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【人】 IX『隠者』 アリア[ 痛くて苦しくて忘れたくて、 忘れては思い出して、思い出しては忘れて 息を吹き返すたびに殺して、 そうしなければ息ができなくて。 どうせ持っていくなら この私を持っていってくれればよかった。 叶うわけがないもしもを空想して恨めしく思う。 だってそれは『隠者』ではない、私でしかなく、 私は、私が選んだことから逃げられない。 ] (253) 2022/12/24(Sat) 15:04:15 |
【人】 IX『隠者』 アリア (254) 2022/12/24(Sat) 15:04:43 |
【人】 IX『隠者』 アリア (255) 2022/12/24(Sat) 15:05:16 |
【人】 IX『隠者』 アリア全員が全員そうではないのかもしれないし 私みたいに欠け落ちる感覚でなくて 忘れるようにゆっくり抜け落ちていく人だって、 いるかもしれません、けど 解放されたといえば、そうなのかもしれません。 謂れなき忌避感や 込み上げる感情に振り回されることはないと、 それは喜ぶべきことなのだと思います 喜ぶべきことなのだと、…… (256) 2022/12/24(Sat) 15:05:34 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ 全ては前世の因縁の上に築かれた砂上の楼閣なのか? そんなわけがない。そう信じていたい。 前世の因縁の上に積み上がった想いでも 重ねてきたものはすべて私の、私達のものだ。 彼女を愛しているのだと叫ぶ誰かを失ったところで 私にとって彼女は変わらず掛け替えなく親友であるし、 …… そうであるならば、きっと (257) 2022/12/24(Sat) 15:06:06 |
【人】 IX『隠者』 アリア…… それでも、 すぐに受け入れられるかといえば、 そうではない人だってきっと少なくなくて フォルだって、こうして気遣ってくれる裏では どうしたものか考えあぐねているかもしれなくて そもそもそれとは関係なく、 あんなことがあって、世界が崩壊しかけた今 外に繋がりがある人ほどきっと悩みの種は多くて (258) 2022/12/24(Sat) 15:06:31 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ 自分が夢を見ていたかったことを思い知っても そこに夢を見る余白なんて、もう残されてはいない。 信じていたいのだと信念を貫けば、 そうしてそれが真実になるならば 不意に向けられた光に当てられた、 あの日の自分を殺すことになるとわかっていた。 今ここにその時が来た。ただ、それだけで。 …… だから、大丈夫。 ] (260) 2022/12/24(Sat) 15:08:31 |
【人】 IX『隠者』 アリア…… ありがとうございます。 少し、気分が落ち着きました。 [ 飲みかけのティーカップを、かたりと置いて *] (262) 2022/12/24(Sat) 15:09:48 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ ―― ふと、我に返れば 思うより時が流れていて、ひとりでに苦笑する。 また待たせてしまったと、ひとつ息を吐いて 端末を見れば、私には見慣れたものかもしれない名>>64 珍しいな、と思って ふと笑みが浮かんだ。 そんな些細な事が、彼女には大きな一歩なのだと 勝手に知ったつもりでいる。 怯えた様子で泣いていたあの日の少女が 今はこんなに成長して、前へ進んでいこうとしている。 世界が本当に変わっていくかは未知数。 けれど私達、証持ちにとっては間違いなく これは何かが変わるひとつのきっかけだった。 それがどう転ぶかはわからない。 二度と会えなくなる人とかも、いるかもしれないけど …… きみが前を向けることが 私は、ちゃんと嬉しいんだよ ] (263) 2022/12/24(Sat) 18:23:00 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ 結論から言ってしまえば。 自分自身をとっくに投げ捨てていた私は、彼女に、 自分の分まで幸せになってほしかったのだと思う。 その礎になれるというのであれば本望で、 壊れても世界と運命を共にするというのであれば 投げ出すことに躊躇いはなかった。 私はもはや惜しむものを持ち合わせないのだから。 …… 無論できれば、生きてはほしいけど。 ] (264) 2022/12/24(Sat) 18:23:27 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ この才も想いも夢さえも借り物で、 本当の私が持つものなんて、ひどく少ない。 どうにもならない天命をとうに悟っていて 虚ろを飼い続ける私がかろうじて息を繋げたのは、 そんな私でも必要としてくれる、 私が諦めたものを願って、祈ってくれる、>>4:78 シトラがずっと、そばにいてくれたからに他ならず だからこそ、何も言えなかった。 きっと私より心を砕いてしまうんだろうと思った。 それは嫌だと思ったのは私だ。 私が、私なりに、大切にしたかったからなのだと …… 伝わらないかもしれないけど、そう思っている ] (265) 2022/12/24(Sat) 18:23:49 |
【人】 IX『隠者』 アリア「私の分、とっておいてね」 [ 一言のメッセージは、相当時間が経ってからで 残ってなかったらどうしようかなと少しだけ思った *] (266) 2022/12/24(Sat) 18:24:02 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ こんな借り物の才能でも誰かを救えて、 こんな私に預けてもらえた夢の欠片が、 遠い思い出が、記憶の中で光っていた。 同じだった。 何もかもを諦めた虚ろに投じられる あなたのくれる言葉が、きらきら光って、眩しくて ] (335) 2022/12/25(Sun) 3:10:42 |
【人】 IX『隠者』 アリア嬉しいと、 素直に捉えられれば良かったんですけど …… そうですね 怖がっているのは、その通りです。 私達は脆弱で、前世の因縁に縛られる。 それは私には、ひとつの防波堤だったのだと 失ったことで、気が付いてしまったので。 [ 紅色の水面に視線を落とす。 瞳の緑も腕の痣もそのまま、何も変わりないのに ] (336) 2022/12/25(Sun) 3:11:01 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ 私はあの時、全てを悟ってしまった。>>4:25 この身はあくまで魔女で、姫にはなりえない。 借り物の因縁が崩れた真実のもとで 他でもない私自身が信じると決めた、 ありきたりなハッピーエンドの陰で あとはもう、息を止めるだけでしかないことに ] (337) 2022/12/25(Sun) 3:11:30 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ それが魂に刻まれた宿命なのだと せめて世界を恨んでいられればよかった。 そういうものなのだと受け入れて、 ずっとあの子の王子様でいられればよかった。 痛くて苦しくて忘れたくて、 忘れては思い出して、思い出しては忘れて 息を吹き返すたびに殺して、 投薬の上に作り上げた水底に 狂おしいほどの恋を、何度だって沈めて ] (338) 2022/12/25(Sun) 3:12:24 |
【人】 IX『隠者』 アリア私にはその言葉だけでも充分で、 それ以上を望むべくもない。 あなたに そう言ってもらえただけでもう、身に余るくらいなんです [ 終わりにしよう。 わざわざ煩わせることなどせず、 その手をあるべき場所へ返そう。 ] (340) 2022/12/25(Sun) 3:14:02 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ 好きです、と もっと早く口にしていれば 私はきっとこの世界で、 息ができないまま生きていくことになる そんな瞬間が、もっと早く訪れていたんだろう。 だからきっと、間違ってはいなかったでしょう? *] (342) 2022/12/25(Sun) 3:16:03 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ 「わかった、そっちに行く」と返して>>299 ひとつ息を吐いて、ゆるゆると動き出す。 廊下を渡って食堂のある棟へ。 客足が落ち着いたといえど近付くだけで漂う 心弾むようなチョコレートの甘い香り。 ] ごめん、待たせたね。 ちょっと、… 色々、思うところあって [ 本当のことは、まだ口から出てきてくれなかった。 封殺することに慣れすぎて、 それがもう癖になってしまっているらしかった。 ] …… でも、いつか話すよ。 [ いつか、話せる時が来るんだろうか。 彼女の背が大きくなるのはきっと 私が想像するよりずっと早いから、 どうしても躊躇ってしまうこの思いは 本当は全部、私自身の問題にすぎなくて。 ] (543) 2022/12/25(Sun) 23:55:17 |
【人】 IX『隠者』 アリアこの感じだと―― チョコレート屋さんは盛況だったのかな お話はできた? [ 随分と中身が減った様子の大鍋をちらと見遣る 椅子に座って一息つけば、手ずから作ってくれた ホットチョコレートが目の前に出されるかな。 かつて薬草園で同じ言葉を掛けた時は、 そこにクロがいたけれど―― 今はその口から語られる、 ホットチョコレートを訪った人々との話を 彼女の得たたくさんの、 掛け替えのないやりとりの一端を聞いて ] (544) 2022/12/25(Sun) 23:55:27 |
【人】 IX『隠者』 アリア…… シトラはすごいな たくさん悩んで、考えて、 …… ちゃんと前に進んでる [ 少し、所在なく笑みを浮かべた。 ] (545) 2022/12/25(Sun) 23:55:38 |
【人】 IX『隠者』 アリア…… どう説明すればいいかな うまく言葉にならないんだけど 私はあまり、 自分を出来た人間だとは思ってないんだよね。 本当は、シトラにそこまで思ってもらえるほど あそこまで言ってもらえるほど、 私は大した人間ではないと思っていて、 もちろん本当に嬉しくて、 嬉しいんだけど、本当は、 シトラがそう言ってくれることに、ずっと頼ってた。 (546) 2022/12/25(Sun) 23:55:50 |
【人】 IX『隠者』 アリア…… きっと、これから世界は変わっていく 私達もさ、違う人間だから その中で、一番良いと思う道が、 重ならなくなる瞬間が訪れるかもしれない。 いつか言えるようになりたいけど、 私は弱くて、自分自身に向き合えなくて 言えないことばかりで、本当に申し訳なくて、 身勝手だなって自分でも思ってて だけど、 シトラには幸せでいてほしい。 少しでも永く、生きてほしい。 …… そう思う気持ちは、本物なんだ どうか、それだけは信じていてほしい。 (547) 2022/12/25(Sun) 23:56:05 |
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