【人】 高峰 誠一郎蘇る結婚式の思い出。 高砂であいつはずっと笑っているか、腑抜けた顔で結婚相手を見つめていた。 口を開けて肩をすくめて、笑う先に俺は居なかった。 カットしたケーキを食べさせる相手—黙って気遣うあいつは一口が小さく済むようにしていた—も、俺じゃない。 『せーちゃん』なんて腑抜けた呼び方じゃなくて、きちんと相手の名前を呼んで振り向かせていた。 (87) 2022/10/15(Sat) 21:06:55 |
【人】 高峰 誠一郎あいつはバニラアイスだ。 甘くて、誰からも愛される—愛される術を、知っている。 腹が立つ。 無意識でそれをやってのけるあいつにはもちろん。 それにまんまと引っかかった、俺自身にも。 (88) 2022/10/15(Sat) 21:08:20 |
【人】 高峰 誠一郎パフェを黙々と食べたら紅茶で冷え切った腹を落ち着かせる。 むしゃくしゃして堪らない。 レモンの香りも爽やかな風味もこの怒りの前では無意味に近い。 顔には出してない……とても出せたもんじゃない。 さっきの店員さんとかにみられてなけりゃいいけど。 流石にこのまま日を経ていくのは俺のは勿論、他の人の精神衛生上良くない。ので。 スマホで軽く、ストレス発散法を調べて見たりなんだり。 (89) 2022/10/15(Sat) 21:15:47 |
【人】 高峰 誠一郎その後の記憶はあまりない。 気づいたら自宅に戻って、棚から未使用のノート、ペンケースから黒の水性ペンを出して机に向かっていた。 ぐちゃぐちゃした気持ちのせいで気が紛れていた、そんなところだろう。 ペンの蓋を外し、俺は。 今の気持ちを全て吐き出す勢いで書き連ね始めた—……。** (91) 2022/10/15(Sat) 21:37:04 |
(a18) 2022/10/15(Sat) 21:38:04 |
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