【人】 甲矢 潮音── 現実 ── (もう、良いところで……ッ) [マンションの前を通り過ぎていく音に 僕は慌てて夢の中から出た。 流歌の目が覚めちゃうじゃないか! 幾ら互いの部屋を出入りする仲でも 深夜の入眠中の不法侵入は、流石に。] (28) 2022/05/23(Mon) 0:15:40 |
【人】 甲矢 潮音[ベッドの上の流歌がもぞりと動いた気がして、 開けたままにしてた窓から飛び出す。 窓を閉める余裕も振り返る余裕もなく 漆黒で羽搏いて自分の部屋のベランダへ。] (29) 2022/05/23(Mon) 0:15:49 |
【人】 甲矢 潮音はーー…… [自分の部屋の中で深く息を吐いた。 ……見られた? どうだろう。 寝返りを打っただけかも知れない。 もう一度吐いた。 ちょっと、熱くなりすぎた。 幾ら夢の中でも、余りやりすぎたら 嫌われてしまうかもしれない。 それは困る。死んじゃう。死ねないけど。] (30) 2022/05/23(Mon) 0:19:05 |
【人】 甲矢 潮音[────反省。 夢の中に入るのは、暫く控えよう。 顔を合わせた時は何事もなかったように振る舞おう。 ……そう決めたけど。 流歌の方は、どうだったかな……。*] (31) 2022/05/23(Mon) 0:21:40 |
【人】 甲矢 潮音[窓閉め忘れたことを思い出す。僕のせい? でも、暖かくなってきてるから それだけで風邪ひいたりはしないはず。 ボタン開けっぱで出歩いてたから? いやいや、もっと暖かい時刻だったし。 ぐるぐる。 ────────────── 何かあれば連絡して。 ノートやプリントは任せて。 しっかり休んでね。お大事に。 ────────────── そう送って、(渋々)一人で学校に向かった。 その日はずっと心配してた。 前の席と胸の中がぽっかり空いてて 物憂げに溜め息を吐いたりなんかして。] (53) 2022/05/23(Mon) 19:58:45 |
【人】 甲矢 潮音[流歌が来ることがなければ、 下校までそんな時間が続いたのだろう。 面接がてら寄ったコンビニでは 口当たりの良いプリンをふたつ買って、 お見舞いを口実に部屋に行こうと考えるも。 かわいい娘が心配で早めに帰ってきたのか おば様とマンションの入り口で遭遇し 挨拶しつつエレベーターをご一緒して 様子を聞けば熱はなかったから大丈夫よ、と 肩を叩かれ、漸くホッとして。 今後ともよろしくね、と改まって言われれば首を傾げ。 となれば母娘の時間を邪魔するのも悪いような。 ……めちゃくちゃ会いたいけど。 何かあれば呼んでくれるはず……、だよな。 流歌さんお大事に、これはお二人でどうぞ、と コンビニの袋はおば様に託して。 流歌に見せるためだけに珍しく真面目に取った ノートの写メと、くどいようだけど、 お大事にってメッセージをまた送った。] (54) 2022/05/23(Mon) 19:59:48 |
【人】 甲矢 潮音[月が一巡りし、衣替えが済んだ。 校内を半袖の生徒達が歩いている。 熱中症になったら困るから 二の腕が覗いてしまうことは許そう。 厭らしい目で見た奴は殺す。 ] (56) 2022/05/23(Mon) 21:42:02 |
【人】 甲矢 潮音[あれから夢に入るのをぴたりとやめた僕はいま ジャケットとネクタイを外したかわりに 黒のノースリーブのベストを着ていて。 ついた黒板の粉をハンカチで叩くと スクールバッグを肩に掛けた。 日誌はもう出したしさあ、流花と帰ろう。] やっと明日だね、覚えてた? [昇降口に向かいながら訊ねたのは もちろん二つのお祝いをする日のこと。 暑くても手は当たり前のように繋いでて、 ブレスレット同士はたまにカチンとぶつかる。 流歌がわざと当てようとしたときは かわいいなぁと思いつつ、ス、と避けちゃう時もある。 反応が見たくて、つい。] (57) 2022/05/23(Mon) 21:43:38 |
【人】 甲矢 潮音[自分の靴箱の蓋を開ければ……、止まる。 中に入れられてた紙をぐしゃりと握って 靴は出さずに踵を返した。] ……ごめん、流歌 ちょっとだけ待っててくれる? すぐ済ませるから 一人では帰らないでね [詳しい説明もなしに駆け出してしまう。 人の出入りが激しい時間だし ここはグラウンドで部活やってる生徒や 顧問の教師からは丸見えだ。 流歌もノコノコ怪しい奴について行ったりしないし。 ……大丈夫なんて軽く考えてた。] (58) 2022/05/23(Mon) 21:45:25 |
【人】 甲矢 潮音[流歌が一人になってすぐ。 大人しげな女の子が話しかけてくるだろう。 前髪が長めで、眼鏡をかけてて、 モジモジした動きで、如何にも隠キャな感じの。 特別仲良かったことはないが、 クラスが一緒になったことがあるのを覚えているか。] (59) 2022/05/23(Mon) 21:45:51 |
【人】 甲矢 潮音[少女は今にも泣きそうな顔で助けを求める。] 「た、助けて下さい、乙守さん……!」 [自分は生物部で、 借りてきた動物の子供が逃げ出してしまったと。 緊急で人手がいるのだと。 ……兎に角来て欲しい、と。 裏庭に向けて腕を引く手はよく見れば震えていた。*] (60) 2022/05/23(Mon) 21:46:28 |
甲矢 潮音は、メモを貼った。 (a5) 2022/05/23(Mon) 21:50:03 |
【人】 甲矢 潮音[わざとぶつけようとしてる時 視線が下に向いてるからすぐわかる。 色素の薄い睫毛が生え際までよく見えて綺麗なんだ。 手は繋いだまま器用に手首の角度で避けて ふふ、って微笑って] 流歌がかわいいからだよ [そう言ってこちらからコツンとするまでが1セット。 これくらいの意地悪なら、 許されるんじゃないかって甘えてる。] (101) 2022/05/24(Tue) 8:34:02 |
【人】 甲矢 潮音[おでこにおやすみのキスする以上はしない関係でも 幸せな毎日を過ごしてた。 流歌は誓いの通り夜一人で出歩いたりしなくなり 学校に忘れ物も、たぶん、減ってたし。 平和が続いて気が抜けていたのは否めない。] (102) 2022/05/24(Tue) 8:34:07 |
【人】 甲矢 潮音[靴箱にはお粗末なコラ写真を 印刷したものが入れられてた。 AVのパッケージか何かの裸体写真の顔だけ 流歌のかわいい顔に変えられてる奴。 思わず真顔で(顔以外のとこを)くしゃっと。 こんな修正入りまくった奇形より 流歌の絶妙なバランスの身体の方がよほどえっち ……じゃ、なくて。 趣味の悪過ぎる悪戯だ。 紙の端に屋上に来てとあった。 使われてたのが誰でも手に入る 体育祭の時の写真で。 綺麗なただひとつの魂だけ見つめ続けてた僕は 所詮両手で数えられるガキのすること、と 甘く見ていたんだと思う。*] (104) 2022/05/24(Tue) 8:36:44 |
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