【人】 生物学者 アマノああいう場は、正直苦手でね。 [動作が復帰したオートクレーブが安定挙動に至れるか見届けるのに十数分ばかりは必要で、おそらく彼女はこの間、ここに留まる(もとい、留まってくれる)つもりらしい。 ならばその間の対話も礼儀の一環だなと、俺は「全然来てくれない」のごく小さな棘を含んだ言葉へと、己の分のコーヒー片手に向き合った。 ちらりと伺った彼女の表情は、投げた言葉と裏腹、やけに楽しそうだったけれど。] 言い訳じゃないが、甘いものにあまり興味がないし、コーヒーはこの部屋で飲むのが一番旨いし、あとは、まあ────そも、"雑談"が不得手だ。 [今してるのがまさにその"雑談"だって? そう言われたなら、そうとも今この時間こそ、俺は現在進行形で少し窮屈に感じているし戸惑ってもいるところなのだと、素直に応えたことだろう。*] (51) 2022/07/11(Mon) 8:12:22 |
【人】 生物学者 アマノ【研究室/昨日、バーナードと】 ああ、ありがとう。 [端的な礼の言葉を口にしながらテーブルに置かれたトレイ >>31 を見、しかし毎度バーナードの選択はパーフェクトだなと心中舌を巻く。 摂取したい栄養素的にも俺の嗜好の方向とも寸分違わず合致している料理の光景は、そのまま彼の観察眼の優秀さを示してもいるようだった。 一瞬、ほんの一瞬、不満を滲ませた風な呟きが聞こえたから奴の顔を見ようとしたが、それはそのままRUKKA-Vの問いへと繋がっていって。] ────まあ、な。 俺の狙い通りの性能が引き出されるようになれば、ワープ可能な限界距離が現行の数倍に伸びる。 [機体と燃料に多大な負担をかけるワープは、ゆえに一度の航行ではできる回数に限りがある。 小型艇ならばせいぜい2度だし、余程の大型機でも片手の指を超える回数となると相当に難しい。 それが現状での"人類が移動可能な限界値"。それが伸びるということは、手の届く宇宙の規模が広がるということだ。] (63) 2022/07/11(Mon) 9:08:33 |
【人】 生物学者 アマノ[細かい話はしようと思えば数時間でも数日でも可能だが──実際、ラサルハグだけはこの話を浴びるほど聞かされている──、でも眼前のこの男の真の興味の有り様はそこには無いことを、俺は気付いていた。 へらへら顔で武装している風なところがある割には、そこそこ解りやすい部分もあるこの男。 とかく煩くマシンガントークしてくるでもなし、感覚的には人懐こい雑種犬がふらりと遊びに来るに近いものだと俺は感じて居る。 そも俺はそう口数が多い方でもなく、それをバーナードも気にする風でもないものだから、結局俺は常通りにマイペースに食事を終えたのだった。] (64) 2022/07/11(Mon) 9:10:00 |
【人】 生物学者 アマノま、った……バーナード。 [軽やかに滑るように部屋を出て行きかける彼に声をかける。 ノリが犬への「ステイ!」風になってしまった事には一片も他意はない。] いつも……ありがとう。感謝している。本当に。 その────俺は、お前に、甘えているな。 今更だが、さっき、自覚した。 [こんな事、告げて何になるというのだ。自分でも解らない。全くもって解らない。 言うだけ言った俺とバーナードを隔てるように、スライドドアがシュンッと小さな音を立てて閉まっていったのだった。**] (67) 2022/07/11(Mon) 9:12:54 |
生物学者 アマノは、メモを貼った。 (a13) 2022/07/11(Mon) 9:14:54 |
【人】 生物学者 アマノ君の、その────行動の原動力は、何なのかな。 乗員の人となりを認識することで、航行の安全の担保を得る……といったものなら、俺にも理解できるのだが。 [だがスピカを見ていると、そんな打算的なものよりも純粋に"目の前のその人物を知りたい&色々知りたい"の欲が先行しているように見える。 後者は理解できる。知識欲に関しては常人以上と自覚している。 だが前者となると、"知ってどうする"という思いばかりが俺にはあった。 家族でも無ければ友人でもない。同僚とも言い難い。 行きずりの、"短期間での仕事仲間"という程度の間柄。 人となりなど、知れば知っただけ、"知らなければ良かった"という事も、起こりうるかもしれないのに。**] (94) 2022/07/11(Mon) 10:53:50 |
生物学者 アマノは、メモを貼った。 (a21) 2022/07/11(Mon) 11:38:29 |
【人】 生物学者 アマノ【研究室/いつかあったであろう日】 [つまり無意識の挙動なのか……と、宙空を見つめながら思考を巡らせているらしいスピカ >>103 をちらりと見やる。 そして、俺の中には存在しない"証"の概念が出てきた事に、今度はこちらがきょとんとする番だった。] ああ、なるほど。 スピカは、"自分が為し得た事"以外にも、人との繋がりも刻んでいきたい性質ということ、か。 [必要が皆無とまでは言わない。 けれど、半端なレベルでの他人との交わりにさしたる利点を見出すことができずにいた俺には、それはかなり新鮮な感覚に思われたし、彼女の情熱の源泉がなんとなくだが、理解できた気がした。] ────ふ、これは、"雑談"にあたるのかな。 楽しかったよ。 [オートクレーブも問題なく動いている。 本来の任務は管制官である彼女が、任務外の要件であまり席を長く空けているのも良くないことだろう。 今日は世話になったありがとう、と頭を下げ、でも、まあ、再び"お茶"に誘われたところで渋ることは今後も変わりないのだけれどな。**] (126) 2022/07/11(Mon) 14:38:52 |
生物学者 アマノは、メモを貼った。 (a24) 2022/07/11(Mon) 14:41:50 |
【人】 生物学者 アマノ【メインデッキに向かう通路】 [目の前のバーナード >>135 と、後に話に聞いたゾズマや怪我を負ったチャンドラらの状況を反芻するに、自分は相当に運が良かったのだと思う。 それは研究室内に機材を固定する為に壁面に貼った合金板によって時空音波の衝撃が和らいだという恩恵があったのかもしれないし、あるいは、単に俺がすごくその手のものに鈍感な体質だったというのもあったのかもしれない。 それもあって、目の前の男が言う「酔った」は、立ち眩み程度のものだろうと俺は合点してしまったわけだが、思いのほか、奴の状態は深刻だった。] や、もちろん待つが…………おいっ!? [立つのもやっとという風情のバーナードを見れば顔色は相当に悪い(悪いというか色が無い)し、心底、具合が悪そうで。 そんな彼を見て、一番に心配したのは脳や脊髄の損傷だったのは、ラサルハグ絡みでつい先刻まで人体構造の資料に当たりまくっていたからだ。] (143) 2022/07/11(Mon) 15:59:35 |
【人】 生物学者 アマノバーナード、お前、頭は打ってないか?首や背中は? [矢継ぎ早に問うたところでろくな反応は見込めないと解っていたから勝手に触る。 頭蓋の骨折、出血は無し。首と背中は立ち上がる動作が出来たということで優先度は数段下がる。] ────失礼。 [下瞼に触れながら眼球を覗き込めば、揺れや蠕動は認められなかったから眼球運動由来の吐き気でもなく、つまるところ、"乗り物酔いのとんでもなく酷いやつ"に分類して良かろうと思われた。 加えて障害物のないこの通路で、時空音波の衝撃をもモロに喰らったとなれば、無重力訓練の恩恵などほとんど得られなかったに違いない。] …………肩でも貸すか? [その程度の助力なら全くやぶさかじゃない。 俺は一応皆に連絡をと、携帯端末に俺とバーナード2人の居場所、俺は無傷なこと、バーナードは外傷なしだが体調不良のためすぐには動けないだろうことを入力して送信したのだった。**] (144) 2022/07/11(Mon) 16:01:18 |
生物学者 アマノは、メモを貼った。 (a31) 2022/07/11(Mon) 16:08:57 |
【人】 生物学者 アマノ【メインデッキに向かう通路】 [まあ、大丈夫は大丈夫だろうが。重症か重病か否かという意味では。] ……おい。 お前がそれする必要、ないだろ。 [ゴーストみたいな顔色で、子猫みたいな頼りない声量で、「動けない人、いるー?」とか >>155 、身体を張った渾身の冗談のつもりなんだろうか。 冗談でないのなら、純度100%の馬鹿としか思えない。 助けが必要なのはこちら側だと自己紹介して歩いているようなものだろうが。] お前が何よりすべきは、メインデッキに向かう事だ。馬鹿。 [その後必要ならチャンドラの元に引きずって行くからな、と言いつつ視線を巡らせれば────ゾズマの姿があった。 >>142 ] (166) 2022/07/11(Mon) 17:06:42 |
【人】 生物学者 アマノゾズマ! ────無事で良かった。 他の皆は? [問えば明確な答えが返ってくるだろう。 そも俺たちが"安否不明乗員"リスト人員であったこと、残りはサダルのみであること、ラサルハグが医務室からこちらに向かってくるついで、カウンセリングルームにも寄っているだろうこと。] なら、俺たちがすべきは、やはり"合流"だな。 [おら行くぞ、と若干言動が荒くなってしまうのは、なんだか見ていられない気分だったからだ。 "弱ったバーナード"という稀有かつ無様な姿を。**] (167) 2022/07/11(Mon) 17:07:40 |
生物学者 アマノは、メモを貼った。 (a37) 2022/07/11(Mon) 17:09:47 |
アマノは、どっから見ても問題ありあり、だ。馬鹿 (a42) 2022/07/11(Mon) 17:43:45 |
【人】 生物学者 アマノ【メインデッキに向かう通路】 [事ここに至っても、俺はどこか状況を楽観視していた。 俺は確実にこの船の乗員中最も"宇宙に疎い"存在で。 ゆえに、コールドスリープ装置が1台使えないということが何を意味するかも、計器の致命的な故障が何をもたらすのかも、本当のところは理解できていなかった。 だから目下、頭を過るのは、バーナードへのとっとと回復しろ馬鹿という、彼にとっては理不尽極まりない不条理な怒りと、まだ顔を見ていないラサルハグは無事なのかという心配と、そして研究室の検体やデータの無事。 それ以上の憂慮はするだけ無駄だと、あえて頭を回さないようにしていた。] (178) 2022/07/11(Mon) 17:59:18 |
生物学者 アマノは、メモを貼った。 (a43) 2022/07/11(Mon) 18:04:27 |
【人】 生物学者 アマノ……俺は、船の運航の専門家の声に従う。 [静かに意思を表明したが、でも、こうした事態になった場合、往々にして最後に残るのは責任者であり専門家であると相場は決まっている。 "入ることのできない10個目のコールドスリープ装置"の席を、ラサルハグは使命感からそれを望むのではないか。 俺が真っ先に思い浮かべた危惧は、自分の事より研究の事よりも、その事だった。**] (219) 2022/07/11(Mon) 21:12:18 |
【人】 生物学者 アマノ[知らない奴からの告白だったならば──そう、例えば乗り合いバスの運転手レベルの、とかな────、いくらでも詰ることができる。 今ここの段での謝罪告白など全く意味を成さない、なぜ万全を尽くさなかったのか、と。 第三者に責任を転嫁することは何よりも簡単で。 これは天災ではなく人災なのだという怒りは絶望だけに染まっていく心中をいくらか楽にはしてくれる。 でも、スピカはもはや、"知り合い"で。 本来業務とは離れた修理作業 >>0:265 を請け負ってくれた勤勉さを、俺には持ち得ない"証"──人を知りたいという欲──を持つ彼女を、俺は既に知ってしまっていた。 "お前は悪くない"とまでは、俺は言えないが。 "お前が悪い"とは、俺はもう言うことができない。*] (273) 2022/07/12(Tue) 5:37:35 |
【人】 生物学者 アマノ[いや、しかし、こう改めて聞くと >>274 、メカニカルな事は何も出来ず、医療分野の知見もほぼ皆無な俺に出来ることなど無いも同然だ。 ゲイザーがいない分? 洗濯はともかく料理を俺に任せると死人が出るが? 身体的な栄養素ではなく精神的な栄養素 >>27 という意味合いで。 宇宙船の運営機能面だけで言うなら、酸素と食料の無駄飯食い筆頭でしかない俺は早期にコールドスリープ入りすべきだろうし、本音を言えば"最後の1人"にはなりたくないという思いもある。 けれど、他の誰かを押し退けてまでその席に座りたいわけじゃない。 それもまた本音だ。 いや、それよりもまず、俺にしかできない事をしなければ、な。] (278) 2022/07/12(Tue) 6:11:58 |
【人】 生物学者 アマノ────わかった。 ゲイザーの代わりが務まるとは思えないが、力は尽くそう。 俺の事は雑用員として扱ってくれて構わない。 それと2時間、時間が欲しい。 これまでの取得データをシリコンROMに記録した後、機材の電源を落とす。 研究室独立の残りバッテリーを提供するから、活用してくれ。 そこそこは容量がある筈だ。 [それはつまり、研究活動凍結の宣言。 俺が死んでも、宇宙船が壊れることになっても。 そう、たとえ、爆発に巻き込まれたとしても。 特殊金属でコーティングされたシリコンROMは宇宙空間を長期間漂ったとしても容易には砕けない。 いつか誰かが拾ってくれるなら、この船での研究成果も無駄にはならない────なんて、砂の一粒に思いを託す的ロマンチスト嗜好は俺には無いが、それでもな。**] (279) 2022/07/12(Tue) 6:17:25 |
アマノは、ラサルハグからの視線を感じて、小さく微笑んだ。 (a56) 2022/07/12(Tue) 6:17:53 |
【人】 生物学者 アマノじゃあ、俺は行くぞ。 ────ああ、そうだ、チャンドラ。 そこの馬鹿の具合が相当悪そうだったから、診てやってくれ。 尋常ならざる乗り物酔いのようではあったが、脳や脊髄を傷めてたら悪いから。 [馬鹿、と言いつつバーナードを指し示した俺は、急ぎ足で研究室へ。**] (280) 2022/07/12(Tue) 6:23:20 |
【人】 生物学者 アマノ【研究室】 [独立電源で動いている機器は、事故後の今も静かに駆動音を響かせ、動作ランプを明滅させている。 ぱちん、ぱちん、と、俺はその1つ1つの主電源を落としていった。] ────もう少しで、"お前の家族"は爆発的に増えていくところだったんだがな。 [すまない、と囁きながら、"RUKKA-V"のラベルのついたシャーレをそっと撫でる。 それでも、足がかりは既に掴めた。 シリコンROMの記録に頼らずとも、己の脳内には研究成果の工程は失敗事例含め全てが刻み込まれている。 今回の事態で研究は一旦足踏み状態にはなるが、後退するわけじゃない。 生きて帰れさえすれば、いつでもまた前進できる。] (290) 2022/07/12(Tue) 9:07:40 |
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