124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】
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[いつからかほとんど姿の変わらないお姉ちゃんに
なんの疑問も抱いていなかった。
早くお姉ちゃんみたいに大きくなりたい、
大人になってお姉ちゃんを支えられるようになりたい。
そんなことばかり考えていた。
もしお姉ちゃんが、
この先もずっと変わらなくて
私だけが変わっていってしまったら?
私はお姉ちゃんより先に老いて、よぼよぼになって
お姉ちゃんより先に命のともしびが消えて……
それでもお姉ちゃんは、
私のお姉ちゃんで居てくれるのかな。]
[──師匠に初めて出逢ったのは
ある初夏の夕方のことだった。
雨上がりの芒種域の空には虹が掛かっていて
通い慣れたあぜ道はぬかるんで滑りやすくなっていた。
私は学校の帰り道で、とにかく早く帰りたくて
いつものように家に向かって走っていた。
調理実習で作ったロールケーキが上手に出来たから
お姉ちゃんにも早く食べて欲しかったんだ。
あともう数十メートルで家に着く、というところで
滅多に聴くことのない馬の嘶きが鼓膜を裂く。
どん、と身体に衝撃が走って
気付いたら青空に放り出されていた。]
[『あぶないからはしってはだめよ』と
あんなに何度も言い聞かせてくれていたのに。
お姉ちゃんの言いつけをちゃんと守っていれば、
ごめんなさい、お姉ちゃん。
ごめん、なさい…………、
…………
……]
[──次に目を醒ました時、私はベッドの上に居た。
男の人か女の人かわからないけれど
初めて見る綺麗な人が私の手を握って、
パパとママと一緒に私の顔を心配そうに覗き込んでいた。
身体はどこも痛くなかった。
私と一緒に飛ばされてぐちゃぐちゃに崩れてしまった
ロールケーキを見て事の次第を聞かされるまで、
自分の身に何が起きたのか思い出せないくらいに。
ただ、頭は靄がかかったみたいにぼんやりしていて
腕と足は上げるのも辛いほどに重たかった。
その綺麗な人曰く、私は馬車に轢かれて
その人の能力で一命を取り留めたらしい。
お忍びか、視察か、親睦を深める為にか
たまたま芒種域を訪れていたその人こそ先代立春。
それが、師匠との出逢いだった。
『綺麗な淡い、オレンジ色の灯りだね。
早春の陽だまりみたいだ。
僕の灯りの色に少し似ている。
……良かったら君、僕の弟子にならないかい?』
今にも消えてしまいそうな灯火に師匠の手が触れると
輝きを取り戻したように燃え上がって、すごく綺麗で
何故だか涙が零れ落ちたのを憶えている。]
[故郷から遠く離れた見知らぬ土地で
弟子として暮らすことを最初は多少躊躇った。
師匠がなぜ私を弟子に欲しがったのかも、
娘を心配してくれるパパとママを
師匠がどんな風に説得したのかも私は知らない。
大好きなお姉ちゃんや両親から
離れて暮らさねばならないことに抵抗はあったし、
実際移住して数年間は度々ホームシックに陥っていた。
けれど、師匠の弟子になれば、
蛍としてお仕事を学ばせてもらえれば。
何かお姉ちゃんの役にも立てる日が来るんじゃないか。
何より、喪うはずだった命を救われたから
誰かの為に役立てられるなら役立てたいと思ったんだ。
今は師匠の眠るこの土地から、離れることは出来ない。
私が灯守りの役目を務め果たすのが先か、
私の灯りが尽きるのが先かは私にもわからない。
どちらにしても、いつか私が
灯宮に還る日が来たときには──……
……お姉ちゃんに見送ってもらいたいな。
なんて、
いちばんのわがままはまだ言えずにいる。]
| 私に? 村雨だってできるだろうに。 それとも耄碌した? なんて。 こんだけ出来ててそりゃないか。 [ >>194村雨のところに行くときは、『何か食べさせて』とリクエストしていった。ときどきこっちが包丁握ることもあるが、料理できるのが相手なら、なかなか食べられない方を優先したい。 あと楽したい 。 なもんだから、料理を教えてと服を掴まれたときははじめは先代に頼めと矛先を変えようとした。 したが、思いの外強く掴まれた服はそう簡単に離れない。 ええ……みたいな顔したが、耄碌扱いした村雨からの援護射撃もあって、結局なんだかんだと請け負うことになったのだけど。] (213) 2022/01/30(Sun) 15:05:46 |
| 教えるようなことしてないんだけどなぁ。 好きこそもののナントヤラだよ。
[どうしようかなぁ、と思案しつつ。 煮込み料理なら手軽で見栄えもいいかなと適当に当たりをつけていた。] (214) 2022/01/30(Sun) 15:06:46 |
| [なお、村雨と過去に何があったか聞かれたら。]
なに、今と変わらないよ。 こうやってお互い好きなこと話したり酒飲んだりさ。
[と誤魔化した。 村雨からツッコミが入るようなら『うるっさい』とか『もう忘れろ昔の話!』とか、ふだんの小満からはなかなか出ない語彙で抗議するから、何かあったんだろうということはおそらく透けてしまっただろうが。 いい酒出してやったろ、と宴会のことをつつかれれば、観念したように過去のことを少しだけ話した、かもね*] (215) 2022/01/30(Sun) 15:07:05 |
| 温泉? いいなー、のんびりしたい。 私もこの後冬至に誘われてるし、一緒に行くかい? 小雪もその場にいたから、多分聞いてるよ。 領域のことは蚕と紅に任せといても大丈夫さ。 普段からそんなもんだろう? [ >>217なんて、少し畏まった麦を構うこともなく、今夜早速連れ込む計画を発動したのだった*] (221) 2022/01/30(Sun) 15:52:15 |
『 わたしも、世界が嫌いだわ 』
[ それが、彼女の答えだった。
私に、世界が好きかと問うということは、質問者は世界に対して何かを抱いているのではないか、と。
返ってきた答えは予想通り、と言えばそうなのだけど、驚いた気持ちを覚えたのも現実だった。
魂の管理者、人を守るために存在する“灯守り”。
私は、“灯守り”というものは、基本的には人間を慈しんでいるものであると思っていた。
しかし大寒の灯守りは、世界を嫌いだと言う。
私と同じ想い。世界を嫌いなまま、この地位に居る。
だからこそ、興味を持った。そして……共感も。 ]
[ ――灯守りになった当初、無気力な私に対し、職員は「灯守りを務めるつもりがないのならば、さっさと灯りを他に譲ればいい」という事を口にしていた。
私はそれに応じるどころか、返答をする事もしなかったのだけど、
そうすると、「先代はどうしてあれを後継に選んだのか」という話が聞こえてくるようになった。
彼は、立派な統治者であり、灯守りであった。それは未来永劫語られる事だろう。
……が、私の存在によって、彼の尊厳が危ぶまれている。それは、あってはならない事だと思った。
彼の願い、彼の尊厳、それを守るために、きちんと継がなくてはという思いはあった。
――けれど、私には出来なかった。
向いていないというのもあるけれど、どうしても、この世界を愛そうとすると吐き気を覚えてしまう心地がした。
それならば、他の人間に灯守りの位を譲るべきだった。
けれど、私はそれも出来なかった。
彼が私に託したものを、他の人に渡したくなかった。
彼が残してくれた想いを、中途半端に、自分に都合の良いように解釈しながら、私は今も、この地位にいる。
最初から、私はずっと彼のことばかりで、民の事など何も考えていなかった。
]
[ 『処暑の灯守り』が代々継ぐ能力『風星』。
先々代の処暑様は、人前での演説等以外では、一般市民の前に姿を見せる人ではなかった。
けれどその代わり、この能力で、人々を近いところで見守っていた、らしい。
先代の彼は、自らが人々の近い所へ行く人だったため、この能力は、先々代程は使ってはいなかったらしい。
とはいえ、彼の足が及ばないところや、目の届かないところまでも気遣うために、風を“目”としていたようだ。
……私はというと、灯守りになった当初は、領域の外へ出る事が出来なかった。
彼へと悪意を向けた世界。そんな悪意に私も殺されるのではないか、と怖かったからだ。
故に、人の手の入ったものも、長く口に出来なかった。
そのため『風星』で“外”を見て回るのが常だった訳だけれど。
彼の愛した処暑域。けれど、そんな彼を裏切った世界。
見れば見る程に、分からなくなってしまう。
この地は、この人間達は、守る価値があるのだろうか、と。
彼が命を賭してまで守るものであったのかと。
]
[ 降り募っていく不信感。
全他者に対しての嫌悪感。
故に私は、部下になった行政職員に対しても心を開くことが出来なかった。
それでも右も左も分からない状態であった頃は、職員の助けがなくてはならず、領域へ入る事は許可していた。
しかしあの事件――私の個人的な日記を勝手に持ち出されて以来、私は領域へも人を入れなくなった。
――やはり人間はどうしようもないのだと、私はその時点で心を閉ざしてしまったから。
蛍は当然置こうと思わなかった。
『処暑号の蛍』そのものを私は憎んでいて、到底受け入れられなかった。
だから私の領域へは、灯守り以外誰も入れないままに、
今日も私は世界との関わりを絶って、領域へと引きこもっている。 ]
ーー先代の記憶ーー
「ねー、ゆきちゃん。」
[旅に出て冬至の温泉に入っていた頃だっか、
またしばらく経って寄った時だったか。
何かを思いついたような、悪戯っ子のような顔で
一緒に入っている冬至の君へと顔を向けた。]
「月が綺麗だねー。」
[珍しいほどの満面の笑みで、彼女を見ながらそう宣う。
一瞬たりとも月なんか見ちゃいないくせに!]
[それがどういう意味だったのか、誰に訪ねても。
ーーもう、誰にも語れない。*]
[ まるで故郷の長い冬のように、
閉じた屋根の下で過ごす時間が長かった。
(どこかの灯守りや蛍のように)
閉じ込められていたとかそういうわけではなく、
必要火急でもないと外出することが難しかった。
風が吹けば消えてしまいそうな灯りは
尋常でない移ろい方をしていたものだから
おそらく、能力があると
それ以外の原因を考えられなかったのだけれど
何を起因として発動するものであるのか、
当初、誰も特定することができなかったのだ。 ]
[ 自覚のないまま行使される、
“あと少し”なんてありふれた望みが
そのたびに灯りを削っていく。
その瞬間を捉えるなんて難しいに決まっていた
何せわたし自身、何もわかっちゃいなかったのだから ]
[ 冬の入口をくぐったような
冷たくて、からっとした凩の吹く日
収穫を終え春まで眠りに就く畑で枯れ草を燃やす人々
よくある風景だ。
ぱちぱち散る火花。
風に乗せられて飛んでいって、
あ、とめなきゃ、って、
――その後のことは何も覚えていない。 ]
[ その性質が明るみになってからは
いたずらに削られることはなくなったけれど
容赦する必要もなくなってしまったから
結局のところ、あまり良い思い出はない。
扱いづらい厄介事は放棄してしまって、
都合のいいことだけ利用していきたいだなんて
そんなの、疲れてしまうもの。 *]
| [それ >>292を聞いた瞬間は、わかりやすく固まってしまった。 いつも飄々としてる浮雲らしさはなく、麦を驚かせてしまったかもしれない。 言われたらどうしよう、とか言っていたくせに、いざ言われたときのことを、あまり考えていなくて。 思いの外誤魔化せなかった自分にも戸惑いながら、次ぐ言葉を聞く。] ……ああ、いや、うん。 無理に止めようってつもりはないんだけどさ。 そうか、……そっか。 [やりたいことができたというのを、耳の奥で受け止めながら。 笑っていいよと言ってやりたいのに、歯切れの悪い言葉しか出てこない。] (314) 2022/01/30(Sun) 23:42:18 |
| 灯守りの号なんて、本人が良ければいつだって受け渡せるものなんだし、小雪なら受け入れてくれそうだけど――そういう話じゃ、ないんだよな。
[わかるよ、と長く彼女を見てきたゆえの同意をぽつとこぼし。]
麦秋至はね、私と対等であってほしいと思って置いている蛍なんだ。
[そうして、唐突に話を変える。] (315) 2022/01/30(Sun) 23:42:36 |
| 蚕起桑食は、昔から小満域を見ている誠実で真面目な家だ。 だから、総じて『仕事』のことをよく任せる。
紅花栄は、私の先代やその前の頃から小満の側仕えだ。 身辺のことはもちろん、来客なんかも任せる立場としてる。
麦秋至は、仕事の補佐でも、身辺の補佐でもない。 私の供ではなく『友』でいてほしいと思っている席だ。 だから空位でも仕事は回るし、君の席が空いていたんだよ。
[語る口調は穏やかで、しかし随分と真面目ないろになってしまった。 今までこんなことを語ったことがあったろうか。 誰にも、そう誰にもなかったように思う。] (316) 2022/01/30(Sun) 23:42:52 |
| だからね、その時が来たら、いいよ。 そりゃあ、友が遠地に越すのは悲しいけども。 友の門出を祝えないほど、狭量な男じゃないつもりさ。
ゆっくりやり方を探せばいいし、見つけたなら迷わず行きなさい。 気を遣ったりは考えなくていい。
友の幸福は私の願いだよ。
[にこり、今度こそうまく笑った。] (317) 2022/01/30(Sun) 23:43:31 |
| ……あのさ。 君に聞かせたいものがあるんだ。 少し時間、いいかい。 [席を立ち、取りに行くのは木製の横笛。 いつか彼女ではない麦秋至 >>2:*28にもよく聞かせた、幼い頃の思い出をもう一度、奏でたくて**] (318) 2022/01/30(Sun) 23:43:52 |
────どうか、幸せに、お眠り下さい。
悪夢は、私が全て喰らうから。
*
―――いつか、貴方と見た月
[ 温泉にくゆる月を見上げていた
何も無い夜にともるそれは
そのひと時は 私にとっての陽であった ]
?
[ 隣りで 名を呼ぶ声がして
ふっと見上げた先の満月 ]
――…そうですね。
[ 小さく笑って また月を見る。
このひと時が 続いてほしい
そんな叶わぬ願いを 天にとかしながら ] *
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