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人狼物語 三日月国


76 【ネタRP】ナニやらシないと出られない!【事前ペアR18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【人】 小泉義哉

[遠ざかっては近づき、近づいては遠ざかるような
 酩酊した快楽の中、泥のように眠っていたらしい。
 散々交わったにもかかわらず、それでもなお足りずに
 彼女と絡み合う隠微なまどろみに沈んでいると
 香菜の手が甘えるように伸びてきて
 夢の底から掬い上げられた。>>16


 あぁ……そうだった。
 実際の方が、可愛い。


[目を細めて、満足げに香菜の頬に手を当て返す。
 同じぐらいかすれた声は、
 彼女の喉とは全く違う音質を持っていた。]
(18) 2021/06/13(Sun) 8:52:46

【人】 小泉義哉

[戸の隙間から、まっすぐな陽光が差し込んでいた。>>17
 部屋も日常とつながったようだ。

 ぐちゃぐちゃになった部屋着を身にまとい
「ジャングルだったらまたこの部屋に戻ろう」と笑いながらも
 一抹の不安を胸に戸を開けると、
 柔らかな木漏れ日が、二人の顔に降り注いだ。

 さわやかな若葉と土の香りが吹き抜けて
 部屋にこもった隠微な空気を清めていく。
 ジャングルとは言わないが、つながった先は林だった。

 戸から首を伸ばしてあたりをうかがってみるに
 自分たちは古い納屋のような建物にいるらしい。
 どうやら正門ではなく、裏口の戸を開けているようだった。

 といっても、この古びたちっぽけな建物の外観と比べ
 出られなかった部屋の内部は明らかに広く豪奢で
 いったいどのように次元が歪んで
 この部屋につながっているのか
 全く理屈がわからない。]
(19) 2021/06/13(Sun) 8:53:48

【人】 小泉義哉



 ……とにかく、外に出てみよう。
 建物からして、ちゃんと日本ぽいし……


[ぎゅ、と香菜の手を握りしめると、
 昨晩は溶け合ったはずの熱が
 ひんやりと冷めていることに驚いた。
 ふわ、と素足のままに柔らかい土を踏みつけて
 一歩、二歩と踏み出すと、背後で鍵のかかる音。
 振り返ると扉など無く、ただ壁があるばかりだった。
 その古びた木面には見覚えがある気がしたが
 その時は思い出せなかった。

 何も考えずに歩きだすと、さっそく彼女が転びかけた。]


 あ……そっか、ごめん。


[ようやく自分の短慮に気付き、違う歩幅を合わせながら
 まだ痛みが残るらしい腰に手を回して
 ゆっくりと建物の表に回った。]
(20) 2021/06/13(Sun) 8:55:54

【人】 小泉義哉

[建物を覆うように生えている林は
 正面に回ってしまえば中庭のように視界が開け
 建物からはまっすぐに石畳の道が伸びていた。
 道の先に鳥居を見つけて、建物を振り返り、
 思わず声がもれた。]


 あ。ここ……
 近所の神社>>0:14だ……

*
(21) 2021/06/13(Sun) 8:56:36

【人】 小泉義哉

[その時、雷に打たれたような衝撃が
 脳芯から爪の先までを駆け抜けた。
 今すぐに誓わねばならなかった。
 古くからこの地に根付く
 神々の住まうこの神社で。]
(22) 2021/06/13(Sun) 10:45:13

【人】 小泉義哉



 香菜、


[つないだ手を両手で包み、気づけば恭しく跪いていた。
 朝露を含んだ若葉が陽光を乱反射させながら香菜の頬で踊り
 朝日を取り込んでますます活々と赤みのさした髪の毛は
 少しもつれて汗ばんで額ぎわに貼りついていた。
 自然、見下ろすような姿勢になった大きな美しい瞳が
 やわらかい木漏れ日ともに自分に注がれるのに見惚れていた。

 その瞳に映し出される感情を読み取ろうとするうちに
 男の目には哀願というよりも
 ある激しい感情の涙が薄く宿った。
 男の心の中の一番奥深いところがけがされないまま
 ふと目から覗きだしたかのような光だった。]
(23) 2021/06/13(Sun) 10:45:55

【人】 小泉義哉

[名前を呼びながら、何から言えばいいのかわからずに言葉が詰まる。
 雄弁な舌を持たぬ男は、たどたどしく
 ただごまかしのきかない強い想いを胸の奥から拾い上げた。]


 その……俺、本当に詰まんない男で。
 傷つけたいとか、そんな気持ちは全くなくても
 今までだって、香菜を一人で苦しませてきたし、
 順番もすっ飛ばして昨日みたいなことして、
 さっきも、香菜の体がしんどいのとか頭から抜け落ちてて。
 少し考えればわかるような人の気持ちを察するのが苦手で
 そういう能力があれば、
 もっと香菜を傷つけずにすんだのにって思う……


[肌を重ねたとき、一つになったというあの陶酔は
 一晩明けて日常に戻ってみれば
 ただ一夜の夢だったのだと突き付けられた。
 同じものを食べ同じように美味いと言い
 同じものを見て同じようにじっと見惚れ
 同じものを聞き同じように耳を傾けていても
 内に生ずるものは違う。

 香菜と自分は、似通っている部分があっても
 髪の毛一本に至るまで全く違う人間だった。]
(24) 2021/06/13(Sun) 10:47:52

【人】 小泉義哉



 絶対に傷つけない、って言いたいけど、そんな力は無くて。
 大切にしていても、香菜を傷つけるようなこと、
 これからもやっちゃうと思う……


[二度と傷つけない、と誓うには、年も分別も重ねすぎていた。
 できないことは、誓えない。

 弁当屋の常連の言葉>>0:153の意味が、今ならばわかる。
 しかしそれは彼女が秘めてきた想いの一部を知ったからこそ。
 未だ知らぬ心は当然のように香菜の心に隠されていて、
 香菜の全てを理解することなど一生できない。
 それは香菜にとっての自分も同じこと。]
(25) 2021/06/13(Sun) 10:48:48

【人】 小泉義哉



 正直言って、それがすごく怖いんだ。
 好きだから傷つけたくないって思うし、
 俺と一緒にいることで傷つけてしまうなら、
 無理して一緒にいない方がいいんじゃないかとも思う……


[これまでうまくいかなかった交際だって
 決して敵意があって一緒にいたわけじゃない。
 ただ、覚悟が無かったのだ。
 だから少しでも陰が差すと、すぐに嫌になった。]
(26) 2021/06/13(Sun) 10:50:04

【人】 小泉義哉



 だけど、香菜を傷つけても、俺が傷ついても
 それでも一緒にいたい。
 香菜の好きなこと、嫌なこと、
 俺自身も気づいてなかったうれしいこと、されたくないこと、
 そういう一つ一つの経験と失敗を積み重ねて、
 時々ままならなくて衝突しながらでも、
 少しずつお互いの心地良さを探って
 同じ時を共有したいって……
 我儘だけど、そう思うんだ。


[すべてを捧げたいのに、自分は何も持っていない。
 道端に咲く一輪の花を手折ると
 茎でくるりと輪っかを作り、彼女の左手の薬指に触れさせた。]
(27) 2021/06/13(Sun) 10:51:09

【人】 小泉義哉

[その指を引くか、挿し入れるかは彼女次第だ。
 指輪に咲くタンポポが、
 男の震えに従って、揺れた。]**
(28) 2021/06/13(Sun) 10:52:33

【人】 小泉義哉

[告白を、香菜はじっと見つめていた。>>39
 気づかぬうちに葉先に朝露が宿るように
 彼女がどの瞬間に瞳を潤ませた>>40のか分からなかった。
 ずっと見上げていたにもかかわらず。

 そうして、彼女は、答えた。>>41

 一緒にいてで傷つけてしまうぐらいならば
 離れてしまった方がいい。
 それは一つの真理ではあるが
 男は判断が厳しかった。
 
 臆病な心の奥をぴたりと言い当てられた気がして
 それでもなお、受け入れてくれるのだと
 まるで行動で示すように
 彼女が幸運の花を摘む。>>41]*
(44) 2021/06/14(Mon) 6:25:11

【人】 小泉義哉

[彼女が言葉の粒を降らせるたびに
 男の口の端が震えた。
 喜びで。安堵で。感動で。
 
 そうして二人は、野に咲く花で未来を誓う。

 ぽろ、と溢れる感情が頬を伝う。
 朝日の中、全く違う顔が、同じように笑っていた。>>43
(60) 2021/06/14(Mon) 21:22:28

【人】 小泉義哉


[香菜。俺の愛しい香菜。
 いつも見守ってくれた香菜。
 いつも笑ってくれた香菜。
 たくさん待たせてごめん。順番も道筋も出鱈目でごめん。
 香菜がいくら傷ついていない、大丈夫だって言っても
 やっぱり俺はつい「ごめん」と言ってしまう。
 どうしても不思議なんだ。
 いつでも胸を張っていて、まっすぐ前を向いて、
 頼りになる香菜が、うじうじした俺を選んでくれたのか。

 家は、俺は香菜がいてくれればどこでもいいんだけど。
 そうだな、香菜は陽だまりの中にいるのが似合う。
 花のことだって何もわからないけれど
 たんぽぽとシロツメクサの季節になったら
 家の中で、思い出話に花を咲かせたい。]
 
(62) 2021/06/14(Mon) 21:24:21

【人】 小泉義哉

[俺、結婚って夢とか憧れじゃなくて、
 けじめだと思ってた。
 だけど、あの神社の中で、朝日の下の香菜を見た時、
 朝目覚めた時に隣にいてほしいし、
 夜寝る前に会話をするのも香菜がいい。って……
 それが叶うなら、これ以上の幸せは無いって……
 そう、気づいたんだ。

 俺の奥さん。プロポーズを受けてくれてありがとう。
 願いを聞き入れてくれてありがとう。
「今更たんぽぽサラダで満足できる?」なんて冗談言ってたのに
 ささやかなたんぽぽの指輪を受け取ってくれた香菜。

 欲を言えばもう一つ、甘えさせてくれないか。
 見たいんだ。香菜の花嫁姿が。
 香菜の美しさに負けない装いを、
 次の休みに探しに行こう。]**
(63) 2021/06/14(Mon) 21:25:35

【人】 おむこさん 小泉義哉

[仕事を終えて「もりや」に顔を出すと
 唐揚げではなくキスで迎えられた。>>58
 いくら関係性が変わったとはいえ
 さすがに店の中で口づけを送られるとは思っていなくて
 虚を突かれたような顔をした後に
 照れくさそうに笑う。]
(65) 2021/06/14(Mon) 21:47:24