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人狼物語 三日月国


215 灰色うさぎと紫うさぎの雨宿り

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【人】 オルテイシア

[入ってすぐ一番に、あの人の姿を探してしまう。
 背も高い人だから、フロアに居ればすぐに分かる。

 姿を見つけて、接客中だということに気づいたら、
 今はすぐには声をかけずに。
 そうしていたら、すぐに顔見知りのスタッフが
 気づいてくれただろう。]

 
  フーくん、こんばんは。
  もうすぐ、お店終わりそう?


[唯一年下であるスタッフの姿が見えたら、
 ひらひらと手を振って挨拶を。……しながらも。

 今日は、なんだか、女性客多くないですか?
 と、気になる質問は飲み込んで。*]
(6) 2023/06/16(Fri) 21:04:50

【人】 イウダ

[ベルの音でわかるようになった。
――と言えたら良いのだが。

「来る」とわかっている日はその時間帯の予測込で当たる
ことも多いが、そうではない時には仕事への集中も相俟って
気づかないことが往々にしてある。

それでもその声は店内が騒がしかったとしても聞き逃さない。>>6
声を掛けられた同僚から、水のサーブの役を奪って。]


 雨が酷くなって電車が止まりそうなんだと。
 だからそろそろ店じまい。


[彼女に敬語を使わないのは以前から。
客である以前に中学生の時からの知り合いなんだと
知っている客は多い。
「それ以上」であることは特に吹聴はしていないが――

何せプロポーズも店内でした男だ。
此方の情報もそれなりに知られているだろう。]
(7) 2023/06/16(Fri) 21:31:15

【人】 イウダ


 
傘、持って来てくれたんだろ?サンキュな。


[遅い時間に彼女が態々来てくれた理由は察しがつく。
ただ、まだ自分は「店員」の顔をしていないといけないので
礼は小声に留めた。

客の中には知らない人もいる卯田の恋人の存在は、
店長を始め同僚には知れ渡っている。
こんな天気だ、閉店業務の間にバックで待ってもらうくらいの職権はお目溢しして貰える筈。]
(8) 2023/06/16(Fri) 21:36:20
村の設定が変更されました。

【人】 オルテイシア

[接客中の彼の視線が、一瞬此方に向いたような気がした。
 元ホール担当だけあってドアベルの音には
 敏感なのかもしれない。
 それが自身への意識が向いているものだとまでは気づかない。
 けれど彼はいつも、すぐに私のことを見つけてくれる。

 話し終えた彼が近づいてくるのが見えたら、
 自然と表情は糸が瞬く間に解けるみたいに綻んだ。
 
 おつかれさまです、と労いの言葉を添えてから。]


  わ、電車も止まりそうなんですね。
  確かに、すごく降ってて、
  レインブーツじゃないと足元も濡れちゃってたかも。


[足元を見せるようにスカートを少し持ち上げれば膝が見える。
 その下はベージュのレインブーツだ。
 歩けばキュ、とイルカみたいに鳴く。]
(9) 2023/06/16(Fri) 21:59:11

【人】 オルテイシア

[潜められた声には、ゆるく首を振った。]


  ……ううん、迎えに来たかったから。


[こちらも声を少し潜めて、笑う。
 電車も止まる程の雨なら店じまいにもなるだろう。
 
 こんな雨の中、こんな時間に店に訪れる客に、
 先程、彼と話していた客の視線が刺さる。

 なんだか、視線が鋭いような。
 少し居た堪れないながらも、
 気になるのはこちらも同じで。
 彼の背中越しに見える人影に時々視線を向けながら。]


  えっと、店じまい、だったら。
  もうすぐ終わりそうですか?

  何か飲み物頼んで、
  閉店まで、ここで待ってますね。


[閉店まではお店に居て、眺めていたいなんて。
 言ってもいいのかな?*]
(10) 2023/06/16(Fri) 22:00:02

【人】 イウダ

[ファッションに疎い卯田は、着道楽の紫亜とつきあって初めて
「長靴」以外に水を弾く靴があることを知った。
今日見せてくれたベージュのレインブーツなど、
雨の日の、それも夜遅くに恋人を迎えに来る為だけの外出でも
気も手も抜かないところが愛おしい。
見つめる瞳が「ふ」と一瞬恋人の甘さを帯びる。]


 万全の支度だな、流石。


[卯田の方は普通の靴だから、帰ったら干す羽目になるだろう。
こういう事態に備えて今後は店のロッカーに長靴を置いておくべきかもしれない。]
(11) 2023/06/16(Fri) 22:13:40

【人】 イウダ

[嬉しい、と呟く声までは小さく。

女性客の視線には気づかない振り。
今いるのが紫亜の前でなくとも、
女性客から他の客に向けた嫉妬の視線を受けるのには覚えがある。
振り返ったりフォローしたりするのは
相手に気を持たせることになるからしないのが卯田のモットーだ。

多くの客に対し気安い態度で接する店員だが、
特別扱いはたった一人にだけ。]
(12) 2023/06/16(Fri) 22:13:59

【人】 イウダ


 そう、いつまでもオーダー取って
 お客さんが帰れなくなっても困るだろ?

 何飲む?
 雨で身体冷えてるならホット?
 ホットが熱すぎるならアイスにならない程度に冷まして提供しようか。


[食事を頼まないのは、もう食べた後だからだろう。
一緒に住むようになって、賄いを遠慮することも増えた。

今日の飯は何かななんて内心は顔に出さない。
料理が好きで生業にしていても、
恋人が作ってくれる料理は格別に美味いのだと
日々噛み締めている。*]
(13) 2023/06/16(Fri) 22:14:15

【人】 オルテイシア

[足元に落ちていく視線が濡れたレインブーツを捉える。
 顔を上げた瞬間、レンズの奥で瞳が緩んで弧を描く。
 その不意の微笑みにどきりとした。

 お付き合いしてからも、同棲してからも。
 それなりに月日は経ったというのに、
 未だにそんな一瞬、一秒に心を奪われる。

 褒め言葉にはにかんで、此処が店内でなく家ならば、
 お披露目するみたいにくるりと回ってみせたかもしれない。]


  ……えへ、実は使い所を考えてました。


[ちょん、と舌を出して悪びれずに笑う。
 もちろん、迎えに来たかったのが一番の理由。
 プラスアルファ、着道楽故にあまり出番のない
 レインブーツを履いて見てほしかったのも理由の一つ。

 彼の前ではいつでも愛らしくありたいから。
 そう、思わず手を伸ばしてしまいたくなるくらいに。
 ……なんて。
(14) 2023/06/16(Fri) 22:50:21

【人】 オルテイシア

[足元のお洒落は彼も拘っているのを知っている。
 愛用のウィングチップの革靴は、生憎の雨だと
 濡れてしまうだろうから、
 帰った後は念入りに乾かさないといけない。
 また、彼と一緒にこの店で活躍してもらう為に。

 返ってきた呟く声に、首を竦めてくすりと笑う。
 素直にそう告げられたら、緩む表情は解けたまま
 カウンターのスツールに腰を下ろした。

 向いていた視線の間に彼の身体が割り込めば、
 彼にしか目は映らなくなってしまうから不思議だ。

 彼には私特有の吸引力でもあるのかもしれない。]


  ふふ、そうですね。
  かといって無理に急かさないところも、
  SASANKAらしいです。


[居心地のいい店だということは、いつしか常連を
 名乗れるようになった自身からも口に出る。]
(15) 2023/06/16(Fri) 22:50:33

【人】 オルテイシア


 
  んー……温かいの。
  じゃあ、リンゴジュースの温かいのってありますか?


[猫舌気味なのはすでに知られているから。
 冷ましたものをもらえるのなら重宝してしまう。

 ちなみに今夜の食事は、常夜鍋を用意している。
 食事は別々に取ることもあるけれど、
 休みの前の日などは、いくら遅くなっても。
 彼とともに食卓を囲むことを優先している。

 その分、身体を動かす必要も増えたのだけど。
 幸せを噛み締めることに比べれば些細なものだ。*]
(16) 2023/06/16(Fri) 22:50:48

【人】 イウダ

[傘を持って迎えに来るという行為が「恋人の為」だけではなく
彼女のレインブーツの「使いどころ」になったと思えば、
微かに漂う風呂上がりの余韻を切り上げても来て貰ったという
罪悪感を減らせるし、きっとそれを計算に入れていないだろう
ところがますます愛おしい。

ホール専属の頃は店内ではサングラスを掛けていなかったが
キッチンに戻ってから、つまり紫亜をただ一人の特別な女の子に
想うようになってからは少しだけ色のついたサングラスを
掛けるようになった。
どうしても隠せない感情のフィルターとして重宝している。]


 似合うよ。


[仕事中でなければ衒いなく「可愛い」と褒められたのだが。
その言葉はもう数十分後まで取っておこう。]
(17) 2023/06/16(Fri) 23:17:45

【人】 イウダ

[紫亜の身体を無遠慮な視線から隠すような位置に立つ。
勿論、調理を始めたらずっとその場に立っている訳にはいかないけれど、
せめてオーダーを取り終えるまでは。]


 提供している環境も含めて「料理」だから。
 俺らを信頼してオーダーを預けてくれてんのに、
 急かしたら美味さも落ちるだろ。

 ん、リンゴジュースな。
 シナモンは入れるか?

 
(18) 2023/06/16(Fri) 23:18:12

【人】 イウダ

[料理の隠し味に使ったりもするからリンゴジュースはパックのものが置いてある。
それとは別に、オーダーとして取るならリンゴから直接作るのがこの店だ。

リンゴの種を取って一口大に切るとミキサーへ。
皮も舌触りが気にならない程に細かく出来る業務用のものだ。

酸化防止にレモンの搾り汁を入れて、スイッチを押す。
出来たジュースは小鍋で煮る。
シナモンがOKならここで足す。

熱したジュースをボトルに入れて氷水を張ったボウルで冷やすと同時に
様子を見ながら氷を足す。
薄くならないように、その氷はリンゴジュースを凍らせたものだ。]
(19) 2023/06/16(Fri) 23:18:26

【人】 イウダ



 お待ちどーさま。
 ぬるめのリンゴジュースです。

 クッキーはサービス。


[グラスの横に小皿に乗せてうさぎが2匹。
この時間にクッキーはカロリーの塊ではあるが、
もし紫亜が食事を待ってくれているならば、
何か固形物を入れておいた方が良いかと。

運動は――この後たくさんする予定だ。*]
(20) 2023/06/16(Fri) 23:19:13

【人】 オルテイシア

[光に少し弱い彼の瞳を覆うレンズ。
 外に出るときは当たり前のように其処にあったけれど、
 お店でも掛けるようになったのはいつからだったか。
 一緒に暮らし始める頃には、掛けていただろうか。

 もし、その理由を本人から聞く機会があるならば、
 両手で顔を抑えて卒倒してしまいそうだけれど、
 残念ながら、今のところは耳にしていない。

 代わりに毎日のように送られる、可愛い、は。
 少しずつ、ほんの少しずつ笑う余裕が出てきたものの、
 未だに照れてしまうから困る。

 ほら、今だって。そんな些細な一言に。]


  あ、……ありがとうございます。


[そう応えて、仄かに汗ばんだような気がした
 頬を手扇で仰いで見せたりも、した。]
(21) 2023/06/16(Fri) 23:58:41

【人】 オルテイシア

[すっと翳る影に改めて身体の大きさを感じながら、
 座席に座った分だけ、見上げる角度もいつもより高い。
 
 ほんのちょっとだけ近づいたせいで、香る彼の匂い。
 自宅で洗濯物を干した時と同じそれにまた、どきりとした。


 邪な考えを振り払うように声に意識を傾ける。]


  はい、だから通いたくなるんですよね。
  ついつい居座っちゃう。


[くすくすと笑って誤魔化した後、一瞬の間。

 
ちら
、と上目遣いに覗く瞳にほんの少しだけ。
 触れたくなって、触れられたくて。
 おねだりする色が混じってしまったかもしれない。



  ……はい、お願いします。


[伝わらずに問いかけられたなら、なんでもない。
 と、知らない素振りをしてまた誤魔化しただろう。]
(22) 2023/06/16(Fri) 23:59:40

【人】 オルテイシア

[SASANKAはドリンク一つにも手を抜かない。
 カウンターの向こうへと渡った彼の手元を、
 いつものように眺めて出来上がりを楽しみに待つ。

 少し、やっぱり少しだけ気になって。
 先程向けられていた視線を辿れば、彼女も
 また同じように彼の姿を見ていただろうか。
 
 モテることは知っている、知っているけれど。
 改めて意識している女性がいることを知れば、
 共感めいた気持ちと、少しだけもやもやが募る。

 大事にしてくれていることは、十分に。
 十二分に分かっているけれど。

 あの子が彼を見つめることすら、
 もやもやしてしまうこの感情は、
 独占欲、というものなのだろうか。] 
(23) 2023/06/17(Sat) 0:00:17

【人】 オルテイシア

[まとまらない思考を回転させている間に、
 ことことと煮込まれる甘い蜜のような色。

 ことりと温めに作られたジュースが眼の前に
 置かれたら傍にはかわいいうさぎが鎮座していた。]


  わぁ……、かわいい。
  ここにもうさぎさん!

  写真撮っても良いですか?


[返事を待ちながらスマートフォンを取り出す。
 付き合う前からフォルダに埋まり始めている、
 店内の内装やお皿に隠されたうさぎたち。

 今やうさぎの姿を見かけるたびに、
 写真を撮るようになってしまって、
 それは店内に留まらなくなり始めていた。

 うさぎに気を取られてしまって、
 彼の心に潜んだ、運動のことは
 この後、身をもって体感することになる。*]
(24) 2023/06/17(Sat) 0:01:12
オルテイシアは、メモを貼った。
(a0) 2023/06/17(Sat) 1:17:00

【人】 イウダ

[卯田からの賛辞にそろそろ慣れてくれても良いとも思うが。
手扇で扇ぐ仕草もまた可愛いので慣れないでいてほしい気持ちも少し。

近づけばつい二人きりの時の感覚になりそうで
自分を戒めるのが大変だ。
洗濯好きの紫亜が卯田の服の香りを意識すると同時、
卯田の方は彼女の髪から香るいつものシャンプーの香りを意識している。

上目遣いは狡い。
触れそうになる指が空を描いてテーブルでたたらを踏んだ。]


 もう少し、待ってな?


[ジュースを、と取れるような。
「おねだり」に対する答えを。]
(25) 2023/06/17(Sat) 16:23:48

【人】 イウダ

[店内に客はまばら。
タクシーの配車を希望する客に対しては手の空いたスタッフに頼んで
紫亜のジュースを作る。
家の近いスタッフばかりだから、先に帰さないといけない者はいない。]


 もちろん、美人に撮ってやって。


[クッキーに美人も何もないのだが。
紫亜の前で女性客に絡まれているのを見られているので、
少しでも気分を明るくしてもらいたくておどけてみせた。

店外にいるうさぎに話しかける癖は
彼女と恋人になる前から知っている。
うさぎモチーフを喜んでもらえるから、
おかげで何かを買う時にはつい目で追うようになってしまった。]
(26) 2023/06/17(Sat) 16:24:08
イウダは、メモを貼った。
(a1) 2023/06/17(Sat) 16:25:55

【人】 オルテイシア

[彼の陰に覆われる感覚が好きで。
 その時、どうしても。
 手を伸ばしたくなる衝動を抑えてしまう。
 
 彼も同じならばいいのに。と、考えてしまう程。
 頭の中はいつも彼のことばかり。

 だから微かな匂いすら感じ取ってしまうのかもしれない。
 洗濯物の香りが知らないあの子を牽制していればいい。
 自身からも香り立つシャンプーの花の匂いが、
 彼を惹きつけていることに気づけていれば、
 そんなわがままな考えも思いつかなかっただろうけれど。]


  ……うん。



[待て、をされたのはジュースの話だろうか。
 それとも。
 返せた言葉は、つい敬語を忘れてしまうものだった。]
(27) 2023/06/17(Sat) 17:50:28

【人】 オルテイシア

[写真の許可を貰えたら、カメラアプリを起動する。
 美人と評されるクッキーにくすくすと笑って、]


  はい、可愛くしちゃいますね。


[昨今のカメラアプリは写真に撮るだけでなく、加工も立派だ。
 カシャリと音を立てて温まっているリンゴジュースと、
 傍らに潜む二匹のうさぎを画面に収める。
 角度を変えて、何枚か撮った後。
 フォルダを確認してちゃんと撮れているかを確認する。
 
 保存されたうさぎフォルダとは別に、
 ネクタイのマークだけが記されているフォルダには、
 こっそりと集めてきた彼の写真と、もう一つ。

 画面は天井を映し出したまま、音声だけが流れ続ける、
 いつかの二人がベッドで過ごしたデータが、
 消せない状態のままで残っている。
(28) 2023/06/17(Sat) 17:51:45
オルテイシアは、メモを貼った。
(a2) 2023/06/17(Sat) 17:57:16

【人】 イウダ

[すべて欲しいと思う気持ちはあれど、
卯田は恋人のスマホを覗いたことはない。
だから、撮っている場面を見たもの以外に
そのフォルダに入っている写真や動画の存在を知ることはない。

天井を映したデータについて、は――――**]
(29) 2023/06/17(Sat) 21:58:46
村の設定が変更されました。

【人】 カノン


 ご馳走様。
 や〜ホント雨やばいね。
 客が居座ってちゃ店にもメーワクだから
 早く帰ってあげなきゃね。

[まだ席に座る紫亜を一瞥して、女性客が退店する。
あからさまな嫉妬の視線。]


 この分じゃ物流も止まりそうだね。
 明日は臨時休業かな〜。**
(30) 2023/06/19(Mon) 21:00:02

【人】 イウダ



 ……紫亜はバックで待ってな。
 ヤな想いさせて悪かったな。

[女性客の退店の後、そっと近づいてフォローの言葉を。
相手が自分に好意があるのだろうとは思っているが、
客としての振舞いに問題がなければ自分は表立って
紫亜の肩を持てないのが勤務中の店員の辛いところである。*]
(31) 2023/06/19(Mon) 21:02:45

【人】 オルテイシア


[聞こえるような大きさで響いた言葉。
 その声に意識を向ければ一瞬視線が絡まった。
 温度の高い鋭さに、

 ああ、やっぱり。
 彼女も好きなのかな。

 と察せるくらいには、鈍くはなかったけれど。
 お店にメーワクなのは確かなので、
 まだ残っているリンゴジュースを見つめて俯いた。]
(32) 2023/06/19(Mon) 22:05:34

【人】 オルテイシア

[気遣うように掛けられる声が、
 そんな落ちた視線を持ち上げる。]


  ……ううん、大丈夫。


[少しもやもやがない訳じゃないけれど。
 まだ幾人か残るお客様と、お世話になっているスタッフと、
 それに彼の立ち位置を悪くはしたくないから、
 その場では良識のある女性の素振りをして、笑ってみせた。

 残りのリンゴジュースを飲み干して、
 空になったカップを置いてスツールを降りる。]


  じゃあ、ちょっとだけ、
  待たせてもらいますね。


[そうして、閉店準備に取り掛かり始める
 スタッフの間を、挨拶を交わしながら抜けて、バックヤードへと。*]
(33) 2023/06/19(Mon) 22:06:07