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【人】 大学生 矢川 誠壱[ そっと箱を左手で押さえて、 触れるだけの口づけを贈った。 まつげの隙間から驚いた顔を 盗み見ては、ふ、と口元を緩め。 またもう一度重ねては、 開いてくれないだろうかと、 舌先でそっと閉じられた合わせをなぞった。 あの文化祭の日。 友人となったこの男は、 紆余曲折の末、現在恋人という関係に 落ち着いているわけなのだけれど。 不意打ちで仕掛けたキスのハードルは、 軽々と超えたというのに、それから先に どうにもなかなか進まない。 進みたいとは思っているし、 進めようとは思っているのだけれど なかなかどうして男同士ということもあってか ガードが固いのは仕方がないのだろうか。 ───己に、抱かれる気が全くないし、 むしろ抱く気しかないのも要因なのだとは 薄々感づいてはいるがそこは置いておこう。 離れた唇を、ぺろり、と舐める。 抗議の言葉は聞く気がない。 たぶん、もう一押しなのだ。] (149) 2020/06/24(Wed) 20:39:35 |
【人】 大学生 矢川 誠壱[ あの日、年下の友人があそこで 喫茶店を開いていてくれたから。 自分たちはきっといまここにいるわけで。 あの時間が、あの場所がなければきっと 今は存在していなかったと思う。 そう考えると、理科室を使った、 小さな喫茶店が人生の転機になったと 言ったって過言ではないだろう。 あいつにはまたお礼を言わなきゃな、 なんてことを考えながら。] (151) 2020/06/24(Wed) 20:40:40 |
【人】 大学生 矢川 誠壱[ そういって首を傾げる。 そっと彼の手にあるタバコをとって、 あの日のように吸い込んだ。 今度は咽せたりしない。 肺までしっかり取り込まなければ 平気だということはここ数年で 学んだし、そもそもいまはこの香りが 別に嫌いではないのだ。 ふう、と恋人の顔に紫煙を吹きかける。 それから、軽い口づけを落として、 その指にタバコを返した。 また怒られるなら肩を竦めて笑うだろう。] 知らないなら、調べてみて。 ───意味がわかったらさ、 今晩、飯行こうよ。 [ そんな誘いをかけて。 自分は一旦その場を去ろうか。 ひらひら手を振って、 なんでもないような顔をして。] (153) 2020/06/24(Wed) 20:41:41 |
【人】 大学生 矢川 誠壱[ ちなみにそのあと意味を知った 恋人から焦ったように連絡がくるなら、 男はからからと笑い声をあげるだろう。 どうしてもというなら待ってあげなくもない。 だって、まだまだ時間はある。 友人としてはそれなりに経った月日だが 恋人としては、まだまだ、短い ───否、これから、続いていくのだから。] (154) 2020/06/24(Wed) 20:42:07 |
【人】 大学生 矢川 誠壱[ 雨が降ると思い出す。 短い期間ではあったけれど、通った母校は 自分にかけがえのないものをたくさん たくさん、贈ってくれた。 なぜあの時期にわざわざ雨の中、 文化祭をしたのか、なんて。 今となってはどうでもいいこと なのかもしれないのだけれど。 大人になったいまだからこそ、 ───振り返ることのできるいまだからこそ、 わかることもきっとある。 そうだな、もし自分が理由をつけるなら。] (155) 2020/06/24(Wed) 20:42:28 |
【人】 大学生 矢川 誠壱[ そんなことをいったらあいつらには 「くさいこというなよ」と笑われるのかも しれないけどさ、いいだろ。 だってきっと、あそこにはたくさんの 幸せがあったはずだと、思うんだ。]** (158) 2020/06/24(Wed) 20:43:31 |
【人】 生物部部長 クロユリ[ 喫茶店アトリエ さっき聞こえた誰何の声を思い出し、ちょっとびくびくしながらも、もういちどこの看板の前にやってきた。 教室の外からもコーヒーの香りがかすかにしていた。 そのいい香りで思い出した喉の渇きと、それと同じくらいの好奇心。 ずっとこの香りが気になって仕方なかった。 誰がやっているのだろう、アトリエというくらいだから美術部の人かな?でもそれだったらなんでこんな旧校舎の理科棟で。 そんなことを思いながら、そうっとドアを開ける。] 失礼…します… (159) 2020/06/24(Wed) 21:33:24 |
【人】 生物部部長 クロユリ[開けた先には >>1:71 黒く塗られた机に、ガスバーナー、ビーカー 間違いなく見慣れた理科室だった。 そしてそこにいたのは、2年の須藤要さんだった。 あまり話したことはないけれど、そこにいたのが同級生だったことで、ユウリは少しほっとした。] お邪魔しても、いいですか? あ、ごめんなさい!ハムスター連れで!* (160) 2020/06/24(Wed) 21:36:15 |
【人】 ワンコ系絵描き 要ドアのスライドする音に、 ぱっと後ろを見る。 同じ制服を身にまとった女性がこちらをみて、おずおずと顔を覗かせた。 「失礼……します……」 どうも、声が、今朝、僕が追い払ってしまった?女性のものに瓜二つである。というか同じ人物なのでは……? この時ばかりは顔が認識できないことで、声を聞き分けられる自分に感謝した。 とりあえず、謝りたい。 「あ、ああ、あの、今朝、もしかして覗いて下さった方ですかね?それならほんと、申し訳なかったです、驚かせたようで……」 そして、彼女はどうやらこの喫茶店のお客さんとして来たらしい。しかも小さな友達も一緒のようだ>>160 「あ、ごめんなさい!ハムスター連れで!」 その言い方が少し、ラーメン一丁!チャーシューを添えて!みたいな感じに聞こえてくすり、と笑ってしまった。 「勿論、歓迎しますよ。お飲み物は何になさいますか?」 三度目ともなると、台詞はスラスラと口から出てくる。もしかしたら自分は接客に向いているのかもしれない。 「あ、ハムスターも水、いりますかね?」 なんていって綺麗なシャーレに水を入れてみる* (161) 2020/06/24(Wed) 21:50:49 |
【人】 生物部部長 クロユリ[須藤はユウリのことは同級生と認識していないようだったが、ユウリもあまり人とたくさん話すほうではないので、全く気にしなかった。 >>161 そして、須藤のその柔和な物腰に、緊張していた気持ちがふっとやわらいだのを感じた。] いいえ、こちらこそ、まだ準備中だったのにのぞいたりして、ごめんなさい。 [喫茶アトリエの穏やかな気配に、ユウリはようやく、ほっと気持ちを落ち着けることができた] (162) 2020/06/24(Wed) 22:09:44 |
【人】 生物部部長 クロユリ[勧められるままに椅子に腰掛ける。 ハムスケのケージは、テーブルの上に置くのは躊躇われ自分の膝に抱えることにした。 今はほとんど使われていない理科室の椅子に座って、須藤から「お飲み物は何になさいますか?」と微笑みながら訊かれ、「コーヒーを、お願いします」と答える。 なんだか、夢の中に出てきそうなシチュエーションだな、なんて思っていた。] (163) 2020/06/24(Wed) 22:11:44 |
【人】 生物部部長 クロユリ[すると、 >>161 「あ、ハムスターも水、いりますかね?」 と、須藤は綺麗なシャーレをそっとテーブルの上に置いた。 一瞬目を丸くするユウリ。 でも須藤は決して冗談ではないようだった。 夢の中みたい、という感想を打ち消すそのインパクトに、ユウリは思わず笑みがこぼれた。] 「ありがとうございます。いただきます。」 [膝の上に抱えていたケージから、ハムスケをそっと手で包むと、テーブルの上に置かれたシャーレの前に下した。 おがくずの中での眠りを遮られたことへの不服なのか、ハムスケはユウリの手の中でジュッ!!と抗議の声を上げた。 だが、シャーレの前でしばらくクンクンとハナを動かしたかと思うと、おもむろに中の水を飲もうとし…そのまま、シャーレの中に落ちた。]* (164) 2020/06/24(Wed) 22:24:41 |
【人】 ワンコ系絵描き 要どう考えてもこちらが悪かったのに、 ごめんなさい、と口にする彼女。 なんて、心根の良い子なのだろう……と思ったが、口にはしないでおく。こういうことは心に留めておくのが、きっといい。 なんだか、平行線になりそうな予感もするし。 彼女が席に着くのを確認すると、コーヒーが欲しいと言われ とりあえず、ガスバーナーに火をつけ、水を火にかける。 「アイスかホットか、どちらが良いですか?」 まあこの気温だとアイスだろうな、と思いつつも一応聞いてみる。何せ僕自身がどんなに暑くても、ホットを頼む変な奴、だからなあ……。 水を入れたシャーレを置くと、彼女は礼を言って、ハムスターを外に放った。 鳴き声をあげる姿は怒っているようにも思うが……? あ、水、飲む……? ……あっ。 ハムスターは水の中に落ちてしまった。 しまった。器の選択ミスだろうか……?ハムスターには詳しくない……から……あぁ……。 慌てて、そこから助け出そうと手を出すが、手を止め、引っ込める。 これ、触っていいのかな……?潰れたりしない……? むう。 救いを求めるように、彼女の方を見る きっと彼女には慌てている僕がさぞかし格好悪くうつってるんだろうな、なんて思いながら* (165) 2020/06/24(Wed) 22:39:18 |
【人】 生物部部長 クロユリ>>165 ハムスターは基本的には水浴びはしない(…らしい) でも生物部という比較的過酷な環境に慣れているハムスケは、ぷんぷんと怒りながらもシャーレから抜け出すと、ブルブルっと体を震わせ水を弾き飛ばすと、ぐりぐりと毛づくろいを始めた。 須藤もおそらくびっくりしたのだろう。 ハムスケを助けてくれようと手を出し、手を止め、引っ込めた。 その逡巡が須藤の優しさを醸し出していた。 ユウリは、ぷんぷんと怒っているハムスケをよしよしと撫でると、須藤に「驚かせてごめんなさい」と謝り、ホットコーヒーをお願いした。 他にお客さんはいない。 ユウリは須藤ともう少し話をしてみたいな…と思った]* (166) 2020/06/24(Wed) 22:55:51 |
【人】 教育実習生 青柳 慶−いつかの未来の話− [ 教育実習が終わって、 また新しい年を繰り返して、 ついに彼は学生ではなくなった。 新しい春。 彼は新しい場所にいる。 薔薇のアーケードにも似た桜並木。 風が舞うたびに、桜の花びらが空を舞う。 彼は、次の日から働き出す学校の下見を しに来ていた。 広大な敷地は、歩くだけで運動になる。 雇われたのは、中学校。 それでも、併設の高校の方に足を運んでいた ] なぁじいちゃん。 なんで俺とか紗世がこの学校に行くなら 金出すって母さんたちに言ったんだ? [ 彼は、隣に並んで歩いてる祖父に声をかけた。 そう。彼は、母校に籍を置くことになったのだ。 彼の祖父は、ふぅ、っと息を吐いて、 彼の質問に答え始める ] (167) 2020/06/24(Wed) 23:05:28 |
【人】 教育実習生 青柳 慶「婆さんにはいうなよ?」 うわ…… 「実はな、ここの理事長が… このおいぼれの、憧れだったんじゃ」 ……あ、そういう。 でもじいちゃんの歳だと外国人珍しくね? 「彼女はな、フランスと日本のハーフだったからなぁ」 めっちゃいじめられてそ…… 「おいぼれと一緒にいてくれたからな、それはなかったぞ」 はぁぁ?わぁ、もうじいちゃんマジぃ…… [ つまりは、幼少期から一緒だったわけで。 幼馴染み同士の話で、恋仲だったかどうかは このひょうきんなじじいからは 察することが出来ない。 それでも、彼の祖父は理事長と一緒に なるという運命には出会わず、 今に至るというもの。 しかし、不思議なことがもうひとつ ] (168) 2020/06/24(Wed) 23:06:03 |
【人】 教育実習生 青柳 慶 なんで、この学校のこと知ってたんだ? 「鼻が効くからな、お前さんと違って」 あ、そう……。 [ つまりはそういうこと。 知り合いから、話が流れてきた。 彼の祖父の交友関係の幅広さが、 功を奏したという話。 彼らは高校の校舎を眺めて、 次の場所へと向かった ] にしても、驚いた。 大学建てるとか…… 「コマーシャルが出来ておったぞ?」 残念ながら忙しくて ちゃんとテレビ見てなかったんだよ… 「それで、娘さんはその学校に行くんじゃったか?」 名前覚えてやれよ…… 「はっはっはっ!覚えておるよ。 …今のお前は、明るくて安心できそうだ」 (169) 2020/06/24(Wed) 23:06:56 |
【人】 ワンコ系絵描き 要結論から言うと彼女はハムスターを助けようとしなかった。 その事に少し違和感を覚えながらも、もう一度、手を差し出そうとすると、その時には、ハムスターはシャーレから抜け出していた。 なんということだ。 こんな小さな体を持ちながらも、自力で助かるだけの力はある、とそういうこと? 彼女はよしよしとハムスターを撫でる。 自力で帰還した彼を褒めているのだろうか? こんな小さな命でも、いや、小さかろうと、きっと、関係ない。彼らも僕達と同じように生きて、動いて、怒って、考えている。助け出そうとした己はそんな、彼?彼女?を軽んじていたように、思えて、なんとなく恥ずかしくなった。 いくら恥ずかしくても注文は聞き逃さない。 ホットで、と言った彼女は、僕と同じなのか、と、少し嬉しくなる。聞いてよかった。とも。 カップにフィルターと粉を設置しながら、 なんとなく、彼女から話してほしそうな雰囲気を感じて、言葉を紡ぐ。 「僕、二年の須藤要と言うんですが、貴方は?」* (170) 2020/06/24(Wed) 23:08:14 |
【人】 教育実習生 青柳 慶 [ 新しい校舎を見ながら、彼らは話し続ける。 そして、特別待っているという訳ではないけれど、 近くのベンチに腰を下ろして、 時間をつぶす。 とはいっても、 理事長がどんな人なのか、という話が 9割だったので、彼は話を聞くだけだった。 少し経って、賑やかな声が聞こえる。 新大学生たちが、学舎から出てきたのだ ] 「先生!」 いい加減、それで呼ぶのはやめろって言ってるだろ? 仮にも明日から本当に 先生になるっていうやつなんですけど。 「あっ……すみません……」 [ ベンチに腰を下ろしていた彼らに、 もとい彼に声をかけた1人の女性。 黒髪に、薄桃色の襟付き七分袖ワンピース。 大人っぽい見た目とは裏腹に、 彼女の装いは少女のような軽やかなもの。 彼女はワンピースを好むようで、 出かける時も、よく着ている ] (171) 2020/06/24(Wed) 23:08:21 |
【人】 教育実習生 青柳 慶 [ そして、そんな清楚な彼女を、 祖父も気に入っているらしく、 遊びに行けばゆうちゃんゆうちゃんと 自分の孫のように可愛がっている ] 「ゆうちゃん、今日も綺麗にしてるなぁ」 「おじいさん!こんにちはっ!」 「うむうむ。元気でよろしい」 新しい校舎どうだった? 「ピカピカで、不思議でした!」 不思議って何その返事。面白すぎ。 [ 彼女の返事に笑いが出てしまい、 彼女は少し慌てて訂正をかける。 新鮮で、楽しみになった、と。 彼女たちが最初の学年だから、 彼女たちが築くことになる大学。 その大学経営のために、 流石にCMを打ち出した影響か、 小中高の受験倍率が更に上がったらしい。 当たり前ではあるが大学の方も、いい感じらしい。 教授たちも百戦錬磨の人物たちを 呼んだようで、話題になっている ] (172) 2020/06/24(Wed) 23:10:07 |
【人】 教育実習生 青柳 慶 じゃぁ、今日はじいちゃんがどっかで 俺の就職祝いと、玄森の入学祝いしてくれるっしょ。 「老いぼれから搾取とは…!」 「おじいちゃまー!」 「この声は、……紗世!」 [ 何故か、従姉妹の紗世が近くに来ていた。 祖父に抱きついた彼女は、 ふと、横を向いて慶の存在に気づく。 彼女の表情は、 どうしてるという顔をして、 首を傾げているので、 紗世の先生になるかも、と言ってみる。 すると、彼女の表情は一気に明るくなった ] 「……!!おにいちゃま、中等部なのね!」 せーかい。 「お隣の方、だぁれ?」 ………………新しい彼女さん。 「……!?やだやだやだ!おにいちゃま!」 (173) 2020/06/24(Wed) 23:11:07 |
【人】 教育実習生 青柳 慶 [ やっぱり嫌々されてしまった。 唄のときもこんな感じだったが、 ブラコンは抜けないらしい。 ありがたいけれど、 紗世は成長して美人になってきている。 つまり、男たちが黙ってはいない人間へと 成長を遂げているということ。 彼は少し悩んで、玄森を紹介するのは また今度にしようかな、と思った ] 「はじめまして、玄森優里です」 「……はじめまして、櫻木紗世…です……」 紗世? 「おにいちゃま、ダメよ! 今は、女の戦いなの!」 あ、はい…… [ 天然すぎやしないか、玄森。 などと脳裏で考えながら、 2人の様子を眺めておく。 彼の新しい人生を 彼女 は、どう思っているのだろう。月命日には、出来る限り手を合わせに行っていた。 馬鹿だなぁ、なんて思ってくれれば、 彼も落ち着くというもの ] (174) 2020/06/24(Wed) 23:11:48 |
【人】 生物部部長 クロユリ>>170 「玄森優里です。わたしも2年生です」 [同級生ということで、須藤が気まずい気持ちならないといいなと思いつつ、そう答えた。 奥の方から、微かにコーヒーのいい香りがしてきた。自分のために煎れてくれているのだと思うと、うれしくなった。] 「須藤さん、訊いてもいいですか?」 [もう聞いているけど、というツッコミを受けるところだが、幸いそこにツッコミ担当はいなかった] 「ハムスター、飼ってみませんか?」* (176) 2020/06/24(Wed) 23:26:19 |
【人】 ワンコ系絵描き 要……あー。そっか。二年生か。 それは彼女に悪いことをしたな、と思いながらも 沸騰したお湯をコーヒーの粉にかける。 ぶわっとコーヒーの香りが辺りに広まった。 そうすると彼女は唐突に いや、唐突じゃないかもしれないけれど、質問を投げかけてきた。 「ハムスター、飼ってみませんか?」 と。 えっ?えぇ? うーん。ハムスター。たしかに可愛いけれど。 「ええと?なぜ唐突に?飼ってはみたい、ですけど、うーん。そう、なんというか、ひとつの生命を育てられる、自信、はあんまりないです……ね?」 おしとやかな雰囲気だと思っていた彼女はなかなか、それだけではなかったようで、僕は少し戸惑った。 「えと、とりあえず、ホットのコーヒーです」* (177) 2020/06/24(Wed) 23:34:09 |
【人】 生物部部長 クロユリ[普段は物静かだが、ときどきとっぴな言動をとる、というのが生物部の部員たちのユウリへの人物評だった。 代々生物部の部室で飼われているハムスター、ハムスケはちょうどユウリが入部したときに生まれたこともあり、思い入れも強かった。 そんなハムスケの子どもが生まれたのがつい一か月前。 もちろん生物部で飼っていくつもりでいるが、ユウリは先ほどの須藤の逡巡とやさしさに、こういう人にハムスケの子どもたちを育てほしいな、という気持ちが芽生え、ついついそんな言葉をかけてしまった。 しかし須藤の答えは至極全うで、その答えに却ってユウリは彼の優しさを感じた。 須藤が出してくれたコーヒーの香りに、ユウリははっと我に返る。 「そうですよね、急にごめんなさい」 「えと、とりあえず、ホットのコーヒーです」 ハムスケがふっと近くにいた須藤に近づいていく。 ふんふんとにおいをかぐと、またそこに座り込み、ぐりぐりと毛づくろいを続ける。 そんなハムスケの様子に、2人は思わず顔を見合わせて微笑んでいた。 ユウリはまたいつか、須藤とハムスターの生態の凄さについて、もっと語りあえたら嬉しいな…と思った。* (178) 2020/06/24(Wed) 23:55:11 |
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