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人狼物語 三日月国


59 【R18RP】花韮の咲く頃

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視点:人

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【人】 上原 隆司

>>0月曜日、急な待ち合わせで会ったとき、矢川の喜びようは飼い主が帰ってきたときの子犬のようだった。
 それがあまりに可愛らしくて、上原は躊躇いなく頭を撫でられたのだった。

 話した通りの卵焼きを作ってもらったことには驚いたが、嬉しくなって食べてみて。
 上原の感想はやはり「何かが違う」なのだった。
 隠し味でも入っていたのだろうか。塩かと思っていたが違うもので味付けされていたとか?
 母親の卵焼きの謎は深まるばかりである。

 そこで水曜の夜、思い切って母親に電話してみたところ、調味料として昆布茶が使われていたことが判明したのだった]


  え? いや、急に懐かしくなって。


[なんでそんなことを聞くのかと問われて、嘘ではない内容で誤魔化すことにした上原だったが。
 「早くいい人見つけなさい」などと言われて、面倒になってほどほどに相手して切ることになった。

 矢川のことは可愛がっているし、会えることも嬉しいけれど、結婚まで考えるような相手かどうかは、まだ上原にはわからなかった]
(3) 2021/03/05(Fri) 8:50:27

【人】 上原 隆司

  ……卵焼きでわかるもんなのか。


>>1矢川の申告は上原にとっても予想外だった。
 が、確かにわざわざよその家庭の味を作ろうとは思わないかもしれない。作るとしたら、それだけ親しい人ができたということになるのか。

 矢川が気楽そうなことが上原は嬉しかったし、反対されなかったことには心が安らいだ]
(4) 2021/03/05(Fri) 8:51:25

【人】 上原 隆司

[金曜日、迎えに行く場所は矢川の家だった。
 ここ1週間ほど、ストーカーが大人しそうではあったが、やはり心配なものは心配で。
 出かける時刻が暗くなり始める頃というのもあり、上原は「家まで迎えに行く」と伝えたのだった。

 上原の服装はと言えば、仕事帰りに直行だったから、いつも通りの服装だった。
 キャメルのチノパンにオフホワイトのシャツを着て、その上からボルドーのニット。靴は革靴、上着は黒い革のコート。
 気張ってないといえばそうだが、あまりデートらしくはなかったかもしれない。

 >>2矢川の家に着いた頃には、彼女は準備万端で]


  悪い、待たせたか?


[約束よりほんの少し早く着くのが上原の常だったが、それでも心配になってそう声をかけた。
 そうしながら、より大人っぽく見える彼女を見て心臓が跳ねたのだという]**
(5) 2021/03/05(Fri) 8:51:58

【人】 上原 隆司

  卵焼きにもドラマがあるんだな……。
  よく聞くのは味噌汁だが。
  コショウ入りも美味そうだ。


[家庭の味でよく取り沙汰される定番品目、味噌汁。それこそ生活を共にしないと食べる機会が少ないだろう。

 パートナーのために慣れない味の料理を作るというのは、料理が苦手な上原には分かりづらい感覚だった。
 けれど合わせてもらう側としては嬉しくて、別の何かで応えられたらと思うのだった]


  あー、蛍のも美味いんだが、
  慣れた味とは少し違ってなぁ。

  なんでか気になって親に聞いてみたが、
  昆布茶で味付けしてたらしいぞ。


>>6卵焼きの感想を問われると、味の秘密は素直に教えた。
 上原家ではその他の料理にも昆布茶が密かに使われていたらしい。

 他にも様々な料理の知恵があったのかもしれないが、上原はそれを知ることなく実家を離れてしまったのだった]
(8) 2021/03/05(Fri) 15:02:58

【人】 上原 隆司

  う、腕? いいけど……、
  歩きづらくないか?


>>7腕を組みたいという申し出に一瞬戸惑う上原だったが、矢川の舞い上がりようが可愛らしくてたまらなかった。
 どのくらいくっつく気なのか測りかねてそんな返事になりながらも、拒むつもりはなかった。

 駅から近い分、bloomの看板は見かけたことがあったが、上原はゆっくり入ったことがない店だった。
 それでも店名を聞けば迷うことなくたどり着けただろう。
 演奏を楽しむ店なら、向かい合わせよりも隣同士で座る席が多いだろうか。

 服装は大人っぽくても、弾む心を隠せない矢川の姿は年相応だった。
 そのギャップがたまらなくて、上原はたびたび矢川に視線を向けては笑みを隠せずにいた。
 傍目には相当に仲睦まじかったかもしれない]**
(9) 2021/03/05(Fri) 15:03:46

【人】 上原 隆司

  うちはなんだったかな……。
  出汁は煮干しとか昆布だったと思うが。

  いろんな具で作る人だった。
  わかめとか豆腐とか玉ねぎとかエノキとか。

  味噌は合わせ味噌って聞いた気がするな……


>>10味噌汁の話題になって思い返してみるが、作るという観点だと詳しい情報が足りないと感じた。
 一口に「合わせ味噌」と言っても様々な種類があるらしい]


  塩は確か入れてないんだったかな。
  昆布茶とコショウでも美味いんじゃないか?


[しらす干しなど、混ざった具材の塩気もあって味は足りるのだろう。
 上原家が塩分控えめだった説もある。塩分を控えても旨味があると食べやすいのだとか]
(13) 2021/03/05(Fri) 17:36:29

【人】 上原 隆司

>>11矢川が腕にくっついてくると、柔らかい感触があった。
 上原はそれでいちいち騒ぐ歳ではないものの、感想が無いわけでもなかった。言葉に出すことはなかったが。

 店に着くと、薄暗くしっとりした雰囲気に上原は安らぎを感じた。
 矢川にとっては慣れない雰囲気なのかもしれないと、席に案内されると慎重に様子を窺うことになった。

 矢川がシャンディ・ガフを頼むのを聞いてメニューを確かめると、ノンアルコールの欄にあった。
 本来はビールで作るカクテルだが、ノンアルコールビールで作る例もあるらしい。ノンアルコール欄にあるからには、間違いなくノンアルコールのはずである]


  モヒートを。


[上原はアルコールメニューを見てすぐに見つけたお気に入りのカクテルを頼んだ。アルコールはそれ1杯にするつもりだった]
(14) 2021/03/05(Fri) 17:36:56

【人】 上原 隆司

[店員が去っていくのを見ると、続けてメニューをめくって]


  軽食ぐらいあるんじゃないか……?
  あ、あった。


>>12夕飯はと問われてフードメニューを探して、少量ながら見つけたのだった。
 揚げ物がほとんどで、その他もおつまみの類と言える。
 フライドポテトとか唐揚げとかフィッシュ&チップスとか、カプレーゼとかナチョスとか、チーズの盛り合わせとか生ハムとか。
 食事扱いで楽しめるかは個人差があるだろうが、上原は気にせず食べる方針であった]


  何か食べたいものあるか?
  名前が気になるやつとか。


[メニューを矢川にも見せて、様子を窺った]**
(15) 2021/03/05(Fri) 17:37:20

【人】 上原 隆司

>>16矢川がなんだか緊張しているように見えて、上原は心配そうな視線を向けた。
 慣れない場所で不安ではなかろうかと、どうしても気になるのだった]


  レーズンバターは……うん。バター。


[バターにレーズンを練り込んで固めたものだという。それは果たして食べ物なのかという疑問は上原も抱いていた。
 トーストに塗って食べるという選択肢もあるというが、むしろそちらが普通ではないのだろうか。
 しかもラム酒に漬けたバターである。酒のつまみに酒が染み込んだレーズンとはいったい。]


  じゃあチーズの盛り合わせと。
  俺はフィッシュ&チップスにするか……。

  分け合うか?


>>17矢川が決めたのを見て、食事に近いメニューを選ぶ。
 酒を持ってきてくれた店員に頼んで、モヒートのグラスを手にとった]
(19) 2021/03/05(Fri) 18:25:52

【人】 上原 隆司

  ミントだな。
  食べたければ食べてもいいんじゃないか……?


[上原は残す派ではあったが、飲食の仕方は個人の自由な気がしてそう答えた。
 グラスを持ち上げるのを見れば同じようにグラスを寄せて]


  乾杯。


[矢川に微笑んで、グラスを傾ける。
 たっぷりのミントが入って、ジンも相まって香り高いモヒートだった。他店で飲んだものより美味しい気がして、思わずメニューのアルコールのページに戻る。

 矢川の感想はとても微笑ましくて、つい小さく笑い声をあげた]


  ジンジャーエールが入ってるからな。
  ノンアルでも苦いしな……ビール。


[的を射た感想ではあるのだが、素直な言葉が高校生らしい。
 反応を面白がるように笑いながらも、上原は今日の待ち合わせから今までの間で、“年下の彼女”の良さをしみじみと感じていた]**
(20) 2021/03/05(Fri) 18:26:24

【人】 上原 隆司

  酒飲むと脂っこいもの食べたくなるからなぁ。
  といってもバターはどうなんだろうな……
  キツいのには合うんだろうか。ウォッカとか。


>>21酒を飲む身にもいまいちわからないレーズンバターの魅力。きっとわかる人にはわかるのだろう。
 つられるようにナッツを少しつまんだ]


  ノンアルなら大丈夫。
  そんな飲みづらい味なのか? それ……

  他のも飲んでみりゃいいのに。
  シンデレラとかさ。


[苦笑いを浮かべる矢川に首を傾げ、ノンアルカクテルの定番を指差した。名前も味も女子受けしそうな代物である。

 店員が来ると礼を言って頭を下げた]
(23) 2021/03/05(Fri) 20:23:16

【人】 上原 隆司

  これ食べると黒ビール飲みたくなるんだよな。
  本場のはもっと不味いって聞くが、
  本当なんだろうか……


[フィッシュ&チップスをつまみながら感想を呟いて、モヒートを一口。香りは良いが、魚には合わないかもしれない……そんな感想が浮かんで、チーズに手が伸びた]


  ん、これ美味いな……


[上原が思わずそう呟いたのは、あまり食卓では食べないような独特の風味のクリーミーなチーズだった。牛乳からはこの味にならないかもしれない。

 少しずつ飲んでいた分、演奏が始まった頃にはまだグラスの中身が三分の二は残っていた]
(24) 2021/03/05(Fri) 20:24:05

【人】 上原 隆司

>>25彼女がシンデレラに乗り気でない理由を推測するのは難しかった。
 悲恋のイメージなのだろうか、と思ってみてもしっくりこない。
 それでも無理強いをすることはなく、時を過ごした。

 演奏が終わってしまえば、拍手をしながらも、もう少し長く続いてほしかったと感じた]


  プロの演奏は迫力が違うな……。
  終わるのが惜しい時間だった。


[日頃、生演奏を聴く機会など上原にはほとんどなかった。矢川と出会わなければ、ここへ来ることはなかったかもしれない。
 そう思うと、彼女は年下の可愛らしい女の子であるだけじゃなくて、新しい世界を教えてくれた人なのだった]
(27) 2021/03/05(Fri) 21:23:19

【人】 上原 隆司

[矢川と同じように、食べ終えていないものは食べ、グラスは空にしながら、どうするかと問われると彼女を見つめ返した]


  蛍はどうしたい?
  あまり遅くなるのもまずいだろうが、
  次までなら時間は大丈夫なんじゃないか。
  後悔のないようにしてくれ。


[ちらりと時計を見る。
 まだ、未成年が店内にいてもいい時間のはずだ。
 あとは予算次第である。上原には持ち合わせも、いざという時用のクレジットカードもある。
 だから、彼女の希望に合わせるつもりだった]**
(28) 2021/03/05(Fri) 21:23:30

【人】 上原 隆司

  そんなこともできるんだな……。
  ああ、また来よう。


>>29彼女の演奏が聴ける機会は、ほしい気がした。
 自分の楽器はないのだろう。>>26
 なら、普段は聴きようがない。
 けれど、彼女がどんな音を奏でるのか、それがどんな風に他の人たちと混ざり合うのか。
 一度でいいから、目の前で聴いてみたいと思った]
(31) 2021/03/05(Fri) 22:00:20

【人】 上原 隆司

>>30片時も離れたくないとでも言うようにくっついてくる矢川は、まるで酒に酔ったかのように見えた。
 それが共に時間を過ごしたことを物語っているみたいで、拒む気など起きようもなかったのだけれど。

 肩が抱きたくなっても、腕が封じられている。
 それがほんの少しだけ不満だった]


  ……公園か。
  冷え切る前に帰るぞ?


[少し夜風に当たりたかった。
 音楽を楽しんだ後は、すぐに喧騒の中に戻るより、夜の静けさを感じたかった。
 だから、公園はとても魅力的な行き先に思えた。>>L0
 外は寒い。だから、そんなに長時間にもならないだろうと。
 別れを惜しんで日常に戻る手前の場所として、ちょうどいいように思えた]**
(32) 2021/03/05(Fri) 22:01:14

【人】 上原 隆司

>>33隣同士でベンチに座るとき、矢川の言葉で顔を上げた。
 少ないけれど、花開いた桜があった。いつの間にそんな季節になったのかと、上原も目を細めていた。

 街灯に照らされた桜の花はやけに白く見えるのに、隣にいる彼女の頬はやけに赤く見えた。
 >>34その瞳が潤んで見えたのは光の加減ではないのだと、すぐに気づくことになった。

 始まりは形だけの、名目上の関係のはずで。
 デートも半分は作戦のはずだった。
 だから、このままストーカーが何もしなくなれば、自然消滅だってありえたのかもしれなかった。

 けれど、いつの間にか上原はこの関係を楽しんでいたし、会いたい日も、頭を撫でたいときも、抱き締めたいときもあって。
 その理由が曖昧なままだったことに、彼女の言葉でやっと気付いた]*
(35) 2021/03/05(Fri) 22:58:50

【人】 上原 隆司

[「帰りたくない」>>37
 デート帰りにそれを言われて嬉しくならない男がいるのだろうか。
 けれど、そのまま連れて帰れるかはまた別の問題だった。

 矢川の腕が緩めば上原も腕を解いて、自然に離れるに任せた。
 繋がれた手に指を絡めて、幸せそうな笑顔を見ながら微笑みを返す]


  もう、夜遅いからな。
  帰らないと風邪引くぞ。


[穏やかに声をかけて、咲き始めの桜を見上げる。これからもっと花が増えていくのだろう。
 この公園を通りがかるたび、この日のささやかな夜桜を思い出すのかもしれない]**
(39) 2021/03/06(Sat) 12:14:03

【人】 上原 隆司

  ……あー。


>>40言い分を笑われると、上原は苦笑することになった。
 確かに今の時期しか通用しない言い方である。

 桜が散っても、次に咲く花が何かあるはずで、町の中を歩いていればどこかでなにかの花が咲いていることに気付くのだろう。次々新しい楽しみを見つけるかのように]


  誕生日……? 七夕、今年は何曜だろうな。
  俺は8月3日。割と近い。

  お揃い……例えば、なんだ? アクセサリーとかか。


[急な誕生日の話に首を傾げつつ、問われたことには答えて、恋人と一緒に持ちたいお揃いのものを思い浮かべる。
 定番は指輪なのだろうけれど、それは目立ちすぎる気がして、上原の気はあまり進まなかった。

 じゃあ他の何があるのだろう。ストラップとかマグカップとか、だろうか。他にも、すぐには思いつかないようなものがいろいろあるのかもしれない]
(42) 2021/03/06(Sat) 15:18:48

【人】 上原 隆司

>>41矢川が立ち上がるのに合わせて、手を繫いだまま立ち上がる。
 道すがら話すのは次のデートのことなのだろうか。日時が決まれば、またその日を楽しみに過ごすことになるのだろう。

 不審な人影が無いか気を配りながら矢川の家までたどり着くと、キスは拒むことなく受け入れた]


  おやすみ。また来週な。


[微笑んで伝えて、頭を撫でて、矢川が家に入るのを見届けてから去るだろう。
 帰りは駅まではまっすぐ向かうものの、すぐに中には入らずに煙草を1本吸うことになった。なんとなく、そんな気分だった]**
(43) 2021/03/06(Sat) 15:19:04

【人】 上原 隆司

>>44誕生日の話が出た理由に、上原はやっと納得していた。
 社会人と高校生。大人と未成年。その差は新鮮なものでもあるし、行動を縛るものでもある]


  なるほどな……。
  大学生になりゃ、歳なんか無視して
  酒飲む奴も多いしなぁ。


[それが褒められた行動でないのは確かだ。それでも一緒に楽しめるものが増えていくのは、上原も楽しみだった。
 アルコールに関しては、体質もあるだろうけれど]


  キーホルダーか。
  バリトンサックスの……。
  いいな、今度買いに行こう。


>>45お揃いの持ち物の案に目を細める。今日の思い出が形になるようで、手に入れたら大切に持ち歩くだろう]
(49) 2021/03/06(Sat) 16:23:04

【人】 上原 隆司

[次の休みはちょうど火曜日。>>45
 お弁当を受け取って登校に付き合って、帰りに待ち合わせて映画館に行くことになるのだろう。

 >>46不穏な影が見当たらないことに安堵して、見送ったときの言葉は心に留めた。

 一服した後、電車で家に帰って、部屋の鍵を開けるとき。
 そのキーホルダーがお揃いのものになるところを夢想した。
 いつかは矢川に部屋まで来てほしい気がして、春休みならそれが無理なく叶うかとも考えた。

 もう少し部屋の中を片付けるかと考えながら、寝る前にメッセージを送ろうとして。
 文章が何も思い浮かばず、悩んだ末に送ったのは、音符のスタンプをひとつだけだった。
 共に過ごした時間に想いを馳せて]**
(50) 2021/03/06(Sat) 16:23:28

【人】 上原 隆司

>>47そうして時を重ねていった。
 家に帰るたび、キーホルダーを見てあの日のデートを思い返していた。

 卵焼きはいつの間にか、母親の味とそっくりになっていたけれど。全く同じよりもコショウを足したものが美味しくて、定番になったのはきっとその味だったろう。
 春休みの間、家に誘う機会を窺ったことはあっただろうが>>50、結局誘わずじまいだったかもしれない。

 一緒に街中を歩くことが増えれば、同僚と鉢合わせることも何度かあった。
 「上原さんの彼女、若いですね」などと後日揶揄されたこともあったが、年齢については「まだ学生だから」で濁していた。
 出会いのきっかけを詳しく語ることもなかっただろう。あまり個人的な話はしない主義だった]
(51) 2021/03/06(Sat) 16:36:37

【人】 上原 隆司

>>48見慣れないセーラー服姿は、彼女が高校生だと実感するものだった。
 物珍しくて写真にはついつい見入ったものの、セーラー服姿の女子高生とデートはあまりにも気が引ける話である。
 何もしなければ着替えてくるだろうと思いながらも]


 『ちゃんと着替えてから来いよ。』


[念を入れてメッセージを送りたくなるくらい、上原は人目を気にした。

 ――生で見てみたい気はするが、それは卒業式に顔を出させてもらうときにしようか。

 そんなことを考えながら待ち合わせに向かったのだった]**
(52) 2021/03/06(Sat) 16:36:58

【人】 上原 隆司

>>53犬のスタンプで上原がすんなり矢川を連想するのは、彼女が子犬のように見えたことがあるせいなのだろう。>>3

 朝や寝る前はあまり長々とやり取りすることはなかったけれど、昼休みや退勤後の時間はいろいろ話していたかもしれない。
 最初の頃こそストーカー対策ばかりだったけれど、今は次のデート先や、互いの趣味の話などに変わっていただろうか。

 街中で同僚に会っても会釈程度。矢川が気付くことはなかっただろうけれど。
 会釈を疑問に思われたなら、同僚だとは伝えただろう。

 上原と同僚は恋人との関係の深さについていちいち話す年頃ではなくなっている。
 だから矢川が部活で大惨事に巻き込まれていようとは、言われることがなければ思いつかなかっただろう。
 言われてみれば至極当然の反応ではあるのだが]
(55) 2021/03/06(Sat) 17:57:18

【人】 上原 隆司

[お花見デートの日。
 矢川が用意してくれたお弁当箱のそばには、上原が家でハンドドリップしてきたコーヒーを詰めたボトルがあった。
 人に飲ませるほどの腕ではないが、自分で飲む分には気に入っていて、いつも食べ物を用意してくれるお礼にと用意したのだった。
 ブラックだからと、ミルクチョコレートも一緒に。

 辺りが賑やかな中、ベンチに陣取ることは無事できただろうか]


  俺の家? 普通の1DKマンションだよ。
  台所狭いぞ……。今度見にくるか?


[家のことを問われると、素直に答えた。>>0:93
 見たいのだったら、と誘う言葉をかけながら。

 上原の部屋は独居が前提だけにあちこち狭苦しいが、特に台所は顕著だった。
 元々狭い調理スペースに炊飯器が置かれ、そのままでは本格的に何か作るのは苦労するだろう有様であった]**
(56) 2021/03/06(Sat) 17:57:41

【人】 上原 隆司

>>57矢川の部活では大分面白い言い草になっていたとは露知らず、マイペースな逢瀬を続ける上原だった]


  ダイニングキッチンの他に寝室がひとつだな。

  コンロは1個だけだな……。
  料理するには不便だと思う。
  普段はほとんどお湯沸かすくらいだ。


[部屋の広さがピンと来ていなそうな矢川に、間取りの説明を付け加えた。
 独居でもワンルームでないのは、少し贅沢かもしれない。あまり狭すぎるのも落ち着かないからと選んだ部屋だった。

 上原は米は炊くが自炊というほど料理もしない。それは下手に作るとかえって栄養バランスが悪くなるからだった。
 1人前の1食分のおかずを作るのは難しい。根気よく日々料理するのも向かない性分だった。

 だから矢川のお弁当にはいつもありがたみを感じていた]
(60) 2021/03/06(Sat) 20:58:07

【人】 上原 隆司

  いただきます。
  いつもありがとな……、今度何か奢らせろよ。


[紙皿と箸を受け取って手を合わせ、お重から料理を選び取る。確かに言われた通りに春の彩を感じるメニューである>>59


  蛍の料理はいつも美味いよ。
  和食というか、日本食が好きなのか?


[矢川のお弁当は洋食にしても日本人らしいメニューが多いように感じていて、食べながらふと尋ねた。
 外国料理に関心はないのだろうか、と。
 何か気になる料理があれば、一緒に外食するときに食べてみたかった]
(61) 2021/03/06(Sat) 20:58:50

【人】 上原 隆司

  そういえば蛍は、志望校決めたんだったか。


[あまり進路の話をしたことがなかった気がして、桜を見ながらふと尋ねた。

 >>59もし志望校の話を聞けば、女子大という点に安堵したかもしれない。
 己の大学生活を思い出すと、男子学生に不安の湧く話が上原にはいろいろあったのだった。

 コーヒーを飲んで幸せそうにする矢川を見ながら、料理の合間に一口飲む。
 癖なのか、上原の淹れるコーヒーはどうしても濃くなってしまいがちだが、その分ミルクと相性はいいかもしれない。

 今は食事中だからチョコレートに手を伸ばすことはなかったけれど、コーヒーと一緒に食べれば苦味がほどよく和らぐだろう]**
(62) 2021/03/06(Sat) 20:59:16

【人】 上原 隆司

  えっ、……いや、さすがにそれは悪い。


>>63毎日お弁当と言われると、上原はさすがに食費を負担しなければという心境になった。

 添加物が心配というのは確かにそうだろう。あまり余分なものは入っていないものを選んではいるのだが]


  料理はタダじゃ作れないだろ。
  材料もそうだし、手間暇かかるし。
  礼はしたいんだよ。

  パフェか……、そのうち行ってみるか。


[店が遠いと、何かのついでで遠出したときになるのだろうか。
 デート先と合わせて少し遠くまで行くのも、きっと楽しいだろう]
(66) 2021/03/06(Sat) 22:23:34