16:17:54

人狼物語 三日月国


77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


一日目

村人:1名、共鳴者:2名、霊感少年:2名、念波之民:2名、囁き狂人:2名、黙狼:1名、響狐:2名、童子龍:2名

【人】 マモノ

 
かーー俺様の嫁が可愛すぎる件について。
 
(0) 2021/06/19(Sat) 10:00:00

【人】 水分神

 
[────おかしい。

 お菓子はおいしい。
 けど、その略ではない。

 おかしいのじゃ。]
 
(1) 2021/06/19(Sat) 10:03:17

【人】 水分神

 
[妾の屋敷はどの部屋もぴかぴかじゃ。

 妾は断じて手を抜いてはおらぬ。

 妾が汚してまわるのより
 彼奴が綺麗にする方が早いのじゃ……!

 どれだけ必死に汚せども
 追いつかれ追い抜かれてしまう。

 大分年季の入った屋敷じゃというのに
 新築に越してきたみたいじゃ。

 劇的びふぉー&あふたー。]
 
(2) 2021/06/19(Sat) 10:03:28

【人】 水分神

 
[日に三度出されるものは毎度、おいしい。

 同じ品が続くことなく提供される
 工夫の凝らされた品々は
 見た目にも美しく

 熱いものは欠かさずに
 ふぅふぅをしてくれるから
 安心して口を開いてしまう。

 抗うことが出来ずに食し
 その度、とろーんふにゃーんに
 させられてしまっていた。

 黒くトロッとしたあまぁいタレと
 茶色い粉が塗された
 ぷるぷるのアレは特に美味くて
 思わずンマイと叫んでしまったものじゃ。

 そうやって喜んでしまう度に
 直ぐに、悪くないと言い換えるのじゃけども。]
 
(3) 2021/06/19(Sat) 10:03:54

【人】 水分神

 
[妾は基本的に、水のように冷たくし続けておる。
 
しておるよな?


 じゃと言うのに、彼奴が音をあげる素振りはない。>>0:321

 其れ所か、活き活きとしておるようにすら見える。

 一体、彼奴は何なのじゃ。
 ────どえむというやつじゃろうか?]
 
(4) 2021/06/19(Sat) 10:04:08

【人】 水分神

 
[何時になったらぼろを出すのじゃ。
 このままでは、妾は古の約束を
 守らなくてはならなくなる。

 
ということは、つまり────…。


 其れはずぇっ……たいに嫌じゃ。]
 
(5) 2021/06/19(Sat) 10:05:11

【人】 水分神

 
[婿殿が来てから幾日経った頃か。
 妾はあぷろーちを変えてみることにした。]


    供えの果物が
    底を尽きそうなんじゃ

    言えば持って来てくれるじゃろうが
    村のものを煩わせるのも悪くてのう

    裏の森で採ってきて貰いたいんじゃが
    お主には無理かのう……?


[ちらちらっ。
 かわゆい妾が特にかわいくみえる角度で
 上目遣いのさーびすまでつけて
 おねだりをするのじゃ。]
 
(6) 2021/06/19(Sat) 10:05:25

【人】 水分神

 
[……裏の森、とは
 屋敷の背中側、村とは反対の方角に
 降りていった先にある深き森じゃ。

 生い茂る植物のために視界も足場も悪く
 野生の獣が息を潜めておる
 人間にとって危険な場所なのじゃが——、

 此奴はどう反応するかのう。*]
 
(7) 2021/06/19(Sat) 10:05:33

【人】 将軍 かんぅ



[かんぅよ、死して尚も君臨するのか]
(8) 2021/06/19(Sat) 10:24:56
[しゃべったぁぁぁ]

(注意二人ともここまで全裸です)*

【人】 五色 冥桜

  永らく眠るとはそういうものだ。
  そして眠っている間は何もできぬ。
  起きている者が代わりにしてやらねばな。


>>0:382成程、蘇芳も此処で朽ちたのか。
二人して真を教えず虚を演じたのは果たしてリンのためか、己のためか]


  この世では確かに目覚めた者もいるそうだ。
  ほんの少し、気まぐれにな。
  ただ旅に出る者の方が多いのも事実。

  叱られるのが嫌ならば後々片してやろう。


[何れにせよ、知らぬままでは寂しいではないか。
手で制されるが構うまいと頬擦りをしてやろう。
安心するが良い、髭もちゃんと剃られているからジョリジョリはしないはずでる]
(9) 2021/06/19(Sat) 10:30:47

【人】 五色 冥桜

  そして片し終わったならば演じてやろう。
  リンは笛は教わったか?
  教わっておらぬならば詩を教えてやろう。
  永らく眠りについた者に聞かせる詩だ。


[知らずとも弔いを教えてやろうと提案し、一時離れるためにソレに背を向け部屋を出る]


  娯楽は大事であるぞ。
  喰らう、眠る、子をなすだけでは満たされぬものがある。
  人の生には余白が必要なのだ。
  喰えるならば今日から共に飯を喰らおう。
  この地の物を頂戴するのだ。


[はて、それは共食いであるのだろうか。
ふと疑問に思ったが後にしようと一人ほくそ笑む]
(10) 2021/06/19(Sat) 10:30:54

【人】 五色 冥桜

  風呂に入っているのは偉い子だ。
  水を張り薪を割って焚くのは重労働であろう。
  ふむ――。


[張られた胸にぺたりと手を触れる。
触れた後で慰めるように頭を撫でて笑みを向けた]


  今日からは予と共に生活するのだ。
  飯を作るも風呂を焚くも入るも共にしようか。
  炊事場は掃除はしておるか?
  廊下も埃が溜まっている匂いがするぞ。
  まずは窓や扉をあけて空気を流すとしよう。
  ……寝床くらいは綺麗にしているのであろう?


[得意げそうな雰囲気に笑いながらそう返した。
別段出来ていなくとも構いはしない。
それは共にすれば良い話なのだ。
平原を撫でた手で頭を撫でてやりながらさて、何処から向かおうかと案内されるままに足を向けよう*]
(11) 2021/06/19(Sat) 10:31:01

【人】   天狗

[天狗の投げた言葉も印の意味も、よく分からぬ様子で>>384
所有の宣に今更と呟くのが酷くおかしくて呵々と笑う]

 確かに今更じゃの
 ここに来た時から小僧はワシのもんだった

[ここまで言っても怯える様子がないところを見れば
本当に何も知らないのだなと半ば呆れ、それ以上に面白がっていた
なまじ色々知って媚態を作る女より、何も知らぬ方が反応を楽しめるというものだ
その様子を想像すれば、欲の根に熱が籠るというもので]

 いいねぇ、お前さん本当に何にも知らんと来た
 抵抗されて喚かれるのもまた一興じゃが

[その無垢な顔がどう変わっていくかを見るのも、また一興とは言わず
ちろりと見せつけるように舌なめずりをして]
(12) 2021/06/19(Sat) 10:36:54

【人】   天狗

 善処、か
 そうだな、そうしてもらおうか

 お前さんが、まずはこいつに耐えられたらだがな?

[言うなり手首を離して、そのまま敷布の上へと転がし見下ろして、笑う
つい、と胸元に手を這わせたなら、小僧の反応はどうだったろうか?*]
(13) 2021/06/19(Sat) 10:37:29

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



   時が来れば伝えると。
   聞き入れてはもらえたようだ。>>0:366

   子どもなりの気遣いは微笑ましいとすら思える。
   しかし少女に騒々しさを感じたわけではなく
   それだけは明確に否定することにして。


      「お前をやかましいと思うた事は無いが
       その気遣いは受け取ろう。感謝する。」


   『ラサルハグ』の憂いの相手は別の誰かだと
   ソフィアに伝わることを願いつつ道を往く。>>0:368


(14) 2021/06/19(Sat) 10:38:47

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   進む時間と歩みの中で
   『ラサルハグ』は少女につられるように
   空を見上げる。

   元来人間の肉眼で見えぬはずの『Rasalhague』も
   木々の隙間を埋める澄んだ夜空ならば
   不思議と水面にその姿が映るだろう。


      「あの星の名は『Rasalhague』という。
       私の名と同じ、蛇の名を冠する。」


   道程の中で退屈しのぎになるかもしれないと
   何気なく話題を振ると、ソフィアは探すように
   夜空を見上げていた。

   熱心になるあまり転げてしまいそうになれば
   『ラサルハグ』は少女の身体を片腕で支える。

   気をつけろとは言うまでもないだろうから
   何も言葉をかけたりはしないのだが。


  
(15) 2021/06/19(Sat) 10:39:31

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ


   村へとたどり着きソフィアを見送る時
   彼女が名残惜しそうな顔をするものだから。


      「そんな顔をするな。」


   背を向ける少し前、
   月の光に遮られる柔らかな微笑みのまま
   少女の頭を優しく撫でてみせた。
(16) 2021/06/19(Sat) 10:40:33

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



      ソフィアの大きな声を背に浴びて>>0:372
      振り向かずともやわりと口角を吊り上げる様は
      少女にもきっと届いただろう。>>0:373


(17) 2021/06/19(Sat) 10:41:32
  天狗は、メモを貼った。
(a0) 2021/06/19(Sat) 10:42:17

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ


 ***


   本来ならば来る日まで会うことは無いはずだった。
   もっとも、その来る日が来るかすら不明瞭だが。



   それがどうしたことか。
   森の入口に人が訪れた気配を感じ取り
   来てみればそこにあったバスケットは
   麦粉の香りと青果に彩られ。

   不格好なサンドイッチは
   かえって少女の努力を教えてくれる。>>0:375

   
(18) 2021/06/19(Sat) 10:43:16

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   とはいえそれとこれとでは話が別だ。
   森には近づくなという警告を聞き入れられたか
   怪しくなれば『 大蛇 』も参ったかのように
   頭に手を置き悩み始めてしまうだろう。

   村には確かに近づいていない。
   入口に留まっているのならば
   森には入っていないのだから。

   己の警告は確かに守られているとも言えてしまう。



(19) 2021/06/19(Sat) 10:44:50

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   そこにソフィアはいただろうか。
   『ラサルハグ』はといえば。


      「全くお前という奴は...。」


   などと呆れつつサンドイッチを食し
   既に姿がなかったとしたら『ラサルハグ』は
   その場でサンドイッチを平らげ、空のバスケットを
   同じく森の入口に置くことになるだろう。

   「美味であった。」と書かれた石を添えて。



(20) 2021/06/19(Sat) 10:45:54

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ





   『 大蛇 』にとって無価値な行いだった食事は
   この時、初めて意味を持つ。

   人間は栄養なるものを得ねばならないとはいえ
   食事にこだわるその理由を
   少なからず理解出来たようにも感じられた。*




(21) 2021/06/19(Sat) 10:46:32


 ***

   それから何年の時が経たか。
   ソフィアがどれだけ『ラサルハグ』に会おうと
   していたかは分からないが。

   『花嫁』になると決まった日。
   『 大蛇 』は村へと現れるだろう。

   大蛇の姿ではなく人の姿で
   傍からは旅人にも見えるだろう風貌で。

   かつて『ラサルハグ』に会いに来た『ソフィア』を
   今度はこちらが迎えにゆくのだった。*






[死んでるんだったら素直に死んでてほしいんだけれど……]

 


[生贄という言葉が過る]


(どっちが生贄)

[何でやねん]

【人】 鬼の子 千



[鬼子の身の丈は、村人の中で頭一つ抜きん出るとはいかなくとも高い部類に入る。
成長の時期を満足な食事も取れず過ごしても、どうしてか縦にはそれなりに身体が育った。

しかし、真の鬼にとっては子供のようなものに変わりないだろう。
座していても頭を垂れねば声が聞き難いらしく>>0:390、こちらも膝に手を添えて見上げやっと近づいた実感を得られる程の差。

だから漸く得た距離から覗いてやり、教えてやったのだ。
無垢で哀れな幼子ではないと知らしめる為に、人間を見下す鉄面じみた顔の裏側からくだらない優しさではない感情を引き摺り出す為に! ]
(22) 2021/06/19(Sat) 11:54:16

【人】 鬼の子 千



 ……あーあ、つまんねぇなァ

 なんなんだあんた。妖怪って皆こうなのか?

[なのに何も分かりやしない。紅色は凪いだまま揺らがない。
覚れはしない心の中で>>0:392、未だ自分が被害者として留まり続けていることだけは理解出来た。

謝るのは形ばかりで傷ついた様子もなく、未だどこかでは勘違いしたままの鬼は自分を選んだ理由すら、とうに死んだ人間が要因だったという。
鬼の想像通り>>0:393そんな話には興味も示せず、面白くなさそうに舌を打って布団の上に戻った。
むっすりと不服さを隠さない顔で、一応は話を最後まで聞こうとする。]
(23) 2021/06/19(Sat) 11:54:31

【人】 鬼の子 千




 思わされている、ねぇ

[先程から>>0:391繰り返される言葉。
引っ掛かる物言いだと、呆れたようにため息をつく。理解出来ない。
過ぎる感情は置き去った祖母である老婆に向けていたものに近い。

一種の打ち明け話をしたつもりだが、何も望んだように変わらなかった気がする。
しかし、不動とは悪い傾きも齎されなかったということ。

低く穏やかな、どこか心地よく響く声>>0:394が力強く鼓膜を揺らす。
想いは届かなくても、音は耳があれば届く。当たり前のこと。]
(24) 2021/06/19(Sat) 11:54:48

【人】 鬼の子 千



 はは、成程なァ
 あんたってさ、人間より人間らしいな

[常とは違う静かな笑いが一度落ちた。
誰かが似たような意味の言葉をかつて口にしたことを、千太郎と呼ばれる鬼子は知らない。]

 善良で、瞿曇だよ

[こいつは人間としてあの村に関わらず済んで幸せだ。
異形の無い男がどんな人生を辿ったか想像し、昏い黒色が細まる。
有り得なかったのだろう可能性は、語らずに胸に残るのみ。]
(25) 2021/06/19(Sat) 11:55:06

【人】 鬼の子 千



 くだらねぇ

[今更の確認>>0:395を鼻で笑う。それが答え。

本当にくだらない。
もう答えを知っているのに問うことも、
実を結ぶことなど元より無い花嫁という名の贄に、性別の敷居を設けることも。


正直者の癖に気づかないふりをし、自分を上手く扱おうとすることも。]
(26) 2021/06/19(Sat) 11:55:22

【人】 鬼の子 千



[嗚呼、この鬼の心を理解するには目を覗き込むのでも見えない棘で刺し回るのでもなく
ただただ側に在り、紡がれるままの言葉を受け止めたらよいのだろう。
何を思い語ったのかもどれが真でどれが嘘なのかも、非常に分かりやすく伝わるのだから。]

まあ、そう言ってくれて良かったさ
宜しくな、旦那様

[屈み差し出す大きな掌>>0:396に自分の手を重ねつつ、鬼子はそんなことを考えていた。]
(27) 2021/06/19(Sat) 11:55:53

【人】 鬼の子 千



  ─ →外 ─


 花が好きなのか?全く似合わないな、ひひッ

[その手も寺から出る前に離れた。>>397
腕を上に伸ばされ続ける苦にあちらが自分で気づき、離したのだ。

いかにも優しい気遣いは結果的に別の問題を呼んだし、される鬼子が望んだ相応でも無かった。
──叶えないつもりでいることなど、分かっている。

起き際の、何気ない会話。>>0:387
食事の後聞こえた、笑えるくらい呑気な一言。>>0:388
そんな人間の真似事のような時間が、鬼の望み。]
(28) 2021/06/19(Sat) 11:56:19

【人】 鬼の子 千



 ……違うだろ
 六枚あるように見えるだけで、全部繋がっている。ほら

[合わない歩幅でなんとか共に歩こうとしながら向かった先、枝が詰まった樹木について語り聞かせてくる。
少し離れた場所から誂いを向けていたが、ふと近寄って覗き込み、一輪を摘んで根本を見せる。

それは話の途中、露骨に途切れた間の後に>>0:398
無理がある何事も無いふりに、気づかないふりをしてやる為の。

先程の意趣晴らしだ。何も形ばかりでこちらを花嫁とする鬼を気遣ったわけじゃない。
そんなことを、嫌われ者の鬼子がするわけがないだろう?**]
(29) 2021/06/19(Sat) 11:58:02

【人】 書生 茅

[手首の縛が解かれ、そのまま落ちるようにして敷布に転がされ。>>13
まさに、俎上の鯉とはこのような心持ちかと、どくり脈打つ心臓を抑え、『山神さま』を見上げる。
見下ろす視線が楽しそうで、悲鳴の一つでもあげた方が良いのだろうかなんて、逃避じみたことを考えもするが、喉から溢れるのは乾いた音のみで、いがらっぽいのを潤すように、ごくりとひとつ唾を飲み込んだ。*]
(30) 2021/06/19(Sat) 13:20:50
書生 茅は、メモを貼った。
(a1) 2021/06/19(Sat) 13:24:42

【人】 将軍 かんぅ

―山の中―


 うぉぉぉぉ!!!!


[ずどん。と大きな音が山奥に響く。
一匹のイノシシが踵落としで倒された音である。突然飛び出してきた大男(全裸)に山は騒然となった。この状況になった理由はある。だが、周りから見てどうだろう。

かんぅの突然の奇行。
いつもしていると言ってはいけない
倒したイノシシを肩に担いで
またかんぅは滝の中に戻っていった(全裸で)]
(31) 2021/06/19(Sat) 14:33:09


(いやいや、色々順番おかしいよ)



[順番の問題ではないことは確かである。*]

【人】 『ただの子供』 ソフィア

 

  うるさいのが私ではないのなら>>14
  他の人たちのことだろうかと
  そう、正しく私は理解することが出来た。

  この人を煩わせないためにはどうしたらいいだろう。
  悩むものの答えは出ずに、
  口を開くことはないまま、手を引かれて歩き始める。


   「 あの星……どれだろ。
     ラサルハグって、蛇っていう意味なのね。 」


  空へと向けた視線は、
  振られた話題に興味が湧いたように
  話の星を探そうと動く>>15

  一番光っているあれ?
  それとも、色が違って見えるあれかな。

  熱心に指を向け差していれば、
  木の根に蹴躓いて転びかけてしまった。

  彼が支えてくれなければ醜態を晒していた事実に
  恥ずかしそうにすれば、それ以降は上を見ずに
  しっかりと地面を見て気をつけて歩く。
 
(32) 2021/06/19(Sat) 14:39:46

【人】 『ただの子供』 ソフィア



  なんとか転ばずに村まで辿り着くと
  成し遂げたように笑顔を一時見せて。
  彼との別れ際はほんのりと寂しそうに。
  そうすれば柔らかく頭を撫でてもらった>>16

  振り向かずともきっと声は届いたと
  私は信じている>>17

  再び出会う日は来るのだろうか。
  それとも、もう二度と会うことはないだろうか。

  相見えることがないとしても。
  今日という日のことを、私は忘れない。
 
(33) 2021/06/19(Sat) 14:40:07

【人】 『ただの子供』 ソフィア



***


  村の人にバレたらいけない
  という意識はあったので>>19
  バスケットを置いたら>>18
  一先ずその場は一時撤退をした>>20

  食べてくれるだろうか。 好みに合わないだろうか。
  村で過ごす間はそんなことを考えていたから
  その姿は上の空に見えたことだろう。

  とはいえ、割と考え事をすることは多い方だ。
  普段より少しぼんやりしているくらいなら
  あまりおかしくは見られていない、はず。
 
(34) 2021/06/19(Sat) 14:40:27

【人】 『ただの子供』 ソフィア



  次の日、人に見られないように気をつけた時間帯
  再び森の入口へと向かう。

  そわそわとバスケットを開いて
  中身が空っぽになっていることに気がつけば
  小さな歓声を上げて喜んだ。

  添えられた石。
  「美味であった。」と書かれた文字。
  家に帰れば宝物のひとつに加えよう。
 
(35) 2021/06/19(Sat) 14:40:46

【人】 『ただの子供』 ソフィア


  
  さて、先のサンドイッチは
  迷子を案内してくれたお礼だった。
  食べてもらえて嬉しかったから、またもう一度
  とはいきたいものの、現実はそう上手くは行かない。

  両親に食材が減っていることを追求されたのだ。
  動物が可愛かったからあげたのだと
  その時は躱したけれど、
  もうこの手は通用しないだろう。

  彼との縁はここで終わり。
  貰った石と、夜空に浮かぶ
  『Rasalhague』の星だけが
  私たちの繋がりを知っている。*
  

── ▷ 大蛇と私   ──   

 
(36) 2021/06/19(Sat) 14:41:16
 

***


  ─── あれから幾らの時が経っただろう。
      少なくとも、私が成人を迎える程に
      時は経っていた。

  短かかった手足はすらりと伸びて。
  丸かった顔は程よくほっそりとし。
  
  綺麗にお化粧をすれば、
  この村伝統の花嫁衣裳を着て
  友人と抱きしめ合い、別れを惜しむ。

  今日、私は神様へと嫁ぐこととなる。
  でも、まさか神様が直接この村を訪れるだなんて
  村の人間は、誰も予想出来ていなかったに違いない。*
 

『生贄の女』 ソフィアは、メモを貼った。
(a2) 2021/06/19(Sat) 14:45:39

【人】 土地神 リン


  起きているものが代わりに──か
       風呂に入れようとしたことはあるが
 
    無理に起き上がらせると痛そうでな
        我の力では結局のところ諦めた


[ 食事を口元に運んだこともある
 水差しの水で枕を濡らしたことも

 どれも最初の嫁の
 蘇芳に対し行ったこと

 次の緋扇には行わなかった
 前の経験から応えがないとわかったから ]


  そうか
    旅に出る者の方が多い、か

   それなら、なぁ
     蘇芳は旅に出たのか?
       ──緋扇はいつ旅立つのだ?


[ 長旅の前の休息
 そう思えば褥の上のそれは
 まるでじっと羽化を待つ蛹のようで ]
(37) 2021/06/19(Sat) 17:18:37

【人】 土地神 リン

[ すり、と頬をすり寄らせられれば
 されるがままに瞳を細め受け入れ ]


  笛は習ってはおらぬ
      我の手指では少しばかり
          笛の方が大きくて、な

   試しはしたが、指の隙間から
        息が漏れてしまうのよ
 

[ あの頃より育ちはしたが
 それでも笛は己の手にはなお大きい
 教わるなら詩の方を、と頷いて ]
 
(38) 2021/06/19(Sat) 17:19:02

【人】 土地神 リン

[ 部屋を離れ廊下へ出る
 その瞬間、緋扇へと手をひらり一振り

 消して忘れたわけではない
 新しい者に心を奪われたわけではない

 そう仕草で示しても
 久しぶりの温もりは離れ難く
 相変わらずこの身は、冥桜の腕の中 ]


  水汲みも、薪割りも
      重労働と云われれば、はて
         疲れるは、人間の理りだろう?
        
    ……と、まぁ。それは良いのだが
        ────なぜにそこにふれる?
         そしてなぜ、慰めようとする?


[ よくはわからないが無性に腹が立つ
 ぷいと膨れ、相手の頬を左右に引っ張り伸ばし ]
(39) 2021/06/19(Sat) 17:19:23

【人】 土地神 リン

  
  楽はさせてくれなさそうだな
      まぁ善い、その方が気が紛れる

    炊事場と風呂場はそれなりに
       寝床は──緋扇と寝ていたが
          布団はお前が来るのに合わせ


[ 輿入れの前に屋敷へ運ばれた
 その際に酒や味噌、米も運び込まれている

 その他の必要なものについては
 毎月定められた日に捧げられる
 となれば、まずすべきなのは── ]
 

  窓を開け、床を掃いてから
      荷ほどきした方が良いか

   とりあえず、な
       荷物はこちらの部屋に


[ 詰め込んである、と
  斜め向かいの部屋を示し* ]
(40) 2021/06/19(Sat) 17:19:44
[かんぅが風呂に入っている間に、あんな大物を獲ってきたのだから、きっと腹も空いているだろうと思い、家人にいいつけて、食事の用意をさせようか*]

【人】 五色 冥桜

  ははは、それはそれは――。


[諦めて正解であったなと心の中で言葉を綴る。

リンが独りで過ごしていたことは想像に難くない。
そして独りが何をしていたのかと言えば寂しさを抱えておったのだろうと思い浮かぶは人の道理であろうか。
甲斐甲斐しく世話を焼くというのはつまりそういうことであろう]


  蘇芳は緋扇と代わり旅に出たのであろう。
  緋扇もまた予と代わり旅立つのだが。
  さて、それは詩を聞いてもらうまで待ってもらおうか。


[魂を見送るとはそうした見送る側の心を救うものでもある]


  大きくなったら笛も教えてやろう。
  三味線で音を合わせるのも良いし。
  詩で声を合わせるのも良いものだぞ。


[いや、そうだと男は己の言葉を即座に否定する]
(41) 2021/06/19(Sat) 20:27:23

【人】 五色 冥桜

  お主の手にあった楽器を作る方が良さそうだな。
  いつ大きくなるや分からぬしな。


[そうして疲れるのは薪割りと変わらぬことだ]


  お主は疲れぬのかもしれぬがな。
  その小さな手では回数が必要であろう。

  嗚呼、此処に触れるは嫁の務めだ。
  だから頬を引っ張るのは止めると良いぞ。
  大きくなったら育っていると良いなとな。
  願掛けをしておくのも大切なのだ。


[頬を引っ張られながら朗らかに笑う。
怒っているというよりは拗ねている気配を感じてまた頭を撫でてやろう]
(42) 2021/06/19(Sat) 20:27:30

【人】 五色 冥桜

  何を言う。
  夫婦で共に生活するのだ。
  労は分かち合い、楽は共に楽しむものぞ。
  そうでも思わんと家事など面倒であろう。


[言われるままに斜め向かいの部屋の扉を足で開ける。
中には荷が積み込まれてあるのだろうが酒や味噌、米も一緒なのだろうか]


  よしよし、では窓をあけて井戸で水を汲もうか。
  して――窓はどこだ?


[案内してくれと胸元をせっついては窓に向かい開け放し、食材は冷暗所であると恐らくあるであろう貯蔵場所を聞いて確認しようか。
井戸の場所、風呂の場所、確認することは数多ある。
それら一つ、一つを尋ねて移動する間も男がリンを下ろすことはなかった]


  確かに炊事場は使えるようだな。
  暗くなる前に飯を炊いて夜は荷から何か作るとしよう。
  お主、何か食べたいものはあるか。
  道楽とは言えど好みはあろう?


[ほれ、言うてみやれと腕の中で温もりを分かち合う相手に問うた*]
(43) 2021/06/19(Sat) 20:28:04
[それから、幾日。
かんぅは立派な
野生人
に成長した。
どう考えても進化ミス。
腰みの一つをつけ、蔦を使い。あーあーと叫ぶ日々。また時代と歴史、文化が違う。今日も手刀で仕留めた鹿を肩に乗せ。

滝の前へ]


 婿殿、今帰ったぞ。



[いい笑顔です。
ええ、武人というか愛の狩人。
細い婿殿に体力をつけさせようと山を飛ぶ姿は、まさに猿人。ふもとの村では魔物が活性化しているとか噂になっているらしい。どっちのことだって、どっちでしょう。

本人は押しかけ女房中。
ここ数日、色々した。【色々】
性的な方面ではなく心を掴む方向で。
突拍子がないのはもはや通常運転で日常
*]
 


[かんぅがこの明泉洞に住むようになって何日もすぎて。
どうなることかと思ったが、ちゃんとトイレのしつけもできているし、無駄吠えもしないので困らない。
放置しておけば一人で勝手に遊びにいき、そして自分の食い扶持分くらいの食糧を取って帰ってくるので、楽ではあるが]


 おかえり。帰ってきたかの。
 今日は何を獲ったのだ?


[ほてほてと滝の入り口までかんぅを出迎えて、招き入れてやる。
かんぅがいない時は中の水を満たしているが、かんぅは水の中では生きられないから、かんぅが戻ってきたら水を呪術で外にくみ出して、の繰り返し。

服は用意していたはずなのに、体に合わなかったのだろうか。
腰みのをつけて奇声を発しながらの山をかけずりまわっている姿は、大きな猿のようである。
まさかかんぅの姿を見て、村人が怯えていることも知らず、滝壺のヌシは元気だなぁと微笑ましく思うだけなのだが]


 今日は鹿かの?
 よくもまぁ、器用にとらえるものよの。


[食べるたんぱく源は基本的に魚なヤオディにとって、四つ足の獣は珍しく。
肉食系男子なかんぅはよく食べるので、これくらいでないと物足りないのではないだろうか。
ちゃんと食べさせておかないと、そのうち自分までも食べたいと言い出すのではとひやひやものだ。
これではどちらが贄だかわからないが] 


 これより鹿の処理をいたしてくるが……。
 そちは絶対に入ってきてはならぬ。いいな?


[まるでどこぞの異種婚姻譚のようなことを言っているが、何をしているか素直に聞けば、普通に答えただろう。
単に凍るレベルの冷たい水の中で、腐らないように空気がない場所で処理をするので(いわゆる冷凍処理)かんぅが下手に顔を出せば死ぬので禁止しているだけだ。
入ったが最後、冷凍マグロならぬ冷凍かんぅの出来上がりだ]



 そなたは毎日裸に近い格好で走り回っているが、着物を着るのは嫌いなのかの?


[随分と日に焼けている、とかんぅの肌を見てため息をつく。
対照的に彼の肌は真っ白だ。
少しずつ、少しずつかんぅがいる生活に慣れ、彼が言うように体力をつけねばとこっそり筋トレをしているのは内緒だ*]

[あれ、これ飼い犬か何かじゃないか。
そんな可愛いものだと認識しているのか。とまず根本的な問題から始めないといけない。が、今は狩りの終わりを婿殿に報告しよう。すっかり気分は新婚生活。

ほてほてと現れ、水を汲みだす姿はいじらしくも映る。本人は無自覚のようだが、さすがのかんぅとて、共に過ごす時間が増えれば、婿殿の事が分かってきた。

この婿殿は無自覚に可愛い。
鹿を肩からおろし]


 うむ、鹿を狩ってきた。
 鹿は中々に逃げ足が速くてな 
 追いかけるのにも苦労した。


[追いかけたのか。
もはやこれぐらいでは言わないぞ。(ツッコミ)しないぞ。一見微笑ましい狩人夫婦のやり取りのように思えるかもしれない。現物は魔物と魔物だけど。もしくは野生人と文化人。
時代でも二人は隔てられるのか。

いやかんぅが勝手にこしみの一丁になっただけだが]



  婿殿もどうだ?


[もうすっかり婿殿だ。
一狩いこうぜ。その勢いである。もちろん自分の腹を満たすという理由もあるが、これは婿殿にも食べてもらいたい為の狩りである。あまりの細さにいつ折れるやもと思うのだ。それはいけない、体力は付けなければ、そう。

人は簡単に死ぬ。
将軍であったかんぅは知っている。
婿殿は魔物であるが、見た目は細く華奢なのだ。]


 …あい分かった。
 婿殿が言うのなら守ろうぞ。


[守るのか。守れるのか。
疑惑。だが、真面目な理由であればかんぅは頷かないはずがない。むしろこうして此方を思ってくれるのが分かるのがむずがゆくも嬉しく少しずつ距離を縮めていこうと考えていたのだが、冷凍かんぅを回避した身はきょとんとして
服の話題に目を瞬かせ]



 ん?花嫁らしい衣装がなかった故だが。


[急募、妻の衣装。
どんな理由だこれは。ため息を吐く婿殿が密かに体力をつけるために頑張っていると露しらず、明後日の返答をしつつ、そうだとこしみのに手をつっこめばがさごそ。

白い百合の花を取り出して]


 婿殿に似ておると思うてな。
       …つい、取ってきてしまった。


[いかがであろう。
そう問いかける目は最初の日より変わらぬ慈しみに溢れ。唇に触れぬ代わりにその花びらでちょんと触れてみた。
こしみの・・
]


  愛しておるよ、婿殿。


[そうして告げるのは、日課。
トイレのしつけや無駄吠えをしないのと同じように。一途に彼の知らぬ言葉を綴り、微笑むのだ。
いい雰囲気(全裸)
*]

【人】 土地神 リン

[ 最初の嫁が眠りにつき
 しばらくしてまた、次の嫁が来た
 その嫁もまた眠りにつき
 その後の時間は初めより長かった

 けれど、寂しいと思ったことはない
 それを口に出し、誰かに訴えたことも

 そも、応える声があるのなら
 はなから己を独りにはしないだろう
 それでも独りにするということは
 何かしらの事情があるということで ]


  ──そうか蘇芳は
       帰ったのではなく旅に出たのか

    里へ帰ったのならば
         また会えると思ったが……


[ 冥桜の言葉通りなら
 緋扇もまた、近いうちに旅立つのだろう

 人には人、神には神
 それぞれ理があると知ってはいても
 やはり胸の奥がシン、となる

 これが「寂しい」なのか、と
 その感覚は己の中に深く沁みていき ]
(44) 2021/06/20(Sun) 0:24:18

【人】 土地神 リン


  笛も詩も教わろう
      楽器の方も、勿論


[ どれほど共にいられるかは知らない
 この嫁とて明日には眠りにつくかもわからない
 
 ならば少しでも残るものを
 手がかりを、と教わるものを欲張りつつ ]


  胸元に触れるのは務め、か
       ううむ、我にはよくわからぬが

    そういえば緋扇は柔らかかったが
         お前は我より平らで硬いな


[ 務めであると云うならば
 触れるのを己から止めるつもりはない

 好きなだけ触れれば良いと
 頬を引っ張る手を離し
 代わりに冥桜の胸元へ手をぺたり
 硬さが面白いと餅つきの如く触れていき ]
(45) 2021/06/20(Sun) 0:24:45

【人】 土地神 リン

[ 指差し示した部屋の戸が
 ガラリと音を立て、開かれる

 先と同じ足でガラリ
 けれど、先とは違うのは
 それを見る己の心の方であり ]


  降ろさぬとはな
      それほど我のことが好きか?

   ふふっ、まぁ冗談だ
       だが我は抱き心地は良いらしい
           暖をとるに抱えられたものよ


[ 通した部屋は先より片付いているものの
 北向きのため、先より暗く肌寒い

 部屋の奥には扉が二つ設けられ
 片方は炊事場へ
 もう片方は貯蔵庫へと続いている

 捧げ物の類などは
 炊事場にある勝手口を通り
 この部屋へ運び込まれる仕組みだ

 窓はこちら、戸はこちら
 井戸は炊事場は、米は味噌は、と
 手綱のように冥桜の着物を引き、場所を教え ]
(46) 2021/06/20(Sun) 0:25:15

【人】 土地神 リン


  食べたいもの、か?
      んーむ、茄子の田楽か……

    いや、まて。金柑の甘露煮も
          法蓮草の胡桃和えも捨てがたい


[ 作ってくれるのか、と
 好みの品を遠慮なく列挙して* ]
(47) 2021/06/20(Sun) 0:25:35

【人】 鬼 紅鉄坊



……気づかなかった
千太郎は賢いな。それに、何でもよく見ているようだ

[ 細い指が一輪を摘み上げる。>>29
 出会った時程ではないが、早まる瞬きが鬼の驚きを示した。
 
 それは教えられた内容と、
 やはり関心が無さそうだと思っていた千太郎が
 不意に寄りつき起こした行動への。

 誂いに対してそういうわけではないと返しはしたが>>28
 この地で生きた年月を考えれば、
 花弁の仕組みが一度も視界に入らなかったとは思えない。

 目に入っても気づかなかったのか、知ろうともしていなかったのか
 それとも無数の花を通して別の数多を視ていたせいなのか。
 ──自分のことながらよく分からなかった。 ]
(48) 2021/06/20(Sun) 2:08:31

【人】 鬼 紅鉄坊



だが、簡単に摘んではならないぞ
花もまた命であり、意味も無く奪ってはいけないのだ

特にこの花は、全てが実を結ぶわけではないのだから

[ 相手へと伸ばされる手は、今度は重ねる為ではなく>>27
 花を受け取ろうと指先へ向かうが、無論乱暴なことはしない。
 渡す気がないのなら、諦めて戻るだけ。

 咎めはすれど、花よりも目の前の若者が鬼には大切で
 彼のこれからの為に語ったつもりだった。 ]

……ああ、そうだ
花を書物に挟んで重石を乗せておけば、平らに形と色を残せるらしい
聞いた話で経験は無いがな

[ 教えてくれた誰かは、清潔で豊かな家に住む若い村娘で
 自分にも千太郎にも似合ったものでは無いだろうが

 少しは意味が、生まれるかもしれない。
 潰される花は決して喜びはしないだろうが、
 犠牲に生じる意味とはそういうものだ。 ]
(49) 2021/06/20(Sun) 2:08:55

【人】 鬼 紅鉄坊



色々言ってしまったが、お前の気持ちは嬉しかった

やはり、さとの子だ

[ 心よりの言葉に対して不服を態度に示すのも>>23
 想い届かずつかれたため息も>>24
 冷めきった笑いも>>26
 きっと、置かれた環境で生まれた歪みの表れ。

 しかしその奥にあるのではないだろうか
 他者と何も変わらないような、温度のある部分が。
 母親のような優しさが。

 浮かべた表情は違えども──面影を宿す言葉に、
 あの時息を呑んだことを彼が気づいたかは知らない。>>25 ]

これからも、瞿曇な私に気づいたことを何でも教えてくれ

[ 違う目線で同じものを見る誰かが側にいるというのは、
 とても幸福なものなのかもしれないと、鬼は思った。 ]*
(50) 2021/06/20(Sun) 2:09:42

【人】 鬼 紅鉄坊

── 鬼と鬼の子の日々 ──


[ それから鬼は毎日花嫁を外へと連れ出した。
 最初は寺の敷地内を歩きながら、見えるものや山について話をし、
 時間を掛けて出掛ける範囲を広げてゆく。

 決して自分から離れないように、
 迷った時は探すよりも寺に戻るように。
 その頃には既に上手く隣を歩けるようになっていたが、
 奥へと初めて連れて行く時何度もそう繰り返すように教えた。

 魔を退けるとは鬼が側に平気で棲まう以上迷信なのだろうが
 あの花の香りは、山の妖怪の殆どが嫌っている。
 一定の時期だけでもきっと、何かあれば守ってくれるだろう。

 帰る時間はいつも鬼が決めた。
 輿入れの日もそうだったが、
 千太郎は聞けば答えど自分から疲労を訴えはせず平気な顔でいる。
 限界が来なければ見ているだけでは分からない。

 小さき者には覗き込むのも辛い程目線が離れている時も、>>22
 鬼の目にはいつでも白色ばかりが映っていた。 ]
(51) 2021/06/20(Sun) 2:10:16

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 山の中になど花嫁を迎えるのなら、
 生活に必要なものをその同族に求める必要が当然生まれる。
 ……きちんと行うのは全員ではなく、長くも続かないが。
 鬼も色々なものを求め、事前に廃寺に運び込んでいた。

 慣れてきた頃山の中を流れる川を教え、魚釣りを試みた。
 もしつまらなさそうにしていても、
 本来饒舌ではない身でなんとか話を見つけて場に留め
 釣り上げた時はどれだけ小さな小魚でも褒め称えた。

 廃寺の中で汚い壁を眺めていては、座敷牢の日々と対して変わらない。
 体力と生きる知恵を付け、世界を見る必要がある。
 
 千太郎の身体に少しずつ少しずつ、生命力を戻しながら
 自分は寺の中保管している干し肉ばかり食べるようになっていた。 ]
(52) 2021/06/20(Sun) 2:11:08

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 摘み取られた花がどうなったのかは、千太郎次第だが
 嫌がることが無ければ鬼はあの日寺に戻った後
 埃をかぶった古い書物を彼の部屋に持って来ただろう。

 誰かが村に帰るのを嫌がった時、
 此処で読み忘れて行った、遂に取りには来なかった歴史書だった。

 ただ、いつまで閉じておけばよいのだろうか。
 それは聞いていなかったと少し経ったある日に首を捻る。
 まあ、忘れた頃にはらりと落ちてくる。
 思い出とは案外そんなものかもしれない。 ]**
(53) 2021/06/20(Sun) 2:11:49



[ 小さき者を見守り見つめる一つの紅色
 静かな凪ぎに密やかに宿った温かなものに

 遥か昔に死んだ──とされている誰かの面影があったように。 ]

 

[ 仏の名の元繰り返される輪廻転生。
 繋がれてゆく人の血。

 それらとは違う何かが齎した影の中の面影は
 今や誰も気づくことが出来ないだけで、きっと最初から奥底に

 この山の中、あちこちに犇めいているモノたちにも。 ]




[ 此処は神仏に見放された土地なのだから。 ]**'

【人】 龍之介

 
[ミクマリ様にくっついて回っての掃除と>>2
 その合間をぬい
 工夫を凝らして作る朝昼晩の食事。>>3

 喜ばせたい一心で奮闘する
 飽きる気配のない
 その日常に、変化が訪れたのは
 嫁いで来てからどのくらい経った頃だったか。]



   ‥‥────!



[上目遣いの愛らしいお願いに>>6
 息を詰め、耳を傾ける。

 裏の森のことは
 あまりよく知らないけれど]
 
(54) 2021/06/20(Sun) 5:17:31

【人】 龍之介

 
[直ぐに、
 任せてくださいという意思を込めて
 こくりと頷いた。



  (頼りにしていただけているようで…

            ────うれしい。)



 ぶわりと胸に広がるのは
 何としても期待にお応えしたい、と
 熱く漲る気持ちだ。]
 
(55) 2021/06/20(Sun) 5:17:37

【人】 龍之介

 
[それから‥‥
 気が早いかもしれないけれど

 果物を山盛り
 採ってきて差し上げたら
 どんな表情を見せてくださるのだろう?

 って、そんなことばかりで
 埋め尽くされて
 断ることなんか微塵も頭に浮かばなかった。]
 
(56) 2021/06/20(Sun) 5:17:50

【人】 龍之介

 
[その先にあるのは
 どうすれば叶えて差し上げられるか、の方法だけ。

 背負い籠と
 腰に下げられる提灯、
 水筒と携帯食料も備えておこう。

 あとは、蔦や枝を払えるような
 鉈のようなものがあれば‥‥


 目まぐるしい思考を
 物語るように
 瞳がそわそわと宙をなぞっていた。]*
 
(57) 2021/06/20(Sun) 5:18:03
[名前は教えたはずなのに、かんぅは自分を婿殿とずっと呼んでいる。あだ名のようなものだろうと諦めた。
かんぅはしょっちゅう肉を献上してくれるが、あまり得意ではないので、かんぅを始め、他の者の口の方に多く入っているきらいはあるが]


 ん、余は言うことを聞く子は好きぞ。


[ちゃんとあらかじめ言っておいても、嬉々として地雷を踏みぬきそうなかんぅへの認識は赤ちゃんと一緒であるので。
信頼具合も似たようなものであるが。静かだなと思っていれば、壁に落書きしているかもしれないと思って放っておけない]

ああ、なるほど……花嫁らしい衣装をお好みか。


[視覚の暴力だと思ったので、あえて落ち着きのある色の男物をそろえていたのだが、あれは花嫁としてここに参っていたから着ていたわけではないようだ]


 でもの、かんぅ殿……。
 花嫁らしい衣装とは、婚礼衣装なのかの?
 あれは婚礼の儀の特別な時に着るから喜ばしく、いつも着ているとその嬉しさもなくなるのではないかの?
 普段は動きやすく、肌なじみのよい服の方がよいと思うのだが。


[女物を用意する前に説得をとりあえず試みるが。
問答無用に用意した服を着ろと押し付けるという知恵がないのが、この婿さんの弱点である。
かんぅが我儘を言うようなら、村人たちにお願いするしかないかの、とため息をついていたら、目の前に白いものが突きつけられた]


 え……?

[目の前には白い百合。
この辺りには色のある山百合が多く、白百合は珍しかった。
そっと手にして、ふわりとほほ笑む]


 余に似ているか。
 百合は美女の形容に使われる。
 そちには余はそのように見えているのだな。

[なんとはなしに、くすぐったくて。
彼が触れた唇と、ちょうど真向いの位置にある花びらに自分も唇を触れさせて、小さな口づけを送る]


 ありがとう。

[その言葉は、百合をもらったことに対してか、それとも愛の言葉を貰ったことに対してか。
少しずつ打ち解けている最中ではあるが、羞恥のせいで素直にもなれずにもいるし、同じ言葉を返すほど気持ちも育っておらず、ただ今日も「帰ってきたら、まずお風呂」と湯殿に自称嫁を叩きこむのだ*]

【人】 水分神

 
[今年の輿入れから月が一巡したか。
 村の連中は
 「今回の婿はまだ逃げ出してこない」
 「上手くやってくれているようだ」と
 安心しはじめておる頃やも知れぬ。
 じゃが、人間どもの思い通りには行かせぬぞ。]
 
(58) 2021/06/20(Sun) 8:38:06

【人】 水分神

 
[無茶な頼み事をすれば、
 此奴、即座に頷きおった。>>55
 全く、物静かな男じゃが、
 妾の頼みをきくその姿勢や良し。

 まあ、びゅーりふぉーな妾の
 ぷりちーでそーきゅーとなおねだりを
 断れる男などおらぬでな、ふふん。]


    そうかそうか、行ってくれるか
    ありがたいのう

    それではこれを持っていくが良い
    ……おーい、見えとるか? おーい


[宙をなぞる目の前で手のひらをひらひらして
 注意を引きつつ、差し出したのは懐剣じゃ。

 彼自身納得して森へ行くという言質をとった
 (正確にはとれていない。頷くのは見た)
 とは言え、護身の道具の一つも持たせずに
 森へ送ったと知られることがあれば
 非難を浴びるのは妾の方じゃろうからな。]
 
(59) 2021/06/20(Sun) 8:38:10

【人】 水分神

 
[白く、装飾の施された懐剣はとても古いものだ。
 妾が限界せし時より以前に作られたものであるが
 保存状態は良かった。

 其れを押し付けるように渡し

 彼の準備が整えば
 にこにこと笑顔で見送ろうか。]


    気をつけて行ってくるのじゃよ
    早く帰ってきてたもれ


[望みとは真逆のことを口にして。

 ……裏の森に果実の木が
 生えているかどうかなど知らぬ。]
 
(60) 2021/06/20(Sun) 8:38:19

【人】 水分神

 
[此奴が森を探し回っておるうちに
 妾は屋敷の中を荒らし尽くしてやるのじゃ。

 採って来られなければ
 期待を裏切られたと言えよう。

 運良く見つけて採取してきたとして
 疲れて帰ってきた所に家の片付けを命じれば
 どえむの此奴にも
 だめーじを与えられるのではないか。]
 
(61) 2021/06/20(Sun) 8:38:24

【人】 水分神

 
[────そのまま道に迷うて
 帰って来なくとも良いとすら
 いまの妾は思うておる。*]
 
(62) 2021/06/20(Sun) 8:38:29
[あれ、犬の次は赤ちゃん認識されていないか。
こんな大きな赤ちゃんが居てたまるか。と心の声。でも似たようなものではあるよな。放っておいたら落書きはしそう。落書きというか、壁画を作ってそうであるが。

身につつむのは花嫁衣裳。
とは言わないものの、花嫁として嫁いだのだからそれに似た服装を好んだが、ふむ。と髭を撫でて婿殿の云う事も最もだ。
と考える、時間ができた。]


 あい、分かった。
 折角婿殿がかんぅにと用意してくれたのだ。
 今からでも着ようぞ。


[そう頷いた。
おお、あのかんぅが文明人のような事を言いだした。恰好は野生人であるが。これが進化であろうか。かんぅは耳を傾けることを覚えた。婿殿のため息はみたくない。と今更にいう。
それ今更にいうの。と誰かが言うが何気のせいだ。

こうして婿殿は少しずつ
手綱を握るのである。

やっぱり婿殿が女房ではないかな]

[白い百合を手にとり
ほわりと微笑む姿は胸をきゅんとさせた。こしみのから取り出したものなのに。それでも受け取る姿は聖母か、聖女か。それでいいのか。本当にいいのか。と声がするが無視。

美女の形容という言葉にふっと笑い]


 そうさな、かんぅからすれば
 婿殿は美しすぎて

 …眩しいものゆえに。


[あながち美女というのも間違えではないのでは。
そんな風に思う事を告げて入れば、彼の唇が百合の花に触れた。其れは一種の風景画である。ああなぜこの時代にこの一瞬を閉じ込めるものがないのか。紙と筆を持て、と思わず叫んでしまいそうになった。が、突然の奇行は避けられた。

無事回避ぃぃぃ。回避したが]


 ………。


[婿殿のお礼に心がどったんばったん
どっかーんであったのだ。火山が大噴火。まずお風呂と叩き込まれるまでかんぅは無言であった。可愛い花婿殿の笑顔、それにお礼の一言。それがぐるぐると頭の中を回って。

小さな(みに)婿殿を脳内に誕生させたところで]



 
うぉぉぉぉぉぉ!!!!!



[叫んだ、湯殿の中で愛を叫ぶ。]


 紙と筆、紙と筆を頼む婿殿!!



[そして、汚れを速攻で落として
体を拭いて、用意された服を着て勢いのままにかんぅは走ってきた。お家では走らない。という声が聞こえてきそうな全力疾走である。たなびく美髯、ぱつんぱつんの服。喋らず行動しなければきっと立派な武人に見えただろう。

だが、歩き喋る姿は……*]

[かんぅが花嫁衣裳以外のものを着ることを妥協してくれてほっとした。
花嫁衣裳か全裸か、よくてこしみのだとなれば選択肢が少なすぎるし、洗濯の暇もなくて困っていたのだ

かんぅはたまに文明人のように褒めることがあり、それでも少し驚かされる。
普段やってることが原始人というか野蛮人なので、そのギャップ萌えもあるのかもしれないが。いや、萌えているわけではないのだが、きっと、けっして]


[かんぅが持って帰ってきた百合を活けるように命じていれば、今度はものすごい勢いで洞内を走り回る物体がいた。
湯殿で吠えている姿はいつものことだったが、このように駆け回るのは珍しいかもしれない。
何事ぞ、と思うまでもなく現れるかんぅに眉一つ動かさずに相手するのは、さすがにもうかんぅの扱いに慣れたから]


 紙と筆?


[唐突に叫ばれ、なんだろうと思う。紙だけなら厠の紙が切れていたのかと思うが、筆もセットであるなら違うだろう。
用意した服を嫌がることなくちゃんと着ているようだけれど、少しきつそう。
ふむ、もう少し大きめの服を用意させねばと思うところはやっぱりこちらが嫁かもしれない。

紙と筆だけ用意しても、台がなければ書きにくいだろうと卓も運ばせる]



 かんぅどの、手紙でも書くのか?


[風呂でゆっくりしているとネタが浮かぶものだが、と連載を抱えている漫画家のようなことを考えていたが]


 余もたまには何かをかくかの……


[かんぅ殿よりいただいた百合の絵でも描くか、とかんぅの前で筆をとり、さらさらと百合の絵を描き始めた*]

【人】 龍之介

 
[綺麗な掌が目の前でひらりと舞って>>59
 慌てて視線を戻すと
 ミクマリ様が趣のある刀>>60
 差し出してくださっていた。

 枝が張り出したり
 蔦が絡まったりする
 手狭な場所が多い森の中では
 こういった小ぶりなものの方が取り回しやすい。

 本気で案じてくださっているんだ、と
 勘違いをした龍之介の口元は
 幸せそうに弧を描いた。



   (ありがとうございます…!)



 恭しく一礼しつつ受け取れば
 ますます気合いが入る。]
 
(63) 2021/06/20(Sun) 11:00:30

【人】 龍之介

 
[自分が居ない間にも小腹が満たせるように
 一口で食べれる大きさに握った
 おむすび等も
 てきぱきと準備し終えると

 嬉しい見送りの言葉に>>60



   (できるだけ早く戻りますね…!)



 力強く頷いてから
 鬱蒼とした木々の中へ潜って行った。]**
 
(64) 2021/06/20(Sun) 11:02:33

【人】 五色 冥桜

[前の二人は寂しがらせまいとしたのか。
はたまた別れを惜しみ、人の理に嫉妬しそうなったのか。
または元から嫁とはそう言うものなのか。
その辺りはさっぱり解せぬ]


  そうか――。


[頷きと共に柔らな声でそれだけを唱えて頭を撫でる]


  良かろう、時間の限り教えよう。


[次いでに胸元もさらりと撫でる]


  そうであったか。
  予は男であるから硬いのだ。
  緋扇が柔らかかったのは女であるからだろう。
  女の胸は、胸だけではなく身体は柔らなものだ。
  触っていても柔らなほうが心地好いのではないか?


[胸の触り合いっこに笑みを溢しながら。
続く問いには、嗚呼――と漏らし]
(65) 2021/06/20(Sun) 12:05:13

【人】 五色 冥桜

  予はお主の嫁であるからな。
  夫婦互いに好き合うことは家内安全の一歩よ。
  それにお主も嫌いではあるまい?


[抱き上げたまま離さぬのは人肌も恋しかったであろうと思い至るからである。
ただ別段他人であればそこまではしない。
現に腕が疲れてきているところである]


  お主は予で暖を取るが良い。
  身体も、そして心もな。
  滲み入る時は温まりたいものよ。


[語る口は饒舌に。
家の配置を聞くと一々と共に確かめまた確認しウマのようにぱからぱからと床を踏み鳴らす]
(66) 2021/06/20(Sun) 12:05:23

【人】 五色 冥桜

  なんだ、あるではないか。
  ちなみに予に料理は期待するではない。


[何せ目が不自由であると包丁は危ういものだ。
と言いながらしてこなかった人生だった]


  それにな――あるではないか。
  今挙げたそれらは蘇芳か緋扇との思い出だろう。
  遠く離れ離れになったとしても。
  思い出や記憶は早々に色褪せはせぬものよ。


[さて――]


  今日は水を汲んで米でも炊くか。
  食べ物には旬があってな。
  そろそろ旬になってくるやつの中に美味なるものがある。

  鰻というのだが食べたことはあるか?


[薄らを目を開きぼんやりと見えるリンを見つめて首を傾げて見せた**]
(67) 2021/06/20(Sun) 12:05:37

【人】 土地神 リン


  ふむ、好き合うことが
      家内安全の第一、とな
 
    胸に関しては解らぬが
       硬いのもまた、面白いとは思う
           ほら脈が動くのがようわかる


[ とくりと動く感触は
 それ自体が別の生き物のよう
 
 遠慮なしに、ぺたり
 繰り返し手で触れては確かめて ]


  お前のことは嫌いではない
     だがな、怪談は控えておけ
        度が過ぎたら嫌いになるぞ

   それにほら、夜は寝るもの
       厠へ起こされるのは嫌だろう?


[ 厠は外にあり、その途中には井戸がある
 風呂場はといえば井戸のそばに一つと
 炊事場の近くに小さなものが一つ

 炊事場の方の風呂は
 冬場や悪天候の際に使うものと言い加え ]
(68) 2021/06/20(Sun) 13:20:51

【人】 土地神 リン


  ふむ、お前の料理に
      期待はできぬ……か

    我の腕にも期待できぬが
        幸い。乾物、漬物も多く届く
           

[ と、いうよりは生の物は滅多に届かない
 保存を考えている分、塩気のあるものが多い
 塩辛くないものが欲しければ
 裏手の川から釣って来るしくみであり ]


  そうだな、──思い出
    沢蟹に緋扇が噛まれたことも、な
        指ならわかるが、あの時は鼻で……


[ 思い出し、くつりと笑う
 今後の予定には、それで良いと一つ頷き ]
 

  鰻ならあるぞ
     干したものでよければだが
        あれは炙って米に乗せると旨い
    

[ 夕餉はそれで良いかと
 傾げられた首に同じように首傾げ* ]
(69) 2021/06/20(Sun) 13:21:41

【人】 五色 冥桜

  なんだ夜は怪談をしてやろうと思うていたのに。
  嫌いになられては敵わぬからよしておこう。


[小さな手で触られ脈を確かめられるままに任せる。
硬い方の面白さは男には理解しにくいものだがリンが面白いというのだからそうなのだろう]


  夜は寝るものだがお主がお漏らしするよりは良かろう。
  怪談話をしてなくとも気になれば起こすが良いぞ。


[厠の位置を確認するとそちらも冬場や悪天候の時は難儀しそうなものである]


  ほう、露天風呂か?
  地の底より湯が沸く地の名物であったな。
  残念ながら予は見たことはないが。


[ゆらりゆらりと歩み二人で確かめる。
のらりくらりと抱いている時間を増やしていく]
(70) 2021/06/20(Sun) 16:36:59

【人】 五色 冥桜

  それは楽しみだ。
  漬物と言えば大根であろう。
  梅も良い。あれは風邪の時にも使える。


[裏手に川があると聞くと釣り竿の在処も尋ねておこう]


  二人で並んで竿を垂らすのも良いものだ。

  ふ、む……。
  如何様にして鼻を噛まれたのかは分からぬが。
  緋扇はお主にとって友人であった感じがするな。


[楽しそうに笑う声に瞼を閉じて炊事場へと入ると竈と釜を確認していく]


  干したもので十分だ。
  あれは滋養に良いものであるからな。
  味噌を炒り乗せて喰らうのも実に美味だ。
  さて――。


[首を傾げる仕草に笑みを見せる]
(71) 2021/06/20(Sun) 16:37:14

【人】 五色 冥桜

  手が塞がっていては米が洗えぬな。
  引っ付き虫のままでいたいなら背へ回れ。
  落ちぬようにな。


[ほれと温かな胸元から背中へと導こう。
片手で出来るほどに器用ではないのだ*]
(72) 2021/06/20(Sun) 16:37:22

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



   もう相見えない事が理想だった。
   元来怪物と人間が相入れる事などない。

   先日のソフィアとの件など
   結局は『 大蛇 』の気まぐれに過ぎず、
   その先の接触は禁忌とも思しい。

   それ故、彼女がここに在らぬことに>>34
   『 大蛇 』は安堵を覚える。

   よもや宝になるとは知らないが
   刻んだ石が無くなっているということは>>35
   己の謝辞は彼女に届いたということだろう。



(73) 2021/06/20(Sun) 19:57:09

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



   たった一度の気まぐれが引き起こした縁。
   その一度を最後に、二度目はもう叶わない。

   それでいいはずだった。
   『 大蛇 』の理想だったはずだというのに。


         彼女が訪れぬ事を
         焦がれるようになったのは

            一体いつからだったのだろう。**


(74) 2021/06/20(Sun) 19:58:59

 ***


   経った時などとうに忘れた。
   彼女にとってはどうであれ、『 大蛇 』にとっては
   些細なことでしかないのだから。

   だが彼女があの日を忘れぬように。
   『 大蛇 』もまた彼女を忘れはしない。

   たとえ容姿が変わろうとも
   その裏葉を見間違えたりはしない。







   運命の日。
   『 大蛇 』は赤髪の青年の姿で村の門をくぐる。
   村人達はどのような反応をするのか
   もしも不遜を働くようならば。

      「愚かしい人間よ。控えろ。」


   そう威圧をかけることになるが
   そうでなければ村人に危害など加えまい。

   もとより『ラサルハグ』の目的は
   『ただの子供』だった『生贄の女』ただ一人だ。

   果たして赤髪の青年の問いかけに答えはあるのか。
   それは村人達次第。









      「ソフィアという者はいるか。」**





【人】 鬼の子 千



  ─ それから/鬼との日々 ─


 こんなのはあんたの手で掴んだほうが沢山取れるだろうさ、きっと

[暴れる小魚を眺め、隣の鬼を鬼子は半目で見遣る。心から褒めていそうなのが救えないと内心ぼやいた。
退屈がる人間を宥めて宥めて、やっと結果が出て感動もひとしおというところなのだろうか。

初めて自分で食事を拵えた時もこんな風に喜ばれた気がすると、記憶に新しい過去を思い起こす。
台所で細々とした作業をするのが、大柄過ぎる鬼には大変だったからかも知れないけれど。それが鬼子が積極的に料理を覚えようとした理由でもあったわけだから。
ただやはり肉しか喰わないらしく、相手に幾ら勧めてもいつも傍らで干し肉を食べるばかりなのだが。

村で鬼の子と呼ばれていたのはそんな意味では無かったのだが、息子だと思われているのかもしれない。
五月雨の季節に輿入れし今や初夏を迎える程経った時間、記憶に残る出来事は料理以外もどれもそのように感じられるものだった。]
(75) 2021/06/20(Sun) 20:24:36

【人】 鬼の子 千



[木々の合間から差し込む日光が、鬼と鬼子、そして彼らが面する川に届く。

水面を眺める花嫁の光を透かす髪は今も色素を持たぬまま、隈も変わらずに縁取っている。
ただ肌の色は目に見えて変わり、力仕事は任されずともこうして歩くことではない目的で鬼に連れられる程には身体も見れるものになっていた。

深まる緑と強くなる日差しの中、紅色が見つめる白色も少しずつ変わっていく。
高価で山歩きには重たい白一色の着物も今はしまわれて、持ち込んだそれよりは安価で薄く色が付いたものを纏っている。

何処かできっと起きている悲劇は遠い出来事、名ばかりの夫婦の閉じた世界の時間は穏やかに流れていった。]
(76) 2021/06/20(Sun) 20:25:12

【人】 鬼の子 千



 まあ、こういうのも悪くはないけどな

 そっちは中々掛からねぇな?
 やっぱり手掴みで獲ったらどうだ、きっと似合うぞ?ひひッ

[少なくとも花を書物で潰すよりは有意義だと意地悪く笑うが、それ以上の悪態は続かない。

重石にするより読みたいと、鬼が持って来た歴史書を見て文句を付けはしたものの。止めようとは言わず、不器用そうな手の代わりに自分が花を紙の上に置いた。
行いを咎め伸ばされた手に大人しく摘んだ花を渡したように、「やっぱり花が好きなんじゃないか?」と悪びれず誂いながらも反論せず説かれたように。
そもそも押し花の話に異を唱えなかったからこそ、鬼は行動したわけだから。]
(77) 2021/06/20(Sun) 20:26:26

【人】 鬼の子 千



[平らな花が出来上がったとして、一体どうするというのか。
考えていないことは分かりきってるので、いつか忘れた頃確認するまでその誂いは取っておこうと閉じた書物を眺めて鬼子は考えた。

廃墟同然の建物に棲まい行水はしても風呂など使っていなかっただろう鬼の身体を、桶に汲んだ湯で手拭いを濡らし擦ってやりながら
右半身の黒い跡を眺めそれについて結局聞かなかった時も。

未来への約束を無意識の中積み上げていく自分がいることに、久しぶりに眠気がやってこなかった湿った暑い寝苦しい夜鬼子は気づく。

いつまでも「相応」は与えられず、こちらばかりが用意されたぬるま湯に浸り始めている。]
(78) 2021/06/20(Sun) 20:27:13

【人】 鬼の子 千

[────気に食わない。]
(79) 2021/06/20(Sun) 20:27:54

【人】 鬼の子 千



  ─ ある夏の日/山奥 ─

 そんなに大した怪我じゃねぇよ
 未だ何も採ってないのに、ここまで来て帰れないだろ

[だからこんなことで目的を果たさずに戻る必要は無いと言い、額を拭う。

すっかり夏が訪れ、虫達が活発になった頃。今日は山の奥まで薬草を採りに来ていた。
大きな木の根元で腰を下ろし、昼の握り飯──自分で作っているから形はともかく大きすぎない──を食べた後
変わった草を見つけ不用意に伸ばした指の腹、一筋傷が入ったのがこの問答の原因。

百数十年の山暮らしがずっと牢にいた者に向けるには当然の心配なのかも知れないが
相変わらず親気取りのような過保護だと、鬼子の呆れは声に顔に表れる。

初めの頃などすぐ寺の中に戻されるから、鬼が薪割りなどで外にいる間非常に退屈していたものだ。
自分は二つの意味で子供ではない。きちんと理解してほしい。

悪意のない人外と知っているからこそ、その不満はいつも胸にある。
語り聞かされることはなくとも、さと、さとと事あるごとに死んだ人間の名前が出てくると一層想いは強いものになった。]
(80) 2021/06/20(Sun) 20:29:41

【人】 鬼の子 千



 ……なあ、旦那様よう

[だからたまには、この男が相手では疼きずらい悪癖が主張してしまうのだ。**]
(81) 2021/06/20(Sun) 20:29:56


 そんなに俺が心配なら、舐めておくれよ
 応急処置にはなると思うぞ?

[こちらと同じく身を休めていた草の上の身体、膝を跨ぐように上に乗り上げる。
至近距離から囁いて、有無を言わさず口元に紅を流す指を持っていった。

変われはしない心根がぬるま湯の日常から目覚め、黒い目に輝きを齎す。
それは捕食者か、はたまた牙を心待ちにする贄か。

鬼の子の気質は、同胞より誰かの面影を抱え犇めくモノらに近い。*]

[新項目(じゃんる)かんぅ萌え。
まさかそんな事になるなんて、毒されてませんか。誰か、誰かお客様の中にお医者様はいませんかーーー。かんぅですよ、かんぅでございます。元々かんぅは文明人だったはずなのに、何故か野生人に進化してしまったのです。

それでも服を着る事を覚えた。
元々着てたはずなのに。と突っ込んではいけない。
後、厠の紙を貰ったらおもわず鼻紙にしていたかもしれない。紙と筆だけでなく、卓も用意してくれる至れり尽くせり。
どういう状況だ、これ。という人はいない
真面目になってはいけない(戒め)]



 いや、婿殿の先ほどの顔を
 絵に残そうと…


[美しかったのだ。とかんぅは語る。
少し照れて、何照れているんだ。てれてれ。
筆を持ち、いざと思えど先ほどの顔が中々に形にならず、悪戦苦闘している間に、百合の花を描きだす婿殿をみれば、ほうぉと感嘆の息を漏らし。]


 見事なものだ。


[かんぅきゅんきゅん。]



  かんぅも負けてられぬな。


[穏やかな時だ。
とても穏やかに進むこの時間。戦場にあった身には到底無縁であったはずそれが今はある。其れは婿殿が自分を花嫁として受け入れてくれたからこそだ。(もう突っ込まないぞ)婿殿は何処か無知なところがある故、いまだ愛を知らぬ。

だがいつか、自分が朽ちる前に
同じ心を添えてくれれば]


 …ふっ


[らしくない事を考えた。
さらさらと描く絵は、婿殿と白百合。
13点の出来栄えに、目を細めて。
おおっと服が破けかけた。
現実の婿殿と見比べるように穏やかな笑みを浮かべた*]

[残念、かんぅには絵心がなかった*]

[文明人が野生人になったなら、それは退化ではないかというツッコミはおいといて。
かんぅはどうやら自分の絵を描きたかったようで驚いた。
ほう、目に映る美しいものを描きとめて永遠にするような、そういう風雅な心がこの無骨そうな男にもあったのか、という意外な驚きだ]


 余の顔?

[美しかった、など、とかんぅがいうのもだから、はにかんだ顔をする。
百合の絵を褒めてもらえるのも嬉しく、彼が描いた絵は何を描いたのかよくわからないものだった]


 もしや、それは余か?


[絵を描くからこそ、難しいというのはわかる。
しかし、かんぅの素直な性根がそのままに残るいい絵だな、とほほ笑んだ]

 かんぅ殿は絵がお上手だな

[技量というより、子供が描きたいものを描くようなあどけなさがいい。
ああ、余には描けぬものよと思い]



 かんぅ殿。もしよかったらその絵を余に譲ってはもらえぬか?


[そうおねだりしたが、毎日の獣といい百合といい自分はもらってばかりだな、と少し気が引けて]

 もし、かんぅ殿が欲しいものがあれば、交換いたすが、どうだろう


[そうおずおずと尋ねた。ちなみに、かんぅがこの滝を訪れてから毎日のように破く服やら、身一つで来たために用意した日用品やらはノーカンである*]

[どうしよう、婿殿が尊すぎて川に飛び込みたい。
其処ではにかむなんてつらい。息ができない、しんどい。限界、もう尊過ぎてむりぃ状態である。できるのならごろごろ転がりたいが風雅な雰囲気でかんぅも流石に自重した。いや自分の絵心のなさに固まっていただけともいうかもしれない。

余か、と問われ、端切れ悪く頷いて]


 ……な、上手?


[驚きは瞬きを持った。
心から婿殿が褒めているのがわかる。何かも分からぬ絵にわざとそういう方でないと知っているから、言葉を失った。ああ、この方は何処までも綺麗なのだろう。その神々しさに溶けそうだ。こうして傍にいられるだけでも浄化されそう。

塩を与えられた蛞蝓の気分だ。
ああ天界に行ってしまう。

と遠い目。]

[…即追い出されました。]



む、む?この絵をか?


[強請る声に遠くへ行っている目は戻され。
婿殿の方を見れば、おずおずと尋ねる声が聞こえた。欲しいもの――。欲しいのは婿殿。いや、最初から婿殿は花嫁であるかんぅのものであるが。]


 かんぅは沢山のものを貰っているぞ。
 だが、…


[筆をおいて、紙を差し出す際に告げるのは彼より頂いたものを告げる言葉、自らの胸に手をやるのは衣類とそして、心。婿殿と出会い愛を宿した。婿殿の心に同じ愛がなくとも。
生まれたものは彼から頂いたものだと微笑み。]



 そうだな、…


[婿殿が描いた百合を差し。]


 絵をかんぅにも譲ってくれぬか。


[婿殿が描いた百合の花を。
百合に例えた貴方が欲しい。その言葉は微笑みの中に隠して、叶うのなら絵に手を伸ばそうか。そのとき、指先と指先が触れ合えば、柔らかく目尻を緩め。その手を軽く絡めるように握りしめて、指と指での戯れを交流とし]



 この絵を懐に収めれば
  婿殿を傍に感じられよう。


[焦がれば
夢でも会えるであろうか。と若く*]

【人】 水分神

 

    ………………くふふっ


[確りと頷いて見せた婿殿を見送り>>64
 すっかりその姿が木々に飲まれた後

 悪〜い顔で笑うと
 たたたーっと屋敷の中へ戻った。]
 
(82) 2021/06/21(Mon) 0:19:18

【人】 水分神

 

   久しぶりに妾だけの城じゃぁ〜!


[だらしなく畳の上に転がる。

 普段のように婿殿の目を気にして
 きりりと凛々しく振る舞う必要もないから
 なんという解放感。なんと楽なことじゃ!

 (日頃から全く凛々しく見えておらぬとか
  そういう意見は受け付けておらぬでな)]
 
(83) 2021/06/21(Mon) 0:19:35

【人】 水分神

 

    〜♪


[大好きな果実と共にごろごろ。
 妾は気楽で気侭な
 ひとりの時間を過ごすのじゃ。

 ご機嫌にひとくち、ぱくり。]
 
(84) 2021/06/21(Mon) 0:20:12

【人】 水分神

 
    ……?
    こんなに、つまらぬ味だったかの……**

 
(85) 2021/06/21(Mon) 0:20:26

【人】 水分神

 
  
── >>83>>84の間 ──



    おっ、そうじゃ


[ばっと起き上がれば
 秘密の食糧庫に隠しておいた果物を
 両腕に抱えて戻ってきた。

 底をつきそうと言ったのは嘘じゃ。
 まだまだたーんとある。

 最近では減りが遅いしの。**]
 
(86) 2021/06/21(Mon) 0:24:03
水分神は、メモを貼った。
(a3) 2021/06/21(Mon) 0:27:05

【人】 土地神 リン

  
  むぐ、お漏らし云うでない!!
     せっかく、遠回しに言ったというに

    そういう冥桜こそ、だな
       雷が恐ければ起こせば良い
          別にそれ以外でも構わぬが……


[ 冥桜と同じよう
 己の胸にもまた脈がある
 皮一枚下には赤い血の流れもある

 人の肉の檻に神の魂を閉じ込めてある
 そう表現するのが正しい身には
 とかく、苦手なものが多い

 雷にしろ、獣の声にしろ、怪異にしろ
 それが己に害をなすかが問題なわけではなく
 怖いもの、忌むべきものとして
 器の方に刷り込まれているという理屈である

 そしてそれは、快や楽といった側面も同じ
 人が好む風呂などは己も好むものであり ]
(87) 2021/06/21(Mon) 2:24:08

【人】 土地神 リン


  風呂は見るものではなく
      入るもの、だからな

    とはいえここのは
        湧いたのをひいておるのよ
           

[ 沸かす手間のない自慢の場所
 時折、猿が訪れるのもまた面白い
 いつでも入れば良いと言葉を加え ]
(88) 2021/06/21(Mon) 2:24:30

【人】 土地神 リン

[ 釣り道具の話には、ふむと頷き
 厠近くの物置にあると伝えよう 

 厠近くの物置──
 あそこは網やら、魚籠やら、仕掛けやら
 釣りに限らず、とかくなんでも揃っている ]


  んーむ、友人……はわからぬが
        蘇芳とは、また違うようだった

    蘇芳とは喧嘩はせんかったが
         緋扇とは、よく喧嘩もした
            あいつは謝らんから、いかん


[ 何で争ったかは覚えてないが
 争ったことだけ、鮮明に覚えている

 そうして、喧嘩した日には
 必ず夕餉が米だけだったと頬を膨らませ ]
(89) 2021/06/21(Mon) 2:24:48

【人】 土地神 リン

[ 背中へと移動を促されれば
 無言で首をふるりと拒否の意
 とん、と床へと降り立って ]


  我も米とぎするぞ
     それだけは──んや
        それぐらいは、我にもできる
 

[ 逆に、他は任せられなかったのだが
 あえてそれを言うつもりはない

 米は何合炊けば良いかと
 瞳を輝かせ、升へと手を伸ばした* ]
 
(90) 2021/06/21(Mon) 2:25:59
 こんなものでよいのか?

[かんぅ殿に描き終えた絵を渡す。
技巧に長けているのは描きなれているせいと、見ながら描けたせい。
絵を渡した時に触れ合った指先が温かく、彼の手が自分の手を握りしめてきた。
かんぅから流れるその想いの交歓とかができるほど育ってない心は、どうしたのだろう、と普通に謎めくだけだ]


 それならば、余はかんぅ殿のために首から下げる掛守(かけまもり)を作ろうか。
 どこにいてもかんぅ殿が怪我などしないように願いを込めて。


[絵を持ち歩くより、その方がよほど楽に違いない。
すぐに全裸になるかんぅだから、首から下げられる方がいいだろうと。
既にヤオディの中でかんぅは全裸が基本と刷り込みが起きている]



 かんぅ殿、こちらへ。

[彼を自分の衣装が納まっている部屋へ連れていくと、衣架に目を当てる]


 かんぅ殿はどのお色が好きか?

[どうせなら自分が着ている着物をほどき、それで作ろうと。
布も用意し綺麗な刺繍糸も用意して、縁起のいい図案も考えて。
どのようなものがいいか、とウキウキしていた*]

[愛おしさが爆発しそうだった。
こんなものではない。と否定の強さは強く。

彼の心が恋しい。思わず山に登って雄たけびを上げそうになるのを踏みとどまり。兄者偉いぞ。絵を持つためにと掛守を作ろうとしてくれる婿殿に連れられて衣装部屋に。
なんでこの子、こんなに献身的なの。

もしかして惚れられているんじゃ。
という淡い期待は抱かぬ方がよい。彼は魔物。
長く恋焦がれる覚悟はできていて]


 白が好きだな。
 ……婿殿ばかり見て何時の間にか
 白が好きになってしまった。


[その薄い唇に重ねる事を考える。
だがかんぅは学習した。突然の熱い口づけ(べーぜ)は無垢な婿殿を驚かせるだけだと。ウキウキとする婿殿の頬にそっと手を添える傍まで寄せるのは突然のふれあいは邪となると知ったから触れぬ距離を保ち。]



 婿殿、抱きしめてもよいか?


[溢れる愛しさの逃れどころを探し
そんな事を聞けば、許しが出るかどうかを迷ったであろう。文明人、服を着ている今はとても文明人にみえる。
かんぅどうしちゃったの(困惑)*]

【人】 鬼 紅鉄坊



いいや、小さく動くものを掴むというのは案外困難なことだ
私には動物で精一杯だとも

[ 向けた賞賛にも少しも嬉しそうではない姿>>75
 鬼は気にすることもなく、陽を浴びて輝いて見える髪の若者を眺め
 意地の悪い笑みに>>77、微かに口元を和らげすらした。

 何だかんだ言いながら本当の拒絶は口にせず、隣に居続ける。
 不意に落ちる素直な言葉が、鬼には可愛げのように感じていた。
 人間たちが怯える様を心底愉しげに見ていた者の中にあった一面。 ]
(91) 2021/06/21(Mon) 10:25:21

【人】 鬼 紅鉄坊


だが、興味があるというのなら
もっと暑くなってきたら、今度は共に川に入ってみるか?

きっと心地良くもあるだろう

[ 自分が求められているものに知らぬふりをし、
 本来の夫婦の如く寄り添いながら千太郎に健全というものを教える
 その道を選んだから、彼はこうしていると分かっていた筈なのに。

 生気に欠けた白色が変わっていく様子をずっと見ていたら>>76
 いつの間にか、未来を考えるのが心から楽しくなってきていた。

 押し花だってそうだろう。
 鬼が望んだのは平たい花ではなく、それを眺めて語る時間。>>78 ]
(92) 2021/06/21(Mon) 10:25:51

【人】 鬼 紅鉄坊

── ある夜に ──


葬ってはやったのですね?

[ 暑く寝苦しい夜のことだった。
 今年輿入れした他の花嫁の行く末を、あの男が伝えにやって来た。

 毎年起きることだ。何も言われる前に様子で察するものがある。 ]

今年は早かった。いや、今年もなのか

[ あの子は眠っているだろうが、届かぬよう自分が外に出て
 廃寺よりも奥、光の届き難く道の無い闇の中で話を始める。

 結末を知りながら送り届ける、同胞に飢えを強いれない妖怪には
 彼女らを悼む権利も本来は無い。
 
 表に出さないまま、いつも鬼の胸の内に悲壮は留まった。
 しかし、今年は其処にはある一人の居場所があった。
 大切にせねばならないと、強く想った。 ]
(93) 2021/06/21(Mon) 10:26:11

【人】 鬼 紅鉄坊

[ ──その時が来るまでは ]
(94) 2021/06/21(Mon) 10:26:30

【人】 鬼 紅鉄坊



あの子は生きています……そうですか、見ていましたか
随分元気になりました
もう少し身体がしっかりすれば、里に下ろすつもりでいます

勿論、村に帰したりなどしませんよ
本当はもっと遠くに行かせてやりたいのですが、
山を出るまでは、私が共に

[ 両者の合間を空気の流れが吹き抜け、葉が擦れ鳴る。
 暑く湿った夜、その風だけは何故か冷たかった。

 暗い場所でも目立つ相手の髪が乱れる。
 彼はそれを直すことせずじっとこちらを見つめ、口を開いた。 ]
(95) 2021/06/21(Mon) 10:26:47

【人】 鬼 紅鉄坊



「お前さん、本当にいいのか?」


          それはどういう意味で──?

[ 答えを得ることは無いまま、鬼の男たちは別れる。 ]*
(96) 2021/06/21(Mon) 10:27:04

【人】 鬼 紅鉄坊

── 夏の日・山奥で ──


しかし、薬は帰らねば塗ってやれないぞ
傷は小さくても恐ろしいものなのだ

[ 問答は互いに殆ど同じ内容を繰り返しながら、終わらない。>>80
 相手のように顔には出ずとも、引かんとする強情さはそこに表れる。
 向かい合うように近くの木の下で座す鬼は、腕を組み頷かない。

 千太郎はずっと外に出れなかったから、きっと分かっていない。
 壁のようにただ板を打ち付けるとはいかなかった風呂釜の修理
 直せるまでの間は拭うだけで我慢してもらったが
 その時見た身体には少なくとも今傷は残っていなかった。

 無償で村人に物資を求め続けることが心苦しく、
 人間は立ち入れない場所にしかない薬草を探しに来たのが今日。
 未だ早かったのか、はたまたこうした経験も必要か。]
(97) 2021/06/21(Mon) 10:27:22

【人】 鬼 紅鉄坊



どうした?

[ 鬼には心は読めず、覗き込もうとも思わない。
 そして今相手を想うという自分の感情で頭がいっぱいだった。

 故に、花嫁の中で燻るものに気づくことはなく>>81]
(98) 2021/06/21(Mon) 10:27:51


なっ……

[ 気づけば吐息が掛かる距離。差し出された紅色と甘く響く囁き。
 こんなにも二人の顔があるのは、初めてではないだろうか。
 そんなことを冷静に思考する余裕が、鬼には無かった。

 離れていては意識の外だった血の芳香が、すぐ傍に香るのだから。
 千太郎に付きっきりで暫くありつけてない新鮮な血肉が、
 そこには、いや、それこそが千太郎で──

 その千太郎が誘ってくる。求めてくる。]



[ 誘われるように手は伸びて、手首を掴み強くこちらに引く。

 傷ついた指を口内に迎え入れれば、甘く噛みながら舌を這わせた。
 理性を遠のかせる味を齎す一筋を、何度もなぞり先を押し付ける。

 引き摺り出された本能。切り捨てられない本質。
 咎める言葉の代わり、漏れ落ちるのは獣じみた息ばかり。
 捕食者じみた贄の望むままに、今その目には「千太郎」は映っていない。 ]

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 息が上がる。日差しではないもので身体が熱を持つ。
 言葉も忘れる程に夢中になっていた。

 未だ逞しいとは言えない手首を掴む力に、常の気遣いは無い。
 四方から聴こえる虫の声は、真昼の狂宴の蚊帳の外。 ]**
(99) 2021/06/21(Mon) 10:33:17
龍之介は、メモを貼った。
(a4) 2021/06/21(Mon) 11:48:46

 かんぅ殿ったら

[彼がまさか雄たけびを上げそうになるとか野蛮なことを思っているとは思わず、色にかこつけて好きだと言われて照れて頬を染める。
かんぅは出会った当初から自分に対して好意的な言葉ばかりを口にしてくれて、嬉しがらせてくれる。
最初は呆れるばかりだったのだけれど、どうしてだろう。
いつしか照れて仕方がなくなってきた]


 そ、そうか。
 それならば、生成りの白の地に、白い絹糸で縫い取りをしようか。
 平織のものなら縫いやすいし、肌に触れても痛くない。


[長く身に着けてほしいから、と彼の肌に傷みがないように思うのは、自分の肌が弱いせいか。
すぐに治ってしまうが、人に化けているとどうしても白竜での鱗とは違って傷つきやすいのだ。
かんぅの肌は強そうに思うが、少しでも自分のせいで傷がと思うと胸が痛くなってしまうだろうし]


 ん?
 よいぞ、そんなのはいくらだって。


[抱きしめたいと言われて、何を今さら、と思ってしまう。出会い頭は傍若無人に抱き上げられたりしていたような気もするが。
それならば、と自分の方から抱き着こう。
彼の太い胴に抱き着いても腕が回らない。
本当に、子供と大人のような体格差だ。そのせいだろうか。自分の方がうんと年上だというのに、かんぅ殿にいつも子供扱いされてしまうのは]


 かんぅ殿には、余はどう見えているのかの。


[無鉄砲さや突拍子の無さから、余の方がかんぅ殿が子供ように見えるのに、と彼の胸に頬を擦りつけながら拗ねたように唇を尖らせて]

 余はもう色々と知っている大人だというに

[その知識がとても偏っていて薄いなどとは本人気づいていないのだが*]

【人】 ソフィア

 

  長閑な村でも日々を懸命に生きていれば
  記憶は徐々に風化し、過去は思い出となっていく。

  生きるということは、
  忘れるということ。



  それでも私は、なにもかもを抱えていたかった。



── ▷ sacrifice  ──   

 
(100) 2021/06/21(Mon) 19:54:54

【人】 『村娘』 ソフィア

 

  すくすくと体と心が成長する間も
  この村の嫁入り制度は変わらない。
  毎年一人、成人した女性は神様の元へ向かい、
  この村は恵みを得ている。

  子供の頃は、『お手伝い』に行っているのだと
  大人から聞いて、それを素直に信じていた。

  今は違う。
  私は、『生贄』にされたくないと>>0:303
  泣いていた女性を知っている。

 
(101) 2021/06/21(Mon) 19:56:49

【人】 『村娘』 ソフィア



  穏やかで物静かな人だった。
  あまり他人と関わる方ではなかったけれど、
  遠くから見守っているような
  そんな眼差しをいつも向けてくれていた。

  神様の元へと向かうことが決まった時
  彼女は部屋に閉じこもってしまった。

  会ったこともない神様の所へ行くのが
  怖いのだと思ったから。
  私は彼女に会いに行ったんだ。
 
(102) 2021/06/21(Mon) 19:57:25

【人】 『村娘』 ソフィア

  


  ─── 残酷な世界>>0:364
  彼女たちが行ってきた覚悟>>0:365
  
  知らなかったでは済まされない
  今までの犠牲の数々。



くらりと世界が変わるような衝撃を  

私は初めて思い知る。*         

 
(103) 2021/06/21(Mon) 20:02:02
 
***


  『神様』である彼のもとに、
  嫁いだ者は何人もいただろう。
  その一人ひとりを、彼は覚えているのだろうか>=2
  それとも、記憶に留めてさえいないだろうか。
  
  あの日のことは忘れもしない
  あの優しさを覚えている

  けれど、彼は『生贄』を求める『神様』で。
  ……私たちとは、違う存在。
 

  

  小屋を出ればざわめく声が聞こえた
  私と友人は何事だろうと顔を見合わせる。
  
  そう大きな村ではない。
  歩けばすぐに理由はわかるのだろうけれど。

  こちらは大切な花嫁なのだから。
  そう外で逃げ出さないようにか
  見張っていた村人に言われ、
  報告を待つことになる。
 

 

  やがて、伝え聞いたのは

  「 よそ者がどこから聞いたのかわからないが
    花嫁に会いに来た 」 という話。


  ざわめきはどうなっていただろう。
  疑問を抱いたものの、
  周囲の目から逃げられない私は
  その人に会いに行くことなく、
  静かに、声のするほうを見ていた。*
 

【人】 白竜 ヤオディ

― たまにはお仕事 ―

[滝の傍まできて、わんわん泣いている少女を前にうんざりした顔を隠さないヤオディ。
泣きやめばそれなりに可愛いだろう少女なのに、目を赤く泣きはらして壊れた蛇口のように目から水を滴らせていては、その可愛さも台無しだ]


 余にそんな相談をされても……


[弱り切ってそう言っても、キッと少女はこちらを睨んで、なんでですか!と怒鳴ってくる。結構な迫力で白竜であるこちらの方が一瞬びくっとなりそうなくらい、怖い]
(104) 2021/06/21(Mon) 20:08:25

【人】 白竜 ヤオディ

 その手の事柄は余の管轄でなくての……
 恋愛相談なら、縁結びの神あたりの方が向いてると思うのだが


[そうアドバイスを求める先の変更を依頼するが、少女は聞く耳をもたない。今までずっと私のことを好きって言ってくれてたのに、ちょーっと冷たくあしらっていたら、他の女になびきやがって!
とか、怖い顔をしてぶつぶつ言っている]


 そ、そちがそのようにそのおのこに興味なさそうな素振りをしているのがいけないのでは……そのおのこが好きというのなら、ちゃんと相手にそう伝えればよいのでは……。
なんでそうせんのだ?


[普通に不思議で問いかければ、そんなの恋の駆け引きですよ!ときっぱり帰ってきた。
自分には難しそうで、恋の駆け引きなどはわからない、が]
(105) 2021/06/21(Mon) 20:09:02

【人】 白竜 ヤオディ

 そちが恋の駆け引きなるものをしているなら、そのおのこも恋の駆け引きなるものをしているのでは?
 実際、そちは今まで追いかけてきていたおのこが急に自分をおいかけなくなったから気になったんだろうに。


[そう口にしたら、少女はそうか!と手を叩いている。
そしてそのままなぜか喜んで帰ってしまったが……。
なんか最初の方はあの男に呪いがどーのとか言っていたから、余に男に呪いをかけさせるつもりだったようだが、そういうのも自分の専門外だ]
(106) 2021/06/21(Mon) 20:12:05

【人】 白竜 ヤオディ

 人はすごいのう……。

[この洞にやってきた当初の自称嫁を思い出す。
今は日課の獣を狩りに出かけていて留守だったが、彼も最初から情熱的に愛の言葉を捧げてくれていたようだった。
まったくその意図が分からず、スルーするしかなかったが。

―――でも、今なら少し、人の心がわかるかもしれない。
もし、かんぅ殿が他のところに、と思うと、かの少女のようなことを、自分も思うかもしれないから………]
(107) 2021/06/21(Mon) 20:14:57

【人】 白竜 ヤオディ

 ―――な!
 余は違う、けっして違うぞ。


[そんなバカな、と自分で自分を否定して。
熱くなった頬をぺちぺち叩きながら、滝壺に消えていった*]
(108) 2021/06/21(Mon) 20:15:58

【人】 五色 冥桜

  はっはっ、すまないな。
  遠回しにしたいことであったか。
  なぁに、お主は未だ小さいのだ。
  お漏らしして良いのは小さいうちだけだぞ。


[揶揄うように笑いながら頭に手を置き撫でてやる]


  それに予は神鳴は怖くはないのだ。


[何せ自分で奏でて見せるほどだ。
得意げに笑うと愛いやつと頬擦りを試みては温泉には一言]


  ――それは楽しみだ。


[語らず、騙らず、感想を述べるだけであったが口元には深い笑みが浮かんでいた]
(109) 2021/06/21(Mon) 20:30:09

【人】 五色 冥桜

  よしよし、ではその時は一緒に入ろう。
  予も隅々まで磨いてやるぞ。
  安心せよ磨かれるのは慣れておらぬが。
  磨いてやるのも慣れておらぬ。


[どこにも安心要素のないことを述べると緋扇にはそうされたようであるからと男は語る]


  そうか、悪いことをしたら謝らねばな。
  素直に謝れるのも才能の一つだ。
  夜怖くて起こされたら予は謝罪より感謝されたいがな。


[二人とも随分と幼い喧嘩だと男は楽しそうに笑う。
リンを通して蘇芳と緋扇を見てはその光景に目を細めた。

それならば尚の事。
ちゃんとした別れをさせてやろう]
(110) 2021/06/21(Mon) 20:30:17

【人】 五色 冥桜

  そうか、お主は偉いな。
  撫でてあげよう。


[床に降り立ったリンの頭を撫でると男は自分の顎にも指を添えた]


  ふむ――多めに炊いて雑炊にするも良し。
  あとで焼きおにぎりにするも良し。
  予は一合程あれば良いからそこにお主の分を足して。
  それをもう一度足した分にしよう。

  洗っておる間に予は床を掃いておくよ。
  食材を持ってくるにしてもな。
  埃ぽいところよりは良い。


[米を研ぐのは外であろう。
ならば居間やらは空気は入れ替えているのだから箒で埃を粗方掃いておこうと――]


  はて、掃除道具はどこだろうな。


[聞いていないことが沢山あるなとそれならばとリンと共に米研ぎに向かおうか。
水を汲む役目は任されようと手にした升で測り終わるのを待った*]
(111) 2021/06/21(Mon) 20:30:24
[動悸が激しい。
照れて頬を染めている姿に目を奪われた。可愛い、愛い。愛らしい。幾つもの言葉が胸を回る。真面目に死にそう。このままでは血が足りない、輸血を頼む。心が滾って血管がいく。様々な表現では追いつかぬ程の愛いを見て、その上心遣いまで聞けばかんぅは死にそうだった。

可愛さで。]

[人は可愛いで殺せる。]



 平織のものか。
 恩に着るぞ、婿殿。
 ……そこまでしてくれるとは、婿殿は
 まさに神!


[魔物です。
かんぅの肌は多分やすりでも大丈夫だけど、その心が嬉しい。あ、また天国が見えた。そして追い返される。その繰り返しである。絹糸は彼の髪に似て見えるだろう。白く艶めく其れは、さらりとして流れのように美しい。肌もまたきめ細かく少し触れるだけでも傷つきそうだった。
だからこその躊躇い。

いや婿殿を知る程に
尊さが増して、知らぬ頃よりもずっと
壊してしまうのではと考えるようになった]




 …いくらだって良いのか?



[思い出すのは最初のやり取り。
あの時自分は聊か勢いが良すぎた。聊かか、聊かぐらいだったか。婿殿は初めて会ったとき怯えていたのではないか。と思うようになったのは穏やかな時を過ごすようになってから。今気づくのか、愛は深さを増すごとに相手を思いやる気持ちを生む。愛ってすごい。

躊躇いと確認のために問うていれば
婿殿の方から抱き着いて]


 …!!!!!!!!!


[かんぅは、息を飲んだ。]

[やばい、すごいやっばい]



 …ど う?


[ぎゅっとして壊れないか。
怖くなった。大丈夫だろうか、ぎゅっとしていいのか。分からない何も分からないが胸に頬を擦り付けて拗ねる唇を見ればおそるおそる背に手を回した。最初のときは何も考えずに触れていた。けれど、今は違う。愛しいの深みを知ったのだ。
其れに彼から触れてくれた。

壊さぬように背を撫でて]



 大人といえど、命の精の意味も
 知らぬかったではないか。


[ふっと笑い。
其れから背から髪を撫でてその瞳を覗きこもうか。確かに婿殿の方が自分よりも長く生きているのだろう。そして長く生きる。美しい白竜。この洞の主。下界に触れず、天女のように清く生きてきた彼は欲に関しては幼子のようだ。

拗ねたような唇が幼さを増して見えるのだと
指摘するにはあまりに愛らしく]


 かんぅには、愛おしく見えている。


[恋しく愛おしく。
髪を撫でる手とは異なる手で顎をなぞれば
唇に指腹を触れさせて、触れても。と問うのは接吻。トキメキが抑えられずに、唇を重ねる許しを待つのだ。*]

【人】 将軍 かんぅ

―花占い どきどき―


[すき、嫌い。すき、嫌い。すき…きら。]



 ふぅん!!!!!!


[すき!!。と花を粉砕した。
隣を歩いていたイノシシがふぎゃと声をあげる。いやあうっかりうっかり。移動はもっぱら蔦で飛ぶだが、ときたま、馬に乗りたくなるときがあるものだ。そんなときはこの相棒のイノシシに乗って山をいくのである。

そしてそんな日々のある時
見つけた花で花占いをした。
結果は、もちろん好き(かんぅの思いは運命も曲げる)]
(112) 2021/06/21(Mon) 20:44:20

【人】 将軍 かんぅ

[るんるんの気分である。
そしてるんるんの気分で過ごしていたら川に男が浮かんでいた。あなや人命救助と思い飛び込み助けたら、以外や以外、自ら川に浮かんでいたらしい。(どういうことだってば)

男曰く、好きな女の子に冷たくしている最中ということ]


 …冷たく(物理的に)



[なんでそうなったんだよ。と突っ込む人間はいない。
かんぅはほうほうと興味深そうに聞くばかり。いわく、冷たくあしらわれてばかりいるのでやり返しているそうだ。物理的に。それでいいのか。と一応かんぅも聞いた。

一応]
(113) 2021/06/21(Mon) 20:44:40

【人】 将軍 かんぅ



 「そりゃ恋の駆け引きですからね!」


[わからん]
(114) 2021/06/21(Mon) 20:44:57

【人】 将軍 かんぅ

[わからんが凄い事をしている事だけは分かった。
男はまだ続けるのだと川に流れていった。どんぶらこっこどんぶらこっこ。川下の方に女の子の姿があったような。とにもかくにも不思議な出会いをしたものである。


かんぅには生憎、恋の駆け引きは分からぬが
冷たくするのも……]


  無理だな。


[1d100秒で諦めた。
何せ愛おしさが溢れて仕方ないのだ。可愛く美しい婿殿に。子どもっぽくも優しく包容力に溢れ、慈しみを持つそんな彼が愛おしく手堪らない。一句読みたい。


ああ、婿殿。婿殿可愛い、大好きだ。*]
(115) 2021/06/21(Mon) 20:45:12



   記憶はいずれ朽ち果てる。
   たかだか100年の中ですら言伝はヒレを生やし
   伝聞は姿形を成すことすら叶わない。

   忘れぬということ。
   ただそれだけが如何に尊いか。

   我が『花嫁』に全てを示そう。
   それはただ一人、お前にのみ相応しい。




【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ





   そうだ。
   『私』と『彼女』は違う。

   決して相入れてはならぬ番(つがい)

   だがしかし、村の者たちの振る舞いには
   『 大蛇 』も心底反吐が出るばかり。



(116) 2021/06/21(Mon) 21:00:04



     花嫁が逃げぬように?

     実に愚かしい。

     私が選んだ唯一無二の女が
     己の運命に背を向けるような
     醜女だとでも言うのか。





【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ





   村の者は言う。
   ソフィアは今日『神』に嫁ぐと。

   その『神』が目の前にいたとして
   己の可愛さに偶像
生と死を司る神

   崇め奉る者たちには気づけまい。

   村人達を無視して進もうとする『 大蛇 』に
   村人はついに力で抑えようと向かってくるが
   その結末は想像に難しくない。


      「花嫁がいなければお前達の命はなかった。
       それをよく肝に銘じ、二度と忘れるな。」



   しかしながら誰一人の命も奪うことは無い。
   ソフィアを迎える手が下劣な人間共の血に塗れるなど
   決してあってはならぬからだ。




(117) 2021/06/21(Mon) 21:03:37
  天狗は、メモを貼った。
(a5) 2021/06/21(Mon) 21:04:05




   紅のシャシュカを携え村の奥へと進む。
   先程逃げ出した人間がそろそろ報告に
   向かっている頃だろう。

   あぁ実にバカバカしい。
   自分達が祀る『神』から『供物』を守ろうなどと。
   その勇猛にソフィアへの愛などあるのだろうか。

   『ラサルハグ』は『花嫁』を憂い、村人達を退ける。
   そして、いつかたどり着くその場所で



【人】 龍之介


  
── 裏の森 ──


[木々の合間を縫い、道なき道を進む。

 ミクマリ様の水源を護る
 大切な森だから
 立ち入らぬよう言い伝えられていて
 中の様子について、耳にしたことは無い。

 どんな果実があるのか?とか
 どの辺りに?とか
 まるで分からぬまま宛もなく探し続ける。

 足元や頭上に必死に目を凝らして
 実だけでなく
 葉の形や枝ぶりなども
 確認するけれど、目ぼしいものは見当たらない。



   (喜ぶ顔が見たいのに、な…)



 時間ばかり食ってしまっているのが
 灯した蝋燭の減りで分かる。
 もう二本目も半ばになってしまっていた。]
 
(118) 2021/06/21(Mon) 21:30:53

【人】 龍之介

 
[休憩を取る間も惜しい、と
 お屋敷に準備して置いてきたものと同じ>>64
 小振りなおむすびを
 口に放り込み、頬張りながら
 歩き、薙ぎ、くぐり、歩き、見上げ… 探す。

 具に選んだ
 胡桃と甘い味噌の香りが
 鼻を抜ける時、あーんと口を開く
 お姿が思い浮かんで
 焦りに塗りつぶされた表情が、ほんの少し緩む。

 普段はそっけない態度を取られる御方だけれど、
 時折、ぽろりと見せてくださる
 溢れるような笑顔は
 筆舌に尽くしがたいほど可愛らしい。

 豆乳寒天を召し上がられた時とか、…特に堪らなかった。



   (これも、お好みだといいのだけれど…)


 と、考えて
 反応が見れないことが、
 なんだか無性に
淋しく
なった。]
 
(119) 2021/06/21(Mon) 21:31:05

【人】 龍之介

 
[早く見つけて、
 早く帰ろう。

 早く、早く、早く、
 早く、早く、早く、早く…!!]
 
(120) 2021/06/21(Mon) 21:31:12

【人】 龍之介

 
[けれど、
 龍之介の気持ちとは裏腹に
 時間ばかりが無為に過ぎ去っていく。


 焦るあまりに
 ひとつだけしか口にしなかったから、
 疲れた時に食べようと
 自分用に準備した”梅干しおにぎり”を
 お屋敷に置いてきてしまったことにも気づけなかった。]*
 
(121) 2021/06/21(Mon) 21:31:57
[ぎゅうっと抱きしめるというより抱き着いていると、そっと背中を撫でられる。ああ、癒される。やはり人のぬくもりはよいものだ。
水の魔物である自分は、水生生物をやはり傍に置くものだから、それを人の姿に変化させたとしても本性は変わらずにいて。
そういうものたちは元々抱きしめる腕がないから、そのような習性がない。
だから、抱きしめることの温かさを教えてくれたのはかんぅだった]


 そ、そんなことは知っている、もう知っているぞ。


[ふいっと知ったかぶりをしてしまうのだけれど。
優しく髪を撫でるかんぅの手が心地よく、顎に添えられた手が上を向かせる。
どうしたのだ?と思えば顔がなぜか近づいてきたので、自然と落ちる瞼をそのままにしておけば]



[―――唇同士が触れた。

いや、最後は自分の方から求めるように動いていったかもしれない]


[唇が触れただけだというのに、なぜだろう、すごくドキドキしてきた。
それはかんぅが移した何かの病かもしれないのだけれど。

しかし、その病は嫌いではない]

 かんぅ、どの、どうしてだろう。
 余は病かもしれぬ。
 妙に、ドキドキが止まらない………。
 すまぬが閨に連れてってくれ。

[そう言って、抱っこ、と彼に向って両腕を差し出した*] 

[しったかぶりの言葉が愛おしい。
自然と近づいた唇は柔らかなものに触れた。婿殿から求められたのは気のせいではない、と思いたい。掌が彼の背に強く触れた。人と人のように。愛を育むように唇が重なった箇所が熱い。人の鼓動を感じるのはいつぶりであろうか。

彼が初めてなのは口づけだけでないと
知ればその尊さを抱きしめる力を強めてしまったかもしれない。抱きしめてその華奢な体を壊してしまったかもしれないから知らなくてよかったのだ。

ただトキメキはとまらず]


 …病だと?


[婿殿が病にかかった。
医者を、医者を、名医を寄越せ。と村に降りていきそうになった。だがそのはた迷惑な行動は行われなかった。何故なら、両腕を差し出し抱っこと告げる彼に息を飲んでいたからだ。ドキドキが止まらない。とは……

閨…閨 ……閨!!!]



 あ、あいわかった。


[抱き上げてそのまま
すさまじい勢いで閨へと走った。布団の上に彼を下ろすまで一瞬だっただろう。ふんどしでかける如く。閨に寝かせた彼の姿は髪を散らばらせて、トキメキを抱えてみえた。

愛だ、愛しかない。]


む、婿殿
 どきどきは止まらぬか?


[無事か。と問いながら
その衣の胸元にと手をやり、人ならば心の臓がある場所を撫でて息が苦しくないか。と問うように衣類を緩め。それから、少しだけためらったのち。]



 婿殿…その
 どきどきは その

         恋 …ではなかろうか



[そいや、そいや。
祭りだ祭りだ、ああ、漢祭り!!*]

[駆けるかんぅは風のごとくであった。

閨に下されても、かんぅが腕に抱き寄せ、触れている限りドキドキが止まらない―――気がする。

衣を緩め、かんぅの手が胸を撫でてくる。
そうされると、もっとドキドキするのに、もっとしてほしい、と言いたくなるのが不思議だ]


 鯉?
 あ、いや、違う。
 恋……とな?

 そうなのか?


[このドキドキは恋という病なのか、とうなずく。
かんぅの手に、直接肌を撫でられると、ドキドキは止まらぬのに、病が良くなる気がする]

 かんぅ殿
 もっとさすってほしいのだ。
 そう、布を脱ぐでの………


[中途半端にまとわりつく衣類がもどかしく、彼の前でしゅるり、と帯を解いていく。
彼とはもう一緒に風呂に入った仲なのだから、恥ずかしがることもない。
それに、彼には童と思われている身なれば、恥ずかしがる方がおかしいと自分で言いきかせ]

 ふう………楽だの。
 そちがいつも裸で野山を駆けまわる気持ちがわかるの


[そう笑うが、もし自分がそうするとなったら、白竜の姿でするだけだろう。
彼の手を勝手に持つと、ぺた、ぺたと自分の体に当てていく。
まるでおさまりのよい寝方を探す蒸し暑い夜のように]

 やはり、かんぅ殿が傍にいるのが、余は心地よいようだの。
 恋とは、異なる病よの


[そう思わぬか?と、かんぅを自分の隣に寝るように促せば、彼に抱き着きながらすり寄り、裸の足を行儀悪く彼の腰の辺りにかけて、ぎゅうっと密着するように甘えて抱き着いた*]



[なんだ、こんなにも簡単なことだったのか。
────この男の表層はこんなにも脆かったのか。

もっと早く、実行に移っていれば良かった。

これ程近い距離に在りながら、強く寄せられる手首。
引っ張られる身体が更に鬼と密着し、両者の温度が交わる。どうしようもなく、全てが熱い。]



 ………っは、ぁ

[鬼の舌先は傷よりも大きく、広げられてしまいそうだった。
しかし、傷口を抉る柔いものより、容赦無く腕を掴む力の痛みより
背筋を走る刺激が強くて、呻きの代わりに吐息が漏れる。

歯は獲物を抑え込むように甘く噛むばかりで肉に突き立てられないのは、喰らう前に味わっているのかはたまた、抵抗する理性が残っているのか。

早く喰ってほしいのに。花嫁として、全てを腹に収められたいのに。
今も咥えられている指を更に押すと関節が歯に引っかかり、ごり、と骨が鳴った。肉を食い千切る部位に強く当たる痛みに切なげに眉を寄せる。

満たされる期待と焦らされるもどかしさが、更なる行動に駆り立てる。]



 なあ……
 此処に牙を立てたら、もっと沢山飲めると思わないか

[囚われていない手が衿元を引き、もっとよく見えるよう緩める。

思い通りに操られる他者を嘲る笑みは何処にも無い。
ただただ、求められることを求めて熱に浮かされているだけ。]

 全部喰ってしまったって、構わないんだぜ
 俺の血も肉も命もあんたのもの、そうだろう?

[逞しい身体に包まれるように片手が背に半端に回る。
そうすればきっと、視界に、すぐに噛みつける位置に首筋があるだろう。]

【人】 鬼の子 千




[影色に顔をすり寄せて、恍惚と息を吐く。**]
(122) 2021/06/21(Mon) 23:01:00

【人】 土地神 リン


  むっ、その小さいは
      身の丈のことか?

    それならまぁ、否定はせんが
        齢で言えば、我はお前より──


[ よほど年上
 子供扱いされる謂れはない

 ──ない、けれども
 漏らすだのなんだのと話している今
 触れないほうが無難なのは言うまでもなく ]


  へそ取られても知らんぞ
     我は怪我や病を治す力はないからな
         へそがなくなって泣いても知らん


[ 撫でられるのは嬉しい、頬擦りも好ましい
 けれど、あまり子供扱いは悔しいと
 指で下瞼を伸ばし「あっかんべー」の仕草
 
 風呂好きらしく緩んだ口元に
 ふん、と明後日の方向を向いてみせ ]
 
(123) 2021/06/21(Mon) 23:26:23

【人】 土地神 リン


  磨くの、磨かれるの
     どちらも慣れておらんなら
         どこをもって安心しろ、と?

  ふん、まぁいい
     背中ぐらいは磨いてやる
        ついでに『阿保』と書いてやる


[ そうした結果、喧嘩に発展したこともあるが

 それは遠い過去のこと
 蘇芳とも緋扇とも違うこの嫁に
 その仕返しが効果があるのかは疑わしい

 冥桜が何を考えてるかは知らぬまま
 米袋を開き、溢さぬようにザルを近づけて ]
(124) 2021/06/21(Mon) 23:26:46

【人】 土地神 リン

 
  あとで握り飯にするなら
       二合──いいや、三合か

    あぁ、床を掃くなら
         茶殻はその急須の中に
            それと、掃除道具は──


[ 米を研ぐには水が要り
 水を汲むのには井戸が要る

 そうして井戸のそばには幸物置があり
 そのなかには当然、掃除道具の類もある

 三合分、計った米をザルに入れ
 こちらへと冥桜の着物の袖を引き ]


  勝手口から先はな
     点、と飛び石が置いてある

    風呂場へ、物置へ、井戸へ、厠へ
         それぞれ続いているからな
              形で覚えると早いぞ


[ 外へ、とついと着物を引っ張って* ]
(125) 2021/06/21(Mon) 23:27:10

【人】 書生 茅

[
どくり
、心臓が脈打つ。

ざわり
、と青年の背中で何かがざわめいて、
        その肌に刺青のような
を刻む。

いつの間にか閉じていた眼を開く時、
     鳶色だったはずの瞳がいつしか、

  より
みを帯びていること……

            天狗さまは、気づくだろうか?**]
(126) 2021/06/22(Tue) 0:43:48

【人】 五色 冥桜

[うむりと頷く。
嫁入りした相手の身体は小さい。
齢の事は無論のこと気づいている。
五色の二人が冥土に向かい更に少し経過してから男が着たとなればそれなりには年は上なのだろう]


  はっはっ、すまぬすまぬ。


[軽やかな言葉で謝罪の言葉を宣うが返ってきた反応にまた笑みを浮かべていた]


  盗られてしまっては困るな。
  無くなったとき泣いても構ってくれるのは寂しいものだ。
  ではその分は詩で示そう。
  なるだけ悲しそうなものを選んでな。


[だが齢が上ということは自分が嫁入りしたと気づいてからはずっと知っていることでもあるのだ。
現在でさえ年上であろうが、ずっと在るのが神というものだ。

齢に関して気にしても仕方のないことであるしこうして話をしていて今の所作であったり言葉を聞くと子ども扱いもしたくなるというものである]
(127) 2021/06/22(Tue) 2:04:17

【人】 五色 冥桜

  簡単なことだよ。
  予が最初に慣れるのはお主の身体だ。
  その内にお主に丁度好い感じになろう。


[その内に。
いつになるかは分からないが合わせるのは得意である。

ただ一点と言葉を区切ろう]


  ――そこは人偏は不要だ。
  もしくはわざとかもしれんが正しくは『阿呆』だな。


[あほでは人名か地名である。

掃除道具も井戸の傍ともなればますます共に行かねばなるまい。
飛び石を渡りながら形で覚えようとするがなかなか難しい]
(128) 2021/06/22(Tue) 2:04:27

【人】 五色 冥桜

  ま、あとで手で触れば良いか。
  しかし便利なものだな。
  この配置一体誰が考えたのやら。


[ずっと前からそうなのだろうか。
着物を引っ張られるままに先ずは井戸まで移動すると井戸の底から水を汲み上げようか。

滑車の仕組みが悪ければ改良するとして一先ずはそのまま手に手拭いを巻きつけてから重たい水を汲み上げリンが使い易い位置に置くとしよう]


  それにな、のどかで静かな場所だ。
  喧騒のないのは美点でもあるな。


[そして同時に寂しい場所でもあると感じながらリンが米を研ぎ終わるのを待つことにした*]
(129) 2021/06/22(Tue) 2:04:35

[ 日常に埋もれ蔑ろにされていた、断ち切れぬ本能が血肉を求める。

 ほんの一筋の細やかな芳香に乗せられるまま誘われ、
 舌を痺れさせる味に夢中になるのは、果たしてそれだけが原因か。
 ひと思いに齧りつかずに蜜の壺を探るように舐め続けるのは何故か。

 この状況で漏らすには異様な、顔に掛かる甘く熱い吐息のことすら
 意識の外にある今、分かるわけがない。 ]



[ 薄い肉越しに当たる骨、喰い応えの無さそうな身体。

 しかし、
 苦しげな顔──としか、今は思うことはない──に唆られる。

 追い詰めていく感覚は、たまらない。
 他の獣を喰らう獣も、人を喰らう鬼も
 その瞬間にどうしようもなく昂ぶることに変わりなく。 ]



[ 己の手で肌を晒し、自ら胸に収まって大人しくなる身体。
 生を諦めた小動物のようで、
 ついに捕えたと、今こそ喰らえと本能が騒ぐ。

 指を離し、顎が更に開けば鋭い犬歯が見えて
                     そして──── ]



[ 欲を誘う首筋に流れる、あの日から見つめ続けた白色が

 此の男が獲物ではないことを、鬼に思い出させた。 ]

【人】 鬼 紅鉄坊

ッ!
すまない、痛かっただろう。大丈夫か?

[ 思わず、突き飛ばすように狭い肩を押してしまう。
 離れなくてはならないと思っただけ、敵意からではない。
 故に力の全てを出してはいなかったのだが、
 それでも小さな人間には、特にこの若者には痛かろう。

 未だ整わない息もそのままに、傍に寄ろうと上げかけた腰
 ──は再び草の上、手も伸ばさなかった。

 何かを堪えるように唸り、癖のある短髪を掻き乱す。 ]
(130) 2021/06/22(Tue) 3:16:46

【人】 鬼 紅鉄坊



──……千太郎

お前にいくら望まれても、それだけは出来ない
もうこんなことはしないでほしい

分かってくれ。さとの為にも

[ そして、生きてくれ。

 伝える声は強く切実に響けども、
 語る鬼は今の千太郎の姿から目を逸していた。 ]
(131) 2021/06/22(Tue) 3:17:33

【人】 鬼 紅鉄坊



やはり今日は帰ろう。涼しい場所でお互い頭を冷やしたほうがいい
薬草は私が後で採ってくるから、気にするな

[ そうして千太郎が立ち上がれるようになるまでは待つが、
 帰路では少し先を行き、時折歩を緩めても振り返りもしない。

 二人の間には沈黙が流れ、虫の声だけが喧しく聞こえていた。

 帰っても傷薬は手渡すだけで、手当ては本人に任せて
 自分はすぐに廃寺を出て行った。 ]
(132) 2021/06/22(Tue) 3:17:49

【人】 鬼 紅鉄坊



[ 充分な貯蓄があるのに、多過ぎるほどに薪を割る。
 千太郎の為に時間を使い、
 離れることも惜しんで行っていなかった狩りにも足を運ぶ
 そうしなければ落ち着けそうになかったからだ。

 寺から離れた場所で解体作業を行いながら、鬼は思う。

 やはり、これではいけない。
 これではいつか望むままのことをしてしまうと、
 鬼の心中は穏やかでは無かった。

 だから────予定を早めようとした。 ]
(133) 2021/06/22(Tue) 3:18:09

【人】 鬼 紅鉄坊

── そして ──


千太郎も随分体力がついてきたからな
今日はいつもより遠くに行こう
準備をしてくるから、此処で待っていてくれ

[ そう言って、外に連れ出した後に鬼は一度戻った。

 何事も無かったように接し続け数日後、
 夏の終わり、最後の燃え盛りを思わせるような暑い日だ。

 戸を開いた時には、いつかのように風呂敷包みを抱えている。
 横抱きにした彼の上に置くように荷を乗せる。
 随分重たいことに、きっと気づいてしまうだろう。
 言葉と行動の矛盾に気づくだろう。

 問われるのならば何度でも
 大丈夫だ、気にするな、と空虚な返事ばかり繰り返して歩みは止めず
 村を出入りする時に人間が通る山道を行く。 ]**
(134) 2021/06/22(Tue) 3:18:51

【人】 鬼の子 千



[たった一瞬の出来事で熱は冷え切る。
草地に身体を打ち付けられ、無様に転がった。]

 …………

[そのまま黙って頭上から届く声を聞いていた。

分かりきっていた筈の本心、
望んでいない「お前の為」
そして、「さと」

起き上がり乱れた衿元を正しながら、鬼子の目もどこか遠くを見た。
先を行く相手を追い掛けるのが辛くとも、何も言わなかった。
傷薬を受け取り部屋に戻り、その日は部屋から出てくることはなく。
どれだけの時間鬼が帰ってこなかったのか、それすら知りもせず。]
(135) 2021/06/22(Tue) 3:19:42

【人】 鬼の子 千



[その日は眠れなかった。
翌朝、何事も無かったように接されて、合わせて振る舞った。
次の日も眠れなかった。
更に翌日も、ずっと、ずっと。

毎晩暗闇で手首に残る赤紫色の跡をじっと眺めていた。

既に塞がり始めていた傷のように、消えてしまうことがどうしても──だったから。
もうあの時のようにはしてくれないと分かっていても。]
(136) 2021/06/22(Tue) 3:20:01

【人】 鬼の子 千



[それでも、疑いもなく信じていた。
その内関係も元に戻れると、これからも一緒なのだと。

未だ押し花は確かめていないし、
身体の跡の理由も聞いていなくて、
川に入ってもいなかったのだから、
沢山の約束が鬼と鬼子にはあった筈なのだから。

役目を果たせない日々が、まるで牢の飼い殺しと変わらないと思っても
心苦しく虚しくても、────何にもない日常が、嫌だったわけじゃなかった。]
(137) 2021/06/22(Tue) 3:20:19

【人】 鬼の子 千



  ─ そして ─

 なあ旦那様、なんで抱えるんだ
 あの時以外今までちゃんと歩いてただろう俺は

 この風呂敷の中身はなんだ
 何が入っていたらこんなに重くなるんだ、なあ

[理由と行動が全く合っていない。抱き上げられた瞬間には指摘していた。
少しも解決にならない返答に何も返せなくなっても、すぐに別のことを問いたくなる。]
(138) 2021/06/22(Tue) 3:21:59

【人】 鬼の子 千



 そもそも何処に行くっていうんだい
 ここは村に行く人間が通るところだよ、なあ
 あんた見つかっていいのかい、怯えられちまうぜ

 帰ろう、なあ……

 …………紅鉄様

[語らいながら何を思っているのかは理解しても、傍にいない時の脳裏の思考まで分かるわけがない。
理解出来ないまま広がっていく不安に似合わない狼狽えを鬼子は見せ、暴れて嫌がり触れた身を離すことを躊躇い指一つ動かせなかった。

どれだけ見上げても声をかけても、紅色は白色を見ない。**]
(139) 2021/06/22(Tue) 3:22:19

  ─ さとという女 ─


 「あら、見つかったわ」


    「折角逃げようとしていたのに」

[許可なく山に立ち入ってはならない。深くまで踏み入れば命はない。
この村に住まう者は誰しもが知っている。

繊細な花の刺繍を施された白い着物を纏った女は、向き合う角の生えた大男を見上げ、少しも悪びれない声で呟き
白魚のような手の右を頬に添え淑やかに微笑んだ。]



 「紅鉄坊様には見えないの?
  わたしの首に掛かった、運命の縄が」

[何処か夢見がちな顔で女は語り、締め上げる如く己の細首に触れる。
何度目かの失敗を遂げた、ある日のこと。

幾度鬼と面しても怯え一つ見せることはなく反省もせず、追い返されても村の者に連れ戻されても、懲りることもなくやって来る。
遂に廃寺の中まで入り込むようになり、咎める声にも気にした様子もなく山での暮らしや鬼という生き物について聞きたがる程に懐いていた。

鬼の落ち着いた振る舞いと、見目に合わない優しさがそうさせたのだ。

望まぬ許嫁の花嫁となることが受け入れ難い。
ただそれだけとは言えない事情が、彼女の足を山に向かわせ続ける。
しかし若い女が追手を巻きながら一人下るには山は険しく、大型動物より危険なモノたちが暗がりに犇めく。
望みは中々叶うことはなく、鬼との親交だけが深まっていく。]



 「従順な道具で在らないのは、そんなにも罪かしら」

   「女には思考の権利すら、無いのかしら?」

 「知っているのよ。あの家がなんでこんな息苦しい村に来たのか」

   「幕府のお膝元の呉服問屋を分家に任せて逃げるように……、」

[鈴を転がす声色が、吐き捨てる一言を発する時だけは低くなる。

優しい母は立場も心も非常に弱い、父や兄に逆らうことは出来ない。
女にとって胸の内を打ち明けられる存在は鬼だけだった。]

 「一つしかない人生を、家と兄様の為にすり減らしたくないの」

[分かるでしょうと影の中の紅い光を見上げる。]



 「心配してくれているのね。紅鉄坊様は、いつもそう」

  「村の皆とは違うわ。
   自分の為ではなく、ただ心から誰かを想っている」

 「…………、一体どちらが鬼なのか分かったものじゃないわね」

[選ばれる言葉の節々から、穏やかな低い声から伝わるもの。
性を理由にしてもそこにあるのは嘲りや見下しではない。
弱者と定義されながらも女の胸に憤りがないのは、ただただ目の前の鬼が真摯であり続けるからこそ。]

 「でもわたし、どれだけ辛くてもいいの。自由になりたい
  何の苦しみもない世界には、喜びだって存在しないでしょう?」

[理解しながらも頷くことが出来ないのは、夢があるから。
女の身で男達と同じように働くことが、必ずしも不可能だとは思えなかったから。]





 「ねえ紅鉄坊様、わたし好きな人が出来たの。
  向日葵より綺麗な御髪の、異人さんよ。
  お父様に会う為に、村に来たんですって」

[ある日初めて、逃げるでも苦しみを語るでもなく幸せそうな笑顔で鬼の元へやって来ることとなる。
道で足を挫いた女を、海の向こうからやって来た異国の商人である男が助けてくれたのだという。

彼の目的が父親だったこともあり、二人は何度も顔を合わせ語らう機会があった。自立を望む女の想いを理解し、外の世界について沢山の面白い話を聞かせてくれた。
幼子のようにはしゃぎ語るその頬は赤らんでいた。]



 「わたしを連れて行ってくれるって
  一緒に船に乗って、彼の祖国に行こうって」

 「あの花がまた咲く頃に、迎えに来てくれるのよ」

 「ええきっと、国を渡るのはとても大変なことだわ
  それでもわたし、理由を探して諦めたくない。
  あの方となら、頑張れる気がするの」

[だからその時は──……と女は願う。
鬼にも立場がある、あの約束を結んだことも知っている。
それでも、愛する人と山を越える為には彼を頼る以外には無かった。]