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人狼物語 三日月国


202 【ペアRP】踊る星影、夢現【R18/R18G】

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【人】 天原 珠月

[結果的に入れ替わり事件となった夜から時は過ぎ。
3回目を迎えた朝のご飯は――目覚めて今日の朝食は何かしらと考える時点でガクの料理の虜になっている――昨日動画というもので見つめた魚も含まれた炭火焼きだった。
なんでもバーベキューというらしい。]

 川魚とはまた違う柔らかさがあるわね。
 あ、この油で揚げたの、サクサクしていて美味しい。

[朝昼兼用みたいなものだが、かなり豪勢である。]

 私の居た世界に海がないのが悔やまれるわ。
 ああでも、空に浮かんだ島でないと、あんな風に飛ぶ技術は発達しなかったかしら……。

 あ、お味噌汁というのもコクがあって良い味ね。

[ここでロケットで月に行く話なんてされたら腰を抜かしてしまいそうだが、料理の時間は和やかに過ぎる。
ガク>>27の料理上手さを実感することになった。]
(28) 2023/03/09(Thu) 22:57:37

【人】 天原 珠月


 あら、そんな風に考えてくれていたの?

[たこ焼き器は不思議そうにまじまじと見つめて。
ああ、これは型なのね、と工場の方を思い浮かべたりして。
牛乳に卵、小麦粉。前にいた世界にもある材料。
それらで作り上げる甘い甘い香りに表情が華やぐ。
蜂蜜で甘くしても良いの?なんて聞いたり、跳ねるポップコーンに最初驚いてガクの後ろに隠れたりもした。]

 私があの世界に作り方を伝えられれば良いのだけれど……。

[ガクはミツキと入れ替わりに自分が元の世界に戻れると思っているのだろう、と改めて感じる。
言うべきか言わないべきか、迷う。
言えば優しいガクは思い悩みそうな気もして。

呟きは料理の音に紛れていたのか、どうか。*]
(29) 2023/03/09(Thu) 22:57:42
月島 雅空は、メモを貼った。
(a10) 2023/03/09(Thu) 23:42:26

【人】 月島 雅空

[ポップコーンの跳ねる音に隠れるペルラさんを少しおかしそうに笑いながら、トウモロコシを育てた後に更に乾燥させたものを油で炒る簡単なものだが、徐々にポンポンと音をたてていくなかフライパンの持ち手を揺り動かしていって、蓋から溢れるほどの容積になったところで止める]

 と、あれぐらいの量でこうなるからね。
 甘いのが苦手な人はこれに塩だけで食うのも美味しいよ。

[そういって塩でまず味見をしてもらいつつ、フライパンの油をふき取り、水と砂糖とバターをいれて、キャラメルソースを作り上げて]

 甘くする場合はこっち。

[キャラメル色になるまで加熱したらその上にポップコーンをくわえてかき混ぜて、召し上がれ。とするのであったが]

 え、そのつもりでいたけれど、メモとか用意したほうがいいかな?

[当然帰るものだと思っていたため、そのペルラさん>>29の呟きに首を傾げた*]
(30) 2023/03/09(Thu) 23:44:16

【人】 天原 珠月


 急にぽんって弾けるんだもの。
 さすがに驚くわ。

[可笑しそうに笑われた気配に、もう、と眉を寄せて。
すぐにこちらもつられて笑みが零れだした。]

 塩はシンプルで美味しい。
 きゃらめる? あまくて、しょっぱい?

[まだ熱々のポップコーンをふーふーしてから口に入れる。
初めての味わいに瞳を丸くしてから。
ガク>>30の提案に、こくりと飲み込んで。]

 ……言おうかどうか迷っていたのだけれどね。
 私は、元の世界には、きっと帰れないの。

[うまく微笑んだつもりの顔に、痛みと切なさが過った。
メモをとまで元の世界に戻ってからを考えてくれるガクの優しさに、隠し通すことができなかった。]
(31) 2023/03/10(Fri) 0:10:42

【人】 天原 珠月


 あちらでは、巫女は力を使い果たすと消えてしまうという逸話があるの。
 そして、私はその通りになった。
 儀式の最中に、身体の感覚がなくなって……。

 そうしてミツキと出会った場所に来たのよ。
 ……だから、この入れ替わりが終わったら、私はまたそこに戻るのだと思う。

[それすらも確定ではない。
今度こそ本当にすべて消えてしまう可能性だってあると、心の奥底では覚悟し――どうか『彼』が逢いに来てくれるまではと強く強く願っている。]

 大丈夫、愛する人とまた逢えるって。
 ちゃんと約束しているから。

[自分に言い聞かせるように聞こえたかもしれないけれど、自分も相手をも信じる力がこもっていた。*]
(32) 2023/03/10(Fri) 0:14:27

【人】 月島 雅空

 え……いや、なんで…

[おやつの感想よりも、予想外の言葉にたどたどしく無意識に疑問を口にする。
自分へと微笑むペルラさん>>31姿が、胸に痛切な想いをくれる。

そして語られた初めての事実を>>32に口を噤む。
理解を拒むような頭に痺れるような耳鳴りがする。

今は色々と触れ合って彼女という人柄を信じれているが、最初は、彼女も帰るものだと思っていた、そのために力を尽くすから珠月が帰ってくることも信じることができた。だから無事に戻って欲しいとも素直に思っていた。

「なんで。」なんてそんなの彼女と、待ってくれる人が一番思ってることじゃないか。]
(33) 2023/03/10(Fri) 0:47:45

【人】 月島 雅空

 思ってもなかったことだから…正直、驚いてる。

[そう思うと彼女の微笑みは、覚悟の上なのだろう。覚悟の上なのだろう。
ちゃんと約束しているという言葉が重く重く聞こえる]

 …でも…ペルラさんは……生きてる。
 喋って食べて寝て、海を見たり思い出話を語ったり湖に潜りもしたし……

[そこまでいって同情とかそういうのを向けないために一旦目を伏せる。]
(34) 2023/03/10(Fri) 0:47:59

【人】 月島 雅空

[でも自分が言ったことに間違いがあるとも思ってない。
しばし落ち着けるように目を伏せた後、いつになく眼差しに力を込めて、ペルラさんを見つめる。]

 ねぇ、ペルラさん。無神経なこというかもしれないけど
 それでも、珠月と今いる場所と入れ替わろう。と思わない?

 遠見にしても……呼び出すときの目印(>>2:43)にしても、ペルラさんの能力は、縁とか想いの力が重要だって思ったんだ。

 だから大丈夫だと思ってた、珠月だけを呼び出そうとするだけじゃなくて…自分が戻るという意志を強くもってるから成功するんだ…ってさ。

[彼女が珠月を呼び戻してくれる。それを信じていた理由諸共口にした。]
(35) 2023/03/10(Fri) 0:48:26

【人】 月島 雅空

 だから珠月を戻すためにもがんばってみない?
 それにさ…やらずにずっと、一人で待つよりも、やってみたほうが…絶対後悔しないと思う。

[そんな、やらずに引き離すことで後悔しかけた選択肢があったことを知らずに、ペルラsさんへと願うように口にした*]
(36) 2023/03/10(Fri) 0:48:53

【人】 天原 珠月

[なんで、という声に眉を下げる。>>33
ガクの素直な感情が隠されずに乗った声だった。]

 そうでしょうね。

[驚くのも無理はないだろう。>>34
敢えてガクの誤解を解かなかったのだから。
短い間でもガクと様々な話をした。
ミツキとの微笑ましい過去、自分と『彼』の話、この世界の文化に突然朝から始まった美容談義に、料理のことをたくさん。
カレーもサンドイッチもバーベキューも、数え切れないくらいの甘い物も美味しくて、一緒に笑いながら食べた。
屋根裏でひとり寝た次の日はコタツでともに寝落ちて。
海の動画を見ては質問責めにして困らせ、湖の中では、ガクが深い青に満ちた新たな世界を教えてくれた。]

 ……ええ。

[本当に、また生きているみたいだった。
消えたはずなのに、この薄い色の瞳はさまざまなものを見て、この手は色んなものに触れてあたたかさを得た。]
(37) 2023/03/10(Fri) 2:34:10

【人】 天原 珠月


 …………。

 ………………それ、は……、

[ミツキの居る場所と入れ替わる。
それはあの世界へと帰るということだ。

今ミツキのそばにいるだろう『彼』の元へ帰るということだ。

ガクがそれがあってこそ自分を信じられたのは当然だった。
互いの、帰りたいと、連れ戻したいと願う気持ち。
いくらこちらが言葉を尽くすよりも、ガクを説得して安心させるための材料になっていたことだろう。
分かっていて、分かっていながら明かさなかった自分は、ガクより少し年上のずるい大人でもあった。

でも、今は、そのガクが。>>35
何より強い眼差しをレンズ越しに向けて、語りかける。]
(38) 2023/03/10(Fri) 2:35:14

【人】 天原 珠月

 

 …………後悔、しない……。

[淡くなった瞳が。
あの頃はもっと濃い紫だった瞳が見開かれる。]

 後悔しないように……そば、に……っ

[いつか消えるならもう別れようと、離れようとした自分を引き留めた声が、『彼』の声が被って頭の中に響く。

水の粒が堪えきれず、ひとつ頬をつたって顎から落ちた。
湖の中でも雨が降っているのでもなかった。

ガクと『彼』は面立ちがとても似ていた。
そして、時に仕草や言葉が、記憶を呼び起こす。
そんな台詞までガクに教えていないのに。
後悔しないと思う、とその声で言う。

願うような響きが、溢れてしまう想いを許してくれる。]
(39) 2023/03/10(Fri) 2:35:48

【人】 天原 珠月

[――――逢いたい。会いたい。
 
あなたが生を全うするまでなんて、本当は待ちきれない。
水の中を潜って、空を鳥のように飛んで、巫女でなくなったただのペルラならば、私があなたの――アスルの元へと。]


 ……願っても、いいのかな。
 世界の理に反してしまったとしても……わたし、は、

[ミツキを戻すためにとガクが言う。
強い意志が同時に自分の背も押す。
ワガママではないかと、どうせ無理ではないかと諦めたがる臆病な心をかき消して追い出していく。
ミツキを想う気持ちが、アスルを想う気持ちに勇気をくれた。

窓枠から足を踏み出す前の、勢いを思い出して。]
(40) 2023/03/10(Fri) 2:38:45

【人】 天原 珠月

 

 私も……大事な人に、会いたい。


[見つめる視線に、光の灯った視線が交わった。*]
(41) 2023/03/10(Fri) 2:38:58

【人】 月島 雅空

[後悔しないように、そういった言葉は自分がいったものを反芻するのではなく。違う何かを思い出すように、ずっと胸の内に秘めていたものを溢れさせるペルラさん>>39
その涙をぬぐう役割は自分ではない。自分の願望を口にするペルラさん>>40>>41へと出来ることはある。]

 願って…叶えよう。

 そして会おう。

[ただ力強く肯いてみせることで、穏やかで悪戯っぽくもどこか浮世離れした臆病な年上の友人の背中を押すことだ。]
(42) 2023/03/10(Fri) 3:22:46

【人】 月島 雅空

 じゃ…さっきのお菓子を作れるように、メモも用意しておこうか。
 なんなら包んで持って帰れるようにしようか。

[今度こそ帰ることを前提にするように、甘いお菓子のお土産を用意しようか。という。
実際に持って帰れるかまではわからないけれども、その時はその時。そういう気分で挑んだほうが上手くいくだろうし、別れまでの時間をしんみりさせないですむだろう**]
(43) 2023/03/10(Fri) 3:23:58

【人】 田中 天美

[外に置かれた冷蔵庫から、釣りに必要なものを手早く用意していく。コテージの中の設備や冷蔵庫の品揃えにも言えたことだが、とかくここは贅沢だ。
 それは家具が上質だとか一級の品が並ぶといった高級さではなく、欲しいと望むものの大抵が過不足なく揃う充実さの方だ。基準は人それぞれ異なるだろうが、少なくとも自分たちにとっては贅沢と言えるだけある。
 惜しむらくは、と笑みを浮かべ]

 どんだけ物が揃っとっても海までは持ってこれんなあ。

[性分としては海釣りがしたかったのだろうが無いものは仕方がない。引越し先の条件に海が近いことも入れてもいいかもしれんな、と話しつつ荷詰めを手伝う。
 うにりと蠢く生餌のみみずが仕舞われていく。あれもかつては餌だったはずだが、流石にとうの昔に実感は無くなっている。化生と成ったのさえ深江と出会うよりも遥か前の話、ただの狐として野山を生きた時代など霞の如くに曖昧だった。あるいは、この“狐生”の半分を優に超える年月を共に過ごしてきた連れとの記憶が上書いてしまったのかもしれないが]
(44) 2023/03/10(Fri) 3:46:33

【人】 田中 天美

[川に着いてから二人分の準備を済ませ、まずはざっと見て回って良さそうな場所を見繕う。狐のなりで魚を捕るなら水の流れがゆっくりな瀬で狙うのが手頃だろうが、一応今回は釣果で競うつもりなので別所を探す。
 飛沫散る流れ込みの近くか、それとも底が抉れて出来たような淵か。暫し悩んで選んだ場所は、岩場の傍の落ち込みだ]

 よっし。

[大小様々ゴロゴロした岩を眺め、その内で平たく物が置けそうなものを見繕うとひょいと乗った。一足先に淵の辺りに陣取って始めている深江を追いかけるように仕掛けるも、やはり先に当たったのはあちらでしっかり逃さず釣り上げる。離れていてもわかるどや顔に少し声を張った]
(45) 2023/03/10(Fri) 3:46:46

【人】 田中 天美


 ふーん、すぐ追いつくからの!

[まだ始めも始め、勝負はまだまだこれからと気合を入れ直した。その後最初の当たりはみみずが食い千切られたが、この大きさを噛むのだから今のはでかいはずだ。先よりも餌を小さくしてかかりを待つ。
 あちらが二匹目を釣った頃にようやっと一匹が掛かる。ペースを指摘されたなら釣り上げたばかりのそれを見せ]

 サイズは勝っとるがあ〜!

[などと言い合いながら、しかし多くはのんびりと川釣りの時間を過ごす。釣果は(15)1d50と言ったところか。結果がどうあれ最後には二人の腹に収まるのだから、なんとも無駄のない勝負だ]
(46) 2023/03/10(Fri) 3:47:05

【人】 田中 天美

[コテージに帰り、釣った魚を捌く手付きに淀みはない。氷締めされたものの鱗を取り、腹を割いてわたを取り出し血合いを洗って、少し大ぶりの魚は頭を落としてぱっぱと卸していく。

 深江はもちろん漁師としての腕前もあるだろうが、自分も気付けば引けを取らない程度に魚を扱えているあたり、単純に数をこなしたが故の技術だろう。生の魚を丸齧りで食ったり、ぶつ切りにして口に放り込む時代はとっくに卒業したのだ。どうしたってこっちの方が旨いのだし。

 ウッドデッキにはバーベキューコンロだけでなく串焼きの台も付いていた。そのまま炙るも良しホイルで包んで焼いてもよし、串を打って塩を振った王道の焼き魚も楽しめる。
 当然、冷蔵庫の中に眠らせていた肉を引っ張り出さない訳もない]

 いやあ、試しに出してみたが絶対こんな食えんわ。

[折角だからと色々取り出して皿に盛ったのだが、所詮二人分の一食。こんなにいらんなと顔を見合わせ、からから笑ってちょっと調整した]
(47) 2023/03/10(Fri) 3:47:43

【人】 田中 天美

[それでも大層なご馳走には変わりない。皮目香ばしく化粧塩のきれいな焼き魚に、パリパリになるまで炙った食欲そそる香りの骨付きソーセージに齧り付き、ホイルで焼いた魚のほろりとした食感に舌鼓を打つ。じゅうじゅうと音鳴らし、鼻腔擽る匂い立ち上らせる肉にタレかけ、塩かけ、一緒に酒でも呷ればもう、申し分ない]

 深江ぇ、次何飲む〜?

[空いたグラスを見かければ少し緩んだ口調で問う。キンと冷えたビールなら冷蔵庫だし、冷やの酒ならここに持ってきている。
 向かいで笑う男より一回りか二回りは酒に弱い狐は、勝負に負けたこともすっかり忘れたように、常よりけらけらと笑い声を上げながら楽しげに酒を注ぎ、自分のグラスにも足す。
 結果として、飯が食い終わる頃には半分以上寝かかる羽目にもなるが、そんな日があったっていいだろうと気にした様子もなく、片付けも程々にして寝床に連れてけと体重の全てを預けただろう]*
(48) 2023/03/10(Fri) 3:48:29
田中 天美は、メモを貼った。
(a11) 2023/03/10(Fri) 4:01:23

【人】 天原 珠月

[儀式を行う夜がやってくる。
三日月は昼間の青い空にも見える月で、夕暮れ時には姿を明るくしていき、藍色の空にはくっきりと浮かんでいた。]

 ガク、服を乾かしておいてくれてありがとう。
 この衣装、ワンピースを頂いていくわね。

[ここに来たときの巫女装束。
考えた結果、完全には着替えなかった。
ガクが用意してくれた小花柄の、あの世界の花畑を思わせたワンピースに、青に銀のきらめくローブを重ねた。
自分には巫女であった過去があるけれど、もう今はただのペルラであるという意志の形だった。
ワンピースのポケットには丁寧に書き連ねられたメモに、ちゃっかり傍らにはお菓子の包みまで。>>43

静かな湖畔の桟橋へとふたりで向かう。
広い湖であるし、近くに人の気配はちょうどなかった。

街灯が湖面を照らしている。
風のない夜だった。
波ひとつ立っておらず、水面は鏡のようだ。
昼間の太陽の下とは違う静けさと底の見えない恐ろしさがあるけれど、潜った経験がそれを和らげるだろう。]
(49) 2023/03/10(Fri) 4:01:43

【人】 天原 珠月


 ガク、あの耳飾りをあなたの手の中に。

[祈ってくれとは言わない。
ガクならば何も頼まずともミツキを願うと知っている。]

 今から儀式を始めるわ。
 ……絶対に、成功させましょう。

[目を見合わせれば、笑い合えただろうか。
決意に満ちた視線が交わっただろうか。]
(50) 2023/03/10(Fri) 4:02:02

【人】 天原 珠月

[桟橋に膝をつき、湖面へと手を差し伸べて。
音もなく水へと浸して温度を通い合わせる。
そうして引き上げた両手を組むと、瞼を伏せ、ここまでの想いをすべて音に乗せるようにして、細くも途切れぬ響きで。

巫女時代とはまったく違う、願いの詩を紡いでいく。

いつしか銀に近づいた長い髪が、三日月と踊る星たちの輝きを吸い込んだかのように淡く光を帯びる。
満ちて外へ溢れ出す力に、瞼を薄く開ければ、風を待ち望む空色の瞳がきらめいていた。]


 どうか、会わせて。


[湖から、パシャン、と音が響いた。
真珠が落ちたような、涙が落ちたような、誰かの意志が働いたかのような、誰かが足を踏み出したかのような音。

そうして次に音もなく波紋が広がり、煌めく光が水面に散った後には、灯籠が浮かぶようにふわふわと灯がともっていく。
優しくあたたかな光だった。
熱く消えない光でもあった。
それらは自分だけでなく、ガクの想いの温度だろうか。]
(51) 2023/03/10(Fri) 4:02:15

【人】 天原 珠月

[意識が潜り、飛び、願いが世界の壁を越える。
頭の中に映る光景が、鏡のような水面にも映り、きっとガクにも遠見のときよりも鮮明に見えるだろうか。]

 ……見つけた。

[大きな湖。簡素な小屋。
見覚えのある風景。
水上に停められた飛行機に――ふたりの姿。]

 ……っ、

[見えているのに。
力を届かせ、まずはミツキを引き上げなければいけないのに。
ミツキ。気付いて、こちらに。

額に汗が滲み、願う唇が時折噛みしめられる。
急激に身体が重くなり、ふいに意識が途切れそうになった。
慣れない儀式の影響がすでに表れ始めていた。*]
(52) 2023/03/10(Fri) 4:02:35

【人】 一匹狼 “楓”

[彼もまた、魂に傷を持つ者。
 身に受けた呪いで魂に傷を負った“人狼”。>>0:59

 ヒトであったころと変わらぬ暮らしを望んでも、変わってしまった在り方がそれを許さない。>>0:2

 それでも現実から目を背け、ヒトだった頃の暮らしにしがみつき続けた。
 人狼として必要なものは全て、旅先に求めた。それが旅の主目的。>>0:68

 けれどこの場で過ごすうち、彼は一つの答えを出した。縋り続けた暮らしを捨て、希望があるかなどわからない旅路に進む道。
 選んだ道を歩むことに躊躇は無い。
 その先で何が起こるとしても]**
(53) 2023/03/10(Fri) 12:02:25

【人】 鈴木 深江

[海までは持ってこれない。その通りだ。小さく笑いながら引っ越し先の条件の話に頷く。いっそ、山のある離島なんかいいかもしれない、と言ってみたが、コミュニティが狭ければ不都合も増えるか、と思い直した。
 成長期を疾うに終えていたのは幸いだ。成長を怪しまれる度合いが減っているため。それでも長くて十年かそこらだろう。自分たちにとっては短すぎる。
 ── けれど、そのたった十年の間。
 また、世間や技術は目まぐるしく変わってゆくのだろうと思う。昔の、何百年も変わらぬ穏やかな山の生活が少し恋しくなることもある。もうそんな山が残ってないとは言わないが、下手な場所に家でも建てようものなら航空写真などでバレてしまうのが世知辛い。

 狐の視線がみみずに向いた時には笑った。食うか?と訊ねても拒否が返ってくるだろう。面白い。狐なのに。
 川の魚捕りでも狐の姿でばしゃばしゃやってもよかったんだが、ちゃんと釣り竿を使うあたり、人の姿になじんだなあ、と思う。ペースはこちらの半分くらいだが、きちんと釣れているし、何より食べるのは二人だ。帰って処理して冷蔵庫にいれるとはいえ、冷蔵庫に肉も野菜もある。ほどほどなくらいが丁度いい。]
(54) 2023/03/10(Fri) 14:15:55

【人】 鈴木 深江

[釣果対決はこちらの勝ちで終わったけれど、別にどちらにも不利益はない。勝ったと思う、負けたと思う、おいしい魚が食べられる、それだけだ。
 悔し気で、でも楽し気な顔が見れたのは嬉しかったが。]
(55) 2023/03/10(Fri) 14:16:07

【人】 鈴木 深江

[コテージに帰り処理をして、はらわたをゴミ箱に捨ててよい事に何となく感心する。山の中なのに。頭を落とし腹をわる。わたを洗って除き水気をとる。慣れに慣れた作業はさくさく終わり、肉や野菜も出してきて、予定通りのバーベキューだ。]

 やっぱり塩焼きが一番うまい。

[醤油も好きだがやはり塩。用意しながら野菜を確認。大根おろしがほしくなるが、さすがにバーベキューの品揃えの中には見当たらなかった。
 色々出して盛った皿は贅沢で、なんかの祭りでもやるんかと笑う。調整してもごちそうに変わりはなく、豪華な宴会が始まった。二人だけど。]
(56) 2023/03/10(Fri) 14:16:24

【人】 鈴木 深江

[しゃくしゃくした焼き野菜、釣りたての魚の身はしまっていて弾力がある。ふくよかな塩気に酒精の香りがよくあって、炭が焼けるにおいも音もまた食欲をそそる。改めて便利な世の中に乾杯だ。]

 冷やいのもらおか。
 天美も飲むやろ。

[上機嫌な狐に笑い、こちらもほろ酔い気分はいい。
 ここに来てよかった、とのんびりする。食うものはいっぱいあるから、食べたり胃を休ませたり焼き直したり飲んだりとしていたら、あっという間に夜は更けた。
 酒にそんなに強くないのは化生だからか個人差か。
 個人差かもな。食い終わるころには満足気な眠気がこちらにもあるが、それを上回りふわふわとしている様子の天美がのしかかってくる様子に不快感もなく、ただただ今が心地よい。

 火の始末、ごみの処理だけ最低限終わらせて、
 残りの掃除や片づけはまた明日。*]
(57) 2023/03/10(Fri) 14:16:40
 




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