10:11:49

人狼物語 三日月国


203 三月うさぎの不思議なテーブル

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:

全て表示


厨房担当 ゲイザーは、メモを貼った。
(a5) 2023/03/15(Wed) 7:44:25

厨房担当 ゲイザーは、メモを貼った。
(a8) 2023/03/15(Wed) 10:32:27

厨房担当 ゲイザーは、メモを貼った。
(a9) 2023/03/15(Wed) 14:27:49

【人】 厨房担当 ゲイザー

― 『ラスト・サタデー』監督の最新作、ついに ―

[速崎璥は、待ち合わせ場所の目印のモニュメントの前に先に着いていた。
 この時の服装は、いつかの非番時のような、お洒落にパンク・ロックぶった「イケメン」の出で立ちではなく――。
 ファストファッションのロゴ付きのベージュのジップパーカーにカラフルな縦縞のTシャツ、ブラックジーンズにスニーカー、それに黒いベースボールキャップ。そんな、ごくありふれた安価なアイテムを揃えた、至って気取らない恰好だった。
 Tシャツの色合いの鮮やかさには、少し海外っぽさ(?)が滲み出ていたかもしれないが。]


 よっし、じゃあ行こっか、
 ツユリん、チエりん! 
( ……りんりん、だな。)



[待ち合わせ場所に三人揃ってから、意気揚々と笑顔で促す。
 嘉数の前では栗花落が声優「セロ」であることには触れず、あくまで常連のツユリさん、という態で――。
 平日の午後、幾らかだけ空いている映画館へ。]
(65) 2023/03/15(Wed) 18:21:05

【人】 厨房担当 ゲイザー

[栗花落からのプレゼントである2枚の招待券は、この日ついに、劇場のチケット売り場で当日券に引き替えられる。残り1枚のチケットの購入も、同じ売り場窓口で速崎が請け負って。
 座席指定で少々こまごまとした遣り取りを受付で経ながら、連続して隣り合った3つの席の確保に成功。]


 土日だったら連番取れなかったかもだな……。
 はい、お待たせー! チケット渡しちゃうぜ〜。


[「渡しちゃうぜ」と言いながら、栗花落と嘉数にそれぞれ、当日券を1枚ずつ差し出していく。
 嘉数が真ん中の席で、その両側に栗花落と速崎が来るように――意図的に番号を振り分けたと気づかせないように、あくまで、さりげなく。]
(66) 2023/03/15(Wed) 18:21:47

【人】 厨房担当 ゲイザー

[――栗花落と隣り合っての「映画館デート」みたいになってしまわないように。
 そんな、胸の内で淡い想いが未だ燻っている璥の、嘉数を利用する形での、狡い小細工。

 とはいえ、連番を取ったグループでの観劇なんて、席番号があってないようなものでもある。
 もし、その場の流れで結局、速崎と栗花落が隣り合ってしまうことになっても――。
 速崎は下手に遠慮したりせず、あくまで自然体の笑顔のままで、「ツユリさん」と隣り合うことにしただろう。]
(67) 2023/03/15(Wed) 18:23:11

【人】 厨房担当 ゲイザー

[少しだけ暗くなった劇場で、近日公開の映画の予告編が流れていって。
 さらに暗くなってから、鑑賞マナー動画、映画盗撮禁止を告げるコミカルな動画が流れて。
 やがてこの場は、目の前のスクリーンとその裏のスピーカーから以外、光も音も齎されない空間になる。]


  ―――――――…


[物語をスクリーン上に描く絵は、毎週放送されるアニメ以上に妥協のない作画。
 あの『ラスト・サタデー』の監督の感性と力量が存分に発揮された、動も静も一部の隙も無い脚本に映像、音楽。
 そして、物語の中に生きる者たちの絵という肉体に、「声」という形で、役者たちが息を吹き込む。
 その声の響きも息遣いも、物語の勢いの中で霞むことは無く、寧ろ鮮烈な色を齎すもの。
 ――ああ、映像なき筈の声にまで、鮮やかな色が見えるよう!]
(68) 2023/03/15(Wed) 18:24:01

【人】 厨房担当 ゲイザー


 ( ――私、ちゃんと、オーディエンスとして、
         あなたのことが、「好き」なんだ。 )


[そんな思念が確かな言葉となって、璥の脳裏に過った訳ではない――言葉が思い浮かばないくらいの映画への没入ではあったのだけれど。

 他に代わりなんていない声。
 他の誰にもない魅力で、この耳を惹きつける声。
 そんな声の「セロ」によって描かれるキャラクターの息吹に触れた時に、無意識に、そんな想いが胸に滲んでいた。
 それは見返りを求める恋からの「好き」ではない、おそらくはもっと爽やかな好意。]
(69) 2023/03/15(Wed) 18:25:00

【人】 厨房担当 ゲイザー

[――小細工の意味なんてなかった。
 スタッフロールが流れ終わり、劇場内に再び照明が灯ってから、璥はその事実に気付いた。
 観ている間、栗花落のほうにも、嘉数のほうにも、また他のどの観客のほうにも、全く振り向かなかったのだから。]


 いや〜、まじ、良かったわー。
 うん、良かった以外の感想が出てこない。


[そう笑いながら、栗花落と嘉数をそれぞれ見やって「素敵すぎて語彙力が追い付かない感想」を口にする。]
(70) 2023/03/15(Wed) 18:26:53

【人】 厨房担当 ゲイザー

[笑いながら、自分の目から涙が零れているのには気付いていたけれど――]


 セロの……春人のひとの演技もめっちゃ良かった。
 あんな演技もできるんだ、すごいな、って――…、
 マジ、いろんな顔のできる声優さんなんだな。


[――あなたへの独りよがりな想いに、漸くケリをつけられそう。
 そんな、涙の理由は、ひとり胸の内に仕舞いこむ心算だ。

 実際のところ、この映画に「泣けるシーン」が無かった場合、璥のこの涙は傍目に意味不明になりかねないが――。
 あの『ラスト・サタデー』>>1:569で、繰り返されるバッドエンドからの脱出を描き切った監督の、この渾身の一作なのだ。他愛ないシーンのささやかな演出の陰影にすら涙する観客がいたって、きっと、おかしくない。*]
(71) 2023/03/15(Wed) 18:31:01
厨房担当 ゲイザーは、メモを貼った。
(a10) 2023/03/15(Wed) 18:38:47

厨房担当 ゲイザーは、メモを貼った。
(a11) 2023/03/15(Wed) 19:30:30

【人】 厨房担当 ゲイザー

― いつかの賄いパーティの夜に ―

[自分の湯漬けポン酢に、遠藤の角煮、嘉数のセロリの浅漬ごま油がけ。豆腐の角煮風のパオズもあった――ような気がする(この夜の盛り上がりの所為か、そんな風に記憶してしまった)。
 大咲の差し入れのシュークリームは、速崎自身は帰宅時までお預けをキメたけれども、甘い匂いはこの場にも!]


 んと、そうだ、私の誕生日――…


[この時点では、同じ月とはいえまだ先の話だったが――。
 その日付が日付故に、子供のころは家でしか、大学生になってからは『うさぎ』でしか祝われていない誕生日。
 何を出そうか、という話題>>2:34>>2:84には、嬉しそうに目を輝かせながらも――。]


 パイ祭りも手巻き寿司もどっちもー…は
 流石にお腹いっぱいになりすぎるな、うん。
 いや、自分でスターゲイジーパイ作る分には
 全然いいんだけど、折角の誕生会だしー。
 何作ってもらおっかなー…うー。
 
(105) 2023/03/15(Wed) 20:25:52

【人】 厨房担当 ゲイザー

[そんな風に頭の中で希望が振り揺れていた時、大咲からの提案>>2:116に、はたと瞬いた。]


 食べて欲しいもの、かー。
 今の気分で、になっちゃうけど、それなら〜…
 
(106) 2023/03/15(Wed) 20:26:09

【人】 厨房担当 ゲイザー



 
ハギス。



[大真面目な回答だった。]
(107) 2023/03/15(Wed) 20:26:26

【人】 厨房担当 ゲイザー


 いやハギスだけなのもアレだなー、うん。
 普通にフィッシュアンドチップスもいいし、
 ジンジャークッキーとか、イートン・メスとか、
 フルーツのフランベ辺りも欲しいかもー。
 あー、あとムール貝のワインクリーム蒸しとか……。


[まだ美澄が「アリスブルーのうさぎ」になっていなかった頃の、他愛ない提案だった。
 後日、丁度本当にムール貝の日がやって来た際>>6:62には、一連の慌ただしさや心の揺れ動きだったりで、こんな希望出しをしていたこともすっかり忘れてしまっていたけれど――。]
(108) 2023/03/15(Wed) 20:28:40

【人】 厨房担当 ゲイザー

― その夜から日は過ぎて、 ―

[あの晩の他愛ない希望出しだけでなく、誕生日会のことそのものも、速崎は忘れかけてしまっていた。
 3/31が迫ってきていることまで気付かない程では流石になかった……と言いたいところだったが、日付の感覚が半ば薄れてしまう>>54程度には、この間に色々あったのだ。年度末でもあったからね!
 この「色々」の中には、まだ大咲から――真白から未だ告げられていない答え>>37もあったのだけれど。
 あの日の手紙の返答通り、本当にゆっくり、気長に待ちすぎてしまっていたのかもしれない。]


 うん? 時間あるけど。


[こんな調子の速崎だったものだから、瑞野>>47から最初にそう聞かれた時、
本当に何の用事なのか判っていないまま
二つ返事をしていた。
 この日の日付上、サプライズにもなりやしない筈の露骨な誘いは――けれども当人にとっては図らずもサプライズと化してしまっていたのである>>53。**]
(109) 2023/03/15(Wed) 20:29:18

【人】 厨房担当 ゲイザー

― 実は出演者込みの三人組の映画会 ―

[手を振ってきた嘉数は、女学生風のワンピース>>115
 同じく集合した栗花落は、男性っぽい出で立ちだったか>>-425
 ユニセックスの気取らない服に身を包んだ速崎は、それなりに女子的な見た目。
 ……この絵面が傍目に、チャラ男ひとりにオンナノコふたりのパリピトリオに見えたとしても、速崎は気にしない。
 寧ろ都合がいいのでは。
この件で栗花落がスッパ抜かれることさえなければ、だが。]


 あ、コーラありがと〜!
 ポップコーンも食べちゃいますね!
 
( ……クラフトコーラ作れないかな。ポップコーンケーキとかも。 )



[未だオフの映画鑑賞の筈なのに、ついこういうことを考えてしまう辺りは職業病か。
 ともあれ、栗花落>>144が買ってきてくれていた映画のお供を、至って他愛ない笑顔で受け取って、席に着き――]
(192) 2023/03/16(Thu) 10:18:04

【人】 厨房担当 ゲイザー

[結局コーラもポップコーンも、半分すら減らずに大量に余ってしまった。そのくらいに、作品に没入していた。
 やはりドリンクを忘れていた嘉数>>116がどうしたかは兎も角として、速崎は厨房人のサガ故か、終演後の劇場出口で捨てることはしなかった。

 涙拭うのも忘れたまま、ストロー越しにちびちびとコーラを啜りながら、嘉数の感想>>117にうんうんと頷く。
 嘉数に余計な布教……もとい監督作品語りをこの場でしてしまうことは、幸い(?)この時の速崎の頭にはなく。
 ストローから一度口を離してから、「セロ」への感想を口にしたのだけれど――]
(193) 2023/03/16(Thu) 10:18:51

【人】 厨房担当 ゲイザー


 ん? 何に… 
 ――――!?



[「やっぱそうだった!?」>>118の一言に――「気づいた」と告げた言葉の意味を察し、咽た。コーラを口に含んだままだったら即死だった。
 とはいえ、嘉数もここで直接「セロ」や「栗花落さん」の名を挙げたりはしなかった。わざわざ外で相手の素性にダイレクトに触れないところは、あの街に居を構える『うさぎ』の者ならではか。]


 ……だろだろ〜。声優さんは、すごい。
 アニメオタクって訳じゃない私にだって、
 演技すごいんだーって、めっちゃ判るもん。


[栗花落のどこか面映ゆそうな表情も見ながら、嘉数とも「セロ」のすごさを分かち合えた嬉しさに、にっと笑みひとつ。]
(194) 2023/03/16(Thu) 10:19:40

【人】 厨房担当 ゲイザー



 感想戦は……そうだなー、
 お茶会はやっぱし、うち(『うさぎ』)でやっちゃおうよ?


[お茶会と言っても、時刻的にはディナータイムかその前のClosedかといったところだったけれど――。
 まあそんなことは気にしないとばかりに、(今日は客の立場になる)店員の気安さで、嘉数>>119と栗花落に告げる。

 うさぎの巣穴で二つのテーブルをくっつけながら三人で交わす感想戦は、映画の余韻冷めやらぬままに賑やかに。
 ――自分の中の「壁」>>103を上手く崩せなかった頃なりにも、心に陰りなく分かち合えた、楽しい一時。**]
(195) 2023/03/16(Thu) 10:20:02
厨房担当 ゲイザーは、メモを貼った。
(a13) 2023/03/16(Thu) 10:22:28

【人】 厨房担当 ゲイザー

― その晩の、ダチとの恋バナ ―


 お待たせー。さあ、食いたまえ。


[とてもお客様相手に放つ言葉ではなかったが、この晩お一人様でやってきた栗栖>>100に対しては、屈託ない笑みのままこう告げて、本日オススメの肉料理をサーブ。
 そんな肉料理との相性がいいほうじ茶辺りを提案しつつ――。
 お茶を飲んで貰ってから切り出された話題には、特にお面みたいに貼り付けたわけではない、自然な緩い笑顔で頷いた。]


 
フッた相手の前で惚気とか良い度胸しやがって。

 パクチー混ぜられても知らないぞ。


[言葉面だけなら恨みがましく見えるかもしれないが、その声音も口ぶりも、笑顔に違わず穏やかで気楽なもの。
 栗栖にさらっとこうツッコミを入れられる程度には、後腐れなく「ダチ」と相対していた。
 当たり前だが、本当に栗栖向けの料理にパクチーを混入しようという気はない>>4:259。]
(215) 2023/03/16(Thu) 12:37:16

【人】 厨房担当 ゲイザー

[そんな他愛ない笑顔も、続く呟き>>101の前には、きょとりとした真顔に変わっていた。
 「あー、うん。覚えてる」と短く返しつつも――。
 さらに続けられた言葉>>102に、真顔のまま、相槌だけを返しながら耳を傾ける。]


 へ、
マジ?



[――あのクリリンが、肉料理を自分からセーブ。
 「全然嫌じゃない」という言葉と共にその事実を知らされた時は、流石に驚愕からぽかんと口を開けていたが。]
(216) 2023/03/16(Thu) 12:37:59

【人】 厨房担当 ゲイザー



 ――――…、そう?


[話が速崎のことに変わり、「自分にも厳しすぎ」>>103と言われた時にも、思わずこんな疑問符を零してはいた。
 笑う栗栖の目の前で暫く、戸惑いを滲ませた目を横に逸らしたり、また真っすぐ前に向けたり、を繰り返していた。]
(217) 2023/03/16(Thu) 12:38:47

【人】 厨房担当 ゲイザー

[「幸せになれよ」>>104の一言の後に、ほんの少しの間目を閉じ――再び開いた両目を友の笑顔に向けて、漸く、困ったように笑う。]


 そいつはなかなか難しいかも、だなー。
 いや、「幸せになれ」ってことがじゃなくて、
 自分の一線とか完璧さとか崩しちゃえ、ってのが。
 ハヅキんが色々すごいヤツだってのはさ、
 もう十分すぎるくらい、知ってるけれど。


[葉月と付き合えと言われている訳ではないことを理解した上で、己同様に自分が厳しく見ていたその人のことも付け加えた。
 「色々」というのは、葉月が自分を追い掛けてくれたことや告白のこと、栗栖との和解の始終>>3:361のことだけではなかったのだが――この辺りの話はまた別の機会に。]
(218) 2023/03/16(Thu) 12:39:00

【人】 厨房担当 ゲイザー



( 暗くて、未熟で、ダメなとこ――。
  いざ見せちゃえば、簡単に開き直れるのに、な。 )


[栗栖に振られたあの時は確かに、栗花落に対しそう言った>>3:398。けれどもいざその当人への好意を意識した時には、そんな「ダメ」さを押し殺してしまっていた。
 今となっては少し遠い思い出のようでもあったが、そう振り返りつつ――]


 この仕事やってるとさ、どうしても、
 完璧な「スーパーゲイザー」にならなきゃって
 意気込んじゃう……ってのもあるけれど。


[コミュ力抜群、接客100点、と評されることのある速崎だが、それは天性のものでなく努力によるものと自認していた。それもあってこう零しつつ、さらに続ける。]
(219) 2023/03/16(Thu) 12:39:40

【人】 厨房担当 ゲイザー



 おばーちゃんとおじーちゃんの大恋愛とか、
 逆に政略結婚かよって感じのうちの親とか。
 ドラマか映画みたいな『普通じゃない』やつばっか、
 見てきて育ったってのも、あると思うんだ。


[苦笑いのまま、至って淡々と、そんな身の上話を零しつつ]


 あとはまあ、うん。
 うちの田舎、色々価値観がアレなとこあってさ。
 誰かの婚約に家族親戚が難癖つけて別れさせたり、
 男女の友情はないとか、同性同士の恋愛もないとか。
 自分は女じゃない、って言っても全否定されたり
 
……ってこれは関係ないか。まあいいや。



[自身の家族のことに触れた所為で、酒に酔ってもいないのに、大分話が横道に逸れてしまった。
 こうした愚痴を、速崎がバックヤードの瑞野に零した機会も、どこかであったかもしれない。]
(220) 2023/03/16(Thu) 12:40:45

【人】 厨房担当 ゲイザー


 うん、自分でそういうの拗らせてた所為もあるかも。
 全身全霊の恋じゃなきゃ、みたいな感じでさ。
 そういうのが染みついちゃってるから、
 多分、今すぐには変われない。けど――それでも、


[ここで璥の苦笑は、再び、屈託のない――かつ、無理のない笑みに戻る。]


 可哀想な田舎の「お嬢さん」でいたくない、
 自分なりの幸せ掴みたい……って思って
 都心のど真ん中まで来たんだからさ。私は。
 
(221) 2023/03/16(Thu) 12:41:38

【人】 厨房担当 ゲイザー



 
だから私も、幸せになるよ、クリリン。

 時間掛かっても、ゲイザーは、ケイは、
 幸せになる権利を投げ出したりはしない。


[あの夜の栗栖への祝福に対してのアンサーにも思える、その人からの「ダチの幸せ」への願いに。
 璥はにっと目を細めて笑って、そう宣言した。
 ――宣言というのもまた「完璧な自分」じみていて、些か矛盾しているような気もしたけれど、それは些細なことにしてしまおう。**]


 あんたがちゃんと、夢諦めたりなんてしなくても
 カッチと『普通に幸せ』になれたみたいに、ね。
 
(222) 2023/03/16(Thu) 12:42:12

【人】 厨房担当 ゲイザー

― サプライズパーティの前の、サプライズ ―

[この夜も営業を終え、ひとまず一息ついた耳には、「時間稼いでくる」>>203の言葉すらも届いていなかった。
 それ故に、閉店後の件で尋ねてきた瑞野ではなく、大咲に手を取られ呼び留められたことに、虚を突かれて瞬いた。]


 お、ちょっ、マシロん!?
 私まさか何か決闘案件とかやらかし―――…


[店の外まで連れ出されるさなか、
ヤンキー漫画なのか西部劇なのかよく分からない
突拍子もないことが口をついて出たりもしたが――。
 四月をこれから迎える夜風の、仄かに温度帯びた爽やかさで頭が冷えた時に、「二人で」話すことの心当たりが、漸く脳裏によみがえる。]


    …―――うん。


[「待ってた」の言葉を口にするには、手紙の約束の話だと察するのが遅くなってしまっていた、けれど。]
(282) 2023/03/16(Thu) 21:02:51

【人】 厨房担当 ゲイザー

[白いうさぎの目が、真っすぐにこちらを見据えて告げたこと>>204
 真白なりに「整理して」伝えた言葉は――まず、「ごめん」からだった。]


 え?


[真白を傷つけたとそれこそ勝手に思っていたオレンジのうさぎは、すぐさまにはその意味を飲み込めずに、ぽかんと口を開けてしまっていた。
 ぴんと背筋を張った白いうさぎの声は、あのクッキーの共作の時と同じ真剣な響きで、璥の耳を伝う。
 続けられた言葉に――栗栖に関しての前置きも含めて――無言のまま耳を傾けて。]
(283) 2023/03/16(Thu) 21:03:17

【人】 厨房担当 ゲイザー

[栗栖の家の話を真白も知っていた>>205――その上で。
 その人自身の過去の話――母との過去>>206が告げられる。
 それはまさしく、真白がデザートを作れなく、否、作りたくなくなっていた背景。]


 そ、っか。
 そうだったん、だ。


[ぽつりと口から出てきたのは、こんな短い言葉。
 「可哀想」だとかそうでないとかを思うよりも前に、想像もしていなかった事の次第に衝撃を受けたが故。
 それ以上のことは言葉にならなかったまま、ただ、この場で打ち明けられた事実を受け止めて――。
 微笑む真白の前で暫く固まっていたが、ややあってから、ふっと肩の力の抜けた苦笑いを。]
(284) 2023/03/16(Thu) 21:03:42

【人】 厨房担当 ゲイザー



 私こそ。……ありがと、マシロ。
 「勝手に」、って言ったって、
 私の言葉に傷ついたのには変わりないっしょ。
 傷ついて、怖くなって、それでもちゃんと言葉整理して。
 今まで言わなかった昔のことも含めて、伝えてくれた。


[こう言葉にすると、なんだかまるで、葉月が示した勇気と根性の話みたいで――妙な微笑ましさまで湧いてしまって、苦笑いの中にも明るさが滲む。]


 「ごめん」の言葉は、あんたが望まないだろうから、
 言わないことにしちゃおう。
 ――…信じてくれて、ありがと、マシロ。


[重ねての感謝を告げた時。
 漸く、ちゃんとその人と面と向かって、笑い合うことが叶った>>207。]
(285) 2023/03/16(Thu) 21:04:44

【人】 厨房担当 ゲイザー

[さっきは「不幸自慢」なんて語を出していたのに、今度は、自分の昔をもう不幸とか思っていないと。
 真白の指先が撫でるポケットの中身こそ見えないものの、誰が映したか未だ知らない写真のサイズ>>2:200は覚えている。
 そんな憶測までは口にせず、けれども、確かに大咲真白という人の「不幸」を変えた誰かがいることを思う。]


  ――――…


[母親と縁を切っただけでなく、その母への感謝を真白のくちびるが紡いだ時>>208
 また暫くの間――ふっと頭に過ったことを意識しながら――笑みの形を驚きに崩していたのだけれど。
 締め括りのような提案に、花咲くように笑む真白からの連名の誘い>>209に、璥はにっと笑って頷いた。]


 罪悪感はもう、何処かに投げ捨てちゃえそうだけど、
 それでもパイの秘伝レシピは伝授しちゃう。
 同志がひとりでも増えてくれる分には嬉しいからさ。
 伝説のゲイザーからの教え、とくと請うがいいぜ〜。


[なんておどけてみせながら、真白をキッチンに誘うようにして店に戻って――]
(286) 2023/03/16(Thu) 21:05:14

【人】 厨房担当 ゲイザー



 ……しっかし、マシロはすごいな。
 「あの人が私の母親じゃなければ」って、
 ちゃんと思えるようになったんだもの。
 まあ私も、おかーさんのこと
 そんな悪く思っちゃいないんだけど――。


[なんて積もる話をここで重ねれば、「サキサキクッキー」第二段のたくらみもレシピの伝授も、何より瑞野からの今日の用件にも遅れてしまうと気づき、一度口を閉じる。
 それでも――大咲らの時間稼ぎの罠(?)には気づかぬまま――ふたりきりの帰り道で、やはり一言だけは続けることにした。]


 いい人に巡り合えたんだね、マシロ。


[それが誰か、なんてわざわざ聞く必要はない。
 恋仲を詮索し、横槍を入れたがる親族めいた真似はしない。
 ただ、母への思いを感謝にまで昇華させた、その由縁になったのだろう人の存在だけを思い、祝福のようにふんわりと笑っていた。]
(287) 2023/03/16(Thu) 21:06:19