【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン―コンペ会場・舞台― [ 紫のドレスを纏う審査員から、 届けられた言葉。 それは、その人物にとって、 最上級の、賛辞の言葉だったそうだ。>>2:259 …たった40分の舞台だったはずだ。 それなのに彼女の指摘は、 自分達の武器を、メッセージを、 正確に捉え、言葉にして投げかけてくる。 『計算ずくなのね?』と指摘された 不協和音の件も、完全に見抜かれており。>>2:258 日程変更の連絡が入った時点で 会場の見取り図を手に入れ、 ホール内の反響もすべて計測した結果、 音響設備の配置を検討していたという、>>2:210 そんな内なる努力も、 観客達のひしめく中で あっという間につまびらかにされてゆく。] (4) 2020/09/27(Sun) 4:48:28 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン[ 中でも、 最後に演奏した4曲目を一聴して、 『荒削りで即興性』と評価したのには>>2:260 メンバー全員、"ぞくり"とした。 そう、この最後の曲は一夜で仕上げた、 いわば未完成品だ。>>2:234 そして、彼女が続けて言い放った言葉―― 『……この曲は、大事にしておきなさい。 それだけじゃなく あなた達を構成した 音楽、経験、感情──その他全て。 』>>2:260 ] ――!! (5) 2020/09/27(Sun) 4:53:01 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン[ 惜しみなく降り注ぐ賛辞の言葉に、 ――この国の審査員に認められた事実に、 声にならない、溢れる思いを抱きながらも。 ――何故分かった? この疑問が、溢れて決壊しそうになる心に 一筋の風を吹かすように、 冷静な思考を保ち続けさせる。 最後の4曲目に、エリクソン自身の 経験が、感情が。 全てが。込められていることを。 彼女はさも当然のように、 看破していたのだ。 ] (6) 2020/09/27(Sun) 4:54:23 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン[ 彼女にとってこの類の楽曲が、 馴染みのあるものだったとは思えない。 (もしや…あいつが?) 一つの可能性に思い当たり、 自分の周りをかぎ回っていたらしい 第三王子のほうを見る。 彼は苦虫を噛み潰したような顔をして リジィ第二王子と6人組を睨めつけていたが エリクソンの視線に気づくと ぷいとそっぽを向いて、 ホールを出て行った。 それに…本番前に見た彼女の、 全てのものを公正に評価するような 堂々たる目つき。>>2:207 あのこすい王子と結託してる筈もあるまい。 そして…確信する。 ] (7) 2020/09/27(Sun) 4:55:19 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン[ ――彼女は、楽曲を一度聴くだけで、 作曲者や奏者の心境を読むことが出来るのか? 『あなたたちは一体何者なの?』 と妖艶に口角を上げる、>>2:257 この人物こそ。 只者じゃないのは… あんた の方だ。] (8) 2020/09/27(Sun) 4:56:02 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン[ 自分らは、すでに、最大級の賛辞を得た。 一応、受賞者発表もあるが それはそれとして。 他の審査員の仰け反るような反応から、 彼女がここまでの賛辞を与えることが 極めて希少なのだろうということを 物語っている。 しかし…その喜びと同じくらい、 メイレン・シュレグマーというその人物が 持つ、もはや 『透視能力』 とも言えるほどの音楽に対する造詣の深遠さを見て、 世界のあまりの広さに打ち震えた。 この人物の演奏を、聴いてみたい――。 ]* (9) 2020/09/27(Sun) 4:57:39 |
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。 (a1) 2020/09/27(Sun) 4:59:58 |
【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン[ ひとつの大舞台を終え。 新たに目前に現れた、その人に向かって 彼はマイクを拾い上げ、語りかける。] メイレン・シュレグマー。 あんたの名前は覚えた。 [ 会場内がどよめく。 仮にも爵位を持つ者への不敬とでも言う気か? そんなもの、関係ない。] 俺らが裏で、 ホールの反響を事前に計算しているのを、 見破ったのはあんたが初めてだ。 今度、あんたの演奏も 俺らに聴かせてくれ。 [ そう、言い放った。 自国に帰る船は、2日後に迫っている。 それ迄にこの人物の"正体"を暴きたい ―自分らが彼女にそうされたように― との思いで、そう言い放った。]* (10) 2020/09/27(Sun) 5:24:02 |
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。 (a2) 2020/09/27(Sun) 5:27:16 |
【人】 花屋の主 メルーシュ【回想 ヨシュア様とのこと】 [>>2:174 ………… 似合いますか? いささか戸惑うようにそう問いかけた彼の言葉を、そのままに受け取ったメルーシュは、一歩後ろへ下がると、じいっと目の前に立つ方と、彼の手の中で嬉しそうに歌うコスモスの花束を見つめた。 しばしの沈黙... そして、メルーシュは嬉しそうに、こくこくと頷いた。 「花が、そう言っております。」 彼の手の中でコスモスがうんうんと満足そうに頷いていた。] (11) 2020/09/27(Sun) 6:20:34 |
【人】 花屋の主 メルーシュ[ヨシュア様の手の中でゆれるコスモスが、メルーシュにあることを伝えると、それを聞いたメルーシュが、ぱあっと顔を輝かせた。 「ヨシュア様、あともうちょっとだけ、お待ちいただいてもいいでしょうか?」 そう言い残し、パタパタと長い裾を翻すと、慌ただしい様子で店の奥へ消えた。 カサコソという何かの音、そして戻ってくると、目の前で(おそらく)あっけにとられている方へ小さな封筒をさしだした。 「コスモスの種です。よろしければヨシュア様のお側で撒いてみてください」 (季節がめぐれば、また会えるように) ヨシュア様を慕うそのコスモスの願いは、メルーシュの素っ頓狂な言動ではたしてうまく伝えることができたのかどうか。* (12) 2020/09/27(Sun) 6:22:14 |
【人】 花屋の主 メルーシュ[>>2:191 いつも物静かな方ではあったが、この時のヨシュア様は何か違った空気を纏っておられるようだった。 「長く、この国を離れる事になりまして。 別れの花束を一つお願いします。 」 発されたその言葉にメルーシュはひどく戸惑い、だが、決してその理由を問うなどということはすべきでないのだと感じた。 いつものようにソファを促すと、メルーシュは花を仕立てる。 選んだのは端正なクレマチス、その凛とした花はヨシュア様と面影が重なるよう。 ヨシュア様のお気持ちは計り知れない。だからこそメルーシュは願わずにはいられなかった。 ヨシュア様とその花を贈られるご息女様が、いつかまた再び巡り合うことが叶いますようにと。 (13) 2020/09/27(Sun) 7:42:45 |
【人】 花屋の主 メルーシュいつものように仕立てたその花束を手渡した。 すると、驚いたことにヨシュア様は、メルーシュにもういちどその花束を渡した。 花束が気に入らなかったのかという憶測をする間もなく、発された言葉 「…… 今までお世話になりました。」 果たして、彼を引き留めることはできただろうか。 もしほんの一瞬でも、ヨシュア様がこちらを見てくださったなら、メルーシュはその方の手をしっかりとつかみ(おそらくヨシュア様が思っていたより、その力は強かっただろう)、そのまま離さずに、行ってはだめだという思いで、その瞳を見つめかえしただろう。* (14) 2020/09/27(Sun) 7:45:45 |
【人】 花屋の主 メルーシュ (15) 2020/09/27(Sun) 8:18:11 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ 子どもたちに向き直り、少し屈んで 視線を合わせます。 ] すごいわね。 これがこの国の音楽祭なのね。 ……ね、私、少し 忘れ物 を取りに行ってきてもいいかしら。 すぐに戻るからここで待っていて。 ほら、また次の演奏が始まりそうよ>>2:210 …貴方達も、いつか、この国に 生まれたことを誇りに思う音に 出会えるといいわね (16) 2020/09/27(Sun) 8:32:29 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ 側にいた方 オーランジュ様と仰ったかしら 貴方も、此処に、居なさい! と>>2:242と、訴えておられましたが、 大変申し訳無くもひとつ首を横に振って、 深く頭を下げて。 ] 申し訳ありません、すぐに戻ります 少しの間だけ、この場をお願いしても 良いでしょうか [ そう告げて、失礼に失礼を重ねてお返事を待たず 必死にアメリア様の後について、 馬車へと向かいました。 ] (17) 2020/09/27(Sun) 8:39:14 |
【人】 教会住みの娘 エヴィ[ 揺れる馬車で、自然に重ね握り合う手>>@0。 どっと力が抜けて、リズミカルな蹄と 車両の音に揺られていると、気を抜けば すぐに意識が遠のきそうで。 それでも、平手打ち、なんて、 貴族の方にはとても不似合いな言葉が 出ればその目を見開いて。 …アメリア様がヨシュア様を平手打ちする なんて光景は、やはりどんなに想像力を 振り絞って考えても浮かばなくて。 それでもきっとヨシュア様は甘んじて 受けるのでしょう、そうしてまた ぎこちなく笑って、 もういいですか、それではお茶にしましょう、 なんて言うのかも知れない、と思って。 ちらとアメリア様の綺麗な横顔を見ては どうかそんな未来が近くにありますように、 とまた私は握る手の力を込めたでしょう。 ]* (18) 2020/09/27(Sun) 8:41:13 |
【人】 宮廷楽士 ウェールズ−宮廷内 『お姉様が心配ですか? ……ふふ、安心なさい。 無事にお戻りになられますから。 眠たくなってきたでしょう? 少し、お部屋にいきましょうね。』 [ >>17 結局、預かることになってしまった子供達。 小さな子たちは夜になったこともあり、 眠たくもなっていたようで、 離れていく姉を心配そうに見ながらも、 まぶたがくっつきそうになっていた。 そんな小さな子どもを抱っこして、 他の子たちにも離れないようにと 数珠つなぎのように手をそれぞれ握らせると、 彼女は会場を離れ、賓客用の客間へと 彼らを連れていくのであった。 彼女は無事に帰ってくる。 騎士団よりも気高い彼らが向かっているのだから。 そんなことは口にせず、 ただただ任されたことを務めるのみ。 ]* (19) 2020/09/27(Sun) 9:48:08 |
【人】 宮廷楽士 ウェールズ−馬車内 貴族の平手打ち自体は普通のことだよ。 普通という言い方はおかしいね。 古い頭を持った貴族たちの教育という名の 平手打ちあたりはよくあること。 主人の意に反して、行動を取った従者は、 罰を受けなければならない。 これは基本的なことだからね。 [ あっけからんと、それは言う。 アメリアに付属してきた女性は、 彼が助けた人物の1人。 興味がなかったわけではないから、 きちんと顔だけは覚えている。 心配そうな顔をしている女性を 目の前にして、彼は淡々と、 事実を述べる。 彼も、婚約者に罰を与えたことがある。 肉体的な罰ではなく、精神的な罰。 内容は他の人間が聞けば バカバカしいので割愛しよう。 ]* (20) 2020/09/27(Sun) 9:55:00 |
【人】 ヨシュア…… 通れない? [ 夕陽はとうに西の空に消え去り。 辿り着いた関所で、思わぬ足止めをくらうと、 男は訝しげに眉根を寄せる。 コンセールカリヨンは決して閉じた国ではない。 何より今は、コンペの時期。 観光客、王妃を祝う他国からの来賓。 身分を問わず、行き来する人々は後を絶たない。 最も他国との交流が盛んなこの時期に 国境を閉鎖するなんて。 下手をすれば国際問題に繋がりかねない行為。 大逆人の逃走を防ぐためか。 はたまた得体の知れない感染症が 入り込むのを防ぐためか。 余程の事があったに違いないと、気を引き締める。 自身の足を止めるためとは、当然思わない。 ] (21) 2020/09/27(Sun) 11:07:21 |
【人】 ヨシュア[ 理由を問おうにも、正確に理解する者はおらず。 上からの命令だと、皆一様に困惑した様で。 狐につままれたような面持ちで、 混乱の中、事態の収束に務めるのだった。 ] …………まいったな。 [ 空を見上げて、嘆息する。 長引くようならば、山でも越えようか。 そんな折に近付いてきた、一台の馬車。 先頭で手綱を引く男の顔は、 闇に覆われてよく見えない。 ]** (22) 2020/09/27(Sun) 11:08:34 |