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【人】 妖もどき 辰沙―――――…。 ……それ、本気で言ってます? 『いちおう七割くらいはな。 ……んだよ、信用ないなぁ。 まぁさっき言ったことはうちの上層部の見解だが。 全部が全部、あちらの見当違いってわけでもないんだろ?』 それはまぁ、そうですが…。 [ 言いながら首を微かに動かして周囲を伺う。 微かな星明かりの中、先生の影が小さく肩を竦めて。 ] 『悪いな。此方もサシで話したいと頼んだんだが お偉方はそういうわけにはいかないってさ』 ……ですよね。 [ 此方も先生に合わせるように小さく肩を竦める。 ] (17) 2022/09/26(Mon) 21:59:55 |
【人】 妖もどき 辰沙『…で? 答え合わせと行こうか。 まー個人的な見解をいうと、 お前があの隕石の化身だとか、そういうのはともかく、 禍の種っていうのは個人的には非同意なんだよな。 そんなんだったらとっくの昔に滅ぼしにかかってるだろ』 …………。 『待て待て待て、何その顔。 今のどういう心情?』 …いや。 そこまであなたに信用してもらえてたとは思わなくて。 『は?』 あ、いえ……。 [ こほん、とその場を誤魔化すように咳払いをすると 頭上に輝く赤い星を見上げてから。 ] (18) 2022/09/26(Mon) 22:01:03 |
【人】 妖もどき 辰沙……僕があの星の化身というのは、少し違います。 正確には、僕はあの星の欠片。 僕とあの星の関係を例えるなら…親子とか、銃と弾丸というか、 とりあえず、そういうふうに言い表せるかと。 あの星…ソラナキは、この世界、いえ、 この星の命と魂の系統樹の観測を目的として 星の海…この星系の外から派遣されてきた存在です。 (19) 2022/09/26(Mon) 22:03:41 |
【人】 妖もどき 辰沙[これから語るのは、少し永い昔話。] この星は、星の海の外からやってきた者たちによって それこそ気の遠くなるような昔から、 数多くの干渉を受けてきました。 彼らがこの星に入植し、生態系に干渉した結果、 この地は人間等の肉の命を持った生命体と 妖など闇に属する者たちで溢れることになりました。>>0:43 この星は、ソラナキの主たちにとって 有益な存在を生み出すための研究所であり、実験場でした。 だから、なんといえばいいのか……。 『…要はあれだろ? ソラナキはこの星に生きるモノ全てにとっての造物主か、 その化身みたいなものだ』 …そう、ですね…。 『だからまぁ、仮に祟り神なんて名乗らなくても あの子に神様って名乗ってたのは強ち間違いでもなかったな』 …。 (20) 2022/09/26(Mon) 22:05:08 |
【人】 妖もどき 辰沙ソラナキは星の海の外にいる彼の創造主に情報を送るため、 この星や他にも実験場にしていた星々を見回り観測していました。 時に個々人やそのときの文明に干渉し、混乱を呼び寄せ 或いは闇の者たちに干渉し、その数を増やしたり減らしたり。 …そうしてあるとき、ソラナキと観測者たちは考えたのです。 「人間という生き物を少し試してみよう」と。 既に何度か試したことのある実験でしたが、 今回はこの小さな島国で試してみよう。 彼らは、そんなことを思いついたみたいです。 ……そうして、ソラナキは自身の外装の一部を削り、 この島国へと投下しました。 [ 空から落ちてきた異能の力を持った石を この地の人々はどのように扱うか。 それを、ソラナキと観測者は見たかったらしい。 ] ……ですが、星から分離した星の欠片は 自我を持ち始めました。 そして、自身の組成を変えて動き始めたんです。 [ ―――それが、僕。 ] (21) 2022/09/26(Mon) 22:07:38 |
【人】 妖もどき 辰沙僕は、この星の人間たちにとって異物でした。 ……それはそうですよね。 人間にしてみれば、空から落ちてきた隕石が 勝手に動いているようなものでしたから。 僕を見つけた人間たちは、きっと怖かったろうなと思います。 [ 思い出すのは、赤い夕焼け。 人の温かさに憧れて、叶わなかったときの記憶。 ] そうして、長い時間彷徨った後に 僕は渡守の道具として利用され、封じられました。 其処から先は貴方たちが知っている通りです。 (22) 2022/09/26(Mon) 22:10:50 |
【人】 妖もどき 辰沙[ そこまで話したところで、 ふと気になっていたことを口にする。 ] ……『幽明門』は、僕の身体は見つかりましたか? [ 身体は『幽明門』を封じるための依代として利用し、 精神は身体から分離したうえで、神として奉じることで その力を自身の身体と結界の強化のために利用する。 …僕が言うのもなんだけど、よくできたシステムだと思う。 ] 『…ああ』 『厳密には、見つかったはいいが発見から間を置かず、 捜索隊の目の前で再度ロストしたそうだ。 そのときに採取できた微量の破片の分子構造と ソラナキの分子構造の一致、 そして幽明門のロストと同時刻に観測していた天文所から ソラナキの移動速度の上昇と進路変更が確認された。 これらの情報から合わせて、 お前とソラナキの関連性が疑われたわけだが』 [ そこまで話したところで携帯灰皿にタバコの火を押しつける。 そうして、辺りにはただ、闇だけが残った。 ] (23) 2022/09/26(Mon) 22:15:17 |
【人】 妖もどき 辰沙『……お前さんの話に嘘はなさそうだな。 ま、それはそれで面倒な話ではある、が』 ……。 『表向きには発表されてないが、 おそらくソラナキはこのまま地球へ落下する。 いや、お前の話が本当なら落とされるのかもな。 創造主様からの文字通りの「天罰」として』 [ そこまで語られたところで、 不意にぽん、と彼に肩を叩かれた。 ] 『なんにせよ、あとは大人の仕事だ。 お前は、あの子の傍にいてあげな』 (24) 2022/09/26(Mon) 22:19:20 |
【人】 妖もどき 辰沙……でも。 『ま、これからどうなるかはわからないが、 あの星が落ちてくるのが、人間やら この星の生き物に対する天罰だっていうのなら。 これはな。 俺たち自身が解決しないといけない話なんだよ、辰沙』 『何より、お前もあの子ももう十分傷ついてきた。 俺も、うちのかみさんも あの子に幸せになってほしいと想っているが。 それと同じくらいお前にだって、 俺たちは幸せになってほしいと思ってるんだよ。 それは、どうか忘れないでくれな』 …。 (25) 2022/09/26(Mon) 22:21:42 |
【人】 妖もどき 辰沙『さ、話はこれでしまいだ。 さっさと部屋に戻って寝なさい。 あの子のそばについていてやってくれ』 [ そう促されれば、 それ以上何も口にすることもできなくて。 ひとつ、こくと頷いてからその場から姿を消した。 ] (26) 2022/09/26(Mon) 22:22:32 |
【人】 妖もどき 辰沙[ 寮の部屋に戻れば、 すやすやと穏やかな寝息がベッドから聞こえてくる。 転がり落ちそうな彼女の体勢を再度整えて 先程部屋を出たときと同じように毛布を掛け直す。 ] ……理音。 [ 彼女の髪を撫でて、そのまま頬へと手を滑らせる。 もし、彼女と出逢うことがなかったら。 あのとき。>>3:D37彼女に受け入れられなかったら。 きっと、今の僕はここに存在しなかった。 人間を無条件に善いものだとは決して思わない。 それは今でも変わらない。 ……それでも。 僕は、あの夜の闇の中、彼女に見つけてもらって。 『あたたかさ』を、教えてもらった。] (27) 2022/09/26(Mon) 22:25:40 |
【人】 妖もどき 辰沙[ 僕が、ソラナキの欠片である以上、 彼に伝えなければならないものがある。 この星に落ちてから、ただ、人から忌み嫌われ 利用され続けるばかりたったけれど。 それでも、たとえ千年の時のなかの ほんの十年に満たないような時間であったとしても、 この心に刻まれた温かな記憶を。 ―――僕は、彼に、伝えなければならない。 ]** (28) 2022/09/26(Mon) 22:27:03 |
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