17:41:02

人狼物語 三日月国


179 【突発R18】向日葵の花枯れる頃【ソロ可】

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【人】 高山 智恵


( ふたり・・・でカフェ、開けたらいいな。 )


 そんな夢物語ひとつ口にできなかったのは、なぜそうしたいか、を言えなかったから。
(28) 2022/10/14(Fri) 16:41:38

【人】 高山 智恵


 ( ……開きたかったな。 )


 過去形の――もう、過去形にする心算でいる――願望だって、未だ口にはしていない。
(29) 2022/10/14(Fri) 16:41:57

【人】 高山 智恵

 こうして今はもう彼女とは離れ離れで自然消滅……だったならば、今こんなふうに私が塞ぎ込むことも、或いはなかったのかもしれない。

 ケータイもポケベルもなかった大昔と違って、SNSのメッセージや通話を通じて、何だかんだで彼女との繋がりは続いているのだ。
 だからこそ、自ら意識して、みっともない自分の想い>>0:7にケリをつけないといけない。私はそう心に決めていて――けれども、そのために具体的に何をすればいいのかを見いだせていない。
 今の私は、そんな状態なんだ。**
(30) 2022/10/14(Fri) 16:43:54
高山 智恵は、メモを貼った。
(a6) 2022/10/14(Fri) 16:52:17

【人】 楯山 一利


行く当ては特に思いつかず、かと言って帰る気にもなれず
街中を彷徨い歩いていた時だった。
ぐぅぅ…と腹の虫が鳴り、胃がキュウっと縮こまった。

「腹、減ったなぁ……。」


そういえば、暫く何も食べていなかったな。
辺りを見回してみればコンビニが見えた。
腹を満たせるならなんだって良い。
俺はすぐに店へと入って行った。
(31) 2022/10/14(Fri) 18:57:50

【人】 楯山 一利

─コンビニ─


店内へ入ると、レジ横の肉まんが目に入った。
ちょっと肌寒いなと思っていたし、丁度いいな。
肉まんか、チーズまんか、ピザまんか……。

ああ、おでんも美味そうだ。
はんぺん、こんにゃく、ちくわ、がんも。
うーん…どれも捨てがたい。いっそ全部いっちゃうか?

腹が減っているってのもあるが、さっきのこともあって
ちょっと自棄食いしてやりたい気分にもなった。

それに今日はダンスの練習は行かないし、他に予定もない。
沢山食べても問題ないだろう。

あとは飲み物を何にするかなぁ、と。
まぁ時間はある。のんびり考えるでも良いか。
(32) 2022/10/14(Fri) 19:35:16

【人】 楯山 一利


ダンサーとして、身体を鍛えるのは当然のことだけど
普段の食事にも気を使わないといけない。
酒は控えて、煙草もあまり喫まないようにしていた。

でも今日はもう色々あって萎えてるし、発散もしたい。
一日くらい暴飲暴食したって良いよな。
と、心の中で言い訳をして自分を甘やかした。

ドリンクコーナーに並べられた
色とりどりの飲料缶やボトルを眺め見ながら、
お酒コーナーへ歩き出した時だった。

そこに居た人の存在に気付かなくて
トン、と。身体がぶつかる。>>0:35
(33) 2022/10/14(Fri) 19:44:32

【人】 楯山 一利


「お! っと……。
 すんません。」

ぶつかった相手は女性だった。
俺にとっては、本当に軽くぶつかった程度に感じたけど
体格差もあるだろうし、俺はそこそこ筋肉もあったから
もしかしたら相手にとっては
強い衝撃に感じられたかもしれない。*
(34) 2022/10/14(Fri) 19:45:08
楯山 一利は、メモを貼った。
(a7) 2022/10/14(Fri) 19:47:37

【人】 霧ヶ峰 友紀

 
「きゃっ!? あ、いえ、すいません。
 ぼーっとしてしまって。」

>>33人にぶつかってしまってよろけてしまう。
いや私がぶつかられたんだけど咄嗟に謝っちゃう日本人的スキルが発動してしまった。
>>34相手は謝ってくれてるんだけどね。
先ずはすいませんと言われて嫌な人はいないだろうし。
変に絡んでくるDQNならお店の人に助けを求めよう。そうしよう。

でも泣き腫らした顔でお酒を見つめてる女なんて地雷案件だろう。
多分、大丈夫。とは思うんだけど。
でもお酒のコーナーを見るとどうしてもあのお酒が目に入ってしまう。
甘くて美味しいって言ってた。
甘いの好きなの可愛いって思ってた。
だから甘いの苦手なのに、あの人と同じ経験がしたくて飲んだこともあったな…いやいやいや!
 
私は、もう無理に甘いもの食べないし飲まないの。
ぐっ、と決意と共に少し拳を握る。
でも良くわかんないなあ。
飲めないのとかにまでお金は払いたくない。
貢ぐ先が無くなったとしても、だ。だから。
 
(35) 2022/10/14(Fri) 20:21:55

【人】 霧ヶ峰 友紀

 
「あ、あのぉ、すいません…。」
 
 
だから、お酒コーナーを見にきたであろう、さっきのぶつかった男の人にこっそり声をかける。
 
 
「あんまり甘くなくて、飲みやすくてそこまで高くない。
 そんなオススメなお酒あったりしませんか…。」
 
 
ビールとか発泡酒とかは全部同じに見える。
でもあの人が苦手って言うから飲んでもなかった。
そもそも、お酒自体あんまり飲んでないし。
でもだからこそ恥を偲んで。
 
 
「…ちょっとお酒に逃げたいんです。」
 
 
大真面目に語るのだ。*
 
(36) 2022/10/14(Fri) 20:22:14

【人】 楯山 一利

「だ、大丈夫っすか?!」

小さい悲鳴の後、相手がよろけたのが見えて>>35
俺はすかさず手を伸ばし、転ばないように支えただろう。

そこまで強くぶつかってしまった感じはなかったが
筋肉質で体格の良い俺と違って、
相手は華奢な女性だし無理もない。

相手の顔をよくよく見ると
眼鏡の下にある目元が少々腫れぼったい。
それに声も少し枯れ気味に聞こえた。
まるで大泣きしたような後のような感じだ。

(この人も、なんかあったんかな……。)


気になりはすれど、初対面の相手に
そんな事は聞けるはずもなく。

「いや、こっちもボーっとしてたんで…。
 ホントすみませんでした!」

申し訳ない。と軽く頭を下げて終わらせる。
もしもまだ苛立っている最中だったら、
悪絡みとまではしないが、舌打ちしたり
文句を言ってしまってたかもしれない。

だから冷静になっている時で良かった。
(37) 2022/10/14(Fri) 22:51:39

【人】 楯山 一利


その後は二人とも
再び酒コーナーに視線を移しただろうか。

ちょっと気まずいな…。
さっさと酒を選んでこの場を後にしようか。
そう思いながら、適当な発泡酒に手を伸ばした時。

「えっ?」

不意に女性から話し掛けられて>>36
ちょっと拍子抜けした顔で振り返る。
まさか声を掛けられるなんて思ってもみなかったし、
ぶつかった以外になんか悪い事しちゃったっけ。
と、内心動揺しちゃったんだけど
相手が声を掛けて来たのは、そう言う事ではないらしい。

「それなら、無糖の缶チューハイっすかね。
 レモンならスッキリしてて飲みやすいと思いますけど。」

と、提案をしてみたのだが
『酒に逃げたい』という言葉に俺はギョッとした。

やっぱり何かあったんだろうな。
さっき気になっていたけど、聞けなかったことを
これを機会に聞いてみようかなって思った。
(38) 2022/10/14(Fri) 22:53:26

【人】 楯山 一利


「あの……。
 なんか、イヤな事があったんですか?」

このモヤモヤとした感情を晴らすために
暴飲暴食してやろうと思っていた俺と
この人の様子が、ちょっと俺と重なるな…って。

「実は俺も……。
 自棄食いとか、自棄酒しようって思ってたんですよね。

 良かったら、一緒にどうです?」

くいっと猪口を煽るようなジェスチャーをしながら
一緒に酒を飲まないかと提案してみる。
言っておくが、決して自棄になって
女性をナンパをしている訳じゃない。

普段から人とはフランクに接する方ではあるけど
俺はそこまで軽い男じゃない。と、自負はしている。

…ただ、一人で自棄酒するよりも
誰かと愚痴りながら飲んだ方がスッキリするかなって。
そんな他愛のない思い付きでの提案。

勿論、今知り合ったばかりの男からの誘いだし
断られる事は承知の上で。*
(39) 2022/10/14(Fri) 23:04:28
楯山 一利は、メモを貼った。
(a8) 2022/10/14(Fri) 23:10:41

【人】 霧ヶ峰 友紀

 
>>37うわあ男の人に支えられてしまった!
私は目を逸らしながら必死に「大丈夫です、大丈夫です!」と小声で繰り返すしかなかった。
お兄ちゃんだってこう言うことするかわかんないなあ。
お兄ちゃん曰く『リアル妹なんて女に見えない』そうですよ。奇遇だな私にとってのリアル兄もそうだ。リアルな兄妹の現実なのだよこれが。
 
いやそうじゃなくて。
 
まあお互い謝った後、我ながら積極的な行動に出てしまったよね。
だって。
親に酒浸りになりたいですって言ったら怒られそうだし。
お兄ちゃんに言ったらお腹抱えて笑われそうだし。
お酒のことを聞くだけで根掘り葉掘りされそうで嫌だ。そうでなくても私が大々的に部屋の模様替えした事はバレてるのだし。
 
あ、ちなみにガン付けられたり舌打ちされたりしたら青鳥拡散待ったなしだからね?
腐女子じゃないけど脳内でBL総受けにして鬱憤を晴らしちゃる。
そんな事にならなくて、いや〜良かったな〜!

 
(40) 2022/10/14(Fri) 23:25:02

【人】 霧ヶ峰 友紀

 
「無糖のレモン…確かにそれなら、爽やかそう。
 ありがとうございます。」
 
 
>>38アドバイスを受けて、素直に頷いた。
大体果物の味のは甘いって印象があったけど、成程酎ハイのコーナーにわざわざ無糖と書かれた種類がある。
と言うことは、それ以外が全部加糖なのかな? とか思ったけど。
ビールとかウイスキーとかワインとかはレベルが高いから、良いものを教えてくれた。
素直にそのまま感謝の意を伝えて(6)1d6本カゴに入れる。
でも、その手がビクッと震えて止まった。
>>39余計なことを言ったのは私だけど、そこをつっこまれたから。
 
(41) 2022/10/14(Fri) 23:25:22

【人】 霧ヶ峰 友紀

 
「あ〜、いや〜、そのぉ…。
 ずっと応援してた、大好きだった人が
 …人として尊敬できないと、知ってしまって。」
 
 
あの人の個人名を出す気はあまりなく。
出したところで知ってるかどうかは怪しい。
あ〜でもお兄ちゃんと同世代なら同世代の戦隊ものは見てたかもしれない?
あの青の人って言ったらわかるかな?
通じると嬉しいような、いやでもしかしあの人の悪いところを口にするのは憚られるというか、でも解釈違い〜!浮気は人としてダウト〜!!!
そこまで頭の中で凄い勢いで思考する。
じわ、と涙が滲みかけたけど。
 
>>39そのお誘いにはびっくりしすぎて涙がひっこんだよね!
 
(42) 2022/10/14(Fri) 23:25:41

【人】 霧ヶ峰 友紀

 
「え、え、良いんですか?
 私普段飲まないんで絡むかもしれませんけど?
 あ〜、でも、その場合どこで…?」
 
 
先手として、「うちは実家なんで家族に説明が難しいかも。」と説明しとく。
うん。一人酒より二人の方が、いろいろ言葉で吐き出せてスッキリするかも。
それに、やけ酒やけ食いしたい同士!仲間よ!と思うと、なんだか一人じゃないと嬉しくもなった。
いやなんでそうしたいのかはまだ知らないけど。
袖触れ合うも多生の縁と言うじゃない。
 
 
「あ、友紀って言います。」
 
 
そして同士にきちんと名前を伝えて握手のために手を差し出した。*
 
(43) 2022/10/14(Fri) 23:26:21
高峰 誠一郎は、メモを貼った。
(a9) 2022/10/14(Fri) 23:37:02

霧ヶ峰 友紀は、メモを貼った。
(a10) 2022/10/15(Sat) 8:10:04

【人】 古寺 貴菜

食べ終わり、口の中に残った油をウーロン茶で流し込んでいた頃だろうか、注文したショコラバナナパフェがテーブルについたのは。

「なるほどな」

ショコラバナナパフェ、名前にたがわぬ風貌だった。
かわいい系何とやらなら写真を撮るのだろうが、食欲を満たす行為を目的としている身としては、そんな暇があったらアイスが溶けないうちに食べたい。
カットされたバナナを一つ口に入れればアイスに接していた部分が冷たく、若干シャリッとしている。

「うん、いいな、これ」
(44) 2022/10/15(Sat) 9:05:34

【人】 古寺 貴菜

見た目とは裏腹に食べ応えは軽い。
これならもう少し冒険して見てもよかったかもしれないと、そう思える余地すらある。とても良い。
〆はこれにして正解だったなと、そう思う頃にはすでに完食していた。

「ごちそうさまでした」

伝票を持って会計を済ませ、店を出る。
時計を見れば帰るには惜しい時間だ。
……帰っても特にすることがない、それだけの話なのだが。
そういえばこの辺りには大型の本屋があったはずだ。
そこに向かおうか。
(45) 2022/10/15(Sat) 9:10:17

【人】 古寺 貴菜

――本屋――

特にほしい本があるわけではない。
足の赴くまま、着いたのはドラマたアニメの原作のコーナーだ。
今年の放送作品だけでもこれだけの量が映像化しているのかと、感心せざるを得なかった。

「これは……」

手にしたのは放送が終わったばかりの深夜ドラマの原作だ。
話そのものは好きではなかったが、その中の登場人物の一人がどうしても他人と思えず、ずるずると見続けてしまった。

SNSだと「いかにも男性が考えた都合の良い女」「こんな女がいるわけがない」「いくらなんでも理解がありすぎる」等、あまり評判の良くないサブキャラだった。
確かに作中では、主人公が望み通りの意見を出す聖母のようなキャラクターとして描写されていたが、行動理念や考えの背景は驚くほど自分と一致していた。
(46) 2022/10/15(Sat) 9:22:38

【人】 古寺 貴菜

……聖母仕草している気はないが、傍から見れば自分もそう見られているのかと嫌悪感を抱く一方、人に理解してもらえない辛さはわかると共感したりと、なかなか心中が穏やかに慣れないキャラクターだった。

唯一の救いは女性視聴者から上げられたであろう「完全に他人とは思えない」「なんでああしたかわかってしまう自分がいる」といった感想に、自分の同類は案外いるのだなと、少しだけ安堵したことだ。**
(47) 2022/10/15(Sat) 9:27:33
古寺 貴菜は、メモを貼った。
(a11) 2022/10/15(Sat) 9:32:23

【人】 室生 悠仁

 

  彼のことをそういう目で見ていると
  気がついたのは、中学の終わりくらいのことだったか。

  大人になった今考えると、もっと早く気付く要素、
  怪しいところは多々あったように思うが
  精通がその辺りだったこともあり
  情緒面が育つのもその辺りだったのだろう。

  特別に気持ちを持つ出来事があったわけではない。
  強いて言うなれば、……出会ったときからの全てが。

  と、いうのはきっと、今だからこそ言えること。
  出会ってすぐの頃はこんな気持ちになるだなんて
  思ってもいなかったように思う。
 
(48) 2022/10/15(Sat) 13:13:39

【人】 室生 悠仁

 
 
  目を伏せて、意思の強い瞳が隠れた姿。
  横を向いて、真剣になにかを見つめる様子。
  こちらを向いて、目を細めて浮かべた笑み。

  それらを見る度、
  心臓に触れられているような感触を持つ。

  無自覚だった頃はそれでも流せていたことが
  自覚したあとはどうにも看過できなくて。

  距離を置こうと、何も言わずに離れたとき
  俺たちの初めての喧嘩が起こることになる。
 
(49) 2022/10/15(Sat) 13:13:51

【人】 室生 悠仁

 
 
  だが俺にも言い分はあるのだ。
  まず、俺たちは普通の男友達より距離が近かった。
  相手の食べ物が気になれば遠慮せずシェアするし
  共に在れる時間があれば大体いつも一緒にいる。

  冷静になって考えればわかる。べたべたしすぎ。
  たまに他のやつに誂われることがあったが
  そのとおりだ、俺たちは離れた方がいい。

  だからこそ、そっと、ひっそりと。
  彼の人生からフェードアウトしようとした。
  口説き癖があろうとも、彼はかっこよくて。
  いいやつで、素敵で、面白くて。

  惚れた欲目だとしても
  俺なんかに足を引っ張られていい存在じゃない。
 
(50) 2022/10/15(Sat) 13:14:23

【人】 室生 悠仁

  

  と、いうようなことを言うつもりはなかった。
  言ってわかりましたと頷くやつではないし
  そんなこと考えているなんて知られるのは
  こちらも普通に恥ずかしい。

  だというのに、さりげなく逃げ回っている俺を
  さりげなさなんて関係なしに
  逃げられないように退路を絶って捕まえた彼は
  開口一番にこう言った。


   『 理由説明!!!! 』


  いきり立った眉にそんな剣幕で言われれば
  答えないわけにはいかないというもの。

  それでも、伏せるところは伏せて告げれば
  まるで今すぐ殴りたいというような顔をして彼は怒る。
  それに感化されて俺も怒りだした。
 
(51) 2022/10/15(Sat) 13:15:00

【人】 室生 悠仁

 

  この時俺は冷静じゃなかった。
  好きなやつを、脳では理解できても本心では
  納得できない理屈で避けて。
  それなのに、好きなやつが俺の気持ちを考えず
  自分から赴いて、好き放題喚いている。

  なにより、好きなやつの顔が久しぶりに目の前にある。
  それも、頭を混乱させる理由だった。

  いや、ずっと、もしかしたら気持ちを自覚したときから
  俺は混乱し続けていたのだろう。

  冷静に、とか冷静じゃない、とか考えるまでもなく
  彼の思考パターンを見誤っていたのだから。
 
(52) 2022/10/15(Sat) 13:15:43

【人】 室生 悠仁

 

  あわや永遠の断絶かと思われた俺達の関係だが
  喧嘩の最中にそっと俺の手が包まれたことにより
  回っていた口が止まる。

  こんな中でもどきりと跳ねた心臓を
  隠すように彼を睨みつければ、
  彼からは不思議な眼差しを向けられていた。
  その目は、まるで縋るような色をしている。


   『 お願いだから、離れないでくれ。 』


  く、と息を飲み込んだ。
  強張った手が、彼の手の中で僅かに動く。
  逃げ出そうにも、退路は既に絶たれていた。
  なにより、掴まれた手は離されることはないだろう。
 
(53) 2022/10/15(Sat) 13:16:03

【人】 室生 悠仁

 

  まるで呪いのような言葉だと思った。
  その音一つで、傍にいることを許された気持ちになる。
  ずっと傍にいることなんて出来ないのに。

  よく考えて見れば、先程まで彼が怒って
  口から飛び出させていたのは
  俺の考えを否定する、俺を引き止めるための言葉だ。
  
  混乱に、怒りに頭を染めていた俺に
  上手く伝わらなかったからこそ
  彼は直接行動で想いを伝えようとしてきたのだろう。

  普通なら、普段なら恥ずかしくもなる言葉を。
 
(54) 2022/10/15(Sat) 13:16:32

【人】 室生 悠仁

 

  それがわかってしまえば、もう抵抗は不可能だった。
  降参するかのように体から力を抜いて、一言


   「わかった」 


  と。
  そう告げたあとの、彼の笑みのなんと清々しいことか。
  毒気を抜かれたように、先程までの言い合いを忘れて
  俺も唇を歪め、笑ってしまった。
 
(55) 2022/10/15(Sat) 13:16:45

【人】 室生 悠仁

  
 
  あれから、俺たちの仲は断絶することなく続いている。
  結局距離感もそれほど変わることなく
  悶々とする日々を過ごすことも多い。
  
  この気持と向き合わなければいけないこと。
  まだ共に、傍にいられること。
  半分の落胆と、半分の喜びをあの日は持っていた。
  
  けれど、最近また思うのだ。
  やはり俺たちは離れた方がいい。
  
  それが、彼にとっても、そして自分にとっても。
  良い道なんじゃないかって。**
 
(56) 2022/10/15(Sat) 13:17:00
室生 悠仁は、メモを貼った。
(a12) 2022/10/15(Sat) 13:18:38

【人】 楯山 一利


「いえいえ。どーいたしまし……
 えっ?!」

カゴに缶チューハイをどんどん放り込んでいく。>>41
その様子に俺は目を丸くした。
そんなに飲むの??って感じに。

あまり度数は高くない方だけど
安酒は悪酔いしやすいと思う。
俺の経験上

案外耐性は強いんかなぁ…?
まぁ酒に逃げたがってたし、
きっと酔い潰れるくらい飲みたいのかも。

なんて思いながら見ていたら、
俺の問いによってその手がビクッと止まる。

(やっぱ聞いちゃマズかったか…?)


踏み込むのは流石に藪蛇だったか、と。
言いたくなけりゃ良いですよ!って
慌てて発言を取り止めるつもりだったんだけど
予想外にも、この人は落ち込んでいる理由を
打ち明けて来たものだから。>>42
俺は取り止めることもなく、その人の話に耳を傾ける。
(57) 2022/10/15(Sat) 13:25:25
 




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