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人狼物語 三日月国


94 【身内】青き果実の毒房【R18G】

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【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+1 貴戸

貴方が再び訪れた頃には、もう少年の涙は引っ込んでいた。
乱雑ではあるが、中途半端に下ろしていたズボンも上げている。
逆に言えば、それ以外はそのままだった。

「……」

行きたい所。
そう言われた真っ先に思い浮かんだのは、
最も行きたくない所だった。


「オレの部屋は絶対行きたくない。
 それ以外だったら、どこでもいい」

あの性悪なルームメイトは、きっとこのことを知れば揶揄うはずだ。
 
加害者

『同じ』になれて良かったな、と。
(+2) 2021/09/23(Thu) 22:08:23
迷彩 リョウは、端末から号外記事を眺めている。漢字だらけで、母の名前があること以外は殆どわからなかった。
(c4) 2021/09/23(Thu) 22:43:52

迷彩 リョウは、母を愛している。今までも、これからも。
(c5) 2021/09/23(Thu) 22:53:28

迷彩 リョウは、母が二人いる。尤も、母と慕うのは片方だけだが。
(c6) 2021/09/23(Thu) 22:59:09

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+4 貴戸

「……ん。ありがと」

礼節に欠ける少年としては珍しい言葉だった。
遠慮がちに手を取り、ようやく立ち上がる。鞄を引き摺りながら、緩慢な動きで貴方に続く。
時々、割れた皿の破片を踏んだ。
(+5) 2021/09/24(Fri) 8:14:15

【墓】 7734 迷彩 リョウ

普段なら教誨で使われる部屋に、ニュースキャスターの音声が反響する。
設置されたテレビには、夕方のニュース番組が流れていた。
それをただ眺めている。
観るのではなく、瞳に映しているだけだ。

笑顔のリポーターが、百貨店の催事場から中継をしている。
画面の中は、見たこともない果物でいっぱいだった。
(+14) 2021/09/24(Fri) 15:50:22

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+15 カガミン

声に振り返る。いつも通りの態度に安堵した。

「んーん。今日だから見てただけ」

再び視線は画面に戻る。興味も無いのに、少年はニュースを見ている。普段ならばすぐに寝てしまうだろう内容だが、眠気も見せない。

「今日、母さんの裁判なんだ。最後のやつ」

何の感慨も無く、唇を動かした。
(+18) 2021/09/24(Fri) 16:40:28

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+20 カガミン

「大好きだよ。
 唯一の家族だし、
オレの為ならなんだってしてくれた




注目を促す、特有の短いメロディが鳴った。
瑞々しい果物の断面を背景に、無味乾燥な文字列が表示される。
(+22) 2021/09/24(Fri) 21:21:36

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+22

……果物はミキサーに詰め込まれると、
粉々に砕かれスムージーへと生まれ変わる。
リポーターが試飲を始めた直後、
画面が慌ただしいスタジオに切り替わった。

若いアナウンサーがスタッフからコピー用紙を受け取っている。
コメンテーターたちにも同じ物が配られているらしい。腰を低くしながら走るスタッフが、カメラの前を横切った。
(+23) 2021/09/24(Fri) 21:24:04

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+20 >>+22 >>+23

「…………」

画面の中の家族が笑う。

「……やっぱりかぁ」

その笑顔を真似てみた。
(+24) 2021/09/24(Fri) 21:26:48

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+26 カガミン

そりゃそうだよ、他人だもん


目線はテレビに向けたまま。

「でも血の繋がった家族だよ」

口角は上がったまま。

「どんな事……うーん、たくさんあるからなぁ」

コマーシャルはまだ続く。夕方という時間帯故か、家族向けの内容が多かった。
スーパーで買い物をする家族。
新居で暮らす家族。
食卓を囲む家族。
全ての笑顔が、似ていない。
(+27) 2021/09/24(Fri) 23:27:18

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+26 >>+27

それでも少年は笑う。

「ね、カガミンはさ。
 どんなオレのことも
友達
って言ってくれる?」

「仲良くしてくれる?」

大人たちからの口止めは、少年にとってあまりにも曖昧だった。
母の罪を言うなとは言われていないし、
己の異能について言うなとは言われていない。

……それは明言されていないだけで、全て言外に示されていたが。
そんな遠回しな言いつけが、少年に伝わる筈もない。
(+28) 2021/09/24(Fri) 23:28:49

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+29 >>+30 カガミン

「そっか、そうだよね。ヘンなこと聞いてごめんな?」

貴方に顔を向ける。
可笑しそうに笑って、また正面を向く。

「オレね、いつも誰かの身体にいるんだ」

「その身体ね、母さんがいつも用意してくれてた」

「母さんはすごいんだ」

チャンネルを回す。既にどのチャンネルも似たようなものだ。
目的の内容を見つけたのか、リモコンから手を離す。
その番組では、犯人の動機についての解説がされていた。
貴方にちら、と目線をやる。
見ろ、ということらしい。
(+31) 2021/09/25(Sat) 1:01:06
7734 迷彩 リョウは、メモを貼った。
(c15) 2021/09/25(Sat) 1:01:28

7734 迷彩 リョウは、メモを貼った。
(c16) 2021/09/25(Sat) 1:01:45

7734 迷彩 リョウは、メモを貼った。
(c17) 2021/09/25(Sat) 1:02:07

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+29 >>+30

「別に誰の体でもいい。
 ……ああいや、今より小さいのはヤダな。
 今より大きい体なら、誰だっていいんだ」

椅子に背を預け、僅かに遠くなった画面を眺めた。

「もしこの身体を着替えたくなっても、
 カガミンとカガミンの友達には手を出さない。
 約束するよ」

少年の言い分を信じるなら、相手は誰でも良いのだろう。
わざわざ知人友人に恨まれる人間を選ぶメリットもない。
(+32) 2021/09/25(Sat) 1:03:08

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+33 カガミン

その笑顔を見れば、目を細める。
少年は友人関係に疎い。それよりも、利害関係の方がずっと単純だ。
貴方との関係は、無知な少年にも分かり易い。

「よかった〜。皆さぁ……あ、母さん以外だけど。
 身体が違うだけでオレだって信じてくれないんだもん。
 でもカガミンなら大丈夫だね。またすぐ友達になれる」

心底安心した、という口振りで笑い続ける。

が、問い掛けには目を丸くする。
笑顔が消え、数秒間の無言。質問の意味をすぐに理解できなかったらしい。

「……うーん?どうだろ。
 どっちも……みたいなこと言われたかも。
 身体調べた時にオッサンたちが色々話してたけど、
 何言ってんのかよくわかんなかった」

恐らく。
貴方は、人格について尋ねたのだろう。
しかし意図を測り切れなかった少年からは、ズレた返答が返ってきた。

ひとつの身体にひとつの人格。
この少年の中で、それは当然であり、前提であったから。
(+40) 2021/09/25(Sat) 7:48:38
7734 迷彩 リョウは、メモを貼った。
(c18) 2021/09/25(Sat) 7:49:07

7734 迷彩 リョウは、メモを貼った。
(c19) 2021/09/25(Sat) 7:49:31

7734 迷彩 リョウは、メモを貼った。
(c20) 2021/09/25(Sat) 7:49:54

7734 迷彩 リョウは、メモを貼った。
(c21) 2021/09/25(Sat) 7:50:12

迷彩 リョウは、指切りをする。……小指に込められた力は、指切りにしては少し強かった。きっと、不慣れなのだろう。
(c22) 2021/09/25(Sat) 9:56:31

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+41 カガミン

「なんにも……?」

砕かれた言葉を、さらに咀嚼する。
少年には常識というものが欠けていて、自分の知識は全て常識だと思っている。
息の仕方を教えるのが難しいように、無意識下の行いを説明するのは難しい。

「元の人には戻らないよ。
 だから母さんは殺されるんじゃないの?」

それは即ち、殺すことと同義だ。
貴方の想定とこの少年の前提はすれ違ったまま、
しかし少しだけ噛み合ってしまう。

「えっとお……んー、アンパンのアンコだけ食べて、中身をクリームにしたら、それってもうアンパンじゃなくね?
 それってもうクリームパンじゃん?ってオレは思う」

少年なりの例え話であるが、不可逆的なものであることを伝えたいらしい。
(+43) 2021/09/25(Sat) 14:15:55

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+48 カガミン

「うん。ま、空っぽになったら死んじゃうよね」

からりとした感想を返す。貴方の感想は、きっと正しい。
少年は母親の手伝いをしていたにも関わらず、人を殺めたことがない。
息子の為に人を殺める程の母親に育てられたのが、
大事に大切に目を塞がれ育てられたのが、
貴方の隣にいる子供だ。

「夢はね、そう。今までも、そのつもりで動いてたけど。
 ……早くここを出なきゃなぁ」

夕方のワイドショーは慌ただしく、しかし徐々に落ち着きを取り戻していく。
画面の中には、かつての類似事件について言及が始まった。
(+50) 2021/09/25(Sat) 21:42:17
7734 迷彩 リョウは、メモを貼った。
(c28) 2021/09/25(Sat) 21:42:50

7734 迷彩 リョウは、メモを貼った。
(c29) 2021/09/25(Sat) 21:43:13

7734 迷彩 リョウは、メモを貼った。
(c30) 2021/09/25(Sat) 21:43:37

7734 迷彩 リョウは、メモを貼った。
(c31) 2021/09/25(Sat) 21:44:00

7734 迷彩 リョウは、メモを貼った。
(c32) 2021/09/25(Sat) 21:44:16

7734 迷彩 リョウは、メモを貼った。
(c33) 2021/09/25(Sat) 21:44:27

7734 迷彩 リョウは、メモを貼った。
(c34) 2021/09/25(Sat) 21:44:38

7734 迷彩 リョウは、メモを貼った。
(c35) 2021/09/25(Sat) 21:44:50

7734 迷彩 リョウは、メモを貼った。
(c36) 2021/09/25(Sat) 21:45:04

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+48 カガミン

いつのまにか、視線は貴方へ向けられていた。
どこかの誰かの朽葉色が、何の因果か栗色の髪を映す。
ゆらり、立ち上がる。

「ね、カガミン。オレさ、今スゲー最悪な気分なんだ」

どこかの誰かの指が、貴方の頬をなぞる。

「滅茶苦茶にしてよ。どんな酷いことしてもいいからさ」

どこかの誰かの掌が、貴方の項に触れる。

「痛くてもいい。なんかもう、どうでもいい」
(+51) 2021/09/25(Sat) 21:46:46

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+48 カガミン
 
「……
『トモダチ』
のお願い、聞いてくれる?」

どこかの誰かの唇が、弧を描いた。
(+52) 2021/09/25(Sat) 21:47:24

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+55 『トモダチ』

テレビの向こう側はどんな世界だろう。
想像してみても、複数本のケーブルと埃っぽいテレビの裏側しか思い描けなかった。

「叩くのが嫌だったら殴って。
 殴るのが嫌だったら、んー……鞄にさ、道具入ってたよね。
 それ、何でも使っていいから」

最後の言葉を聞けば、周囲を見渡した。誰もいなければここでもいい。

「……」

視界の中に、黒髪の男を二人見る。
背丈の近い男>>a4を見た瞬間、自然な笑みが浮かび──
上背の男>>a11を視界に捉えた瞬間、その笑顔は失せた。

「場所、変えようか。適当な部屋でいいよね?」

液晶画面が歪んで映り込む眼鏡へ、視線を戻す。
鞄を片手に抱えると、先導するように歩き出した。
机と椅子の間を縫うようにすり抜け、出入り口で一度振り返る。
貴方を待っていた。
(+56) 2021/09/26(Sun) 0:04:23
(c38) 2021/09/26(Sun) 0:32:54

(c39) 2021/09/26(Sun) 0:32:54

迷彩 リョウは、普川にだけ笑いかけ、手を振り返した。
(c40) 2021/09/26(Sun) 0:33:38

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>闇谷

これは少年がテレビを見る前。彼が起きて直ぐのことだ。
とはいえ、時刻はとっくに朝と呼べる時間を超えていた。

小さな背中を丸め、食堂の入り口で足を止める。
そうっと中の様子を窺った。
目的の人物がいないと見れば、別の場所へ向かう。
明らかに人を探しているが、何故だか気まずそうにしていた。
(+59) 2021/09/26(Sun) 12:17:55

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+60 闇谷

貴方の声を聞いた途端、安堵した。直後、自分の行いを思い出す。
咄嗟に爪先は反対側を向いたものの──、逃げるには至らなかった。

「……ツッキーの方が辛かったでしょ」

撫でる手付きの優しさに、昨日交わした約束が繋がった。

「オレはもう大丈夫。あの、……。
 ごめんね。もうあんなことしない。
 ヘンな物も食べないように気を付ける」

恐る恐る顔を上げる。
上手くできるかはわからないが、笑ってみせた。
(+61) 2021/09/26(Sun) 15:32:08

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+60

ところで、と言葉は続く。

「えぇと、
赤ちゃんはできた?

 もしできてたら、オレひとりで育てるからさ……」

貴方の顔と下腹部を交互に見る。
昼の食堂に、少年院ではまず耳にしないであろう問いかけが響いた。
(+62) 2021/09/26(Sun) 15:33:36

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+63 闇谷

今胸を支配する気持ちの名前は、昨日初めて知った。
……許されるのは、嬉しい

て、
いて、受け入れてもらえたように思えるから。

「ん、……ありがと。
 次からは食堂で食べるようにする」

同じ轍は踏まない。でなければ、貴方たちの赦しを無下に扱うことになってしまう。
そんなことは絶対にしない。そう改めて決意した。
(+65) 2021/09/26(Sun) 18:44:38

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+64 闇谷

そんな決意の直後。

「……え、赤ちゃんできないの!?」


リョウちゃん、本気で驚いた。冗談ではなさそう。

「中で出したら赤ちゃんできる、って母さん言ってたから。
 へ〜、だからショーシカなんだ……」

わかってるのかわかってないのか、
深妙な面持ちで頷いている……。
おそらくあんまりわかってない。

「でも、もしできたら育てるの手伝ってくれる……ってこと?」
(+66) 2021/09/26(Sun) 18:45:51
迷彩 リョウは、何故か今だけ二頭身くらいに見える。
(c45) 2021/09/26(Sun) 18:46:16

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+68 闇谷

「うーん、わかった。じゃあ安心だね」

よくわかっていない返事だった。
ゴムなら今も持ってるよ、とポケットから取り出してみせる。
そんな頃合いだろうか。食堂と廊下の間にいた少年の耳に、聴き馴染んだ声が届いた。

軽く身を引き、廊下側へ視線を向ける。
目的の背中に声をかけようとして、噤んだ。
上背の男と話していたから。
(+69) 2021/09/26(Sun) 21:08:14

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>+68 >>+69

何を話しているのだろう、と思ったその時。
背後からでも、明らかに殴られたとわかった。>>a47

──テメェ!
何やって、」

咄嗟に出た怒声が、一歩踏み出した足が、止まる。
殴られた張本人から、つい先日聞いたばかりの話を思い出す。合点が入った。


「……、…………」

長く、長く息を吐く。強張っていた肩から力を抜く。
何を話しているかまでは、聞こえなかったけれど。>>18
何となく、予想ができる。
それでも。
視線は、上背の男を睨み付けたままだった。
(+70) 2021/09/26(Sun) 21:11:03

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>暴行現場

普通ならば、被害者に見える普川に駆け寄るのが当然だろう。
しかし少年は鋭い眼差しのまま、怒気も隠さぬ声色を響かせた。

「なおひー。
 ソイツに殴らせるぐらいなら、
次からオレに頼んで


親しい人間へ語るにしては凄みの効いた、
嫌いな人間へ語るにしては奇妙な言葉。>>a50

自分でもどうしてこんなに腹立たしいのか、よくわからなかった。
普川に対する怒りはない。
自分の夢を嘲った、あの男の一挙一動が苛立たしいのは確かだ。


「……ツッキー、…………いや、いいや」

事情を説明しようとして、優先順位を決めた。
彼のどんな言葉も自分の友人に聞かせたくはない。

……黒塚と普川達>>+72 >>19の間へ、割り込むように立った。
庇うように二人へ背中を向けたまま。
正面に立つ、黒い双眸を睨んだ。
自然と真上を見るような体勢になり、どうしても首が痛む。

「もう終わっただろ。帰れよ」

自分がこんなに低い声を出せることなど、知らなかった。
(+73) 2021/09/26(Sun) 22:16:03
迷彩 リョウは、本当は少し怖い。ただの強がりだった。
(c48) 2021/09/26(Sun) 22:23:25

迷彩 リョウは、強がるのが上手くなった。以前に比べれば、ずっと。
(c49) 2021/09/26(Sun) 22:25:26

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>暴行現場

「…………」

「……わかっ、た」

冷静な、もしくは淡々とした声が鼓膜を揺らし続ける。
それが何だか寂しく思えて、怒りが少し和らいだ。

結局大きな背中が見えなくなるまで視線を送った後、>>22
踵を返し食堂へ向かう。

人を憎むのは、こうも遣る瀬無いのだろうか。
不特定多数を憎んだことはあれど、
誰かひとりに対してそんな感情を抱いたのは初めてだったから。

「ごめん」


その言葉は、誰に対してか。
小さく溢し、食堂へ入った。
(+76) 2021/09/27(Mon) 0:05:47
迷彩 リョウは、椅子に腰掛ける。いつも以上に姿勢が悪かった。
(c55) 2021/09/27(Mon) 0:14:29

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>【食堂】

とは言え、食欲もあまりないらしい。
海鮮鍋foodをゆっくりと食べ進めている。

「……あの。黒つ、アキちゃんとは何ともないから」

「急に怒鳴っちゃってごめん」

ルームメイトの呼び名を言い直し、再び謝罪を口にした。
明らかに何かがあったが、それを言う気はあまりないようだ。
(+78) 2021/09/27(Mon) 0:30:00
迷彩 リョウは、以外に食欲があった。でも魚がいっぱい入っていたので、食べにくそうにしていた。
(c56) 2021/09/27(Mon) 0:31:11

迷彩 リョウは、何なら野菜もあまり好きではない。最早苦行だった。
(c57) 2021/09/27(Mon) 0:33:31

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>【食堂】

「うん、じゃあ、お願い」

肉豆腐を差し出されれば、>>+79 素直に応じた。
本当は豆腐もあまり好きではないが、魚や野菜に比べればましだ。
皿を持ち、まとめて二本掴んだ箸で掻き込むように食べ始める。

かけられた言葉>>+80には咀嚼をしながら小さく頷いた。

「部屋はもうずっと帰ってないよ。
 テキトーな空き部屋使ってるからヘーキ。
 二人の邪魔にはなりたくない」

ずっと、と少年は言うが、企画が始まる前までは当然自室で寝ていた。
空き部屋で寝ているのはここ数日の話だとわかるだろう。
数口飲み込めば、重い口を開いた。

「……何もなかったんだよ。向こうにとってはさ。
 だから余計にムカつくっていうか。
 オレの気持ちが、どこにも存在してないみたいで」

崩れた豆腐を見つめながら、ぽつりと呟く。
(+82) 2021/09/27(Mon) 9:55:33
迷彩 リョウは、漂ってきた臭いに(´・д・`)な顔をした。
(c58) 2021/09/27(Mon) 11:50:01

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>【食堂】>>+83

「邪魔じゃないなら、うん。今日はそっちで寝る」

温かい手料理など口にしたのは、ここに来てからだ。
きっと栄養もあって美味しいけれど、それでも何かが足りない気がした。

「でも寂しいのは、今に始まったことじゃない」


友人に作ってもらった食事を残すのは気が引けた。
調理に割いてくれた時間を無かったことにするのと、同じだと思うから。
薄く色づいた野菜を、肉と一緒に食べ進めた。

「そう。オレにとっては、何かあったんだよ」

貴方に心配はかけたくない、という気持ちはある。
だから、何も心配いらない。
そう意味を込めて、短い説明をした。

「……夢の話、した。
 そしたら、笑われた。それがムカついた。そんだけ」

大人が禁じた、愚かな夢だ。
しかし少年にとっては、ようやく見つけた生きる希望だった。
本当は願っている。再び元の生活に戻れることを。
本当は期待している。もしかしたら、自分たちが許されるのではないかと。

世界はそんなに甘くない。
子供は知っているつもりで、ちっとも知らなかった。
(+84) 2021/09/27(Mon) 13:58:44

【墓】 7734 迷彩 リョウ

>>【食堂】 >>+85

「うるさい方がいい」

家に誰かがいるのが当たり前だった。
それでも時々、留守番をしたことがある。
テレビを付けたまま、硬い布団で寝たことを覚えている。

悲しいと言われれば、ややあって頷く。
あの時は恐怖心を覆い隠す為に、怒りを募らせたけれど。
怒りと恐怖の下に、悲しみがあったことに今気が付いた。

「え、うーん……」

何か、と言われて思案する。
あまり思い出したくない記憶を、隙間から少しだけ覗き込む。
黒い瞳と目が合って、すぐに目を逸らす。

「母さんに報いる気がないんだな、とか」

「だったら今ここで死んでも同じだ、とか」

――――なあ、そうは思わないか。リョウちゃん?

少年の夢は、そう言われて当然の形をしていた。
ルームメイトの言葉は全てが正論だと、きっと誰しもが納得する。
それが正論で生きていけない子供の神経を逆撫でした、ただそれだけの話だ。
(+87) 2021/09/27(Mon) 16:12:01