11:58:00

人狼物語 三日月国


57 在りし日の記憶、邂逅に微睡み

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


到着:子育て奮闘中 柚乃

【人】 子育て奮闘中 柚乃

──彼女のいる場所

 「ママァ!パパがかえってきたぁ!」

 あれぇ…おかえりなさぁい。
 早かったね〜。


 [

   明治の時代か。
   当時からしてみればモダンな屋敷に、
   流行り始めた車が入っていった。

   その音に反応したのか、
   屋敷の中から子供が声を上げ近くにいた彼女は
   いそいそと身なりを整え車の中から
   出てくるその人を玄関先で出迎える。

   抱っこをせがむ子供を抱き抱えたその人は、
   うむ、と言いながら2人を連れて屋敷の中へと。

                         ]
(3) 2021/01/29(Fri) 23:36:56

【人】 子育て奮闘中 柚乃


   なんだか最近、体が重いんだ〜……
   どうしてだと思う〜?

 [

   彼女はまだ知らない。

   彼女は既に”招待”されていることを。

   出迎えたその人は、
   体が重いと告げた彼女に休め、と告げるだけ。
   子育てを出来るだけ自分で、と
   奮闘している彼女だから疲れが出たのだろうと。

   リビングに戻ってくると、
   彼女はやだ、と駄々をこねる。

                         ]


    みんな揃ってそう言うんだから〜!
    あの頃とはいろいろ違うし、
    体力だってあるんだ〜!!
(4) 2021/01/30(Sat) 0:03:45

【人】 子育て奮闘中 柚乃


 [

   近くにいたメイドが
   紅茶と角砂糖を持ってくると、
   娘を抱っこするその人は、
   彼女の言い分を聞きながら
   ティーカップの中に角砂糖を永遠と入れていった。

   特に反応するわけでもなく、
   ただ黙々と。
   ちゃぽん、ちゃぽん、と紅茶の中に
   角砂糖が入る音が響く。

   ほしいだけ角砂糖を入れれば、
   そういうことではない、と小さく呟く。

                         ]
(5) 2021/01/30(Sat) 0:06:28

【人】 子育て奮闘中 柚乃



    「最近、この子につきっきりだっただろうが。
     俺がいない間は、ここを任せていた。
     十分、疲れることなのは
     自分でわかってるだろう。
     それもわからないまま、生活していたのか」


(6) 2021/01/30(Sat) 0:07:55

【人】 子育て奮闘中 柚乃


    …だって、それ以上に疲れてるでしょ〜?
    だから、今日は3人でご飯にしよ〜?

 [

   顔には出さないけれど、
   彼の言葉は彼女に響いている。
   勿論、この大きな屋敷を1人で切り盛りは
   だった1週間だとしても
   死ぬかと思ったほど。

   しかし、本当に望んだことは
   休みたいわけじゃなくて、
   3人で団欒したかっただけ。
   それに気付いてくれなかった彼に、
   少し彼女はむっとした表情を向けただろう。

                        ]**
(7) 2021/01/30(Sat) 0:09:53

【人】 子育て奮闘中 柚乃

──屋敷の中

   やけに甘いものを買い込んできたね〜。
   いいものがあったの〜?



   「南蛮ものがあった。
   見かけたタイミングで買わねばな。
   カステラ、コンフェ、何がいい?」



   あ、ん〜……おすすめほしいなぁ〜。
   1週間、おうち頑張ったし〜。
   シファーム、ね?

 [

   お昼を食べたのち、
   お昼寝の時間になってしまった息子を
   傍控えのメイドに任せ、
   束の間の2人の時間を過ごすことにした彼女。
   メイドが出ていくのとすれ違うように、
   従者として連れていっていた面々が、
   買い物をリビングへと運んでくる音がした。
   勿論、必要なものを買っているが、
   目に見えて量が多かったのは…………

                        ]
(11) 2021/01/30(Sat) 19:21:49

【人】 子育て奮闘中 柚乃




”甘味”



(12) 2021/01/30(Sat) 19:24:37

【人】 子育て奮闘中 柚乃





   砂糖がたくさん使ってあるお菓子というものは、
   まだこの時代輸入品がほとんどで、
   買い付けにも一苦労する逸品だった。

   しかし、彼の仕事上その輸入品を
   目にすること、手にすること、というものは
   いとも簡単に行うことができ、
   買い付けもすぐにしてしまうのだ。

   シファーム、と呼ばれるとその人は
   カステラを出し、いくつかに切り分ける。

                        ]


   「気をつけて食べるのだぞ」


(13) 2021/01/30(Sat) 19:41:10

【人】 子育て奮闘中 柚乃


 [

   そういいながら、彼は一切れを
   小皿に移して彼女に渡す。

   小皿の上には、たまご色が茶色に挟まれて
   ふわりふわりとしたカステラが。
   どうして彼はこんなに美味しそうなものを
   手に入れてきてしまうのだろうかと
   考えることもなく、
   フォークで一口サイズにすると、

                       ]
(14) 2021/01/30(Sat) 19:42:24

【人】 子育て奮闘中 柚乃




ぱくり


(15) 2021/01/30(Sat) 19:43:21

【人】 子育て奮闘中 柚乃

   


   ん〜〜〜〜♡♡♡



(16) 2021/01/30(Sat) 19:45:57

【人】 子育て奮闘中 柚乃

 [

   口の中に広がるザラメ砂糖の甘さと、
   ふわふわのスポンジのようなカステラの食感。

   一口食めば、彼女は瞳を閉じて頬に手を添え
   その甘美な食感を楽しんでいく。
   彼は角砂糖が9個ほど入った
   甘々紅茶を飲みながら、
   彼女が甘味を楽しんでいるところを見て、
   彼もひとつ、食べたことだろう。

                       ]*
  
(17) 2021/01/30(Sat) 19:52:04

【人】 子育て奮闘中 柚乃

──別日・屋敷の中

 
「柚乃、元気にしてたか」


  くろーくん、お久しぶりだね〜。
  見ての通り、凄く大変〜。
  でも、可愛い子供たちのおかげで頑張ってる〜!

 
「ならよかった。あれは?」


  旦那さま?お仕事〜。今日は朝からいないの〜。


 [

   ある日のこと。
   彼女は贔屓にしている呉服屋の相手をしていた。
   彼女は和装をしないので、
   屋敷に仕える女中や庭師たちのために
   彼らを数ヶ月に1回、屋敷へと呼んでいる。

   この屋敷において
   メイドと女中は別のものである。
   メイドは彼女と同じく洋装で、
   主に彼女の身の回りの世話を担当しており、
   女中はまだ江戸名残の和装で、
   主に屋敷内の全てを担当している。

                        ]
(56) 2021/02/01(Mon) 15:40:34

【人】 子育て奮闘中 柚乃


 [

   それぞれの出身に関しては問わず。
   元々がどんな身分だろうと、
   彼女は等しく雇っている。

   同僚の中で
   村八分のようなことをしていれば、
   彼女は無慈悲に首を切り、
   戻ってこないで、と告げる。
   それが唯一、穏やかな彼女が

        『女主人』

   として振る舞う機会である。

                    ]
(57) 2021/02/01(Mon) 15:43:31

【人】 子育て奮闘中 柚乃




   話を今に戻すと、
   現代で言う福利厚生として、
   この屋敷に仕える人間は
   無償で定期的に着物や作業着を
   誂えることができるのだ。

   採寸等をしている間、
   代表として来ている客人の相手を、
   いつも彼女はしている。

   話していると、ふと彼女は思い出した。

                       ]
(58) 2021/02/01(Mon) 15:45:43

【人】 子育て奮闘中 柚乃

   くろーくん、甘味をたくさん持って帰って〜?

   「いいのか?」


   まいちゃん、最近お疲れみたいだから
   あの人がたくさん買ってきた
   南蛮菓子持って帰ってほしいの〜。

 [

   思い出したかのように、
   そばに置いている小さなベルを鳴らし、
   用意していたものを持ってきてもらう。

   彼女が相手をしていた男性は
   その量に、一瞬眉間のシワが深くなった、
   ような気さえ。
   しかし、ため息を吐いた彼は
   ありがたくいただくことにし、
   彼についてきていた従者に運ぶよう伝えた。

                        ]
(59) 2021/02/01(Mon) 15:46:31

【人】 子育て奮闘中 柚乃

   
「あの量、どう考えても半分くらいだろ」


   だってまたすぐに買ってくるし〜、
   いいかなぁって思ったの〜。

   
「怒られるなよ」


   いいの〜。まいちゃんにあげたって言ったら、
   あの人は許してくれるし〜?

   
「黒羽様、採寸全て完了いたしました」

   
   
「わかった。納期はまた追って連絡する」


 [
   
   客間入り口から声が聞こえ、
   全ての工程がおわったと伝えられた。
   客人が腰を上げると、合わせて彼女も。

   そして、玄関先までついて行き、
   1通の手紙を彼に任せる。
   彼は宛名を見て、相変わらず、と呟くと、
   車の中に乗り込んで屋敷を後にする。

   彼女は手を振り、他は深々と頭を下げ。

                       ]

   ふふん、まいちゃんのお返事楽しみ〜♡
(60) 2021/02/01(Mon) 15:51:16

【人】 子育て奮闘中 柚乃


 [

   まだ携帯もなければ、電話さえ貴重な時代。

   手紙というものは頻繁に送ることができる
   唯一に近い手段だった。

   鼻歌を歌いながら、彼女は中へ戻り、
   客人の相手中メイドに任せていた
   息子のもとへと、歩みを伸ばすのだった。

                       ]**
(61) 2021/02/01(Mon) 15:53:22