恋と、愛と シェルタンは、メモを貼った。 (a94) 2021/06/01(Tue) 19:11:31 |
【置】 徒然 シトゥラ 深夜になり、 誘い出したメレフはやっぱり来た。 そして――――躊躇無く自分に対して その 復讐 を振り下ろしてくれた「―――――」 鮮血 が舞った復讐ができたらそれでよかった? ここで死んだら、あなたは救われない。 殴っていたいのは、あなただっただろう いたくなかった こんなもの、 いたくなかった 一番痛んでいるのはあなただから もっとつらいのはみんなだから 自分が痛いはずがなかった。 いたみを味わうのはきっと愛されたときだけだ。 きっとそれは、切なくて、苦しくて、 何物にも代えがたい忘れたくないものになるだろう (L25) 2021/06/01(Tue) 19:15:00 公開: 2021/06/01(Tue) 19:45:00 |
【墓】 今もなお貪欲 ルヘナ「――あ……」 彼を見送った後、改めて思い出だらけの部屋を見た顔からは 自然と彼の余裕が、見得が、強がりが、剥がれ落ちて行く。 若草色の瞳が滲む。『これから』を認識することを恐れた。 両の手が震える。抑えようにも指先の感覚がない。 呼吸が乱れる。息をすることはこんなに難しかったっけ? 歯の根が合わない。おかしいな、まだ冬は来ていないのに。 いやだ、みたくない、わかりたくない、うけいれたくない、 だっておれは、おまえは、おまえの、 ――――俺は、お前のものじゃなかったの。 そう思いながらも思考を巡らせることはやめられない。 よく慣れた行いで、簡単に心が追い詰められていく。 「――シトゥラ。シトゥラ……」 呼ばれたらすぐ駆けつけると言ったのはお前だろ。 それなのに、こんなに呼んでいるのに、お前は来てくれない。 お前の手で大人のもとに連れて行かれた夜に、 大人のもとに連れて行かれる前に、お前のものになった時に。 俺のことをちゃんと見ててって伝えたし。 愛してる って、お前に応えた、はずなのに。それもすべて、届いていなかったの? (+60) 2021/06/01(Tue) 19:19:56 |
【置】 徒然 シトゥラ 耐えきれずに膝から崩れた 何度も叩かれた 頭上からは放っておけば死んでしまうほどの 血 が流れている。ただでさえ意識を強く持っていなければ、耐え切れそうにない 霞んでる視界にあなたがうつらない。 メレフの声が聞こえない。 ふと、とある夜が頭に浮かんだ。 あの子からもらっていたあれが本物の 愛 だったのならずっと欲しいと願っていたものが手に入っていたとしたら 一日だって我慢はできない。 今すぐ欲しいと手を伸ばして、どこへも行かせなかっただろう。 あれはかりそめだと、思い込んでいた。 勘違いしたらいけない。 苦しい、会いたい、欲しい。欲して欲しい。愛して 見ないふりをしないわるい子をいい子の自分は許さない。 どうすればいい子をせずにすむのだろう? 「(もしここで、死んでしまえば)」 「 セキレイ のシトゥラは死んでしまえるだろうか」「そうしたら、……みんなと会ってもいいのかな」 「これ以上、……みんなに辛い目に遭って欲しくないな」 「手を引きたい、早く大人になりたい――――」 (L26) 2021/06/01(Tue) 19:20:05 公開: 2021/06/01(Tue) 19:45:00 |
【置】 恋と、愛と シェルタン「みんなにとって、 このギムナジウムはどんな場所だったんだ?」 朝。演奏を終えた後、残っていた人たちに向けて。 楽しいところだ。否、窮屈なところだ。 特にどうも思わない、好き、嫌い、様々な感情の詰まった言葉を、音楽でも聴くように耳にして。 「──そっか。 そう思うんだな、みんなは。……みんなも。 この ギムナジウム に、沢山の思い出が、籠もっているんだな。 良いことも。嫌なことも。沢山。 オレも同じだよ。色んな良いこと嫌なことがあった」 (L27) 2021/06/01(Tue) 19:21:39 公開: 2021/06/01(Tue) 19:40:00 |
【墓】 今もなお貪欲 ルヘナ「……でも、いいよ」 己のやるべきことは変わらない。 『知識』を求め、大人を利用するために近づこうとした少年は 己のことを"魔術師"と呼んだ。 大人に従う意味、大人に従う事情、与えられるモノの真実、 知る度に湧き上がる更なる興味と感情に振り回されながら、 より多くの『知識』を求めて他者と関わり『情』を得て、 ――――そうして、『いなくなった』。 己が不和の種である事実は少年を苛み、 苦痛から逃れるために情を捨てようとするもそれは叶わず、 他者から差し出された手を結局は受け入れて未来を望んだ。 自分の望む未来など訪れない。 自分の心など変えようがない。 そうしてたったひとつに追い縋り、 だからこそこの先にある『地獄』をはき違えて。 ああ、けれど、そこで交わした約束を、 少年は決して破りはしない。それも誠意と、愛のため。 「俺は全部許すから」 『情』を知り、『愛』を知り、動けなくなった愚者のはなし。 (+61) 2021/06/01(Tue) 19:22:02 |
【置】 一人の少女 ブラキウム恋は盲目だという言葉がある。 僕はそうは思わない。 僕はずっと盲目だった。 差し込んでくる光が怖くて傷つかないためにカーテンを閉じていた。 最初から見えないものは怖くなかった。 痛みを感じる事もなかった。 ここに来て僕の目を最初に開かせてくれたのはルヴァだった。 なんとなく、上に立つ僕の隣に居てくれそうな気がして。 上に立った時に僕の隣に居て欲しくて。 知るために目を開いた。 少しずつ恐怖も痛みも耐えらるようになった。 こうしてやっと君の顔を見ることが出来た。 世界がはっきり見える。 ギムナジウムの光をその目で受け止めて、 黒々と伸びていく影を知った。 恋は盲目なんかじゃない。 閉じた瞳を開く最後の決め手はきっと、恋だった。 (L28) 2021/06/01(Tue) 19:22:30 公開: 2021/06/01(Tue) 19:50:00 |
【置】 恋と、愛と シェルタン「本当に、 ちょっと前までは最悪の場所だと思ってたんだぜ? 皆に内緒で勝手に外の大人に会いに行って。 で、最近無理矢理連れてかれたかと思えば、 それをみんなにバラされて、無視されまくってさ」 なあ?と問えば、 気まずそうな。或いは訝しげな。それとも、 それを心から恥じているような……さまざまな表情。 「大人も。大人たちも。 良い人、悪い人がいた。 授業を欠席したら心配してくれるような人。 或いは、寄ってたかってオレを虐めるような人。 ここには、良いものも、悪いものもたくさんある」 昔話でもするように瞳を閉じて。 (L29) 2021/06/01(Tue) 19:24:58 公開: 2021/06/01(Tue) 19:45:00 |
【置】 一人の少女 ブラキウム僕は約束を果たしに行くよ。 みんなの事も大切だけれど。 守りたいけれど。 これが僕の一番好きなものだから。 冷静な判断じゃないかもしれない。 間違っているかもしれない。 僕はこんな人間じゃなかったんだけどな。 ……やっぱり恋は盲目なのかも? (L30) 2021/06/01(Tue) 19:26:37 公開: 2021/06/01(Tue) 19:55:00 |
受容者 ルヘナは、メモを貼った。 (c85) 2021/06/01(Tue) 19:27:08 |
スピカは、二通目の手紙を読んだ。誰も救えない、と思った。 (c86) 2021/06/01(Tue) 19:30:25 |
【置】 恋と、愛と シェルタン「……みんな。変わらないんだ。どんなに変わっていっても、みんな、みんな。 “同じところに空の下に生きている”んだ。 だからオレは、それを伝える為に、帰ってきたんだよ」 だから人々は、千差万別である。 憤慨して席を立つもの。困惑げに話を聞くもの。 心の底から、話に聞き入っているもの。 ──皆が、同じ星仰ぐ、ギムナジウムの子らだ。 「なあ。次にここから消えるのは誰だと思う? アンタか。 そこのアンタか。 ──それとも、またオレか。 いや、違う。 もう誰も消えたりなんかしない」 流星の如く。瞳を瞬せて、不敵に微笑む。 「オレたちがしっかりと見つめてあげて。見つけてあげて。 ここから、絶対に消さないようにしよう。 だってみんなみんな、同じ場所に思い出を持ってるから。 嫌いでもないのに、仲間外れにするのはかわいそうだろ」 (L31) 2021/06/01(Tue) 19:31:03 公開: 2021/06/01(Tue) 19:50:00 |
ブラキウムは、澄んだ視界を愛おしそうに見つめた。 (a95) 2021/06/01(Tue) 19:31:32 |
【人】 恋と、愛と シェルタンギムナジウムは直ぐには変わらないかもしれない。 けれど。 『変わっていった』自分たちもまた、 “他のみんなと何一つ変わらない”ものであること。 もう仲間外れができないように。 記憶を綴った。 (53) 2021/06/01(Tue) 19:33:05 |
シェルタンは、希望は、自分だけのものであることを知っている。 (a96) 2021/06/01(Tue) 19:35:51 |
シェルタンは、自分にできることは希望を見せることだけだと知っている。 (a97) 2021/06/01(Tue) 19:36:03 |
【置】 徒然 シトゥラ赤い血 の中に沈んで居ればレヴァティの足音が聞こえた。ねえ、 赤ずきん 。どっちが赤ずきんかわからなくなってしまったね 軽口もたたけない。今度お礼をしないと。 アルレシャの声が聞こえた。 ねえ、 先生 。助けてください。 自分の命を救った大人から聞いたのは本当の真実。 あなた達は似ていた、とても 親切で、とても残酷だった。大人たちは、 『君』の事なんて、さぁ。 『考え』もしなければ、 『愛しい』も思わなければ、 『いい子』とすら、これっぽっちも、考えていない。 大人はすべての価値観を壊していった。 誰よりも先生をしてくれて、 知りたくなかった 知りたかったことを教えてくれた。 赤ずきんもわかっていたんだ。 だからずっと優しくしてくれていた。 すべてがわかって朝日が昇る頃、一人で居るのがとても辛くなった。 会いたい、……ボクを許して欲しい。 まだ声は届くのかな (L32) 2021/06/01(Tue) 19:36:18 公開: 2021/06/01(Tue) 21:50:00 |
シェルタンは、それが“いつも通り”であればいいな、と思った。 (a98) 2021/06/01(Tue) 19:36:29 |
シェルタンは、いつもどおりだ。 (a99) 2021/06/01(Tue) 19:36:36 |
【置】 徒然 シトゥラ 友人に迎えに来てもらって、先生に傷を治してもらって。 親切≠ノ真実を教えてもらって。 これは、よっぽど愛された行為では無かったかと 今は追いつかない感情はその思考をかき消していた。 「……やっぱり、食堂にいけそうにない。」 自分の友人は皆、似たことを言ってくれた。 愛される人間は理由がある。 愛嬌に、特技に、人望に――――自分は足りていない。 絶望した気持ちと同時に湧き上がったのは歓喜だ。 それでも、『見』てくれる人がいるじゃないか。 みんな、『見』てくれるのを待っていてくれていた。 気づくのが遅すぎてしまった、悲しいのに嬉しくて 「こんな泣き顔でいけるわけがない……っ」 見られることもないのに、馬鹿みたいに繕って 大好きな大人と、大好きな子供たちへの気持ちに気づくのに こんなに時間がかかってしまった。 「っ、うぁ……うぁああああああ……」 頭にわずかに赤がにじむ包帯を巻きながら、 図書室の委員だけの秘密の部屋で 朝からシトゥラは泣き続けていた (L33) 2021/06/01(Tue) 19:41:43 公開: 2021/06/01(Tue) 19:55:00 |
スピカは、心にヒビが入っていくのを感じている。 (c87) 2021/06/01(Tue) 19:52:56 |
【置】 褐炭 レヴァティ (──参考:Wikipedia) 初期の赤ずきんは、赤ずきんが狼に食べられたところで物語が終わり、猟師は登場しない。 版を重ねるごとに話の内容に手を加えられ、赤ずきんとおばあさんが狼のお腹から生きたまま救出されるエピソードは、比較的新しく作られたものである。 (L34) 2021/06/01(Tue) 19:54:16 公開: 2021/06/01(Tue) 19:55:00 |
【墓】 戸惑い メレフ>>52 シェルタン 「…………」 少年は、触れられたなら それを拒まなかった。 今は、顔色も変わっていない。 「お前の、傍で?……はは…お前、本当に……本当に、馬鹿だよ。 ぼくは、人の肉を食べないと生きていけない。お前を……たまらなくなって、殺してしまうかもしれない。 だから、言いたくなかったんだ。 お前達と幸せに暮らす事は出来ないから、ぼくは ぼくは…………」 死にたかったんだ、と。静かに、頬を涙が伝って。 重なっている君の手の上に落ちる。 「わだかまりがなくせるのなら、おまえ達と……未来を、見たい…… どうすれば、幸せになれるか 分からない。分からないけど…… 許されるのなら、ぼくは…普通に生きていきたい……」 少年は、愛を知らない。返せるものは、持っていない。 だから、ただ そうありたいという気持ちだけを。 君が一緒に見つけてくれるのなら、と。 涙と一緒に、気持ちを 不器用にこぼした。 (+63) 2021/06/01(Tue) 19:54:19 |
レヴァティは、何かを思い浮かべながら呟いた。「帰りますけど、帰りたくないなァ」 (a100) 2021/06/01(Tue) 19:54:31 |
ブラキウムは、恋に落ちた。 (a101) 2021/06/01(Tue) 19:57:53 |
ブラキウムは、二人でどこまでも――落ちていく。 (a102) 2021/06/01(Tue) 19:58:16 |
サルガスは、メレフの"手"を放した。もう、彼が触れ合うことに恐れを持たないように。 (a103) 2021/06/01(Tue) 19:59:08 |
レヴァティは、卒業したら幽霊になります。 (a104) 2021/06/01(Tue) 19:59:58 |
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