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人狼物語 三日月国


124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】

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【人】 小満末候 麦秋至

え、えっと。よくわからないことだらけですけど。
わたしでよければ……。

[こうして。
冬に始まった旅は夏にこうしてひとまず終わりを告げた。
灯守りという止まり木に出会ったことで]
(389) 2022/01/18(Tue) 1:27:22

【人】 小満末候 麦秋至

[その後もやっぱり色んなことがありすぎた。
蚕さんのツッコミを聞いて「わたしは迷子の犬かなんかですか」って思ったとか、>>236
紅さんの淹れてくれたお茶は美味しかったとか。
蛍のお二方の振り回されっぷりに改めてびっくりしたとか。


“麦秋至”として初めて集まりに顔を出すとなれば、
小雪さまの顔がよぎったのは言うまでもない。
かつてはブラウンの髪を長く伸ばしていたわたしだけど、
髪を灯りの色に似たオパールグリーンに染めてついでに短くしているし、
他人の振りをしてもバレないのでは……と思ったけど、
あの方には見抜かれそうな気がして結局やめた。
小満さまが文を出していたとはいざ知らず]
(390) 2022/01/18(Tue) 1:28:29

【人】 小満末候 麦秋至

―― いつかの会合にて ――


も、もう小満さまったらー、
わたしはモノじゃあないですよ。

[なんてツッコミじみたことを言いながらも。
自慢気>>236な小満さまと冷たい目をした小雪さまの間で。
ちょっと、困ったように笑っていたのが、初めての会合での思い出のひとつ。>>338>>350

ほんとに「帰ってこい」って言われたらどうしよう。
そんな思いがよぎったのは、小雪さまが蛍を連れていなかったため。
でも、「蛍はどうしているのですか?」とは訊けなかった。
せめて不安が誰にも伝わらないようにとせいいっぱい気を張ってたっけ*]
(391) 2022/01/18(Tue) 1:31:10
中央域勤務 天乃は、メモを貼った。
(a77) 2022/01/18(Tue) 1:31:17

【人】 小満末候 麦秋至

―― 現在/小満域『慈雨』 ――


[迎えに来た、との言葉にぱっと笑顔を見せる。>>238
じゃあ今すぐに向かいます、と言いかけたけど口を閉じて、
ぱっとエプロンを脱いで放り投げた。
エプロンは風にあおられるようにしてカウンターの奥へ。
畳むのはおまかせします、って顔を給仕さんに向ければ快く頷いてくれた模様。

小満さまが自らの力で光の輪をつくる。>>240
見慣れた店の風景に中央域の景色が丸く浮かび上がる]
(392) 2022/01/18(Tue) 1:34:07

【人】 小満末候 麦秋至

[くるっと振り返ってお客さま方を見た。
驚いたような顔もちらほら視界に映っている。すごいでしょう]


  それじゃあ、いってきますね!


[ぺこりと頭を下げると、先に輪をくぐったお三方に続く。
中央域の景色に飛び込めば、後は振り返ることもなく――]
(393) 2022/01/18(Tue) 1:34:35
“小雪” 篠花は、メモを貼った。
(a78) 2022/01/18(Tue) 1:35:04

村の設定が変更されました。

【人】 蛍"菜虫化蝶" シャーレン

 そのお気持ちも分かる気がしますね。
 あの子もハリキリすぎるところがあって。
 いつも元気なのは良いことですが、
 年下に頼られると断りきれないことがあるみたいで。
 そういうときこそ、頼ってほしいのですが……

[ 甘やかすのは二人きりのときばかり。
 人の目があるうちは厳しくしてきたことが
 裏目に出ていないとも言い切れず。 ]

 ……やだわ、私ったら。
 せっかくの場でこんな話をしてしまっ……あら

 ふふ、無礼に当たるかもしれませんが、
 私も見てみたいですね、夏至様の思いの世界。
 きっと目新しいものや楽しいもので
 溢れているのでしょうから。

[ 愚痴のような、惚気のような。
 そんな話をしていれば夏至様がお戻りになった>>368
 ――尚、まぁまぁ大変と笑っているだけで、
 助け舟を出すつもりはない。よそはよそ、と言うでしょう?* ]
(394) 2022/01/18(Tue) 1:37:40

【人】 小満末候 麦秋至

―― 中央域 ――


[今回お出迎えしてくれた方は眉間に皴を寄せてる方でなくてよかった。>>242
せっかくにこっと手を振ったのにあれじゃあげんなりしたものだ]

天乃さん、よろしくお願いしますね!

[ともあれ今回の会合を担当する方にもにこっと手を振ってから、
会合始まる前の会場を見回して、ひとつの気付きを得る]

ほぼほぼ一番乗りってわけじゃあない……?

[これはちょっと珍しがられるかもしれませんねえ、
とは内心ひとりごちるだけ。
そういえばお店で、最近向こうのじいさんが死んだという話と、
最近親戚が赤ん坊を生んだって話を聞いた。
亡くなった方の灯を送ったり、赤ん坊のもとにも訪れたりしていたのでしょう]
(395) 2022/01/18(Tue) 1:43:23

【人】 灯守り 小満

『半々ですね』


[>>383気まぐれで溜め込んだ自業自得かについて、答えたのは後ろの蛍。想定より立て込んだのも事実で、そのくせのんべんだらりと片付けなかったのも事実。

 どこぞでは統治者として素晴らしいだなどと噂されている>>353らしいが、そんな話を蚕か紅が聞き入れたなら、可能な限りの全力で否定されるだろう。
 もし噂が事実だとするならば、それはあくまで蛍の手腕である。]
(396) 2022/01/18(Tue) 1:46:11

【人】 灯守り 小満

口実じゃないさ、いま小雪が『飲んで♡』って言ったからありがたく『いただきます♡』ってしただけじゃないの。
はじめからそのつもりだったんだろう?
ほら、自分のグラスまで用意しちゃって。

[都合のいい曲解はお手の物。
 ワインの話をしたのだから、飲ませるつもりなんだと解釈するのは当然じゃないかと言わんばかり。
 グラスを彩る明るい赤にうっとりと目を細め、一口含む。]

うん、いいねぇ、上出来だ。
フレッシュで口当たりがすっきりして。
クランベリーの干したのなんかも欲しくなるね。

[などと言いながら、肴を考える。]
(397) 2022/01/18(Tue) 1:54:09
灯守り 白露は、メモを貼った。
(a79) 2022/01/18(Tue) 1:59:09

【人】 小満末候 麦秋至

[ともあれこんな状況でもいつも通りのルーチンワークをこなそうとあたりを見回す。
すなわち、いつもわたしたちと同じくらいか、一足先くらいに着いて、>>238
この会合のすべてを眺めまわしているような方に挨拶すること]

処暑さま。こんにちは。
今回もお変わりないようで何よりです。

[窓際にいる灯守りのひとりにぺこっと頭を下げる。
ちらっと彼(彼女)の手元にある手帳に視線をやる。>>312
さっき考えたことが脳裏を過ぎる。>>395
この方の目にも、わたしたちが遅くついたことは珍しく見えてるのでしょうか?

……蛍になって日が浅い頃は、不躾にも手帳をの中身を見たがったり、
処暑の領域はどのようなところか執拗に聞きたがったものです。
(なにせ行ったことのない場所ですので!)
今は、……ええ、昔よりは弁えてるつもりですが、
時々悪い癖が出ちゃってるかもしれませんね?*]
(398) 2022/01/18(Tue) 2:00:53

【人】 “観測者” 処暑

[ その影を見つけたのは、何時の事か。
 人間よりも小柄な形状が少し覗いているだけなので、暫し“観測”された後だったかもしれない。
 相変わらずの会場内の観察時、入口の辺りでふと目が止まった。目線の先には――雪兎。>>349 ]


  ………………


[ その瞳が“私”を見ているとは判らなかったが、
 私は暫くじっと、その姿を見つめた。

 愛らしい雪兎……型の魔道具。
 本体たる『冬至の灯守り』の彼女が遠隔操作しているらしい端末だ。
 当初は雪兎が喋るものだから不思議がっていたが、そういうものなのだろう、と思考を止めた。
 変わり者の灯守りだな、と思っていたが、とある冬至の季節。冬至の彼女“本人”を見掛けた。>>319
 何時も端末越しに会話していた故か「ちゃんと人型にんげんだ……」と、私にしては珍しい驚愕が湧き上がったのは……恐らく、随分と昔の話だ。

 そんな彼女雪兎に自分から寄って行く気はなければ、此方に呼ぶこともないのだが、
 常より食べ物か何かを強請られているならば、今日も差し出そう。
 荷物から取り出したのは――処暑の領域で収穫出来る

 常に収穫期の田が広がる故に年中収穫することの出来る米は、
 品種も謎であるが「よく分からないが美味」だと評される。
 私の領域には人を入れず、かと言って収穫も面倒なため、滅多に人にやる事もないのだが、気紛れに他の灯守りにやる事もあったかもしれない。
 何の装飾もない紙の袋に一合分。
 机に置いて、そのまま手帳に視線を戻した。
 ……尤も、そのまま食べられるものでもないから、雪兎は反応しなかったかもしれないが。*]
(399) 2022/01/18(Tue) 2:02:23

【人】 灯守り 小満

[>>386小雪域の質のいいきのこでソテーのご所望とあれば、にっこりと笑み浮かべ。]

ああもちろん。
"妹"の頼みを断るような冷たい男になった覚えはないよ。

[日頃であれば厨房に立つのは稀だが、可愛い妹分のおねだりだ。
 叶えてあげねば男がすたる。ワインのご相伴も頂いたし。

 先代小雪と仲がよかったのもあるが、これだけ甘えたな様子を目の当たりにすれば、長付き合いの同僚といえど、妹を見るような視線になってしまうのも許されたい。
 
――>>358霜降ののように任せてもらえはしなかったが、それでも愛らしいと思っているのだ、彼女のことを。
]
(400) 2022/01/18(Tue) 2:06:21

【人】 “観測者” 処暑

 

  …………………こんにちは。麦さん
  ……そうですね、私は何時も通りかと


[ “観察日記”に小満の彼と3人の蛍の事は記したけれど、
 その一人である、小満末候・麦秋至の役を持つの彼女は、今日も変わらず、飽きもせず、私の元へとやってきて声を掛ける。>>398
 私も常のように彼女を見つめて、それから間を置いて挨拶を返す。
 彼女の事は、苦手な訳ではない。……否、最初は苦手意識があった。
 “観察日記”を見たがったり、処暑の領域の事を聞きたがったり。
 手帳を見せる事はなかったし、領域についても見た方が早いのではと思う性質なため、>>180
 最初は言葉に詰まっていたが、最近はぽつぽつと話すこともあったかもしれない。
 今の彼女に対する印象はというと、不思議な人間、とそう言ったものだ。
 毎回という程、私との会話を望む姿。私の薄い反応に対して、構い続けるというのが理解が及ばない。
 故に……不思議なものを見るように、一度沈黙をおいて反応を返すのが常。

 ……とはいえ、そもそも彼女の今の在り方からして不思議なものだ。
 小雪号の蛍を輩出する家の当主でありながら出奔し、何故か今は真反対の小満の蛍をしている。
 どうして知っているのかと言われれば……彼女の生まれる前から灯守りをしているから、小雪の彼女を観察対象としていれば、自然と“見える”というものである。
 そこに何があったか、までは知らないが、私の知る『蛍』の中でも 奇異な存在だ。
 故に――興味深い。

 だから彼女に対しては、少々接する態度が柔らかいかもしれないし……周りから見れば、そうでもないのかもしれない。*]
(401) 2022/01/18(Tue) 2:26:47

【人】 小満末候 麦秋至

―― いつかの会合にて(承前>>391) ――


[もっとも、帰ってくるよう言われることについてのわたしのちっぽけな不安は、
すぐに取り払われたわけですけど。>>381
その言葉に、ことさらに冷たい響きを勝手に感じ取ってしまったためでしょうか。
あるいは、再会について抱いていた気まずさを隠そうとしたことの裏返しでしょうか。
心なしか笑顔を引っ込めてわたしは口走っていました]

……わたしだって、今さら帰ってこようなんて思いません。
それに今は、かつてよりずっと楽しいですもの。
小雪にいた頃なんて退屈で退屈で――
(402) 2022/01/18(Tue) 2:28:45

【人】 小満末候 麦秋至

[まずいなって気持ちがこみあげてきた。
いくら出ていったとはいえ、かつて居た故郷のことを、
否定的に言うつもりなんてなかったのに]


  ………… ご、ごめんなさい。

[ぴたりと言葉を止めたと思ったら謝るわたし。
そんなことしても一度言った言葉は取り消せないのにね。

向けられるであろう視線を避けるように俯いてから、
その場をぱっと離れてしまった。

それからは自己嫌悪が酷くてどこか上の空だったし、
パーティーの時も賑やかなところから離れて元気なくぼんやりとしていた。
……そんな、“麦秋至”として初めての会合での記憶**]
(403) 2022/01/18(Tue) 2:31:34

【人】 “観測者” 処暑

 
[ 小満の彼のように3人共、というのは珍しいが、
 会合に蛍を連れてくる灯守りは多数いる。
 今回も常の如く、『蛍』たる彼彼女の姿がちらほらと観測出来る。
 私は蛍を置いていないけれど、むしろ置かない灯守りの方が少数派であるのかもしれない。

 ただ……私は『蛍』というものが苦手なのだ。
 否、他の灯守りの蛍に難癖をつける事はないし、
 『蛍』というだけでその人を嫌う訳でもない。
 『処暑号の蛍』を、私は受け入れる事が出来ないのだ。 ]
 
(404) 2022/01/18(Tue) 2:36:12

【人】 “観測者” 処暑

 
[ 大嫌いだ               
 否――憎んでいる、と言っても、良い ** ]

 
(405) 2022/01/18(Tue) 2:36:47
“観測者” 処暑は、メモを貼った。
(a80) 2022/01/18(Tue) 2:42:20

小満末候 麦秋至は、メモを貼った。
(a81) 2022/01/18(Tue) 2:45:00

【人】 灯守り 芒種

​── 御手水 ──


[ 芒種になって最初の会合も、こうしていたな、と
  手洗い場の鏡の前、辛気臭い顔を眺めて思う。
  もっともあの時は実際に内臓が出そうな程
  ど派手に吐きまくっていたけれど。

  慣れぬ酒の加減を誤り気分を悪くした不出来な娘と
  若さ故の失敗を寛容に受け止め甲斐甲斐しく支える蛍
  なんて老いぼれどもが思い描いた構図は
  微塵もアルコールを受け付けなかったわたしの体質によって
  なかなか愉快な大惨事になったのは
  黒歴史でもあり、気に入りの笑い話でもある。

  今以上にただのお飾りとして、黙ってにこにこしていろと
  命じられるまま、逆らうこともせず、息を殺して過ごした。
  次々と知らない相手に挨拶をされ
  普段知る顔とは打って変わって愛想よく話す年寄りの後ろで
  文字通り、『黙ってにこにこ』し続けていれば
 『大人しい子』で『緊張して』いて言葉が出ないのだと
 『温かく見守ってやって欲しい』なんて
  年寄りどもが庇うふりをして代わりに挨拶をし
  勝手に会話に花を咲かせていた。 ]
(406) 2022/01/18(Tue) 5:19:50

【人】 灯守り 芒種

( わたし、いなくていいじゃない )


[ ここにも必要ないのだと再確認したようで
  何もかもがばかばかしくなったわたしは
  便器に顔を突っ込んで胃の中身をひっくり返しながら
  酔っていかれた情緒でげらげら笑い転げて、
  おしとやかな箱入り娘という
  爺の求める飾りとしての役目を早々にぶち壊した。

  面汚しめと罵られ、恥をかかされたと激昂した面々に
  なるほどそれが嫌がらせになるのかと学んだ結果……
  ひとりで出歩けるようになった今がある。
  来たかったわけではないが、来たくはなかった訳だが
  爺の飾りにされるよりは幾分ましだと思っている。 ]
(407) 2022/01/18(Tue) 5:20:16

【人】 灯守り 芒種

​── 回想 ──


[ 先々代が最も芒種に相応しいと定めたのは
  芒種を継いだ大叔父ではなく
  無論蛍止まりの大伯父でもなく
  傍系の早乙女に嫁いだ祖母だったそうだ。

  それでも女に継がせる事はできないと
  先々代は二番目の大叔父を選んだ。
  灯守りに男も女も関係ないが
  そういう考え方の人だったらしい。

  一番になれなかった先代は後継を
  一番であった祖母の血筋に拘った。
  祖母の息子に生まれた父をたいそう欲しがり
  けれど、灯守りの役目も、芒種を継ぐ血筋も
  なにもかもを放棄したかった父は、身代わりを作った。

  先代が、血筋だけは満足する女との間に、わたしを。
  母が誰なのかはわたしもしらない。
  聞けば知る機会もあったかもしれないが
  聞かなければ未だに知らぬままなのだから
  もし生きていたとしても、きっと
  父と同じ思いで何もかもを投げ出し
  外に嫁いだ誰かなのだろうと思い、探していない。 ]
(408) 2022/01/18(Tue) 5:42:41

【人】 灯守り 芒種

[ 父にとってのわたしは自分が好きに生きるための生贄で
  先代にとっては男に生まれなかったことが気に入らないが
  渋々納得している父の代替え品で
  3番目にもなれなかった大伯父やその他
 『芒種』になりたい雑多の枝にとっては
  先代が引き取り育てる、先代に気に入られた
  扱いの面倒な目障りな娘で。

  幼い日、自分を取り巻く環境が
  なかなかにクソだな、と気付いたとき
  一度はわたしも全てを投げ出そうとした。

  父のように身代わりを用意もせず
  従順なふりをして、先代には継ぐ気があるふりをして
  先代がわたしに少しでも期待し始めた頃に
  突然、姿を消してやろう、と。

  聞けば父は血筋に関わらぬ惚れた女を娶ったそうだ。
  そんな父のように自由になりたかった……わけではない。

  やりたいことなんて思い浮かびもしなかったし
  それでも漠然と窮屈なここから逃げ出したかったし
  あとは、ただ、父が困ればいいと思った。
  欲しいものを見つけ、手に入れた父が
  何もないわたしには、羨ましかったから。 ]
(409) 2022/01/18(Tue) 5:45:15

【人】 灯守り 芒種


[ 逃げ出したところで生活していくあてもない。
  自由はなかったが不便もないくらいに箱入りに育てられた
  恵まれた小娘のわたしに一人で生きていけるだけの
  能力や知識などなにひとつ備わっておらず
  けれどその頃から漠然と、
  先代に送られることが業腹でかろうじて生きていただけで
  いつ死んでもいいと無気力に生きていたから、
  あとさきなんて、何も考えずに逃げ出した。
  散歩にでも行く気持ちで、ふらりと。

  いつもどおりに耳鳴りみたいな雨が降っている中
  傘もささず、履物も履かずに窓から逃げ出した。
  もう少しましな出掛け方もあっただろうけれど
  あの時は今より若く、『かわいそうな自分』に
  今以上に、そりゃもう心地よく酔いまくっていたから。 ]
(410) 2022/01/18(Tue) 5:46:27

【人】 灯守り 芒種

[ 鬱蒼と茂る森の中を好き勝手に散策して
  無駄に健康だが軟弱な体をしこたま濡らしたおかげで
  さほど寒くもない日に器用にも低体温で意識を混濁させ
  死なない程度に行き倒れていたはた迷惑な箱入り娘を
  拾った人の良すぎるもの好きは『素敵な旦那様』なのだと
  目覚めた時に傍にいたかわいらしい女性に聞いた。

  表情豊かに、ふわふわと、綻ぶ花のように微笑む顔も
  おっとりとした穏やかな話し声も
  スキンシップが過剰でやたらと抱き締めてくる体温も
  適度な距離を保つ世話係の愛想笑いしか知らぬわたしには
  奇妙で、とても気持ちが悪かった。

  しらないものは、怖くて、不快だ。
  まるで別な星の生き物みたいで、気味が悪かった。

  彼女は無知で恩人に無礼なわたしにも親切で優しく
  着替え方すらままならない事にもおおらかで、
  けれど甘やかすことなく、適度に雑に扱った。

  必ず失敗すると分かっていても尚
  手伝いにならない手伝いを任せられたりしたし
  信じられない声量で喚く爆発物みたいな赤子を
  ちょっと見ていてと渡されたときは正気を疑いもした。 ]
(411) 2022/01/18(Tue) 5:47:41

【人】 灯守り 芒種

[ 赤子の扱いなんて当然知らない見ず知らずのわたしに
  おぼつかないあぶなっかしい手つきで抱かれただけで
  さいしょから、ぴたりと泣き止んだ赤子もまた
  正気を疑う訳のわからなさで、気味が悪くて
  女性と赤子が正真正銘の母子であると実感できた。

  いろんな体液でぐちゃぐちゃな顔を、
  この領域では余り見ることが叶わぬ太陽みたいに
  きらきらと輝かせて眩く笑うその無邪気な笑顔は
  わたしの影を濃く際立たせるようで、恐怖を覚えた。

  どうせ花の名前なら、向日葵にしたらよかったのに。
  柔らかな亜麻色の髪をもつ、茉莉と名付けられた女の子は
  涎だらけの小さな手をよくわたしに差し伸べてきて
  汚いなと、思いながらも、
  その熱く湿った手に強く掴まれる気持ち悪さが、
  なぜだか不思議と、そんなに嫌じゃなかった。

  ……ものを知らないわたしは、わたしの正体を確かめもせず
  親切心だけで世話を焼く女性を都合がいいと思いこそすれ
  不自然と疑うこともしなかった。 ]
(412) 2022/01/18(Tue) 5:53:50

【人】 灯守り 芒種

[ 怖くて不快で気味が悪かった女性の優しさが
  わたしにとって心地よいものだと理解できるまで
  女性にとっての『素敵な旦那様』は……

  ……父は、わたしの前に、顔を出さなかったし
  父が話をつけたお陰で
  誰に探され連れ戻されることもなかった。

  逃がさず、殺さず、保護しておいて
  匿うていで恩を売って
  愛情に飢えたわたしが容易く彼女たち母娘に懐柔されて
  逆恨みをして危害を加えぬくらいに懐くまで。

  賢いなぁと他人事みたいに思った。
  クソ野郎なのはもとから知っていたし。

  事実を知らなかった妻と、夫の間で
  何やらひと悶着はあったようだが、それでも
 『娘の姉』としてわたしを容易く受け入れようとした
  やさしく、おおらかで、おっとりしているようで
  なぜだか不思議と芯の強い彼女は
  やっぱりわけがわからなくて、
  怖くて、こわくて、気持ちが悪かったけれど

  慈しみを込めて柔らかく抱きしめてくれる
  暖かな腕の心地よさを知ってしまったわたしには
  もう一度、不快だと思うことは、もうできなかった。 ]
(413) 2022/01/18(Tue) 5:56:52

【人】 灯守り 芒種

[ ある種の生存本能みたいに、或いは何も考えてないみたいに
  わけもなく無条件に、不思議と母親以上にわたしに懐いた
  熱くて湿った重たいおかしな生き物は

  今も変わらず、一度だって変わることなく
  わたしがまるで太陽であるかのように、
  ひまわりみたいに真っ直ぐにわたしの後を追いかけてくる。

  もうものを知らない子供でもなければ
  生き方だって自分で選んで望み掴み取って
  立派な一人前の灯守りになってもなお。

  ほかの道も見つからず億劫になって成り行きで
 『芒種』という名だけを継いで
  怠惰にただの飾りで有り続ける
  誇れるものなど何もないわたしを、盲目に慕って。

  あの子が盲信する幻想みたいな『理想の姉』を
  いっそひといきに殺してしまえたら……
  そうしてあのこがわたしに幻滅してくれたら
  きっといまよりずっと楽に息ができるのに。

  取り繕うよりずっとずっと簡単であるはずの
  それが未だに、できずにいる。
  あの日、伸ばされるちいさなその手の
  心地よさを、知ってしまったせいで。* ]
(414) 2022/01/18(Tue) 6:00:43

【人】 “小雪” 篠花

ーー回想:蛍ーー


 ……。


[小雪から大雪へ変わる頃、風見家執事が預かったという1つの手紙が届いた>>376
ざっと中身を読めば、放っておくように伝えたのだったけれど>>219
サボりたいから逃げ出したのではなく。
思いがあって出ていったのなら、止める気はなかった。

羽根があっても自由がなければ、意味がないものね。
でも。]


 ……貴方も手紙1つで行ってしまうのね。


[誰もいない部屋、ぽつりと溢すと、
そっと兄の最後の手紙と同じ場所へしまった>>37

彼女の兄、朔矢と話をし、蛍はいらない。と話を進めるのはすぐのこと。*]
 
(415) 2022/01/18(Tue) 7:18:59

【人】 “小雪” 篠花

ーー回想:いつぞやのことーー
[正直、再会がこんなに早いと思っていなかったというのはある>>391
まさか別のところで、それも真反対のところで蛍になってるとは思わないじゃない?
顔を見たとき思い切り顔をしかめてしまうのは無理ないと思うの。
双方に向けて『何やってるのよ』と言いたいのが顔に書いてあったと思う。
彼女がそれを読み取れたかは、私にはわからないけれどね。

それでも、困った顔で笑っていたのを見て、元気そうでよかったと安堵していたの。]


 …………そう。楽しそうで何よりだわ。


[小満の君にイラッとしたと言うことも相まって、冷たい言い方をしてしまった、というのはあるでしょうね。
紡がれた言葉には少し、心が軋んだけれど>>402
やはり、引き止めようとしなくて正解だったのね。
伸び伸びと自由に過ごしてくれるなら、それで十分よ。

揺れた瞳を合わせるまもなく彼女が去ったなら>>403、それを引き止めることもなく。]
 
(416) 2022/01/18(Tue) 7:19:26

【人】 “小雪” 篠花



 ……あの子のことをよろしくね。小満の君。


[あの子の今の主人に託して、私も去ろうかしらね。*]
 
(417) 2022/01/18(Tue) 7:19:43