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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:人


【人】 家族愛 サルヴァトーレ

>>26 アベラルド

【チョコラータ:オルサキオット】

品のいい扉が開いて来客を告げる。その刹那、わっと外の熱気が涼し気な店内に舞い込んできた。祭りの賑わいは増すばかりだ。それでもそんな浮かれた空気は扉が閉まると共に再び閉め出されて、コンセプト通りの雰囲気が場を支配する。
外気とともに堂々踏み込んできた男は、カウンターに向かって軽く片手をあげた。にこやかな笑みを添えて。

親しげな挨拶に見えるその仕草は、その実特定の誰かに向けられたものでもない。
いや、会いに来た相手は当然いるにはいるのだが​────初めからその気・・・を出してはまずい。だから男は、いつもその相手を曖昧にする。

男はこの店の常連である。繊細なディティールや上品な味わいを好んでいるらしかった。
当然、そんな真っ当な理由だけで足繁く通っているわけではないのだが​────


「やあ。こんにちは」

店内には数人の従業員がいるのに、迷わず声をかける相手は決まっている。接客用の制服に髪も合わせて整えた君を真っ直ぐ見て、大股に歩み寄った。

「今日も賑やかだね。どうだろう、残ってるかな、いつもの・・・・は」
(30) 2022/08/13(Sat) 1:21:48

【人】 家族愛 サルヴァトーレ

>>48 アベラルド
【チョコラータ:オルサキオット】

品のいい店内BGM、客を迎える従業員の華やかな笑顔、食品を扱う店特有の清潔な空気。それから常連にのみ許されたいつもの・・・・という無責任で信頼ある注文と、それをうけて整然と提供される小さく愛らしい菓子。

「そうそう、ジャンドゥヤにオルセット・マンディヤン。……うん、いつもありがとう」
「へえ? じゃあ、それも包んでくれるかい。それから今日はもう一つ、贈呈用に何か買っていきたいんだ。若い男の子でね、甘いものは苦手みたいなんだけど……」

君の説明を頷きながら聞く。落ち着いた時間が場を支配して流れる。
ファミリーとは何の関係もないこの店を、男は単純に気に入っていた。君に会う名目として最低限の買い物をして行くわけではなく、こうして人に贈るプレゼントを買いに来たり、新作を試すこともよくある。
妙に勘繰られないためにも一般の店には出入りしないのが良い、なんて考え方もあるけれど、君が諌めないということは大丈夫ってことだろう。
(76) 2022/08/14(Sun) 19:04:15