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【人】 きっと教育係 キネレト[最初は、恋愛偏差値幼稚園児レベルの僕に 君が足並みを揃えてくれているのだと思っていた。 一年前の今頃は君にただ抱き締められただけで 僕は軽く数時間は意識を失っていたし、 唇なんか寄せられようものなら過呼吸に陥って お迎えの天使を何度となく呼び出していた。 名前を呼ばれるだけで嬉しい。 隣に居させてもらえるだけで嬉しい。 手を繋いで添い寝を許されるだけで満たされていた。 それは今でも変わらないが、以前よりも それでは物足りないと感じることが増えたように思う。 焦れったさを覚えたり 自分に魅力がないのではなんて悩んだりするのは、 君自身の気持ちも考えずに 君に愛でて欲しがってしまっている証左だ。 自分でも最近思う。 君の傍に長く居ることで、 きっと僕は随分と贅沢になってしまった。] (15) 2021/01/08(Fri) 14:10:17 |
【人】 きっと教育係 キネレト[物心付き文字を覚え始めた頃から君のことは知っていた。 図書館でたまに見かけるお兄さん。 いつもカウンターに居るわけではなくて でも優しそうな雰囲気を纏っていて、 僕の周りの子達は皆『アザレアくん』と呼んでいたから 僕も自然とそう呼ぶようになった。 歳はわからないけれどたぶんずっと歳上だ。 でもそんなの全然気にしなかった。 目上に対して正しく敬意を払えるほどの楽や教養を 幼かった僕は修めていなかった。 ただ、他の司書さん達がみんな彼にお辞儀をして 彼のことを『館長』と呼ぶから、 きっと偉い人なんだろう、と。 そんな彼が、不意に子供みたいに見えた。 何時どこでそう感じたのかの記憶はもう定かではないし 別に頼りないとか当てにならないとか思ったわけでもない。 それなのに何故か、休み時間に教室に 独り残されて俯く子供みたいに見えた気がして。 そんな印象に反して君自身は 自分を甘やかそうとする人間などもう居ないと 達観して何かを諦めたような物言いをしていた。 そんな意固地な君を甘やかしてみたいだなんて 傲慢かつ分不相応にも負けん気を抱いたのが、 君に惹かれ始めた切っ掛けだったような気がする。] (16) 2021/01/08(Fri) 14:10:30 |
【人】 きっと教育係 キネレト[どんな時に君は僕に大切にされていると感じるのか。 そう尋ねたのはどうにも君に 僕の気持ちが伝わりきっていないような気がしたからだ。 生きて来た環境が違う。年数もたぶん大分違う。 愛情と名の付くものの定義も、受け取り方も 僕と同じとは限らない。 加えて僕自身が、愛情に限らず 自分の想いを人に伝えるのが極端に下手くそだ。 君が何らかの不安を抱いてしまうなら 原因は僕にあるのだろうと考えた。 僕本人が微塵も思っていないような推測を立てて 発言を疑っては試すように言動を重ねていた君だ。 言葉で想いを囁くことは無駄ではなかろうけれど それだけでは足りないのかもしれない。 それなら何か行動を伴わせれば? 僕の思う愛情を示す行為が 君の思うそれと同じとも限らない。 だから僕が君へと贈る愛情表現は、大体が 君が僕にくれて嬉しかったことの見様見真似だ。 触れ方も唇の寄せ方も想いの伝え方も真似っこでしかない。 僕自身の感情としては弱く映るのかもしれない。 君と離れている間も僕はずっと君を想っているけれど それだって、敢えて伝えることはしないものだから 君にとってはないのと同じだろうしね。] (17) 2021/01/08(Fri) 14:10:41 |
【人】 きっと教育係 キネレト[君に選び続けてもらえる僕で在る為には どうすれば良いんだろう。 僕にとっては君は不動の一番だけれども 君にとっても僕がずっとそうとは限らないだろう? 人の心は脆くて移ろいやすいものだ。 君の一番の座を誰にも譲りたくはないけれど、 君の幸せは僕の目の届かない場所にもあるかもしれない。 それでも僕は、君を想う。 そして君なら本当に命ある限りずっと、 僕の傍に居てくれるんだろうな、とも思う。] 寒さを和らげるために生み出された炬燵で 敢えて冷たいものを食べることで、 暖かさを享受できる幸せを噛み締めるんだろうね。 温泉は……抑圧された日常からの脱却かな? 屋外で生まれたままの姿を曝け出しても 何者にも傷付けられず居られる幸せに、 解放感を覚えるのかもしれないね。 [教会の子供たちをお風呂に入れる時には 無防備な姿になることに特に抵抗はないのに、 君の前だと恥じらいを覚えるのは何故だろうな。 注がれる熱い視線をじりじりと感じながら 脱ぎ終えた服は君に倣って丁寧に畳んで重ねた。] (18) 2021/01/08(Fri) 14:11:03 |
【人】 きっと教育係 キネレト[こうして見つめられるのも初めてではないはずだが 君を惹き付けられている気もちっともしないのは、 単に僕自身の元々持つコンプレックス故だ。 願えば君は拒まず受け入れてくれるのだろう。 僕に合わせてくれてしまいそうで怖い。 ……そう思っていたんだが、 口にせずとも察して欲しいだなんて思うことの方が 傲慢だと最近は思うようになってきた。 君に触れたいとは常々思っているし、 君が佇んで居るだけで日々感動を覚えている。 それでもいつも、君に触れようとするたびに躊躇う。 自分の欲求だけで君を消費するような真似はしたくない。 頬に触れても構わないかな。唇を寄せても怒らないかな。 嫌では、ないか。きもちわるくはないか…… 喜んでくれるか。触れたら、……君も触れてくれるかい? 尋ねずともきっと君は許してくれるのだろうし 尋ねれば「そんなこと一々訊かなくとも」なんて 言われそうだ。知っている。君はきっと僕を拒まない。 ならば何を躊躇うのかと考えれば、 その行動を起こすことで君が僕に抱くだろう感情を 悪い方に予想して一人勝手に凹むからだろう。 君は君で、想像していた以上に慎重だ。 僕は僕で、石橋を叩きすぎて割る系の臆病者だ。 ある意味似たもの夫婦なのかもしれないね。] (19) 2021/01/08(Fri) 14:11:20 |
【人】 きっと教育係 キネレト……君も、僕の前で裸になるのは 恥ずかしかったりするのかい? [ふと浮かんだ素朴な疑問をぶつけてみる。 あまり全裸を恥じらう印象がなかった。 自分だけが恥じらっているなら余計に恥ずかしいが、 他の誰かには見せたくないものを 君は僕には見せてくれているのだと改めて思えば 仄暗い優越感が芽生えてしまう。 普段の君は、顔と首元と両手以外を全て 布地でかっちりと覆い尽くしているから余計に。 対する己の胸元をふと見下ろす。 酷い時には男性と間違えられる程度になだらかな胸に 安らぎの類は微塵も感じられないように思う。 思うのだが、気のせいかつ欲目でなければ君の視線は 胸元のあひるちゃんに嫉妬をして見える。何故だ。 もっとふかふかな柔らかい胸が僕にあれば。 同僚シスターの豊満な胸を見て何度そう思ったか。 けれどあれはあれで色々と大変そうなので 休日はタンクトップ一枚で過ごしたい僕には 扱いきれないだろう。きっと。 下着もよくわからないし大きいのは物凄く高いって聞いた。 故に僕は今日も、 この断崖絶壁を君に押し付けてやろうと思う。] (20) 2021/01/08(Fri) 14:11:44 |
【人】 きっと教育係 キネレト自分一人で入るならそれも良いけれど、 君も一緒に入るのだし…… 加減を誤って冷たくなってしまったら悲しいしなぁ。 折角雪を使うならお湯に溶かすより 雪だるまや雪うさぎを作って遊んでみたいな。 [おっと湯船に浸からずシャワーで済ますことが多いのが 今の会話でばれてしまった気がするぞ! 僕の馬鹿!! 掛け湯というか大事な場所を洗う習性しかなかったな。 後は湯船にぶっつけ本番スタイルだ。 眼鏡を外している君の様子を窺っていると どうやら普通に見えているらしかった。 見えているのに滑って転んで溺れてしまいそうなのは、 寧ろ僕の方だったかもしれない。 白に覆われた風情溢れる絶景そっちのけで 眩しい銀の光の元に曝された君の素肌に視線を泳がせる。 隊列を崩して湯船の縁へと追いやられるあひるちゃんたちに 注意を払う余裕は既にない。 君がどんな想いを抱いて僕に触れているか知らない。 心は読めないから、意地悪く笑う君を見ても 大袈裟に心臓が飛び跳ねるだけだ。] (21) 2021/01/08(Fri) 14:12:30 |
【人】 きっと教育係 キネレト[いつも仕立ての良い服を着ている。 暮らしぶりから見ても、お金に困ってはいないだろう。 親族の類には会ったことがない。 けれど家族仲が悪いという訳ではなさそうなのは 譲り受けたダイヤのネックレスが物語っている。 それでも君は悪夢に魘されていたらしい。 身体の具合がどこか悪いか、もしくは潜在的な不安があるか でなければ眠れなくはならないと思う。 だってほとんどの人類はお布団の虜だろう? 今は、少しはよく眠れるようになっただろうか。 まだ人知れず不安に襲われているんだろうか。 僕に抱えきれない程の愛情を注いでおきながら 受け取り方がわからない、なんてもし言われても 多分僕は驚かない。むしろ、 色々なことを納得してしまうような気がする。] (49) 2021/01/10(Sun) 0:11:43 |
【人】 きっと教育係 キネレト[物心付いた頃には教会で育てられていた僕は、 父の顔も母の顔も憶えていない。 普通の人間には有るまじき胸元の鱗のみが 僕の出自を物語っている。 決して裕福な暮らしとは言えなかったけれど、 神父様を始めとして教会の人々は 厳しくも温かいまなざしで僕の成長を見守ってくれた。 幼い頃は特に過保護に大切にされていたように思う。 頭は頻繁に撫で回されていたし それ以外の部分もよく撫で回されていた。 撫でるとご利益があるとか言い出したのは誰だったか。 次第に違和感を覚えて不快だと感じても、 それを口にしてしまえば大抵は罵倒や叱責を受けた。 心地良さそうに、無邪気に心から嬉しそうに 喜んで見せるのが『正解』なのだろう。 そう思って笑顔を作って見せた。 とても高価な品物を幾つも贈ろうとしてくれる人も、 毎日熱心に会いに来てくれる人も居た。 そんな人達でも僕が何の力もないただの子供と知れば 汚い言葉を吐いて僕の前から去っていった。 僕の力を欲しても、僕自身を欲する人は居ないのだと 悟ってしまえば悲しくなるから思考に蓋をした。] (50) 2021/01/10(Sun) 0:11:59 |
【人】 きっと教育係 キネレト[教育係になろうと思ったのは 元々は居場所を失わないでいる為だった。 酷く利己的で身勝手な理由が始まりだったけれど、 一人でも生きていけるまでに育ててくれた教会への恩返しと 僕より幼い孤児たちを護り育てることで 幼い頃の自分を救いたかった面もあったのかもしれない。 子供は弱くて脆くて危うい。 大人に護られるべき存在だ。 僕はもう大人だ。甘えるのではなくて、 甘やかす側の立場になりたい。 ただでさえ大人を信用出来なくなっている 小さな天使たちが、ここで安心して 自分たちの生き方を見つけていけるように。 『良いこと』と『悪いこと』の区別は付けさせても、 『正解』や『不正解』は気にしなくても良いように。 好ましいものは進んで望み、 好ましくないものははっきり断れるように。 それぞれが個性を伸ばして世界を広げられるように。 僕を撫でようとしてくれる心優しい子達も居る。 そういう子達からは、 ありがとう、と受け取ることにしている。 無垢な彼らの想いを否定したくはないからだ。 けれど自分が本当に子供のように扱われるとなると別だった。] (51) 2021/01/10(Sun) 0:12:27 |
【人】 きっと教育係 キネレト[撫でられたくないわけじゃない。 頭という人体の中で最も重要なパーツを 手放しに差し出せるような人には傍に居て欲しいし、 ここには君を殴る大人は居ないよ、と安心させようとして 教会ではせがまれるまま頻繁に頭を撫でている。 故に頭を撫でるという行為には どうしても子供扱いのイメージが付き纏う。 あのとき既に僕はきっと君に、子供ではなくて 対等な人間として接して欲しかった。 だから正解とか不正解とかの問題ではなくて、 気恥ずかしがったあれは単に心の底からの正直な欲求だ。 正解と思しき答えを選ぶならば 与えようとしてくれる君の厚意を 素直にただ喜んで受け取ることこそが、 きっと正解だったのだろうから。 どうして優しくしてもらえるのか、わからなかった。 見返りを求めての厚意なら何らか返したいと思って、 けれど何も自分に返せるものが思い付かなくて 無力感に打ちひしがれてしまった。 ──そんなときに、 貰うばかりで何も返せないことを嘆いた僕に そんな僕でも構わないのだと教えてくれたのは君だった。] (52) 2021/01/10(Sun) 0:13:13 |
【人】 きっと教育係 キネレト[僕が必死に貯めたお金で何か高価な品を買って 君に贈ったとしても、きっとそれは 君なら簡単に手に入れられてしまうようなものだ。 やたらと君は僕に宝石を贈りたがるが 素直に嬉しいと受け取った方が良いのかもしれないと時々思う。 断られるとさみしい。自分の立場ならそうだ。 宝石が欲しくて君を好きになったんじゃない、なんて 抗議したくなるのは僕の我儘なんだろう。 僕が好きで勝手に贈りたがるものに、 君は何かを返そうとなんてしなくていい。 見返りを求めて行動を起こすわけじゃないし、 ただ傍に居てくれるだけで僕は幸せに思っている。 自分はそう思うのに、貰う側の立場になると 君に何も返せていない自分が 不甲斐なく感じられてしまうから不思議な話だ。 どうやら君もそんな感じらしいと 最近になって漸く少しずつ理解し始めた。 本当に君はちょっと驚くくらい派手に取り零すが たぶん僕もちょっと引くくらい派手に取り零している。 君から貰った温かい気持ちを必死に返そうとして 返しきれずに押し潰されている気分なんだが、 まだまだ返したりないと僕は思っているのに 君にとっては多すぎたりするらしい。解せない。] (53) 2021/01/10(Sun) 0:13:51 |
【人】 きっと教育係 キネレト[ただ、君が喜ぶ顔が見たい。 君が与えてくれた想いに報いたい。 君は僕に何の見返りも求めないのだろうし 強いて言えば喜ぶ顔が見たいと思ってくれてるんだろう。 それでも何か、返したい。 一方通行なんてさみしいじゃないかそんなの。 どうして自分が好かれているのか 未だに解らないから猶更だ。 僕が君に惹かれて君を愛しているから、ならば 僕は何も無くとも君を想い続けるからご愁傷様だ。 誰よりも一番君を好きで居続ける自信だけはある。 それ以外に思い付くものが本当に何もない。 どうして僕が君を好きなのか、と尋ねられたなら 十秒くらいごとに「はいそこ!今のここ!すき」とか そんな感じで延々話が先に進まないことになるだろう。 最早理屈を超えてパッションで好きだから説明が難しい。] おや。君にそんな風に言われるとは光栄だなぁ。 憶えている単語を組み合わせたら たまたまそうなった、というだけで、 もっと上手い易しい表現があるのだろうけれどね。 言葉は世界を無限に広げられるものだから…… 彼らの視野も読書を通して広がると良いな、とは いつも思っているよ。 (54) 2021/01/10(Sun) 0:14:04 |
【人】 きっと教育係 キネレト……なんて語ると少しは教育係らしいかな? 実際は単に僕が言葉遊び好きなだけさ。 [知は力ともなるから、と言えば聞こえも良いが 図書館は一番身近でお金のかからない娯楽施設だ。 幅広く満遍なく揃えられた豊富な蔵書が、 余すことなく彼らの知識欲を満たしてくれる。 強いられるのではなく学ぶ楽しさを覚えた彼らが 自分から興味を持って通い詰めているだけで、 僕は文字を教える以外特に何もしていない。 教育係を自称しておきながら未だ未熟な僕は、 君と言葉や想いを交わすことで 沢山のことを学ばせてもらっている。 人を想う楽しさも難しさも、 君を愛さなければきっと知らないままだった。 ……少しずつではあるし上手くもないけれど 受け取れるようにもなってきたと思う。 元々、君のプライドを傷付けたいわけではないし 君の気持ちを否定したいわけでもない。 自分が君の愛を受けるに足る人間であるのか それだけが懸念だったが、 自己肯定感のなさは君が真摯に愛情を注いでくれることで 徐々に解消され始めている。] (55) 2021/01/10(Sun) 0:14:54 |
【人】 きっと教育係 キネレト[だから、そろそろ。 今日は。今日こそは。 こうして無防備な姿を見せられるくらいに僕は 君に心を許して好きで居るんだと伝われと…… 貞操観念ゆるゆるみたいに思われるならば心外だが 必要以上に警戒するのは違うだろう、もう夫婦なのだし。 そう思っての行動も、ただ単に 無防備なだけだと思われていそうな気はする。 お風呂に入れる子供たちの前で素っ裸で居るのも、 君の反応を見て反省してから止めた。 水着を着る分自分を洗う時間が無いので シャワーが活躍するというわけだ。] …………? 君こそ自分の魅力をもっと自覚した方がいいよ。 僕に魅力があるとすれば、 それは君だけが知っていてくれたらいい。 [なんだかまだ娘のように見られている気がする。 父親的な慈愛のまなざしを感じる。 そんな視線を向けさせてしまう原因は自分にあるのだろう。 もう少し嫁もしくは妻もしくは伴侶として見て欲しい、 そう訴えれば益々子供っぽく見える気がして口を噤んだ。] (56) 2021/01/10(Sun) 0:15:14 |
【人】 きっと教育係 キネレト[あひるちゃん雪だるま化計画が彼の頭の中で 密かに計画されていたことには少しも気付いていない。 そうそのとおり。君の作ったものを僕は壊せない。 けれどもあひるちゃんはあひるちゃんで大切なので 救出したい衝動との狭間で揺れるかもしれない。 君は気付いていないのかもしれないが、 僕は本来依存心が高い。 あひるちゃんや虎ちゃんぬいぐるみを愛でることで 君一人に圧し掛からせてしまいそうな 面倒くさい感情を分散しているのだ。 かかり湯は今度子供たちにもちゃんと教えよう。 案外僕よりも彼らの方が、 きちんと意味を理解しているかもしれないね。] 君となら、雪かきも楽しいと思うけれどね。 後で時間があったら作ってみようか。雪だるま。 [ きっとそんな時間の余裕はないのだけれど 雪だるまを作るよりはかまくらを作って、 中で君とゆっくり寛いでみたいなんて夢を見る。 ああ、でも完成する頃には二人して力尽きてそうだな。 中に入った瞬間爆睡してしまって 起きたら雪に埋もれていた、なんてことになりかねない。] (57) 2021/01/10(Sun) 0:16:05 |
【人】 きっと教育係 キネレト[この場に子供たちが居たらそうは行かない。 やれ雪合戦やれ雪だるまと連れ回されながら 滑って怪我をしてしまわないように、 知らぬ間に体を冷やしすぎてしまわないように 目を配りながら全力で相手をせねばならない。 ……もしそんな場にも君が来てくれたなら。 僕だけでは見落としてしまう場面まで、 君なら見守っていてくれるんだろう。] (58) 2021/01/10(Sun) 0:16:15 |
【人】 きっと教育係 キネレト言葉遊び好き、って点では 本質的にはどちらも相違ないだろうし、 君の言葉遊びは心地良いよ。好きだ。 [文脈的に、まさか君は 自分を下手の横好きと評価してるんだろうか。 好きこそ物の上手なれが僕か? 実際は逆なんじゃなかろうか? 上手い言葉がさっぱり出て来ないから 君の言葉選びに惹かれる僕と、 言葉遊びが好きだからひとつの言葉を上手く展開して 僕の世界を広げてくれる君だろう。 そう訴えようとしたところで 君本人がそう言うのだから、 君にとってはそうなんだろうなぁと口篭る。 少し前の僕なら、 君は無理して付き合ってくれているんじゃないかとか こんな話はつまらないんじゃないだろうかとか うじうじ延々と気にしていたと思う。 今も、もっと何か自分に出来ることはないか 何事ももっと上手く出来ないものかと 思い悩むことには変わりない。 けれど、以前よりも随分と気は楽になった。] (69) 2021/01/10(Sun) 21:51:05 |
【人】 きっと教育係 キネレト[上手かろうと下手だろうと、 楽しんでいればきっとそれで良いんだ。 二人で100%を目指すのだからまずは半分の50%を目指して、 僕がめいっぱい楽しめば良いんだと そう教えてくれたのも君だった。] やっぱり自覚が足りないね。 僕が居なくても君の魅力が成り立つのは いろんな人から伝え聞いているよ。 僕も、君が居てくれて初めて成り立つ類の魅力なら 誰にも負けないつもりでいるし、 ……僕には本当に 君しか見えていないのだけれど…… ねぇアザレアくん、 そんなに僕は信用ならないかな……? [まぁ胡散臭そうな顔ではあると自分でも思う。 君みたく眼鏡でも掛けてみれば、 多少今よりかは誠実そうに見えるだろうか。 或いは僕が信用ならないというより、 君が自信を失くしかけているんだろうか。] (70) 2021/01/10(Sun) 21:51:10 |
【人】 きっと教育係 キネレト[無事に仕事を納めて開放的な気分になったからか 君と夢にまで見た温泉旅行に来ることが出来たからか、 この宿に足を踏み入れてからというもの 何故か僕はいつも以上に大胆に 積極的に働きかけようとしてしまうから…… 余計に君を不安にさせてしまうんだろうか。 休日も日がな一日、 家でのんびり過ごすことの多い僕らだ。 慣れない環境で逆に落ち着かないのかもしれない。 そんな風に邪推してしまうのは、 彼と接していていつもというわけではないけれど 割と鏡を見ている気分になることが多いからだ。 自分は君を困らせたくなくて なかなか言い出せない仄暗い醜い感情も、 君が似たような想いを抱いてくれているのだと知れば 甘く胸が震える心地がしてしまうから不思議だ。 僕が君をばかだなぁ、と笑って 抱き締めたくなってしまうように、 君もきっとこんな僕の面倒な感情ごと 抱きしめてくれるんだろうな、と自惚れてしまう。 いっそわかりやすく妬いて見せた方が 君は安心出来るんだろうか。 めんどくさいぞ。 君のとこの有能な司書さんたちや教え子にすら妬くぞ僕は。] (71) 2021/01/10(Sun) 21:51:20 |
【人】 きっと教育係 キネレトぶっ……… マッサージも看病もいくらでもするけれど 君が痛い思いをするのは嫌だなぁ。 小さいやつか。なるほどね。 僕も少し作ってみようかな。 [体力無さそうだもんなぁ、君。 ぎっくり腰で君がベッドに寝たきりになってしまえば 君を独占出来るし世話もし放題だな、なんて 一瞬浮かんだ物騒な思考を君に悟られる前に胸の奥に沈める。 私利私欲の為に君の不幸を望むなんて最低だ。 君に倣って湿気を含んだ雪を一掴みして 君がだるま作りに夢中になっている間に、 己を戒めるように雪塊を頬に当ててみた。ひゃっこい。 久方振りに触れる雪は想像以上に冷たくて 素手ではとてもじゃないが二つも握り固められない。 細長い小さなスイートポテトみたいな塊を作って、 体良く落ちていた葉と赤い実で飾って 雪うさぎとしようとしたがすぐに消えた。] (72) 2021/01/10(Sun) 21:51:27 |
【人】 きっと教育係 キネレトどうかな。上手くできたかい? 雪だるま…… ………… ………………? うーん?? [積み重ねられた二つの雪玉のシルエットは 確かに雪だるまのそれだ。たぶん。少し歪ながら。 足りないのは大きさか、装飾か、丸さか…… その辺に落ちていた団栗や小枝で飾ることを提案してみる。 三段重ねにしてみてもいいかもしれない。] 雪だるまとはなんだっただろうか、か。 なかなかに哲学めいていて面白いね…… [ここが温泉でなくて君が裸でもなくて 君の手に手袋が嵌められていたなら、 時も僕も忘れて雪に夢中になる君を 少し淋しくも微笑ましい気持ちで見守りながら 僕も一緒になって雪と戯れただろう。 けれども残念ながらここは露天風呂だ。 キリのいいところですっかり冷たくなった君の手を取って 暖めるように息を吹きかけてから、 お湯の中へと引きずり込んだ。]* (73) 2021/01/10(Sun) 21:51:40 |
【人】 きっと教育係 キネレト趣味と呼んで差し支えないんじゃないかな? 僕も同じ趣味があるのは嬉しい。 僕はこういうやりとりが結構好きなんだが、 付き合ってくれる人はなかなか居ないんだよね。 だから、君と話すのはとても楽しい。 君に退屈する僕は想像出来ないし 君の語彙力は既に相当なもんだと思うのだけれど…… それなら一緒に映画を観たりしてみよう。 一番良いのはアウトプットすることだそうだから、 君のおすすめしてくれた本を僕が読んで 感想を君と語り合えば 君も僕も語彙力を鍛えられるかもしれないね。 読みづらい文字があれば、僕が君の目になるよ。 ……そういう問題じゃない? [そうとも。僕は君大好きBOTだ。 言葉遊びが好きな癖に冗談と本気の区別が付かない。 突っ込みの入らない天然ボケが どこまでも滑り続けることになるのは御承知の通りだ。 話している間に連想ゲームで思考が四方八方へ飛んで、 『ところで何の話だったかな?』 なんてことになってしまうのもよくある話だ。 君は本当に良く付き合ってくれているなぁと常々思う。] (109) 2021/01/11(Mon) 20:12:50 |
【人】 きっと教育係 キネレト[僕は調子に乗りやすいし、 無自覚に人の地雷を踏み抜きやすい。 だから気を遣いすぎるくらいで丁度良いのだと思っている。 自分では適当にしているつもりでいるのに、 几帳面だとか肩肘張らなくていいんだとか 言われてしまうことがあるけれどよくわからない。 水泳で息継ぎが上手く出来ない感覚に似ている。 顔を上げれば身体が沈むし、上げなければ息が詰まる。 それでも手足を動かし続けなければ 溺れてしまうような世界の中で、 必死に泳がずとも泳ぎやすい方法で構わないのだと 浮き輪を差し出してくれるのが君なんだと思う。 君が僕に投げ掛けてくれる印象深い言葉の数々は、 君自身は憶えていないような些細なものなのかもしれない。 それでも、その言葉に僕が救われて 呼吸が楽になった事実は変わらないから きっと僕はこれから先も、君がくれた言葉を 宝物のように大切に抱きしめながら 君の隣で生きていこうとするんだろう。] ふふ。君の人徳のなせる技だよ。 まぁ万が一陰口を叩くような輩が居れば、 悲しんで落ち込むよりも先に 自分が陰口叩かれるより怒るだろうね、僕は。 (110) 2021/01/11(Mon) 20:12:58 |
【人】 きっと教育係 キネレトまぁ……君と僕を入れ替えて想像すれば 君の気持ちもわからんでもないな。 大勢の人の輪に囲まれることで君は また違った一面を見せてくれるかもしれないし、 でもそうすると間違いなく 皆が君の魅力に惹かれてしまうだろうし…… ……いつも一緒に居れば良いのかな? 君と。 四六時中傍に居るのは難しいだろうし 時々は一人の時間も欲しいだろうけれど、 第三者の入り込む隙間がなくなるくらいに。 [本当に自分が君に相応しいのかどうか 考えるのはもうやめた。 相応しかろうが相応しくなかろうが 僕が君と居たい、その気持ちは変えられないし 君自身が拒絶する素振りがないのに 一人でうだうだ考えても仕方ないね。 君が同衾を許してくれる限りは。 君がひび割れた僕の心を繋げて癒してくれるように、 僕も何処かで君の力になれたらと切に願う。] (111) 2021/01/11(Mon) 20:13:06 |
【人】 きっと教育係 キネレト[あまり体力のなさそうな君でも行えそうな軽いものなら、 例えばハイキングに出かけたり 星の綺麗な場所に天体観測に行ったり 牧場で一日のんびり羊を数えたり出来るだろうか。 丸一日朝から晩までベッドの中で愛し合ってみたい ……なんて考えもしたけれど、 たぶん太陽が南中を迎えるより前に 酷使されすぎて僕の心臓が逝く。 君に怪我や病気をさせて 部屋に閉じ込めようとしなくたって、 君なら健康なまま一緒にステイホームしてくれるかな。 雪が積もるのを待って極寒の外へ飛び出さなくても パンやパスタを捏ねて遊ぶのに付き合ってくれるかな。 自分が握った雪塊よりひと回りもふた回りも大きな塊を 易々と生み出す大きな手のひらは、 きっと僕よりずっと多くのものを掴み取れる。 そんな手のひらに小さい子にするように 息を吹きかけるのは失礼なのかもしれない。 それでもわざわざそうするのは、 その方が早く暖まるだろうと思って、でも 息は『生き』を吹き込むと同義だからでもない。 少しでも、僕が君を大切に想っていることが 君に伝わってくれますように。 そんなささやかな祈りを込めた儀式みたいなものだった。] (112) 2021/01/11(Mon) 20:13:21 |
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