【墓】 どこにも行けない ヴェルデ本名:アンジェロ・ヴィットーリ(Angelo Vittori) 死因:片目を撃ち抜かれたことによる脳挫傷、及び失血死 発見場所・遺体の様子: 路地裏にて発見される。外傷は眼窩の銃創のみ。 そばには同様の傷を負った死体がもうひとつ、転がっていた。 そちらはアルバ・ファミリーの構成員のようだ。 (+2) 2022/08/17(Wed) 22:37:00 |
【墓】 どこにも行けない ヴェルデ【ビアンカの部屋】 少年はその部屋の隅を間借りしていた。 いつもちいさく丸くなって眠る寝床は、出かける前に丁寧に毛布が畳まれる。 その上に、幾らかの絵本が積まれていた。 古びたものがほとんどの中、真新しいものも少し。 一番最近増えたのは、『シンドバッドの冒険』だった。 まだ、ほんの数ページしか読めていない。 これから先、読まれることはもうない。 結局のところ、あなたの言う通りになった。 男は女を置いていく。 少年は戻らない。 少年はどこにも行けない。 (+4) 2022/08/18(Thu) 0:50:21 |
ヴェルデは、あの日、開いた口から——「ッ、この強情女」 (c4) 2022/08/18(Thu) 11:15:20 |
【墓】 どこにも行けない ヴェルデ街娼がひとり殺されるぐらい、ごくありふれた出来事だ。 街灯に照らされる石畳を蹴り、夜を歩いて。 自ら暗がりへ手を引いてゆくのだから、どうしたって人目につきにくい。 行き過ぎた嗜虐性に嬲られることも。 或いはクスリを使われ躙られることも。 店に管理されていない分、危険はずっと多くある。 だからこんな風に綺麗な死に方をしたことの方が、きっと、ずっと珍しい。 それでも少年は街路に立つことを選んだし、多少の無茶は厭わなかった。 けれど、結局。苦しみを理解するには欠落が多すぎた。 その苦しみを解するまで、死んではいけないだろうと思っていた。 だから少年は、死にたくないと思ったことはなかった。 それなのに、最期のそのとき、確かに。 ――死にたくなかったな、と。 諦観の奥に、喪失の苦しみを抱いた。 (+8) 2022/08/18(Thu) 18:44:10 |
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