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人狼物語 三日月国


147 【ペアソロRP】万緑のみぎり【R18G】

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視点:


【人】 眼科医 紫川 誠丞

 
「そのうち結婚なさるんでしょう? 先生も」


[曖昧に返事をして、ペンを走らせる。
余白がほとんどない色紙に書く言葉を探し、ありきたり過ぎないかと頭を悩ませる時間。見慣れた外来の診察室で、隣には看護師……いや受付の事務員か、ぼんやりとした外郭の人間が暇そうに立っていて、私が書き終えるのを待っている。

書き上げた一枚を手渡す。機嫌良さげな、それでいて得意ではない類の好奇心の色を隠さず、相手が笑いかけてくる。その唇が動き、何かを言った。

……こんな時は、無難なことを言っておくに限る]


 いや、結婚は…………どうでしょうね。
 昔からずっと、好きな人がいるんです。


[口から出た言葉に、自分でぎくりとする。
身を乗り出してきた彼女が連ねる質問に、洗いざらい答えてしまう。そんなプライベートな話は職場の人間に聞かせるべきじゃないのに、自分の身体を制御出来ない。どうして。

笑顔を浮かべていた彼女が首を傾げる。
すっと表情が消えた双眸が、白衣の男を捉えた]


「先生は、……その人のどこが好きなんですか?」
 
(64) 2022/05/23(Mon) 22:26:50

【人】 眼科医 紫川 誠丞

[彼女──だと思っていた輪郭が、声が。
次第に変質していき、気付けば目の前に「阿出川くん」が立っていた。

その空間の異常さに私は何の疑問も抱かず、咄嗟に腕を掴もうとした手が空を切る。
「会いたかった」と再会を喜んだが、何かがおかしい]


「……せんせぇー、なんで俺のこと好きなの?」


[時間の流れを置き去りにした、昔のままの彼が。
私に問い掛けてくる]
(65) 2022/05/23(Mon) 22:27:08

【人】 眼科医 紫川 誠丞

[「好き」な理由──なかなか難しい質問だ。

学生時代は特に 希薄な人間関係ばかり築いていたから
憧憬や親愛を拗らせただけだ、
彼の顔が男にしては綺麗で可愛かったからだ、とか。

そう考えて、彼に似ている要素がある人なら
好きになれるんじゃないかとも思ったが駄目だった。

性格、立ち振る舞い、外見。
言葉にすると淡白で説得力に欠けるように思えて
記憶を遡り、好きだと思った瞬間を順に思い起こせば、
あり過ぎて話し始めたらキリがないと気がついた。

そして、無数に候補は挙げられるが……
例えば変わってしまったら冷めてしまうような、
決定的な「何か」は見つけられそうもない。

要素が欠けたら興味が無くなるかと聞かれれば、違う。
かといって「馬鹿」になりきった、
彼の見た目をした人形を可愛がりたい訳でもない。


……好きでいることが当たり前過ぎて
今までずっと、理由を考えたことも無かった]
(66) 2022/05/23(Mon) 22:27:40
眼科医 紫川 誠丞は、メモを貼った。
(a6) 2022/05/23(Mon) 22:36:02