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【人】 翠眼 ヴェルデ【路地裏】 夜の帳がすっかりと空を覆うころ。 暗い路地裏の片隅で、少年は赤く濁った唾液を吐き捨てる。 どうやら、張り飛ばされた際に口の中を切ったらしい。 やや腫れた頰はじんと熱を帯びている。 ほのかに鉄臭い息をつく。 これぐらいは、よくあることだ。 (17) 2022/08/09(Tue) 2:55:01 |
【人】 翠眼 ヴェルデ【路地裏】 浮かれた喧騒を避けるようにして、少年は路地裏へと入る。 建物同士の隙間は、昼間であってもすこし、薄暗い。 壁に背を預け、ひとつ息をつく。 ふと、なにかの気配に視線を落とせば、足元に黒い野良猫が一匹。 「……悪いな、何も持ってなくて」 膝を折り、しばらくの間、猫と戯れている。 (62) 2022/08/10(Wed) 18:09:31 |
【人】 翠眼 ヴェルデ>>88 マキアート どうやら気を悪くさせることはなかったらしい。 あなたが眺めていなければ、少年だって屋台へ目を向けなかったろうし、注目を集めたことには違いない。 「そりゃ随分気前のいいことで」 けれどその言葉を本気にした風はなく。 それでも、すらりとした長身と大きな——相対的にあまり大きくは見えないが、近くで見るとやはりまあまあ大きい——ぬいぐるみの取り合わせには、じっと視線を向けた。 あなたのことは随分と見上げる形になる。 「イヌ、好きなんだね」 「おれはあんまりイヌの種類に詳しくないんだけど、それは何てイヌ?」 とは言え、物怖じする様子もない。 感情表現の豊かな子供ではないようで、辛うじて笑っているのだろうとわかるぐらいに口角を上げ、あなたへ問う。 (94) 2022/08/11(Thu) 19:26:47 |
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