オルテイシアは、メモを貼った。 (a3) 2023/06/20(Tue) 22:12:23 |
【人】 オルテイシア[謝罪の言葉には、全然。と首を振る。 待つつもりで来たのだから気遣う必要はない。 それに待っている間も、彼のことを想えるから。 職場の先輩として振る舞う彼の姿は、 少し学生時代を思い出す。 あの頃から面倒見が良かったけれど、 言葉の選び方や、振る舞いが今は大人の男性で ふとした瞬間にギャップを感じて、どきりとする。 電話から漏れ聞こえる彼の会話を聴きながら、 明日はお店が休みになるのだと知って、 週末が重なってよかったとほんのちょっぴり、 得をしてしまった気分を味わった。 だから、今日は帰りが遅くなろうとも、 明日ゆっくり彼と過ごせる時間を堪能できる。] (7) 2023/06/21(Wed) 22:26:46 |
【人】 オルテイシア[傍に寄り添えば、汗の匂いを気にする彼が笑う。 気にしていないとまた首を揺らした。 微かに纏う彼の匂いも、好きだと言ったら、 引かれてしまうだろうか。 着替えの邪魔をしないようにしながらも。 脱いだシャツの下、晒された肌はしっかりと 彼の筋肉が浮き出ていて、何度も目にしているのに 未だに心臓が跳ねるのはどうにかしたい。 よく来ているというさっきのお客様。 躱していたということは一度だけじゃないのだろう。 自身への態度は特に気にはしてないけれど。 声を掛けるということは、チャンスの種を ずっと心の隙に抱えているということでもある。] (8) 2023/06/21(Wed) 22:26:57 |
【人】 オルテイシア[ロッカーの内側に向けていた身体が、不意に。 くるりとこちらを向いた。 こつんと痛くない程度に額が触れ合って、 甘えるみたいに、前髪が擦り合わされる。 開かれたままのボタンに気づいて、] ……もう、 [咎める口調には甘さが滲む。 詰めた距離のまま、両手を腰元に伸ばして。 下から高さを合わせるようにボタンを一つ一つ。 ゆっくりと留めていく。] (9) 2023/06/21(Wed) 22:27:13 |
【人】 オルテイシア[鍛えられた腰を隠して、心臓を通り過ぎて。 胸から、順に首筋へ。 最後の一つを、留めるかどうしようか、迷って。 そっと高い位置にある彼の眼を見上げる。] ……基依さんにとっても、大事なお客様だから わがままは言いたくないです、けど。 ……余所見、しちゃ、や、ですよ? [踵を上げれば、レインブーツがキュ、と音を立てる。 拗ねるみたいに尖らせた、唇で。 ちゅ、と彼の唇の端に、唇を押し当てた。*] (10) 2023/06/21(Wed) 22:27:39 |
【人】 オルテイシア[料理が好きで、人と接することが好きで。 名前にうさぎがついていたからこの店を選んだ貴方。 きっとそれは彼が知らないうちに、 自らの手で手繰り寄せたものなのだろう。 大切にしているお店で、仕事だから。 尊重したいし、邪魔にはなりたくない。 今の仕事を楽しんでいる彼を応援していたい。 彼の以前の彼女の話は、彼が久しぶりに カウンターキッチンに立つことを望んだ あの日に少し耳にした程度だけど。 傷が残るほどに愛していた人に 独り残され傷ついた彼を知っているからこそ、 大切にしたいと思うのに。 隣りにいるだけでいいと思っていたはずなのに、 ]彼といるとどんどん欲深くなってしまう。 (14) 2023/06/21(Wed) 23:54:10 |
【人】 オルテイシア[第一ボタンは結局、留めずに緩ませたまま。 見上げた表情がくしゃりと歪めば、 少年の頃の面影が強くなった。 その顔で、恋人にしか言わない台詞を口にする。 呼び方も変わった、低くなった声で。] ……うん。 [彼がそう言ってくれるから、束縛はしたくない。 信じてもいい言葉に救われると共に。 いつでも彼の視線を集められるままで居たい。] (15) 2023/06/21(Wed) 23:54:27 |
【人】 オルテイシア[キスを許してくれたのに、こら、と窘める声に 首を竦めて小さくを舌を出した。] はぁい。 ……あっ、お風呂沸かしたままなんです。 一緒に……、って、もうっ。 [そこまで言葉を続けて、ほんのりと頬を染めた。 一緒に入ったことがないわけじゃないけど。 窘める癖にそんなことを言うから、 見上げた目尻が染まったまま、薄く睨んでしまう。 身支度を終えた彼に促され、店長に挨拶を告げてから 薄暗くなった店内を抜けていく。 傘は一応、二つ持ってきたけれど。 彼の荷物が増えるなら、傘を刺す役割は必要だよね? と、くっついて帰る言い訳にして。*] (16) 2023/06/21(Wed) 23:54:47 |
【人】 オルテイシア[人生に回り道があったとしても、 誤りはないと思っている。 私と誰かの出会いも、 彼と誰かの出会いも、 きっと、今に辿り着くものだから。 自身が選んできた道を悔やむことも、 彼が望んだ道を否定することもしたくない。 「もう少し早ければ」、そう思う分だけ。 これからを一緒に過ごしていければいい。 初めてを彼以外に捧げてしまったことも、 受け入れてくれた彼が、初めて身体を重ねた後に 小さく零した言葉を噛み締めたように。 これからは「貴方だけ」をたくさん捧げていきたい。] (21) 2023/06/22(Thu) 21:37:18 |
【人】 オルテイシア[お風呂上がりとはいえ髪に埋もれた鼻先で 匂いを確かめられるのは少し恥ずかしい。] ひゃ、ッ……嗅いじゃだめ、ですっ! ……綺麗にはしてきましたけど、 なんだか、恥ずかしい……、 [距離感は慣れてきたとはいえ、不意打ちに弱い。 湿気った髪はお風呂上がりの気配を消しきれていない。 お気に入りのシャンプーを使って、 匂いが評判のボディミルクを今日も念入りに 肌に塗り込んできたけれど。 二回目の誘いを仄めかされたなら、] (22) 2023/06/22(Thu) 21:37:40 |
【人】 オルテイシア[店長の傍にフーくんの姿がまだあることに 気づいたら、あれ、と少し違和感を感じた。 少し纏う空気が、他のスタッフさんたちとは 違うような気がしたから。 彼には手を振るだけ振って、 軒先で彼の手元に気づいたら、傘と袋を入れ替える。] これだけ降ってたら、意味ないかもですけど。 [ふふ、と笑いながら使わない傘は手首に掛けて。 彼が差した傘の中に身体を寄せる。 濡れてしまうから、と言い訳にして。 彼の腕にくっついて、少し急ぎ足で家に向かった。] (24) 2023/06/22(Thu) 21:38:34 |
【人】 オルテイシア[家に向かっている間も雨足は強くなる一方で。 雨だけではなく風も強かったから、 服の色が深くなるぐらいに結局濡れてしまった。] わ、基依さんも右肩びしょびしょ。 タオル先に持ってきますね。 お風呂はそれから! [すぐにお風呂に入るけれど、水気は散らした方がいい。 お店からのお裾分けは彼に任せて、 彼の着替えを鞄から抜き出した後、洗面所に走る。 仕事汚れ着はすぐに洗濯籠に放り込んで、 スポーツタオルを手に彼の元に急ぎ、 短めの髪にタオルを掛けた。] (25) 2023/06/22(Thu) 21:38:53 |
【人】 オルテイシア着替えも出しておきますねっ。 [着替えといっても夜半だから下着と寝間着になる。 どちらも洗面所に備え付けてあるタンスに 締まってあるからそう時間は掛からない。 支度する間も雨とお風呂上がりで冷え込んだ身体が、 ぶるりと震えて、両手で身体を抑え込んだ。 着替えたばかりの着替えも、びしょ濡れの下着も、 籠に放り込んで、進められた通りにお風呂に飛び込む。 雨で濡れた身体をシャワーで軽く洗い流してから、 湯船にちゃぷんと、浸かれば無意識に溜息が洩れた。] (26) 2023/06/22(Thu) 21:40:05 |
【人】 オルテイシア[彼の一言でその先を想像して身体が、 淡く期待に震えるぐらいに育ってしまったこと。 そういう風に教え込んだ彼にならば、 睨んだ瞳に欲が滲んでいたのは伝わっていたかも。 一緒にお風呂に入ることが、 ただそれだけで済まないことは知っている。 返事に躊躇いの色を乗せても、 ]お腹の奥がきゅんと疼いたような気がした。 (28) 2023/06/22(Thu) 23:02:06 |
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