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人狼物語 三日月国


150 【R18G】偽曲『主よ、人の望みの喜びよ』【身内】

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視点:人


フカワは、全てが有耶無耶になってしまえたらと思った。
(a12) 2022/06/07(Tue) 5:45:29

フカワは、己の不運を呪って、愛した。
(a13) 2022/06/07(Tue) 6:14:27

トラジコメディ フカワは、メモを貼った。
(a14) 2022/06/07(Tue) 7:16:58

【人】 トラジコメディ フカワ


『弊社の試験薬が』

『貴方様にご迷惑をおかけしてしまったこと』

『深くお詫びしたいところですが──』


 見ないうちに随分と変わり果ててしまったものだ。
 我々に投与された薬とは一体全体何だって言うのか。


「故に少々、お時間をいただけますでしょうか?」

針のような気配に震える瞼を開けて、
引き攣った微笑みを顔に貼り付け、奈尾の前に立ち塞がる。

眉間に皺を寄せてアンテナを握り締めれば、
其処彼処から軽くも不規則な足音が響き始める。
それはまるで行進(/パレード)の始まりを告げるように。
(12) 2022/06/07(Tue) 8:46:21

【人】 トラジコメディ フカワ


チッ、と熱い何かがズボンや靴の端を掠めて、
バターでも抉ったみたいな跡をつけたのを感じる。

へへ、だの、ははだの、笑っちまったくらい濃厚な死の気配。

「いえ勿論!……重々、承知です、とも」
『ああああ当たる死ぬ?当たる嫌だ怖い当たる嫌』


実に手強い客だ。ここまで強情なのはいつ振りか。
──そう、あくまでも映画のように劇のように。

無機質な散弾銃、劈く発砲音、異形と化した彼。
それらをひとつでも、確かな現実のものとして受け止めたら、
もうすぐにでも狂ってしまう。出来る限り俯瞰しなければ。
 
銃口が上を向いたのを見れば、及び腰で一歩ほど後退りを。

「申し訳ございません……何から何まで」
『こここ、こい、ここ、に、ここから、音の方』


背後の方から駆けてきた中型の実験動物を、
アンテナの柄でいなし、先ほどの銃声を頼りに飛び掛からせる。
狙いが外れたり逸れたり、それか盾になってくれたらいい。

痛みを増す頭は、寧ろ正気を保たせてくれて有難い。
(14) 2022/06/07(Tue) 10:52:49
フカワは、念の為アンテナを支えに低く屈む。ひぃい、と情けない悲鳴が溢れた。
(a17) 2022/06/07(Tue) 10:53:55

【人】 トラジコメディ フカワ


後退りをする。

「ひ、そ、それにつきましてはその」

一匹どっかから此処に誘導するのに、
どれだけ手間掛かってると思ってんだクソッタレ。
そう毒吐いてもとても聞き届けてくれそうにない。

愚痴ったら親身に聞いてくれそうだった彼は、
もうどこを探しても見当たらない。

指示なく異変を嗅ぎつけ、ちょろちょろとやってきていた二匹の小動物を見遣る。
片方は地面の液体を避けようともせず突っ込んでとろけた物体たちの仲間入りを果たし、もう片方は駆けることままならず、のろのろ空を引っ掻くだけ。

それをぽんと脚で蹴り飛ばす。
何かに気を取られてくれればいいのに。

『ひ、あ、後、無さすぎ、だろ……』


どれだけ怯えても、絶対に転んだりとかしないように。
背負ってるのはもう自分一人の安全じゃないんだ。
(18) 2022/06/07(Tue) 13:25:06
フカワは、後退りをする。
(a23) 2022/06/07(Tue) 13:25:13

【人】 トラジコメディ フカワ


篝屋さんを引き合いに出されて、
一瞬、ほんの一瞬だけ硬直した。

何故かといえば、もしかしたら会社の後輩になってくれそうだった相手の安否に関わることだったから。
何故一瞬だったかといえば──

「排除──奇、遇ですねェ、
 オレもそう……オレも頭痛いんですよ」

「その原因。安全を脅かすものを、
 排除すれば解決すると思ってて」

自分は害意だけにはどうしても敏感だったから。
それも“排除”ときた。『彼』と似つつも決定的に違う、
加害者としての、実に傲慢なそれを聞き逃すはずはない。

「な、何もオレが行く必要ありませんし?
 だから、そう……こっちはもう」
(19) 2022/06/07(Tue) 13:30:50

【人】 トラジコメディ フカワ




『後に引く気はねェんだよッ!』



寧ろ自分のごとそっちの頭も割れろ、とばかりに力強く吠える。
鼓膜を介さない、脳を貫き揺さぶる純然たる音の暴力。

施設に蔓延る獣たちに対する呼び声で、
急いで駆けつけようと奔る仲間への導で、
明確な意志でもって攻撃せんとする、初めての害意の形。

血の気がバカみたいに引いていく。
言ってしまったこと以上に、力に身体が侵される感覚。
こんなもん二度三度やれるようなもんじゃないということを、
嫌ってほど思い知らされる。
(20) 2022/06/07(Tue) 13:36:07
フカワは、後退りしようとした一歩で、力強く地面を踏み締める。
(a24) 2022/06/07(Tue) 13:36:42

【人】 トラジコメディ フカワ


──聞き覚えのある絶叫と、破裂音。

「いっ、」

緊張の糸がぷつんと切れて、
アンテナを取り落とし、尻餅をついて。
目の前から倒れ込む異形を認識しては、
心の底から錯乱して、観劇から現実へと引き戻された。

『やった?やってないまだやってない、やらなきゃ
 とりかえし、つかなくなるとるかえすつくように』


嗚咽なのか悲鳴なのかわからない音が喉から漏れ続ける。
わなわなと頭に手を当てて、何事か叫ぼうと思った時には、
(31) 2022/06/07(Tue) 22:48:11

【人】 トラジコメディ フカワ


『叶さん───!!』


それは他愛無い、
無意識のうちの脳の呟きに変換される。

透明な針の山が異形ごと貴方を貫いたのを見れば、
自分の胸まで何かに刺し貫かれたような痛みの錯覚を。

(───どうして?何故?なんで?)

疑問ばかりが頭で膨らんでいくものの、
それは── きっと、全てが終わっても分からないものだ。
仰向けから身を捩らせて、肘を突き、
手を伸ばしてもがいてはみるけれど、
決してどうにもできない目の前の光景を、
(32) 2022/06/07(Tue) 22:59:20

【人】 トラジコメディ フカワ


「叶、さん……」

頭痛と吐き気が身体を苛みつつも、
どうにか貴方を救う手立てを考え続けて。
しかしぽろぽろと涙が流れ落ちるばかりで、
それ以外には何も出てこない。

手遅れだということを認めたくないのに、
悪癖となった諦観が身を包んで離してはくれない。

「なんで……オレで、よかったの、に……
 全部……持って行かないでくれよ……!
 ひ、二人の……二人で抱えるもの、だったでしょうが」

這う這うで近づいて行って、
投げ出された掌を両の手で握ると、
急速に失われていく体温が痛いほどに伝わってきた。
(38) 2022/06/08(Wed) 0:44:30

【人】 トラジコメディ フカワ


「オレは……貴方がいたから、
 立ち向かう勇気を貰えたんです。

 オレが頑張らなければ、
 いつか叶さんがそうなってしまうと、
 ───貴方が貴方を害してしまうことを、知っていた」

それを止めたかったのに。
あるいは、どうしても助からないというのなら、
オレも共に、そこへ連れて行ってほしかった。

何もかもが上手くいかないのは、
己がやはり弱者に過ぎないからなのか、
それとも、罪に対する罰がこの形になったのか。

「貴方の、せいで───
 貴方のせいで、無事になっちゃいました。
 
 許さないです。これから、ずっと」

至らなかった自分と、勝手な貴方を。
許したところで、貴方が助かるわけじゃない。
(39) 2022/06/08(Wed) 0:57:19

【人】 トラジコメディ フカワ


「どうして全部事後報告なんですか……貴方って」

思わず、溜息のようなそれが出た。
そういえば近頃は心中で呟くばかりで、
直接愚痴を吐いたりするようなことを忘れていた。

血の混じった裾で目元を拭えば、
頭がどんどん冷めていく。
リアリティに欠けた感覚が、胸の内を満たしていく。

「そうと知っていたら、
 貴方の力を借りようだなんて思わなかった。

 無理させようとか、そんなの御免ですし、
 ねえ、もっと別の方法を考えられたんです。
 オレ達はマジで、どうして……こうなるんですかね」

言った所で全部無駄なことはわかっている。
そもそも他に方法があったかさえ定かじゃない。

けど今は、ありったけの恨み言を言わなきゃ気が済まない。
(40) 2022/06/08(Wed) 1:05:30

【人】 トラジコメディ フカワ


「……頼まれて、あげますよ。
 他でもなく、誰にも頼らなかった貴方が、
 初めて俺に対してくれた、“頼み”ですからね」

本当に、どこまでもどうしようもない似た者同士だ。

「オレだって」

「オレだって、何もできなかったんです。
 だからオレも貴方の頼みを叶えてあげられなかったら、
 ちゃんと怒ってください。じゃないと不公平です」

置かれた環境からしてどうしようもなく絶望的で、
自分の力にしか頼れなくて、何かが狂ってしまった。
そうでもしなきゃ、生きていけなかっただけの。

身に過ぎた物を持たされてしまっただけの、人間だ。
(42) 2022/06/08(Wed) 1:19:08

【人】 トラジコメディ フカワ


『───だからいまは、ゆっくり休んでください。
 私も……もう一仕事してから、そちらに行きますから。

 叶さんは、もうひとりじゃないです』


もう音が届くか分からないから、
頭に直接話しかける。細胞レベルの仲間意識があるのだ、
いっそ音にするよりこっちのほうがよく伝わるだろう。

『ひとりじゃないなら───怖くないですよ』


はやがて西に沈むから。
それが今貴方に与えられる、一番の救いになればいい。
(43) 2022/06/08(Wed) 1:23:23
フカワは、些細な秘密と罪しか、この身に持ち合わせていない。
(a56) 2022/06/08(Wed) 1:26:27

フカワは、貴方と自分が死後行く場所があるとしたら、地獄に他ならないとは思っている。
(a57) 2022/06/08(Wed) 1:27:35

フカワは、それで満足だ。
(a58) 2022/06/08(Wed) 1:27:44

【人】 トラジコメディ フカワ


「───」

一先ず連絡を入れよう。
脅威は既に去って。実験動物は会議室には来ない。
もう、終わったのだと。
(47) 2022/06/08(Wed) 3:59:33
フカワは、端末へ事の顛末を送って。
(a65) 2022/06/08(Wed) 4:00:14

フカワは、しばらく、呆然とその場に座っていた。
(a66) 2022/06/08(Wed) 4:01:11