［�Wあの恐ろしい出来事�Wが
　ただの夢ではなかったことを

　心に負った傷と
　片方空洞になった学ランの袖が
　証明している。

　けれど、失うばかりじゃなかった。］



　　　　檜扇レオさんの面会に来ました



［僕にとって掛け替えのない人が
　キミだってことを、知ることが出来た。

　その点に於いてだけはあの狂った世界に
　感謝してやっても良い……、かも知れない。
　ほんのちょっとだけ。］
　

　
［学生だけど、学校には行かずに
　毎日、面会時間をいっぱいに使って
　レオくんに会いに来ている。

　レオくんの傍で
　レオくんの為に過ごすことが
　僕の幸福だ。

　目下の心配事と言えば

　彼はいつ退院が出来るのかという事と
　退院後は、今ほどは　　　　、、、
　会えなくなるだろう事、――だった。*］