【人】 旅のヴァイオリン弾き ニコロ・・・花屋・・・ [ ニコロは扉を開けると >>158 「いらっしゃいませ」 と美しい声が聞こえた。落ち着いた優しいこえだ。 この素晴らしい日にオススメの花を もらえないかな? なんて、唐突に言ってしまった。 普通、初見の客がこんなことを言ったら引くだろう ニコロは少し後悔した しかし、何故だかこの女性なら自分の難しいこの要望でも 応えてくれるのではないかと、ふとそう思ってしまったのだ。 「はい、では少しだけお待ちいただいても?」 彼女は少しぎこちなく動いたが、それでも ニコロの難しい要望に答えようとしてくれた。 ニコロは女性から案内されたソファに腰をかけた。 彼女が真剣に花に向かい合う姿を眺めながら 彼女の選ぶ花を楽しみに待つことにした。 (228) 2020/09/26(Sat) 18:47:30 |
【人】 旅のヴァイオリン弾き ニコロ今日は酒場で大切な演奏をする日。 酒場に花は似合わないかもしれない。 が、ニコロのひとつのルーティーンとして その街の花を横におき。落ち着いた気持ちで弾くのだ。 この街は、この花屋の彼女はどんな街の姿を 見せてくれるのだろうか そう思いながらゆっくりと待つことにした。 ]* (229) 2020/09/26(Sat) 18:47:37 |
【人】 旅のヴァイオリン弾き ニコロとある酒場にて [ 酒場にニコロが入る前、コンペ会場から聞こえるだろう素晴らし い曲と拍手の音。 ニコロはその音を少し名残惜しい気持ちを抱えながら 酒場の中に入っていった メインストリートの中にあるだけあり、酒場は他の 場所に比べ大きく、そして賑やかだった グラスのぶつかり合う音 人々の笑い声と僅かなすすり泣くような声 ニコロはその音を楽しげに聴きながら 酒場の主人のもとに歩み寄り挨拶をした 「好きなようにそこの舞台で弾けばいい みんなそうしてきた」 主人はそれだけを言うと仕事に戻った ニコロは舞台に上がり、自分の横に花を飾るだろう ヴァイオリンケースから丁寧に調律調整された ヴァイオリンを取り出すと肩においた まだ、酒場の客たちは思い思いに過ごしている 舞台上のニコロに気づいていないのだ ] (264) 2020/09/26(Sat) 22:34:52 |
【人】 旅のヴァイオリン弾き ニコロ[ ニコロはこの三日間の思い出を振り返る 素敵なカフ 素敵な楽器工房 素敵な花屋 どれもキラキラと輝いていて ニコロはその細い指から軽快な音楽を奏で始めた それは、楽しげで跳ねるような曲調 思い出すのはメインストリート 街の賑やかな光景 自分の過去みた世界とは真逆で素敵な街 酒場の客たちはニコロが曲を弾き始めてすぐ 驚いたように舞台を見て そして、その楽しくなるような曲に知らないはずなのに 手を叩いていた ニコロもその手拍子を聞き、より楽しげにヴァイオリン を響かせた 曲が終わると酒場の客たちは拍手と指笛を鳴らし 「いいぞあんちゃん」「もう一曲くれや」 と囃し立てた (265) 2020/09/26(Sat) 22:44:53 |
【人】 旅のヴァイオリン弾き ニコロ ニコロは笑顔で次の曲を弾き始めた ゆったりとした曲 酒場には似合わないのではないかと思うような 繊細な音が響く ニコロは落ち着いた雰囲気の工房を思い出し 華やかな匂いのする花屋を思い浮かべながら 一曲を弾いた 客たちはさっきまでとは違い その繊細な曲に聞き入っていた ニコロは最後の曲を弾くことにした それは、この街で聞こえたんだ歌声や コンペ会場から漏れ聞こえたこの国にはない新しい 楽器を使った音楽 そして、きっとその人たちの周りで起きた 事件と奇跡 それに対してどうか幸せになりますようにと 願いをかけた曲 酒場の客たちはこの曲を聞いた時に 「家に帰りたくなった」「母ちゃんにあいたくなった」 「ちゃんと生きなきゃ」 と考えるようになったとか ニコロは演奏が終わると静かに舞台を降りた。 客たちは投げ銭をしようとしていたが ニコロが入れ物を指定しなかったために直接渡そう (266) 2020/09/26(Sat) 22:50:11 |
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