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【人】 蒼鉛の魔術師 ヴィスマルト[固まってしまったルービナ様を見て>>40 少し苦笑が浮かんだ。 この方は、隠し事をなさるわりに 反応が出やすいというか、 隠し事があるのを隠すのが下手というか… 昔からそういう所のある人だった。 ええ、わかりますよ。 仕方のないお人だ。 そんな風に考えて、いつも口を閉じてきた。 隠し事には理由があるものだから。 深く突っ込んだりはせずに。] …ご無理はなさいませんよう。 [とはいえ無理は禁物。 疲れを忘れたようだと言う師匠に>>41 一言添えるのは忘れなかったが。 言われた内容に、口調が柔らかくなってしまうのは 致し方ない事だろう。] (66) 2022/04/14(Thu) 21:51:48 |
【人】 蒼鉛の魔術師 ヴィスマルト[外聞を建前にできない今、頭を撫でられれば 己の羞恥心との戦いが始まる。 しかし、この時間が大切だと言ったルービナ様の 優しい手つきを、撥ね退けられるわけもなく。 ……遠ざけたいわけでもないのが、複雑な所だ。 …ルービナ様。 もう、子供ではないと申し上げました。 [そっと下ろさせた手を、離す前の一瞬。 ルービナ様の顔を見ながら、 わずかばかり、握る手に力を込めてそう言おう。 そうすれば、もう少し 色々とわかって頂けただろうか。] (67) 2022/04/14(Thu) 21:51:51 |
【人】 蒼鉛の魔術師 ヴィスマルト[楽しみだわ、という言葉に>>43 こちらも頷いて返し。 そうして、どれくらい経っただろうか。 弟子が戻って来たのを 私もルービナ様と共に出迎えて。 こちらは言葉少なに、二人の無事を確かめる。 …オペラを撫でるルービナ様の姿を見れば>>44 先程、己も撫でられていたのを思い出し。 そういえば、自分は弟子に対して ああいった事をした覚えがない。 ……してやるべきなのだろうか? ――――オペラは、嫌そうに見えないが。しかし… と、思考がそちらに逸れて行った。] (68) 2022/04/14(Thu) 21:51:55 |
【人】 魔法使いの弟子 オペラ[リアントは 思った以上に しっかり考えていたので>>53 私もその話に納得して、拾ったものは しっかり持ち帰ってきた。 それを置いてから、師匠たちに ただいま戻りました、と挨拶の言葉をかける。 リアントの心配をするルービナ先生を>>44 横目で見ていたら、こちらにも手が伸びてきたので] わぁ。 だ、大丈夫です。 [と、少し慌てながら無事の報告をした。 やっぱりこういうの、慣れないから照れくさくて… (69) 2022/04/14(Thu) 21:52:04 |
【人】 魔法使いの弟子 オペラ[ちょっぴりよそ見はしてしまったけど。 先生のお話はしっかり聞いていたから。 浄化が大切だということ。 それから、失敗すれば、 真逆の毒になってしまうこと。 >>47それを聞いて少し青ざめ。 …ふと視線を感じてそちらを見れば、師匠がまた、 こちらの様子を窺っているのに気付いて。 少しの間、そちらを見返してから 大丈夫、と今度も頷きで返した。 …そう、昨日よりも。私は大丈夫なはず。 湖での禊が必要と聞いて>>49 また少し怯んでしまったけど。 リアントが声をかけてくれた時には>>62 そちらにも大丈夫、と言える余裕があった。] (70) 2022/04/14(Thu) 21:52:07 |
【人】 蒼鉛の魔術師 ヴィスマルト[弟子の疑るような視線を感じたが 私もルービナ様の話はしっかり聞いていた。 お任せしてしまって申し訳ないとは思っている …しかしやはり、撫でてやるだとか そういった事は不得意で。 せいぜい、話の途中で気になる事があれば 視線で問いかける程度しかできず。 大丈夫、やれる、という意思が見えれば それを尊重するだけ、なのだが。] …もし、禊の番が必要なら 私が引き受けよう。 こちらは最後で構わないから。 [誰に、というわけでもなく。 全員に向けて、そう付け加えておいた。 ルービナ様の魔法を>>62 信用していないわけではない。勿論。]* (71) 2022/04/14(Thu) 21:52:12 |
【人】 蒼鉛の魔術師 ヴィスマルト[ルービナ様から託された花の状態は>>49 その場で確かめておいた。 萎れる事なく、活き活きとしているのを見て 「良くやった」と弟子達を労い。 その他、必要な道具なども改めて確認し。 禊も済ませて、あとは夜を待つだけ、 という少しの空き時間に、 私はルービナ様へ声を掛けた。] 少し宜しいでしょうか。 …集中しておいででしたか? [儀式の準備をされていたのなら、 終わるまで待って。それから本題に入る。] (72) 2022/04/14(Thu) 22:10:14 |
【人】 蒼鉛の魔術師 ヴィスマルト先程の依頼の話ですが、 素材の提供をお願いしたいと思いまして。 ほんの飾り程度、欠片でも構いません。 貴女の魔力を宿した紅玉を一粒、 預けていただきたい。 [仕事の前に気を散らすのは、 自分でもどうかと思ったのだが。 ふと、作りたいものが浮かんだので そのように願い出た。 魔術の行使のために持ち歩いている石が あるのではないかと、そう考えて。] (73) 2022/04/14(Thu) 22:10:16 |
【人】 魔法使いの弟子 オペラ[禊の時間。一人で、湖に入るのは やっぱり怖かったけれど。 今はそれよりも――] ………… [私は、外した仮面と向き合っていた。] (74) 2022/04/14(Thu) 22:45:39 |
【人】 魔法使いの弟子 オペラ[呪いといっても防犯の一種みたいなもの。 もちろん、仮面の下の魔眼を守るために つけているのであって、ルービナ先生の言う 邪≠ノは当たらないのかもしれない。 私が自分で外す時は問題ないし、 万一間違いが起こっても 解呪の方法だってちゃんとある。 だけど、解呪するかどうかは私次第。 ――私は もしも の時、解呪してやるつもりなんかこれっぽっちも無かった。 いつかこれが、復讐の道具になるんじゃないかって。 そんな思いで被り続けていた仮面は。] …やっぱり、浄化の場には相応しくない…よね。 [仮面の向こう、いつも自分の眼≠ェあった その位置を、じっと見つめて。] (75) 2022/04/14(Thu) 22:45:48 |
【人】 魔法使いの弟子 オペラ[湖から戻る時。 私の顔に、仮面はなかった。 剥き出しの頬を撫でる風の感触に、肩が震える。 …ここに、私を害する人はいない。 そんなことを疑っているわけじゃない。 それでも、どうしても心許ない気分になって。 だけど、人前で素顔を出すのは何年ぶりだろう。 そう思って、どこか清々しい気持ちになる 自分がいるのも不思議だった。 足取りは、まっすぐに。 私はこのまま、儀式に臨むと決めた。]* (76) 2022/04/14(Thu) 22:45:50 |
【人】 魔法使いの弟子 リアント[ ヴァイスシュヴェルト という国がかつて存在した 今では地図から消えた国 白き剣に誓いを立てる騎士の国であった 勿論宝石魔術とは縁が無く 輝く宝石を体に持って生まれた俺は 魔物や悪魔といった卑しき者、異形として恐れられた。 この国の王家のものは白き剣の声が聞こえるらしい 俺には一度も聞こえたことはなく 代わりに聞こえたのは動物たちの声だった。 ] (77) 2022/04/14(Thu) 23:34:12 |
【人】 魔法使いの弟子 リアント[ 剣の声の聞けない出来損ない。 それどころか人間としてすら認められず。 俺は牢から出してはもらえなかった。 この国は綺麗だと人は言う。 そうだろうな 見られたくない汚い部分は隠しているのだから。 ] (78) 2022/04/14(Thu) 23:34:35 |
【人】 魔法使いの弟子 リアント[ それでも俺の味方になってくれる人は 少なからず居た。 ……居たんだ。 白き剣と黒き盾の話を教えてくれた人がいた。 白き剣と黒き盾は元は共にあった。 お互いがお互いを認め 二つが揃って”強”とされた。 だが単体では……? 盾は剣のおまけであり 剣は盾がないと役に立たないと言われ 二つは一つになることを恐れ”個”となった。 ] (79) 2022/04/14(Thu) 23:34:57 |
【人】 魔法使いの弟子 リアント[ この話は実話を元に作られたらしい。 白い剣は文字通りヴァイスシュヴェルト 黒い盾もそうなのだろうか。 そうであれば名は シュバルツシルト なのだろうな。 ] (80) 2022/04/14(Thu) 23:35:31 |
【人】 魔法使いの弟子 リアント[ この時は単純に物語を知った者として 白き剣の者として会ってみたかった。黒き盾に。 けれど 国が滅ぶ時 そのまま崩れた城の牢で埋もれて死ぬはずだった俺を 助けてくれた人。 俺の恩人。 俺に物語を話してくれた人。 俺を逃す為に殺された人。 逃げる傍らで振り返れば 黒き盾の紋章が目に入った。 ] (81) 2022/04/14(Thu) 23:36:35 |
【人】 魔法使いの弟子 リアント[ これが、黒き盾……。 焼かれ炎の上がる城 朽ち果てた身内、そして恩人。 その残骸の上に立つ黒き盾の紋章が 目に焼き付いて離れない。 感謝をすればいいか? 城から出るきっかけになったと。 憎めばいいか? 恩人を殺されたと。 わからない。どうすればいいのかわからない。 確かめなくてはと思った。 けれど小さな子供である俺は力を持たなかった。 先生に拾われるまでの二年間。 それはとても人に言える生活ではなかったと 自分でも思う。 ] (82) 2022/04/14(Thu) 23:37:28 |
【人】 魔法使いの弟子 リアント[ それでも生きることに必死だった。 魔法の才があることを知った。 この体にある宝石が悪いモノではないと知った。 無知は罪だ。 だから”私”は知りたいと思う。 白き剣 と 黒き盾この二つの因果関係を。 それはまたいつかの話。 遠く近い物語。 白 と 黒の物語。 はじまりはすぐそこに───────。 ]** (83) 2022/04/14(Thu) 23:38:37 |
【人】 蒼鉛の魔術師 ヴィスマルト― 夜 ― [オペラの顔に仮面がないのを見て、少し驚いたが。 それでいい、大丈夫だ、と 私はまた頷きを――…… ――すれ違いざまに。肩をひとつ叩いて。 そうして、儀式の時立つ位置などを指示し始めた。] (84) 2022/04/14(Thu) 23:46:37 |
【人】 蒼鉛の魔術師 ヴィスマルト[全員が位置につき、準備が整えば ルービナ様の詠唱が始まる。>>50 歌うように紡がれる声は耳に心地良い。 ――いつだって、この声を聞くのが好きだった。 いつだって。伝えた事は、終ぞ無かったが。 ここで失敗しては台無しだと、 わずかに固くなっていた体の緊張も解けて行く。 自分は、歌の得意な方でも無いけれど。 今はそういう時ではないから、 唱和を求められればすぐに応じて。>>51 月 の下、魔法の力が降り注ぐ。] (85) 2022/04/14(Thu) 23:46:39 |
【人】 蒼鉛の魔術師 ヴィスマルト[そうして、場が清浄な空気に満ちたなら 一歩前に進み出て、最後の仕上げにかかる。 魔力を注ぎ続けながら、月の力、花の力、 全ての力が調和するよう、 調合鍋に入れた素材を丁寧にかき混ぜて。 ――幼少期は出来損ないと罵られもした己だが。 ]だからこそ、こういう繊細な力の扱い方を 覚えられたとも言える。皮肉なものだ。 (86) 2022/04/14(Thu) 23:46:41 |
【人】 蒼鉛の魔術師 ヴィスマルト……完成です。 薬が安定するまで、この箱を開けないように。 今夜はこのまま休みましょう。 [零時を回る前に調合は終わった。 つまり、無事に万能薬が完成したという事である。 そうは言っても、出来上がったばかりの薬は不安定。 これからしばらくは邪の時間であるから、 瓶に詰めた薬をさらに箱に入れて、 安定するまで、中に閉じ込めた浄化の力で 守らなければならない。 下手に動かすなどして、 薬の質が落ちてはいけないし。 何よりも皆、疲れているだろうからと 休む事を提案しつつ。] (87) 2022/04/14(Thu) 23:46:43 |
【人】 蒼鉛の魔術師 ヴィスマルトしかし、最高の薬が調合出来たな。 皆のお陰だ。お疲れ様。 これならアガーテ様にも十分ご満足頂けるだろう。 弟子の二人には、ルービナ様の仰った通り この経験を糧にして欲しいと思う。 そして、ルービナ様。 この度のご協力、本当にありがとうございました。 …私にとっても、素晴らしい経験になりましたよ。 [夜の空気の中、いつもより饒舌になって。 ――そう、陽光の下で、別れの空気の中、 こういう事を言うのは不得手なものだから。 解散する前。今のうちに、 皆への感謝を伝えたのだった。]* (88) 2022/04/14(Thu) 23:46:45 |
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