14:42:05

人狼物語 三日月国


22 【身内】Valentine's black art【R18】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


ポップ1票
うさぎさん4票

処刑対象:うさぎさん、結果:中断

[犠牲者リスト]
該当者なし

本日の生存者:エガリテ、ジェレミー、ポップ、うさぎさん、大河内 佳代以上5名

 
[右上を凝視するのは
 深く思考を巡らせている時の癖だ。

 邪魔をしないように
 息を潜めて
 指先の感覚に集中する。


 …が、それもあまり得策ではなかったようだ。

 ヒューによって満たされた心が
 愛したい、と騒ぐのを
 留め置けなくなりそうで。
 
 昇ってきてしまう快感を
 細く吐き出す息では逃しきれずに、
 腹の奥に力を籠めて
 押し殺す。

 何喰わぬ顔を取り繕い切れず
 欲情を滲ませてしまっている気がするから
 視線が合わないのは
 幸いだったかもしれない。]
 

 
[けれど、
 ヒューが切り出した
 問題解消の方策があまりにも衝撃的で



   
────‥!!!




[意識を全部、攫っていかれた。]

 
[不老不死の術を
 机上の空論だと思ったことはない。
 ただ…、実現可能になるのは
 もう少し先の未来だろうと考えていた。

 取り組んでいるからこそ見える
 超えなければならない
 いくつもの分厚く高い壁の存在が
 ある種の諦めを呼んでいて

 死の呪縛から
 ヒューを開放することも
 自分が開放されることも
 妄想の中ですら持ったことはなかった。


  (なのに、君はいつも
     あっさりと壊していくんだな。)


 自分で作った壁に阻まれて
 視界が狭くなってしまっているのを
 取り払い、広げてくれるのが 目の前の恋人だ。]
 

 
[ヒューが紐解いた不老不死の理論は
 俺の原点と言っても、過言ではない。

 大学に入って間もない同級生の偉業に
 地に這うような衝撃を受けて
 それから、真剣に考えるようになったのだ。
 こんな爪弾き者の自分でも、成せることはある筈だ…と。

 そうして、世界に影響を与えてやろうと
 研究職に進んで、今の俺がある。]
 

 
[迷いが生じた時には
 都度読み返し、思いを新たにしてきたから
 全容が頭の中に叩き込まれて久しい。

 膨大なプロセスが
 無駄なく配列された美しい術式だ。


 ヒューの著した物には
 隙…というか、遊びの部分も見受けられるのに
 肝要であるべき部分は研ぎ澄まされていて
 本人とどこか似ている。

 全てを受け入れ記憶してしまう
 明晰すぎる頭脳と、
 魔力を取り零す綻んだ器、不器用な指先。

 そのアンバランスさも、また…
おしくて
 俺を虜にしてやまない。]
 

 
[視線が絡んで
 恋人の意識が己の元へ
 戻って来てくれたことを知らせる。

 諸々の問題はあれど
 それらは超えられない壁では無いと
 教えてくれた君を、眩しそうに見つめて
 まずは…、と
 最も伝えたいことを音にした。]



   ん、名案だな。

   ヒューが居てくれるなら
   他には、何も要らない俺にとって
   この上なく
   素晴らしい策だと思うよ。



[永久なんて
 話が大きすぎて想像しきれないが
 唯ひとつ、即答できることは]
 

 
[ふたりで…なら
 尚、最高だったのだが
 そう上手くはいかないようだ。

 彼奴とは切りたくとも切れない縁があるらしい。

 恋人を護るという一点に於いては
 これほど信頼できる男も、他には居ないが。]



   …………キースリング家か

   そうだな。
   協力を仰げれば、助かるよ。



[つまらぬ嫉妬のせいで
 ヒューを失うのでは本末転倒。

 借りを作りたくない気持ちも含め
 胸の奥へと押し込めて、
 味方についてもらえるならお願いしたいと
 迷いの見える君を後押しする。
 

 


   実は…
   外部の器に魔力を貯めること自体は
   理論上、可能な段階なんだ。

   まだ本当に微々たる量で
   不老不死には掠りもしないが。


 
[あれは、センセーショナルな発表だった。
 幼い少年が見つけ出した理論に、世間は湧きに湧いた。
 にも関わらず
 魔力の保持量を増やす研究は
 瑣末な成果しか上がっていない。

 オルグレンの手によって
 萌芽の段階で摘み取られているのか、
 はたまた管理下に置き、成果を独占しているのか。

 捗々しい状況ならば
 回りくどい手など使わず、潰しに来れるだろうから
 あまり進んでいないと見て良いのかもしれない。

 俺の研究が先行しているなら
 ヒューが言うように危険は増していくだろうが、
 出し抜ける可能性は高い。]
 

 


   だが、問題は色々とあって…

   器に向く素材が
   取り扱いが酷く煩雑な上に
   素人が手を出して失敗するには
   あまりにも値が張りすぎるという点。

   あと、現状だと…伝導率が悪すぎて
   埋め込むか、刺し貫くしかなく
   ひとつ、ふたつなら良いが
   17人分の魔力量ともなると体が保つかどうか…



[だから、ヒューには
 ピアス型のものを贈ろうと考えていた。

 下着のように
 所有を主張したかった訳ではなく
 少しでも楽になれば、との意図しか無かったが、
 己が手掛けたものを
 身につける恋人を想像するのは、愉しかった。]
 

 

   とりあえず、
   理論に穴がないか
   確認してみたいというのが本音かな。

   資金提供が望めるなら
   手を出すのが難しかった希少な素材を取り寄せて
   器の試作を頼んでみたい。

   海を渡った東の国に
   義眼の制作を任せている
   口が固くて、すこぶる腕の良い職人が居るんだ。 

   早翔け竜でも日帰りの難しい場所なんだが
   ヒューの助言も欲しいから
   その工房に赴くことになったら
   同行してもらえると、嬉しい。



[先走る気持ちを表すように
 常よりも早い口調で、可能かもしれない未来を語る。

 そういえば、
 ヒューと泊りがけで遠出すること自体
 始めてだな…と考えかけて
 例の御曹司が噛むなら、ふたりきりは有り得ないか…と
 甘い妄想は、期待が膨らむ前に打ち消した。*]
 

 
[視線を向けると、名案だと認め、
 剰え俺さえ居れば他は要らないと
 断言してくれる恋人の声が真っ直ぐに届けられた。

 両手を繋いだままでなければ、
 頬でも掻きたかった所だ。]


   ……ン。
   ……、その。……光栄、だ


[早口、ぶっきら棒な返事となった。

 思慮深く警戒心の強い彼だ、
 口先だけの言葉ではないと解るから
 ……照れてしまったのだ。]
 

 
[自分に残された時間で、間に合うものならば。]
 

 
[素養にのみ依存するとされてきた魔力を
 外部媒体に貯蔵することも

 誰もに等しく存在してきた
 死の恐怖から逃れることも

 何れも常識を覆す偉業であり、
 自然のことわりを蹂躙する涜神行為であり、
 簡単な問題ではないのは明白だ。

 けれど目の前の恋人ならきっと……、と思う。

 ひとたび不可能という壁を取り払って仕舞えば、
 あとは発展させるだけ。
 限界を越えた人類の成長が著しいことは
 自身は余り好きじゃない歴史が教えてくれている。]
 

 
[痛い
ばかりではない
仕置きを受けたのは
 記憶に新しく。

 名を出すのを躊躇ったが
 言わずとも伝わったようだ。

 オルグレン家に比肩し、
 尚且つ血統主義ではない家といえば
 ごく限られているから、当然と言えば当然だろうか。

 因みにヒューゲルは彼らの足元にも及ばないし
 先代の家長以外は血統主義だ。]


   …………、ああ

   キースリングの現当主は義父の代から
   継続して懇意にしてくれている

   彼らの力を借りたい


[ジェレミーが気にならない様子なら
 躊躇する要素はないから、頷いた。
 ……取り繕われたら、そのまま騙されてしまうんだ。
 愚かな俺は。]
 

 
[課題は山積みのようだが
 簡単なことでないことは重々承知している。

 世間に、神に、石を投げる行為に等しいとも。]


   千里の道も、歩き続ければ必ず踏破できる
   最初の一歩を踏み出すことが肝要なんだ

   ジェレミーなら出来るよ


[何となく、不安を抱いてそうに感じたから
 ぎゅう、と握った手に力を籠めて激励した。]
 

 
[この先の予定を語る恋人の口調が、
 中途より逸る。

 ……リアも、卒業旅行の話をしたとき
 こんな風に興奮してくれていた気がする。

 どちらも愛らしい。]


   器の問題があるから
   国外に出たことはなかったんだ

   ジェレミーが一緒なら
   何処へでも行ける


[そう言って、微笑んだ。]
 

 
[国を出て世界を見て回るのは夢だ。
 用事の為とは言え、嬉しくなってしまう。

 魔力炉の暴走は加速度的に悪化しているから
 リアの卒業まで持ち堪えられるかは
 あやしいところだった。


 ────自分の生命は、持って、あと五年だ。


 一度で数年分働かせられる魔力炉の
 摩耗具合から数字を出したのは
 研究者としてのサガ。]
 

 
[それはあとで恋人たちに話すとして。

 方針は決まったから、
 ここから出ることを考える。

 少し、悩んで。]


   ジェレミー えっと  その、だな


[……不味いな。
 可愛く誘う方法が、わからない。]