確信を得たくて”先生”に尋ねる。

 『彼は生まれついての半吸血鬼ではなく
           元々は、人間です』

 遡るやり取りを照合すれば決め手となりえる。
 話を、しても遅いかもしれない。

  確かめずにはいられないのだ。  ]


 ────……なんで?


[ 帰って来ないのだろう
 時計の短針は3周はしている。

  ああ、結局 ぼくなんて… ]*

[  お兄ちゃんがやってることが正しいか?
  世間的の評判はさておいて

  私は間違ってないと思っているんだよ。

  酒場を切り盛りしたり、
  監査のひとを誤魔化したり、

  お兄ちゃんは、お兄ちゃんの大義を貫いて

  ────離れているあいだに
  何を知ったのかとか知らないけれど


   今はお兄ちゃんの力になれるのが
   嬉しかった。

   もちろん間違ってることしたら
   ぷって頬膨らませて叱ります!  ]


[  まんじりともせずに朝を迎えた帰って来ない
  渡した薬は────1日分

  あれだけ吸血を拒否している男が
  あれだけ戦うのを嫌悪している男が

  帰って来ないとしたら? ]

 『 彼は半吸血鬼としては特別で
   普通の半吸血鬼よりも繊細です
 
   そして、大事な情報も握っています 』


[  端末でやり取りした文を見つめ返す
  己が知らぬだけで他の者も知っていたら?

  教会だとて一枚盾ではなく
  上官であるシルビアや、研究員のコルドのやり方に
  反発する声もあることは知っている。

  ”それ”らはすべて彼らには些末なことだったようだが
  外界にも対抗勢力があるのも、知っている。

  その為の監視。その為の────護衛。

  (僕の価値など、教会にとってもないように)
 ]


  おかげで探す理由が出来たぜ。先生



[ 届きもしない皮肉な感謝を
    天邪鬼は嘯く  ]



────…話も僕のことも、どうでも良かったんだな。


[  追いかけないほうが良かったかもしれない
  何しに来たと言われるのは目に見えている

  それでも、結果がどうであれ
  話が、したいと、告げたから

   
 ( ………お前だって僕に何も言わなかったじゃないか )


  歩み寄ろうとしなかったのは
  僕だけど、僕だけのせいかよ ]*

 
( 心配だって嘘ではないんだ

    急にいなくなるならもっと前から出来ただろう )


『  相棒らしい事するなら
   最初からしたらいいのに
   ……中途半端な優しさは困るだろ 』



────ああ、お前の言う通りだよ


だから話をするって言ったのに
   …いなくなるなよ、バカ *