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人狼物語 三日月国


29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】

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【人】 世界の中心 アーサー



   
(  “──────” )



[ “上”から…近いようで 遠い空から、
  問が降るから、]
(408) 2020/05/31(Sun) 23:53:28

【人】 世界の中心 アーサー



    ……ころされるまで、死ぬ気はないんだ。

 
(409) 2020/05/31(Sun) 23:53:48

【人】 世界の中心 アーサー


[ 嗚呼、掠れている。
  血を吐くなんて事はなくとも、鉄の味がしている。
  口の中を切っているのかもしれない。

  自分のことだけでいっぱいいっぱいで、
  譫言のよに、何処に目掛けて語るのでもなく、
  意識を保つために言葉を返している。]
 
(410) 2020/05/31(Sun) 23:54:15

【人】 世界の中心 アーサー



    なあ、これじゃあ未だ、事故死だろ。
    心臓に銀を撃ち込まれないと、

    “ばけもの” は 死なないらしいじゃないか。

 
(411) 2020/05/31(Sun) 23:54:39

【人】 世界の中心 アーサー


[ 不意、薔薇は碧とかち合った。
  誰かを確り認識していたか、もう覚えていない。
  差し上げた手がその頬に触れ、
  柔く目尻を撫でたか、も。

        指先で引く、紅化粧。
        きっと、“一生残る傷”だ。 ]
 
(412) 2020/05/31(Sun) 23:56:18

【人】 世界の中心 アーサー



    ──不味いワインはもう 要らないな…


          [ 差し上げた手が
             重力に添い、 落ちた。*]
 
(413) 2020/05/31(Sun) 23:57:01

【人】 軍医 ルーク

[ ぺんぎんがポシェットから取り出した苺飴に
 目を輝かせている様子を見ていれば、
 こんなささやかなことも、取り戻された平穏を感じさせて、
 思わず口元が緩んだ。
 地上に行く話のことは、自分でも色々と情報を仕入れていた。]


  前に何度も襲撃があって、
  残骸が回収されただろう?
  第二研究所に運び込まれた残骸は
  もう残っていないけれど、
  他の残骸は今も解析が進められていて、
  その中には、記録媒体も残されていたみたいだ。

  これまではそのほとんどが
  ブラックボックスだったのだけれど、
  通信機を解析する際に技術班が解いた暗号と
  同じ方式で解読できるデータがあって、
  地下に諜報員を送り込む際の『帰り道』についても、
  記載があったらしい。
  それを、遺失技術が発掘された地域の
  地殻調査のデータと照合して、
  二、三か所、それらしい箇所に当たりがついた。
  使用可能か調査も進んでる。

  詳しい話はジルベールに聞けば、
  多分、必要な情報の三倍くらいの分量を
  話してくれると思うから、
  おすすめ――はしない…
(414) 2020/06/01(Mon) 0:31:27

【人】 軍医 ルーク

[ 迂闊に詳細を尋ねてしまったところ、
 患者の治療があるからと去ろうとしても医務室に着いてきて
 最後まで喋り倒していたジルベールの早口を思い出し、
 遠い目にもなる。

 つまりは、この地下世界から地上に通じる抜け道が、
 今も残されているということだ。
 地上も把握している道であるから危険もあるが、
 いま直ぐに見つかるルートは他にないだろう。

 上下に物資を搬送する装置が備え付けられているのか、
 はたまた長い長い階段や梯子が嫌がらせのように
 据え付けられているかは、
 蓋を開けてみなければ分からない。

 後者の場合は、自分の脚について何か対策を――なんて、
 あの日記を読んでいる自分は、もうすっかり
 “地上に行く”という思考で考えているのだ。]
(415) 2020/06/01(Mon) 0:32:48

【人】 軍医 ルーク

[ タブレットの場所を示し、いつもの栄養剤を差し出せば、
 いつものように後ずさりするうさぎ。
 自分も飲んでは見せたけれど、
 苦みも味も感じないものだから、実は公平じゃない。

 あの日記に、いつか自分は書いた。
 情緒面と“感覚”に異常がある、と。
 きっともう、彼も自分の味覚のことは気付いているのだろう。
 
 ――失われたものが感情と味覚であったことの理由は、
 いまは、自分でも分かってる。>>2:178 >>76
 
 きっと最初から自分は、美味しい物や苦いもの、
 いろいろなことに感情を見せる彼を見ていたのだろう。
 それが最初は持っていなかったものとは知らずとも、
 惹きつけられるように――ずっと見ていた。

 なお、薬を飲みながら日記を読み進める彼が、
 また涙目になってぷるぷるするのを見ている自分の顔は、
 多分こんな感じだ(=x=)]
(416) 2020/06/01(Mon) 0:34:27

【人】 軍医 ルーク

[ けれど、ぺんぎんが取り出したジュースに
 ぱっと表情を明るくする彼の表情を見ていると、
 自分もまた自然と口元が綻んで、
 スツールの後ろに零れて床にまで届く長い尻尾が、
 ゆらゆらと楽しそうに揺れる。]


  この間とは砂糖を変えてみたんだ。
  ぺんぎんも、喜んで味見してた。
  苦い薬――は、
  飲む機会も、もうなくなればいいと思う。


[ 義手や強い栄養剤を使う機会がなくなるよう、
 あったとしても極力少なくなるように。]


  ああ、でも、もし
  風邪をひいたり何か体調不良があったら、
  薬って言うのは大体不味いものだから、
  そのときはまた、苦い目に遭うよ?
 

[ 脅すように、わるいえがおをしてみせる。
 そんな風に口うるさく言ってしまうのは、性分のようなもの。
 ――けれど、]
(417) 2020/06/01(Mon) 0:36:24

【人】 軍医 ルーク


  けど――
  君が美味しそうに食べているのを見ていると、
  食べるのは悪くない、って思えるから。
  美味しそうにしている顔を見たいから。
  だから、君が好きだと思うものを沢山覚えたい。
  手先は割と器用だよ?
  ああ、ただ、塩と砂糖間違えても気付かないから、
  そこは味見係の勤務状況に賭けてくれ。


[ 分量や手順通りに物を作るのも、得意とするところ。

 以前は口に物を入れるたびに吐き出したくなって、
 栄養剤ばかり口にしていたようなものだった。
 けれど、通信機を取りに行った道すがら、
 飴を貰ったときのこと。
 自分は味一つ感じられなくとも、
 彼やぺんぎんが嬉しそうにしているのを見て、
 それが何より“嬉しかった”。
 自分にとって、“食べる”は――いまは、そういうこと。]
(418) 2020/06/01(Mon) 0:38:31

【人】 軍医 ルーク

[ ベッドに起き上がった体勢で、
 彼はタブレットを読んでゆく。
 無理な体勢にならないように、
 クッションを調達してきて背凭れにして、
 そのあとはじっと、椅子に腰掛けて待っていた。

 微笑みが返されたなら、笑い返す。
 自分が書いたものは日記というよりはむしろ――
 という自覚はあったものだから、
 照れが隠せない、はにかむような笑顔になる。

 タブレットに文字を綴ってゆく指先を、目を細めて眺め、
 やがて打ち終え、画面を示されたなら、
 横合いから覗き込んだ。
 この日記を読むときは、いつもそうしていたように、
 一語一句読み落とさないように、丁寧に、だいじに。

 “断られた後のことなんて考えてない”――
 信じてくれると思ってる、と、
 そう書いてくれたことが、とても嬉しくて。
 大好きな人と記してくれたことが、何より嬉しくて。

 じいっと目を見て、笑顔で頷く。
 そっと耳元に唇を寄せて、囁いた。]
(419) 2020/06/01(Mon) 0:39:46

【人】 軍医 ルーク



  君が傍にいない今も、未来も、考えてない。
  ずっと傍にいる、傍にいて。
  何があっても、わたしは君を守る。
  わたしが君を信じていると、
  分かってくれていて嬉しい。

  ――… 幸せすぎて、怖いくらいだ。
  これ以上嬉しいことなんてないって思っても、
  こうして隣にいて、言葉を交わして、
  笑ってくれるたびに、
  幸せだと思うことが増えてく。


[ 同じものを見る、同じ場所に立つ、
 一緒に時を過ごし、新しいことを知る。
 何があっても、乗り越えられる。
 それはきっと、“互いの中に色んなものを増やしていく”
 ――そういうこと。]
(420) 2020/06/01(Mon) 0:40:49

【人】 軍医 ルーク


  ……わたしにも、一つだけ、
  君に言っていなかったことがある。
  長い話になるから、そうだな、
  君がもう少しちゃんと回復したときに。

  …天の向こう、君と同じ場所から来た子がいた。
  第二研究所にあった残骸が爆発した時に、
  助けられなかった、
  何もできずに死なせてしまった子のこと。
  後悔が、ずっとずっと、消えない。
  
 
[ 互いに、失くしたことがある。
 悔いもある。
 この過去もまた、今の自分を形作る記憶だ。
 過去は過去として受け止めて、前に進むには、
 やはり自分はどうしても時間はかかるのだろうけれど――
 止まっていた時間は、もう動き出している。]
(421) 2020/06/01(Mon) 0:41:49

【人】 軍医 ルーク

  でも、止まっているのはやめにする。
  君はこれからも歩いて、
  わたしはその隣にいるんだから。
  いまも、これからも、ずっと。
  
  一緒に、行こう。
  君が書いた日記を読んでから、
  わたしも、上に行くことについて考えてたんだ。
  たとえば――


[ そう言って指さしたのは、彼の懐に収まっているぺんぎん。
 よばれた! と両手を上げて、自分の存在をアピールする。
 そのお腹の所には、いま菓子が入っていたポシェット。
 荷物袋はそれでいいかと思ったら、
 もう少し大きいのがいい、とでもいうように、
 医務室の緊急持ち出し袋の所で強請られたから、
 いま、新しいリュックを縫っているところ。]


  一緒にいる。
  この戦争を止めようと思う、君の力になる。
  わたし自身も――そう望んでる。
  
  それに、ね。


[ 窓の向こう、“天”に輝く灯りに、目を細めた。]
(422) 2020/06/01(Mon) 0:43:26

【人】 軍医 ルーク



 

   君と一緒に、“星” が見たい。


  
(423) 2020/06/01(Mon) 0:43:54

【人】 軍医 ルーク

 ―― 
地上のどこかで
 ――

[ 土色のブーツが、地面に落ちた小枝をぱきりと踏む。
 周辺の調査を一通り終えて、木陰に戻ろうと。

 互いの目の届く範囲にいるから、
 此方がどこにいるかなんて承知の上だろうけれど、
 タブレットで作業をしているようだから、
 しーっとぺんぎんに合図をして、
 こっそり後ろに回り込んでみたり。
 けれど、邪魔になることもしたくはなかったから、
 樹の後ろからひょいと顔を出し、
 “ただいま”と耳元でささやくにとどめた。
 うん、本当に、耳が良い彼のことだから、
 こんな悪戯にもならない悪戯は気付いていただろうけど。
 

 地上の沢山の土地を回る。
 新しい景色を見る。
 子供の頃に本で読んだ、天の上の世界。
 “星”、あめ”――…、
 そして、あの日記で想いを馳せた、
 白く凍った世界、硝子の絵が描かれたの瓦礫の建物。
 生きているひとの、どこにもない世界。]
(424) 2020/06/01(Mon) 0:46:27

【人】 軍医 ルーク

[ 足を踏み出した当初は、そのあまりの広さと、
 耳鳴りがするような静けさに圧倒されて、
 何処までも広がる空に、雲に、
 世界そのものに押しつぶされそうで、
 このような場所をひとり、調査して歩いていたのかと、
 そのことをどうしても、思い出した。

 音を、空気を、世界を懸命に受け止めて
 感じ取ろうとするかのように、
 耳と尻尾がぴんと張りつめ、ふるりと震え、
 なんとか呼吸を整えて、
 手をつないでいて、と頼んだものだ。
 そうして踏み出した最初の一歩を、
 いまでも、よく覚えている。

 あちこち旅をするうちに、
 地上の人間が生きているシェルターを訪れる機会もあった。
 耳も尻尾もない人間たちには、自分の形は珍しいようで、
 子どもにぐるぐる囲まれて、目を回すこともあった。

 (敵対的な人間については――そもそも地下でも
  基本的に否定されていたので、
  個人的にはさっぱり気にはならなかったのだが、
  彼にそういう目が向けられたときは、むう、と睨んだり)]
(425) 2020/06/01(Mon) 0:48:45

【人】 軍医 ルーク

[ 何より安心したのは、義手を改良してくれる者たちが
 いたということ。
 最初に彼らと接触した際に、義手の構造を知りたい、
 出来るなら装着者の身体に影響が出ないように
 改良の手段はないか――と頼み込み、
 その時点でのデータを貰ってはいたのだが、
 改良に成功したとの知らせを受けたときには、
 飛び跳ねて喜んだものだ。


  “わたしを調べる? 
   それくらいなら全然かまわないけれど――”


 ぐるぐる回されようと細胞を取られようと
 まあいいか――と、頷こうとしたのだけれど、
 彼が義手砲なんて向けようとしたものだから、
 ばかー!! とぎゅうぎゅう抑え込んだ。

(そう言いながら、尻尾の方は、
 心配してくれて嬉しいという気持も隠せずに、
 慌てるやら嬉しそうにするやら、
 忙しいことになっていたのだけれど)]
(426) 2020/06/01(Mon) 0:50:30

【人】 軍医 ルーク

[ とはいえ、そういう自分も、彼らが


 『いやいや悪かった、
  ……でも良かったら、ほんの少し、
  地上と地下を行き来していた
  シュゼット君のことを調べて
  過去のデータとの比較をさせてもらっても
  いいかなあ、とか――』


 など言い出したときには、
 地上人は耳の代わりにどこを結べばよいのかな? 
 と、身を乗り出して、
 ぺんぎんが止めなければいけない相手は
 二人に増えた。]
(427) 2020/06/01(Mon) 0:51:30

【人】 軍医 ルーク

[ 自分の義足も、地下を出発する際に、
 新しいものに付け替えられている。
 これまでは基地内を歩き回れば十分ということで、
 旧式の性能の低いものを支給されていたのだが、
 地上に向かう使節への餞別だとばかり、
 技術班が張り切った。

 何か面白いものを見つけたら報告するようにと、
 相変わらずの早口で頼んできたジルベールは、
 最後にこう言って手を振った。]


 『シュゼット、ルーク!
  君たちの旅路に幸運を!!』 

(428) 2020/06/01(Mon) 0:52:34

【人】 軍医 ルーク


  “山”か……
  地上は、ほんとうに広くて仕組みが不思議だ。
  火山活動、というものによって
  地形の変化があったのだっけ。
  植物の分布なんかも、過去のデータを調べて
  あとで照合してみるね。
  

[ 木陰に腰を下ろし、何を書いているか覗き込む。
 尻尾に触れてくれた手の感覚に、
 嬉しそうにふるりと尾が揺れて、
 そっと身を寄せる。

 タブレットに増えているものは、調査記録だけではない。
 写真をたくさん取るようになった。
 地上の様々な場所、様々な景色。
 写っているのは、自分が写すときは彼とぺんぎんであったり、
 操作を覚えたぺんぎんが頑張って、
 自分たちふたりで映っている写真を写すこともあり、
 タイマー、というものの存在も発見したものだから、
 皆で写っていることもある。]
(429) 2020/06/01(Mon) 0:54:51

【人】 ミア



  [ 遠ざかった香がしていた。
   赤も 紅も どちらとも。

   日常と呼んでいいのか、分からない、
   何時かの過去を想起させるよな、 ]

 
(430) 2020/06/01(Mon) 0:56:13

【人】 軍医 ルーク

[ 一緒にいる景色を、記憶を、
 積み重ねて形にしていくそれは、
 ひとつひとつが自分にとっての宝物だ。

 その写真に残る表情は、次第に増えていって、
 嬉しそうな顔、幸せそうな顔、
 新しく訪れた土地の状況によっては
 不安げにも悲し気にもなり、
 時には驚いたり怒ることもあり、
 先程のように悪戯っぽい笑顔だとか、
 以前と変わらず時折意地悪をするときの表情だとか、
 様々な顔で、画面に映っている。

 (後で纏めて見返せば、我ながらこう、
  一緒に写っているときの写真の自分は、
  我ながらだれ…? と思うほどに幸せそうで、
  思わず蹲ってしまったりもする)
 

 そんな“一緒”の写真たちは、
 もう決して、どこに消えてしまうこともなく、
 鮮やかに、タブレットの中に収められていく。]
(431) 2020/06/01(Mon) 0:56:23

【人】 ミア



 [ ─── 碧は、未だ、冷静な色を宿そうと、
  そう あろうとしていたから、
  赤の混じった、斑の薔薇色を捉えていたし。
  
  かち合った瞬間だって、
  彷徨っていた視線が漸く合ったよな、
  ずぅっと待っていたよな、時で。 ]

 
(432) 2020/06/01(Mon) 0:56:25

【人】 ミア


 
   ─── …… だったら
   こんなところで倒れないでよ。
   あれから 自衛もしてなかったの。


     そういうところが 嫌い だって、私、
     そんな顔して 、

 
(433) 2020/06/01(Mon) 0:56:39

【人】 ミア



 [ ……こどもの癇癪に、近かったように思う。

  怒っていたのは違いなく、
  叱ろうとしていた、のも、正しかった。
  掠れていた声の理由に 赤はないのに、喉が熱い。

  滲んだよな視界の端。
  染まってしまった指先が通ってしまえば、
  なに って ちぃさく、こぼれ落ちてゆく。 ]

 
(434) 2020/06/01(Mon) 0:57:14

【人】 ミア



  [ 嗚呼 それはもう、
   一生残ってしまう傷だろう。

   ─── こんな、夢に見たよな夜に、
       赤色の化粧なんかされてしまったならば! ]

 
(435) 2020/06/01(Mon) 0:57:43

【人】 ミア



 [ 見開いた碧 は。
  明らかに困惑が色づいていた。

  落ちた手を追おうとしても、宙を切る始末で、
  迷った矢先に、こみ上げる"何か"を隠すよに。

  ……艶さえあった赤色が、唇まで辿るから、
  音を作るときに舌先が鉄の味を報せる。
  飲み込んでしまって、覆った両手の奥で、 ]

 
(436) 2020/06/01(Mon) 0:58:21

【人】 軍医 ルーク

 
  リンゴ――…、
  果実の一種かな、木は落葉高木樹。
  甘味があるなら、
  これもジャムにしてみようか?
  そうすれば暫く持って歩ける。


[ シェルターに立ち寄ったときなどには、
 いつもいちごを調達するけれど、常備するのは難しい。
 加工して持ち歩くのが主になる。
 最近は作れる料理も大分増えた。

 ひとつひとつ、味を教えてくれる言葉に、
 うなずきながら一口齧り、
 口の中に広がる水気と歯触りを確認する。
 少しでも感じられるものがないか、真剣に考え込み、]


  ん――…、硬くて少し驚いた、
  でも、水分があって、歯触りがいいね。
  赤い色――ああ、この色が好きだな。


[ そう言って笑う視線の先にあるのは、
 自分の言葉を聞いてくれているだろう、赤い耳であったり。
 取り戻すことは出来ないだろうと思っていた感覚を、
 いつかは取り戻したいと思えるようになったのは、
 それを望んでくれていると、知ったからだ。]
(437) 2020/06/01(Mon) 0:58:47