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【人】 冷たい炸薬 ストレガ【街中】 「いつもの」「はいよ」 少女の端的な注文と、店員の端的な接客。 騒がしく響くファンファーレより、 今の気分はもっとしっとりした音。 午前の仕事が終わったら、 アンティークショップでも見に行くか? そんな事を考えながら、レンガの壁に寄りかかり。 1分と20秒のあと、移動屋台のアイスコーヒーを啜る。 「……移動10分、調査10分、修理40分。 余剰とトラブル用に30分。楽なのだったらいいけど」 スマホのアラームを1時間と、1時間半後にセット。 石畳をごつごつ踏み鳴らしながら歩いていった。 (3) 2022/08/08(Mon) 22:11:57 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ【街中】 大きな大きなため息を零して、寂れたオフィスから出てきた。 スマホを取り出し、アラームをクビにする。 「……移動に10分、調査に20秒。修理にワンボタン。 楽であれとは言ったけどさ」 本日の表の仕事は実にあっけなく終わりを告げたようだった。 「もう自称エコロジストの相手は二度としないと決めた」 火急だというから朝から出向いたら、 『クーラーは27度』とか書いた紙が貼られたバカの巣窟で、 挙句に環境がどうこうと聞いてもいないスピーチを 始めそうだったので無視してサーバールームを覗いてやれば、 そこだけ地獄の窯の底だったのだ。 ストレガは全室空調の温度を18度にし、 風力を最大にした後、喚き始めた男の顔を よくよく熱されたサーバーの側面に押し付け、 のたうち回る男の財布から適正報酬…… よりはちょっと多い『勉強代』を取りあげ、 「毎度」と言ってオフィスを出た。 そして、1時間強空いた予定を何で埋めるか、 ぼんやりと街並みを眺めながら考え始めた。 (13) 2022/08/09(Tue) 0:28:02 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>15 ツィオ 【街中】 声を掛けられた瞬間、その声色に追加でため息を零した。 多くの女性が心奪われながら出す音とは別の、 要は先程サーバーで焼いた豚肉相手のそれと同じ音。 「30秒」 「あんたが今の一瞬で浪費したあたいの自由時間だ。 請求は今度する。それと、お・こ・と・わ・り・だ。 今のが返事。それに――」 つれない返事と共に、今日は機嫌が悪いようで。 氷のような表情そのまま、胸倉を掴もうと手が伸びる。 「今天国に行くってのは中々悪いジョークだね。 ちょっとは時勢ってモンを考えな」 呟くように、ドスのきいた声を投げつけた。 (24) 2022/08/09(Tue) 10:51:30 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>25 ツィオ 「ゴミ捨て場に転がってる汚い男でも 同じ時間が流れてるよ、アプローチならそっちにしな」 少なくともあたいよりは喜んで受けるだろうよ、と 2度目のため息と共にブーツが動き出す。 「詫び入れるくらいなら最初からすんな。 それにツラと言葉に『ウソ』ってデ〜〜〜〜ッカく 書いてあるような奴とメシ食う気はないよ」 後ろ手にBye. とする代わりに、中指を立てて。 追いかけないなら、次に会うのはきっとファミリーの場だ。 (27) 2022/08/09(Tue) 18:59:11 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>a8 レヴィア ブーツの音を幾分控えめに、グラスハープの音色の元へ。 いかにも店先で興味を惹かれました、という具合に、 静かにその店へと踏み込んだ。 「いい店構えね」 "裏"での普段の態度からして、 そうそう話しかけられたいタイプでもあるまい。 一言の後は軽く手を挙げて気にせずどうぞと促して。 のんびり品物を眺めはじめた。 さて、どんなものが置いてあるだろう。 (29) 2022/08/09(Tue) 21:38:21 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>32 レヴィア 「あんたが考えるあたいと違って、 実際のあたいはここに好みのモノが多いんだよ。 それに、分解する時は修理する時だ。 生きてる時計をただ解体するのは趣味じゃないね」 優秀な同僚の言に、機嫌を損なった訳でもなく応える。 視線が一瞬そちらに向いて、すぐにアンティークに戻った。 背中を向けたままに、あれやこれやと眺めつつ。 「強いて言えば、入店と同時に好きなモノが一つ消えたね。 また出して貰いたいんだけど」 ファンファーレよりこの店の音を好んでいるらしい。 歓迎だけでは足りない、無関心が立てるそれも含めて。 (33) 2022/08/09(Tue) 22:37:04 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>36 レヴィア 「知ってる。あんたがあたいに興味持ってたら世も末だ」 「ま、時計には軽い口も脂ぎった肌もないからね」 そういう性質だとわかっているから、怒る事もない。 こっちも同じ風に返せばいいんだから随分楽なものだ。 それこそ、普段から機械と会話している女だから、 多少冷たいくらいが丁度いいのかもしれない。 「どうも」と再演と言葉には小さく返し、 あなたと違って荒れた手先がアンティーク家具をなぞる。 なんとなく、触れる家具はどれもファミリーのアジトの、 そこにあるものに似たようなものを。 僅かに悼むような表情を浮かべて。 甲高い鎮魂歌に合わせて、店内を静かに見てまわる。 人差し指と中指を足に見立てて、家具の上を手が歩く。 ランプのある一角で足と手を止めると、 その仄灯りを放つひとつに目を留める。 鈴蘭のような形のテーブルランプだ。 「作業のお供に悪くないかもね。買うなら幾らになる? あと、電球の替えもあるかな」 視線はランプのまま、そう投げかけた。 (38) 2022/08/09(Tue) 23:39:15 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>41 レヴィア 「血を被るよりは楽だと思うけどね」 傍から見れば一触即発、当人達は何も思わず、だろうか。 見られるだけでは、手元も足元も狂わない。 それで狂うなら修理屋もマフィアも務まらない。 なにせ、これであなたと同格なのだ。 「ふうん。安く感じるね、買ってくか。 替えは……まあ必要になったらで――」 そんな風に口にした所で、問いかけひとつ。 意外そうに片眉を上げながら、 首を捻れば海色が夕闇と絡まった。 「そういうあんたは?」 睥睨するような、或いはいつもと変わらない、視線。 (42) 2022/08/10(Wed) 0:31:42 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>53 レヴィア 「そりゃいいね。その他諸々の手間を考えなきゃだけど」 被るまでと被った後の事を考えたくはない。 幾ら烏達がいるとはいえ、だ。 ワレモノ注意の箱詰めくらいしてくれる?と、 肩を竦めながらカウンターに寄っていく。 「生憎人間を見る目は養ってないんだ、店主さん。それにね」 「この年でこの地位に居る時点で、あんたも十分馬鹿だよ」 口の端を僅かに上げて、100ユーロ札を目の前に置いた。 「ああ、質問に答えてなかったね。 悲しいけど、泣き崩れる程じゃない。 でも悼む気持ちくらいはあってもいいでしょ? 馬鹿騒ぎに混じる気分じゃない程度に堪えてるけど、 落ち着いた雰囲気の店には居たい程度に平常さ」 どう?満足のいく答えだったかい? そう聞く頃には、いつものへの字口がそこにある。 (54) 2022/08/10(Wed) 11:39:22 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>61 レヴィア 「そ、お互い様だよ。Piccolina.」 手慣れた梱包を見下ろす視線で、 "感情豊か"に今度こそにんまりと笑う。 「また来る。明日か……早ければ今夜。 アンティークを買うには今の手持ちは少ないんでね」 受け取ったおつりを雑にポケットに押し込み、 押し込むのとは逆に丁寧に箱を持ち上げる。 流石にウインクのような気の利いたものはなく、 ごつ、ごつと床と石畳を叩く足音が遠のいていった。 (68) 2022/08/10(Wed) 21:37:40 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ【街中】 作業の休憩がてら、表通りに出てきた。 休憩とは言っても脳味噌は予定と対処の計画で一杯だ。 適当な屋台で何か買うか、と視線を巡らせながら、 今日も冷めた目で人混みを見ていた。 (69) 2022/08/11(Thu) 1:23:35 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>70 リカルド その姿を認めた瞬間、ええ……という風に眉をひそめた。 大概こちらの表情も祭を楽しんでる様子ではないのだが、 少なくともスーツ姿で仏頂面はしていない。 屋台のアイスコーヒーを受け取り、呆れ顔で近づいていく。 「あんたとお友達みたいに以心伝心じゃないんだ、 目で訴えられても困る。用件でも?」 黒い泥水をストローで啜りながら、肩を竦めて見せた。 (72) 2022/08/11(Thu) 1:54:41 |
ストレガは、電話以外でも修理依頼を請け負う事はままある。 (a20) 2022/08/11(Thu) 1:55:25 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>73 リカルド 「祭の日に表通りに出て、祭りの参加以外になにすんのさ」 あなたの上から下までを眺めて、目を細める。 それこそ目で訴える言葉は、"何してんだこの同僚"だ。 「ま、あたいは作業の休憩だけど。 ……"それっぽく"したいならもうちょっと 酒の匂いでもさせなよ、じゃなきゃお友達とつるむとか」 あまりにもあまりな様子に、思わず普段出ない アドバイスのようなモノまで出る始末。 これの言う作業はどちらの作業かはわからないが、 「メンテナンスね。やるなら早めに話を持ってきな、 あんたのとこの奴は特に手間がかかるんだ」 狙撃銃という繊細な物の扱いなのは承知しているようだった。 (74) 2022/08/11(Thu) 2:28:32 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>75 リカルド 「歩き飲みでもなんでも好きにすりゃいいだろ…… 匂いさせたいだけなら安物の服に酒振りかけて歩くとか、 酒じゃないにしても屋台のモン一本持つとかさあ……」 真面目な男の空回り、その現場を見るのはなんとも言えない。 歯車がかみ合わない時計を見てる気分だ。 それが同組織の、未来を担う幹部候補様となればなおさら。 だからワインを1本寄越されて、また呆れた視線が向く。 「……なあ、あたいは作業の休憩って言ったよな? って事はな、つまりまだ作業が残ってるんだよ。 どこの世界に、精密な指先が必要な、 それも仕事中の修理屋に酒飲ませる奴がいるのさ?」 手元のアイスコーヒーを見せつける。 あくまで覚醒の為、カフェインの為の飲料だ。 「それこそその酒で女でも男でも引っかけて、 祭のイロハでも教えて貰いなよ。 この騒ぎなら娼婦も男娼もそこら中にいるでしょ」 ワインを押し返して、親指で怪しい路地だのを示す。 「ま、時勢が時勢だから一人歩きはオススメしないけど」 (76) 2022/08/11(Thu) 3:20:06 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>79 リカルド 「あんた本当に祭の場でなにしてんだよ」 いよいよ堅物も度を超えている。 これで素面というから手に負えない。 「あたいだっていつ修繕に呼ばれるかわかんないんだって。 あんた取引用のサーバーオシャカにしました、なんて 酒の匂いさせながら上司に言えんのかよ」 酔い潰れるなんてもってのほか、 仕事終わりの一杯なんてのは必要としていないのだ。 「……もう子飼いの情報屋でも雇って オフィスかなんかにいなよあんた…… 実地でウロつくならもうちょい服と顔なんとかしな……」 構っちゃおれん、と言った風に踵を返す。 とりあえずメンテナンスの約束を取り付けられたし、 それは待っとく、と片手を挙げて路地へと消えた。 (85) 2022/08/11(Thu) 12:23:20 |
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