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【人】 篝屋に来た カジヤマ「ぎっ……ぐァッ……! いっでェ……!! マジきっっつい…」 焼けただれている背中と、傷ついた身体を起こす。 目を開けて、声を聞いた。ああ、本当に聞きたかった声達だ。 二日程眠っていた身体は不思議と大きな傷口だけを閉ざす形で再生した。 想像よりはひどくない、明らかに緩和している症状と怪我。 あり得ない治癒力と、まだ鈍く身体に残る痛みに思わず笑ってしまった。 これが、はじめての"治りかけている"という感覚だった。 「―― あは」 部屋で心配をされながら、笑って受け答えて内面を隠す。 今は叫んでいる暇はない。 また生き残ってしまった。 まだみていないからだ、あの日焦がれた炎を。 死んでもみたかった、この傷を与えたあの美しい光景を見ていないからだ。 これは、生きていたかったからじゃない。 醜い執着のせいだと、いつか、ぶちまけようかとは思っている。 「めっっちゃ、遅くなった。皆ただいま〜」 (14) 2022/06/17(Fri) 20:44:27 |
【人】 篝屋に来た カジヤマ「さとみん、あんがと。」 付き添ってくれた後輩にお礼を言う。 まったく、無理矢理付き合わせてしまった。 歯医者に生きたくない子供のように。 「今皆の現状は……どうなってる系?」 冷や汗をかきながら、状況を確かめた。 特効薬……? が見つかったらしい。 そして、それぞれに手配されたと。 ――この薬を研究したい、まっさきに思いついたのはそれだ。 これさえ大量に作ることが出来れば、 己の怪我も誰かの怪我も簡単に治すことに繋がる。 病は気からというが、全く本当にどうして。 こんな曖昧な定義だからこそ、人は救われるのだ。 できるだけ頼み、薬を斡旋して貰う。 少なくとも自分の分と誰かに与える分は用意できた。 残り、ここで命を落としてしまったのは――…… (15) 2022/06/17(Fri) 20:54:43 |
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