170 【身内RP村】海鳴神社の淡糸祭
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[ 海鳴を逆から読むと鳴海になる。
俺の家はどうやら
海鳴神社と繋がりがあるようだ。
分家みたいなもの、と教えてくれたのは
両親であった。
俺にはあやふやな記憶がある。
それは俺が小さい頃。
いくつだったかも今はもう確かではなく
俺の親戚に年の近い子供がいた。
その子は海鳴神社のお祭りの時に
文字通り消えてしまった。
人の記憶にすら残らずに。 ]
[ その消えた子のことを
皆が忘れてしまった。
最初から存在しなかったかのように。
存在ごと消されてしまったのか
消えたことで周りが存在しなかった
かのように演技しているのか
小さい俺にはわからなかった
それはまるで夢のよう。
今では名前も思い出せない子
俺の親戚だった子。
夢で終わらなかったのは
聞いてしまったのだ。
両親が
『次は海音が贄の番にーーー。』
『それが鳴海のーーの使命ーー。』
そんな話をしていたことを。
全て確証のない話。
小さい頃の妄想話で終わる話。
ただ漠然と恐ろしさだけがあった。 ]
[ 俺はいつか贄として
存在ごと消えてしまうのだろうか
誰にも聞けない疑問。
俺は両親に見捨てられたのだろうか
ただ漠然とした怖い思い。 ]
[ いつしか根強く残った
”次は俺の番”という認識から。
どこかで自分を抑え込んで
いたのだろう
両親を信じられなくなった俺は
宵稚に依存していった。
幼馴染で友達で親友で……
誰に忘れられたって良い。
君だけが俺を覚えていてくれたら。
それだけで俺は幸せだ。 ]
比較的、作りたいと思った曲は作れてる。
それが大衆に聴かれてる。
こうやって、外食が普通にできる位には、
売れて…生活ができてる。
それって、好きな音楽が出来てるって事…
………なんだよな。
[僅かな沈黙の後、片手に握っていたグラスに、
人差し指を這わせて、爪を立てる。
自分で自分の人生を口にして。
どうしてだろうか、その言葉は、
薄い靄がかかったような心地さえ覚えるのは。
俺は、間違った道を辿っている筈がないのに。]
比較的、でもなく
大衆に好かれるものでもなく
自分が心のままに
思うままに作れた曲はあった?
作った曲で宵稚が伝えたいことは
伝えられていた?
仕事だからという部分はあると思う
でもさ、
今の宵稚は言い聞かせてるように聞こえるんだ
自分のやりたいこと
作りたいこと
忘れないで
忘れたら、思い出して
答えは宵稚の中にあるんだ
[ グラスに立てられた爪
それが何かの葛藤のように見えて。
俺はもう一つだけ言葉を続けるんだ。 ]
宵稚。正しい道なんてないんだよ
正解を進む必要だってないんだ
[ 母なる海。
海に背を向けた瞬間に
波が手のように俺に掴みかかって
そのまま
そのまま
そのまま
・・・・。
深く、底へと、
沈む。 ]
[ 俺が知らない間、お前の過去。
波に連れ攫われそうになる、お前の事を、
俺の声で、連れ戻せていたなら良い。
波の音、それに背を向ければ。
俺が其処に居た。そんな人生であれば良い。 ]
大丈夫だって、海音。
俺はどの曲だって心を込めて作ってる。
伝えたいことを伝えられたかはわからない。
俺はその曲を響かせて、
聞き手の返しを聞いたことはないから。
…でも、それでいい。
俺が言いたいだけ。言いっぱなし。
俺の作る曲はいつもそうなんだ。
やりたいことも、作りたい曲も、
俺はずっとずっと、続けてきた。
…それしかないから。
( ……だいじょうぶ、だよ、かいと。
おれ、すきなうた、うたえてるよ。 )
。゚ ゚o .゚
..。゚ ゚o
。o゚
[ ……でも、それが『間違い』なら。
俺は…──、俺には────────… ]*
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