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【人】 成瀬 瑛[ 軽々しく言うのは、駄目だよ。 ちょっと大人びた顔を作ってから あたしは彼に忠告しようとする。 ほぼ初対面なんだからさ。 あたしが悪い人だったらどうするの? そんな甘い言葉を言ったら、 簡単に付け込まれちゃうよ ─── って。 言っていることは間違ってないと思うんだ。 あたしは彼にそこまで言ってもらうほどのものを 何も与えられてないんだから。 …… なのにどうしてあたしは、 この手を離したくないと思っているんだろう? ] (311) 2020/08/02(Sun) 22:07:45 |
【人】 成瀬 瑛[ あたしの現況を変えるには、転職するしかないんだけど。 今の激務の状態では、就活する時間なんて取れないし…… かと言って今の職場を辞めてしまったら 住み込みで働いるあたしは、住所不定になってしまう。 高校を中退しているから、最終学歴は中卒。 中卒かつ住所のない娘を雇ってくれる場所なんて あの日、悪いお兄さんに助けてもらえなかった別の未来。 家出娘の末路と似たり寄ったりだ。>>2:206 かと言って新しく住処を契約するにも、保証人がいる。 あたしのような小娘が生きていくのには、 この世界はやっぱりなかなか大変だ。 …… 考えれば、何か方法だってあるんだろうけど。 日々に忙殺されたあたしは、 考えることにも疲れてしまっていた。 ] (313) 2020/08/02(Sun) 22:08:36 |
【人】 成瀬 瑛あっ、貸してと言ってもね。 書類上のことでいいんだよ。 ほら、実際にはネカフェとか泊まるし………… [ ── と、そんなわけでの住所が欲しいなんだけど。 こんな話を聞かされて、君はどんな顔をしただろう? それ以外にも、不安は当然ある。 履歴書に記載できる住所を得たところで、 採用されるかは別の話。 学歴もまともな職歴もないんだから。 就活したところで、 普通の会社があたしを採用するとは考えにくい。 ただ……。 それを理由にするにはね。冷えたあたしの指先に、 君の手のひらは暖かすぎたんだよ。 ]** (314) 2020/08/02(Sun) 22:08:43 |
【人】 成瀬 瑛[ 初めて聞く彼自身の話については。>>337 何となく言葉の端々からも薄く察してた。>>0:522 だから驚くよりは、納得して。 ] …… そうだね。 あたし達、放っておくとすぐ不健康しそうだから。 一緒にいて、互いをきちんと見張らないとね。 [ 悪戯っぽく告げるのは、了承の言葉。 そうしてよろしくね、と握手を交わすかのように 重なり合った指に力を込める。 その瞬間、あたし達の関係は 「他人」から「同居人」へと、 とりあえず一つの名前が付けられて。 …… そこから先の未来は、まだわからないけれど。 この手を離さなくていい理由ができたことに あたしは深く安堵したんだ。 ] (348) 2020/08/03(Mon) 11:32:37 |
【人】 成瀬 瑛[ 一緒に暮らすならいろいろ取り決めもある。 それ以外にもあたし達求職組は、 考えなければいけないことだらけだ。 だけど、とりあえず今は、 話が一区切り付いたところで ようやく一息ついて。 眼前の君の姿を、 変わっていく空の色、昼と夜に照らされながら 改めて見つめる。 ] 羽凪くん、浴衣似合ってるね。 かっこいい。 (349) 2020/08/03(Mon) 11:33:04 |
【人】 成瀬 瑛[ そう、真っすぐに視線を合わせながら囁いたなら。 その後は何も続けないで。 ほんのちょっぴり、目線を上げて。 何かをねだるように、君の言葉を待った。 ]** (350) 2020/08/03(Mon) 11:33:20 |
【人】 成瀬 瑛[ ただ、うちの現場は常に人手不足で 猫の手だって借りたいくらいなのに。 猫よりは幾分かマシな手を、あっさりと手放した理由。 それはきっと、まとまった金額の退職金が示している。 この職場はブラックだったけど。 あたし、所長のことは嫌いじゃなかったよ。 今まで、お世話になりました。 ] (356) 2020/08/03(Mon) 18:17:00 |
【人】 成瀬 瑛[ それから、また少しだけ時は流れて。 その日のあたしが駆け足で向かうのは あたしにとって、「寝るために帰る」だけではない家。 勢いよく玄関の扉を開いたら、 靴を脱ぐのももどかしいとばかりに。 家に帰る理由をくれた君に向けて。 荒い息を整えながら、身を乗り出して告げる。 ] (360) 2020/08/03(Mon) 18:19:08 |
【人】 成瀬 瑛仕事は大変そうなんだけどね。 拘束時間が、すごく少ないんだよ。 ニチアサもとい日曜朝くらいで! [ だから一緒にいられる時間は取れるよって。 少し興奮しながら、 得意げな顔でセールスポイントを語るけど。 もしあたしの話を不審に思った君が、辞令を覗いたら。 そこにはきっと、こう書いてある。 ] (362) 2020/08/03(Mon) 18:19:29 |
【人】 成瀬 瑛「 成瀬瑛 殿 如月町勤務を命じる。 未だ残存勢力の影が見える悪の組織の陰謀を防ぐため よりいっそう正義の味方としての活躍を期待する。 」 (363) 2020/08/03(Mon) 18:19:35 |
【人】 成瀬 瑛ありがとうございましたー! [ お客さんの背中を、手を振って見送って。 息もつかぬ間に店内を見渡す。 よしっ、お客さんも一通り捌き終えたから、 人が少ないうちに、掃除でもしようかな。 それとパソコンを使って、 インターネット販売の注文確認と発注業務。 古書に関する勉強は、帰っての課題。 今の時間は現場でしかできない仕事を……。 ] (419) 2020/08/03(Mon) 22:05:37 |
【人】 成瀬 瑛お饅頭……!? [ 休みながら甘味を好きに食べる? 何っ、食事なんて(3)1d10秒でかき込むか、 仕事の席で演じながら食べるものではないのか? あたしは今度こそ理解が追いつかなくて 呆けた顔で薄氷さんを見つめたのだった。 ]** (421) 2020/08/03(Mon) 22:05:43 |
【人】 成瀬 瑛[ そんなことを、何回か繰り返して。 ] あっ、あの……薄氷さん。 和室にあった羊羹、美味しかったよ。 [ しっかりと味わって、感想を言えたのは もう少しだけ、先の話。 ]* (461) 2020/08/03(Mon) 23:42:10 |
【人】 成瀬 瑛[ そんなわけで、ラーメンもご無沙汰なんだけど たまたまバイト先の近くで 美味しそうなラーメン屋を見つけたから。 週一のバイトの前の時間だけ。 あたしは豊胸に効果があると勘違いしたまま こっそりラーメンを食べている。 ] (468) 2020/08/04(Tue) 0:14:11 |
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