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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


ツィオは、独りになるのだけが――怖かった。
(a15) 2022/08/21(Sun) 19:48:59

ツィオは、いつかその"恐れ"が、己を孤独に追い込むことを知っている。
(a16) 2022/08/21(Sun) 19:50:44

【人】 狡兎 ツィオ

【会議後のアジト廊下】

「――マーウロくん」

アジトの廊下を、苦しそうに胸部を押さえたまま
肩を怒らせて歩く貴方の前に、道を塞ぐように現れる。

    
リカルドの隠れ家

「俺の"監禁場所"から突然居なくなったと思ったらさ、
 そんな身体でどうしようっていうのかな。
 ――聞かせてほしいなぁ、是非。なあ、子猫ちゃん」

まるで挑発するように、
居なくなった誰かのことなど、
マウロの状況や組織の状態など気にも留めていないように、
負傷をしたマウロに、無傷の男が尋ねる。
(5) 2022/08/21(Sun) 21:31:20

【人】 狡兎 ツィオ

【アジト廊下】>>6 マウロ
「昨日まで、食事も一人で取れなかったやつが、
 よく吠えるなあって印象しかないよ。
 そんな奴には閉じ込めておくために
 鍵も必要ないと思ってたんだけど、
 ――ごめんごめん、舐めすぎてたね」

顔色が、どんどん悪くなる相手に。
――へらへらと近づいていく。

その、重体患者の胸倉を掴んで――。
――ドンッ、と、壁に押し付けた。
薄く笑った笑顔のまま、瞳だけが、笑っていない。

「――死にたいのか。
   ・・・・
 ……もう一度」

絞り出したような声は。
壁に押し付けた方が、痛みを堪えるようで――。
ギリ、と、その襟首を掴む両手に力が籠る。
(7) 2022/08/21(Sun) 22:02:09

【人】 狡兎 ツィオ

【アジト廊下】>>8 マウロ

――激情が、迸る。
それは、堪えていたものだったのかもしれない。
  
安 堵
      
絶 望
         
執 着

マウロの生存に、リカルドの死に――そしてラウラの死に。
蓋をしていたはずの、機構としての自分の箍が外れた音がした。

グ、と壁に押し付けたまま、
掴んだ襟首を引き寄せるように顔を覗き込む。
胸板で跳ねたマウロの血が、右の瞼の上から涙のように伝った。

「――それは、死にぞこないの猫一匹が、
 血反吐吐いて前に進めば、どうにかなることか――?」

そして贖罪も、諦観もままならないまま。
また俺は、ここで、何かを失うことを。
――"知っていながら"、"見過ごせ"っていうのか。

全部。……全部。
俺が壊したような、ものなのに――。
だからこれは。本当に、八つ当たりだ。
何の、正当性もない。裏切り者の悲鳴だ。
(9) 2022/08/22(Mon) 0:41:53

【人】 狡兎 ツィオ

【アジト廊下】>>8 マウロ 
リック ラウラ

――それでも。
自分が、リカルドの腕を掴んで言えなかったことが。
あの日、ラウラの身体を抱きしめて言えなかったことが。

喉の奥から、溢れることを、堪えきれなかった。

 ・・  ・・・・・・・・・
「俺を――独りにしないでくれ」

血を吐くように。痛みを伴いながら。
その一回だけ自分に許した弱音を、
血塗れの幼馴染に、吐き零した。

――息を、吸い、吐く。
整える。ツィオという名前の青年を。

「――考えてみなよ、一人より、二人だろう。
 もう、リックは居ないんだ。無茶をするっていうんなら。
 俺にも、一枚嚙ませてくれよ、ここから先、何かするなら」

きっとその方が。
あいつは、自分が死んだことを後悔するだろうから。
(10) 2022/08/22(Mon) 0:43:41

【人】 狡兎 ツィオ

【アジト廊下】 >>11 幼馴染
両手が。力を失う。俯いた額が、マウロの胸に落ちた。

あの時、これくらいの聞き分けの良さが自分にあれば。
――お前たちを、自分の沈む深い深い闇に
引きずり込むことはなかったかもしれないと思うと。
喉奥から笑いが出た。

その笑いのまま、体を少しだけ離して、
俯いたまま言う。

「……テンゴさんの言うとおり、
 確たる証拠のないうちに表立って暴れるわけにはいかない。
 だったら、その証拠さえ掴んでしまえば、
 死にぞこない二人でも大きな花火が打ち上げられる。
 ――そうだろ、子猫ちゃん」

道の先に進み、振り返りながら両手を広げた。
聞こえる。声が聞こえる。――世界で何が起きているかが。
耳を塞いでも、何をしていても、聞こえてくる。

「ベイビーシッターに、後悔させてやろうよ。
 酷い夜泣きを――天まで届ける"悪ふざけ"でさ」

あの頃の悪童の顔で、悪童に対して提案した。
(12) 2022/08/22(Mon) 12:44:34
ツィオは、"さよなら"、と言った。
(a50) 2022/08/23(Tue) 20:09:05

ツィオは、さて、どうやって殺すかな、と思った。
(a51) 2022/08/23(Tue) 20:22:46

ツィオは、死ぬ前に、キスぐらいはしてやろうと思う。
(a52) 2022/08/23(Tue) 20:26:20