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人狼物語 三日月国


12 【完全身内村】アラビアンナイト

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視点:


【人】 孤児 ヘイダル


■ハーレフと (感情書換無)


「……今まで、さあ。1人も居なかったの?」

  1人ぐらい。

  だって、お前が叶える願いは1つじゃないんだろ?
  3つもある。

  3つあれば、1つぐらい、こいつの望む
  "自由になりたい"
  を叶えてくれる奴がいたって、良かったろうに。

  まあ、こいつも多分、自分からは言わなかったんだろう。

  欲しいものはあるのかと問われて初めて口にするような、
  そんな妙なとこ控えめな感じが、こいつにはあるから。

  ……ちんちくりんのくせに。

心中渦巻く言葉は、腹の中に押し込める。

聞いたところでどうにもならない。
俺は魔神じゃないから、こいつの願いは叶えられない。

「あー……もう……っ」

片手の中、握り締めた自作のサイコロが擦れてカリコリと乾いた音を立てる。
乱暴に投げた風に放ったそれらは乾いた床の上、全てが6を上にしていた。
(2) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 6:35:40

【人】 孤児 ヘイダル


もう俺は、こいつが魔神である事を疑ってはいなかった。

「自由になりたい」と言ったこいつの眼は、そのくらいに本物だった。
ずっと自由じゃないところにいた奴の瞳だった。

────あの銀獅子と、おんなじくらいには。

「………………俺、さ」

長い沈黙の後、ぽつりと零れたのは、紛れもない本心。

俺達は1つの願いを奪い合う"敵"同士。
こんなこと思っちゃいけないのかもしれない。

そして勿論だけど、己の願いを引き下げるつもりも毛頭ない。

でも。
でも、さ。

「……俺、お前の願いも叶うと良いなと思う」
(3) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 6:36:37

【人】 孤児 ヘイダル


あーもー!
ガラじゃねーのになこういうの!

世の中勝つか負けるか白か黒かくらいに思ってた方が楽なんだよ色々と!
俺はずっとそうやって、折り合いつけて生きてきたってのに!

この!ちんちくりん!!

わけのわからない悪態つきで、魔神の前、俺はわしゃわしゃと己の髪をかき混ぜる。

「だから。だから、全力で奪いに来い」

俺も、負けねー。*
(4) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 6:38:01

【人】 孤児 ヘイダル


■アールアレフと (感情書換無)


「えー…………それいつか、逆に死にたくならない?」

アールアレフの願いを知ったのは、昨日、彼女に呼ばれた豪華な自邸での事。己の願いを伝えた直後に、彼女の口から聞かされた。

「えー……」は、それを聞いた反応、第一声。
(5) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 7:43:16

【人】 孤児 ヘイダル


だってさあ。
しんどくない?"永遠"だなんて。
それは想像もつかないほどの遥か遥か先、蜃気楼のようなもの。

「俺は、早く大人になりたくてしょーがないのにさ」

ぼやいたところで、俺にこいつの感覚が理解できないように、俺の感覚はこいつには既に遠く過ぎ去ったものなんだろう。

仮に俺がすっげイケメンになるとして、いや、仮じゃなく確定なんだけどさ。

でも20歳の俺より25歳の俺の方がきっと"いい感じ"になってると思うし、30歳、40歳になるのが嫌だとか怖いとかも思わない。

何歳で死ぬかなんて知らねーけど、死ぬ時に悔いが残ってなきゃそれでいい。

だから俺には、こいつの望みがまったくもって理解できないのだった。
(6) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 7:44:04

【人】 孤児 ヘイダル


"勝負"は明日なんだって。今日は何をしてもしなくても良いらしい。

だから俺は、もやもやあれこれ考えながらアールアレフの家に押しかけた。

理解できないからくだらない望みだなどと一蹴するつもりはない。

今だって十二分に美しく、生きていくのにひとかけらの苦労もせずにいられてる風なこいつが。
化粧品とか、美容術とか、知らないけど金がかかるものが山とあるんだろ?
そんなのも使い放題やり放題だろう、こいつが。

それでもなお、"永遠の若さと美しさ"が欲しいんだ??

今日は昨日よりも尊大に、ソファでぐてんと胸を張り。思い至った結論をぽそりと告げる。

「あんたの望み、さあ。"大事な人"が今いなくて、この先作る気もない望みだよね」

だってそうだろ?
時の流れの中、ひとりぼっちで留まろうとしている。

「この先、どんなに素敵な人と出会ってもさ、それじゃあんた、ずっと見送り続けるだけだ。……それって、虚しくない?」
(7) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 7:44:59

【人】 孤児 ヘイダル


言いながら気付く。
踏み込みすぎ?穿ちすぎ?それでも口は止まらない。歯に衣着せるなんて、俺にそんな技術は無い。

「────あんた、何に絶望してんの?なんでそんなに、"生きること"に希望が無いの?」

「俺は、さ。"今"を楽しんで生きてるあんたの方が、綺麗だし格好いいと思う」

  なあ、アールアレフ。

  あんたの格好いい生き様、俺に見せてよ。

  んでおんなじだけ年を取ってさ。
  イケメンに成長してく俺を見ててよ。

  その方がきっと楽しい。

「だから俺は、あんたの願いを叩きつぶすよ」

絶対、負けねー。*
(8) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 7:46:08
ヘイダルは、そういやもちもち、ベッドに引きずり込んだら俺の下でぺたんこになってたわ。
(a1) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 10:10:10

ヘイダルは、ぺたんこになってたもちもちを成形しなおしている。
(a2) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 10:11:58

ヘイダルは、とりあえずもちもちをちぎってみようと試みている。「ちぎれねーなー……」
(a3) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 10:37:19

ヘイダルは、なんか逆らえる気がしねー語感だった……>魔神おかん
(a5) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 14:22:59

【人】 孤児 ヘイダル


>>15 >>16 >>17 ハーレフへの返し


「えー、お前絶対どんくさいだろ。ぜーったい、人混みで流されて溺れて遠くでキャーとかワーとか言ってる系だろ」

だからめんどくせー、とぼやいたものの、夜市を歩いたことがないんだと眼を輝かせて言ってくるものだから、仕方ねーなと連れて行ってやることにした。

でもぶっちゃけ、いかにもな箱入り然としたこの"お嬢ちゃん"と歩くのは俺的には良い目眩まし。
俺一人が近づけば警戒されてしまうような輩でも、このちんちくりんをエスコートする素振りを見せれば相当容易に近づける。

「……っと、ごめんよ!」

人波を掻き分け彼女を助ける振りで、すれ違い様、財布をくすね。
おかげさまで、その夜の釣果も文句なしのものだった。

一応は、自分なりの流儀があるんだ。
何度も同じ店を連続して狙わないとか、通行人相手なら子供連れは標的にせず極力観光目当ての酔客(歓楽街目当てとか、まあ見ればわかるしな)に絞るとか。

今日は、場所が良いからと暴利気味の値付けをする、気に入らない青果屋台からひょいと林檎を失敬してきた。今日はとりわけ大きな林檎を狙ったから、2個だけ。
俺の分と、こいつの分。
(18) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 15:30:14

【人】 孤児 ヘイダル


「…………ん」

頬はきらきら紅潮して見えるのに、林檎を差し出した手に触れる指はひんやり冷たい。
人の波に倒されそうになっていたから咄嗟に腕を取って引き寄せたら、驚くほどに軽かったのを思い出す。

────ああ。やっぱりこいつは、人じゃないんだな、って。

そんな事からも思い知らされるのに、なのに林檎は普通に食うのかよと笑えてしまう。

ほんと、傍目からは、なーんも考えてない頭ふわふわ系ちんちくりんにしか見えないのに、な。

「幸せ?……そうかな」

でも俺、まだなんにも出来てねーよ?と浮かべる笑みにはどうしても苦さが混じる。

"助けたい"と思うだけじゃダメなんだ。
"助ける"と誓ったところで、結果が伴わなければ、俺はただの嘘吐きだ。

────そして、たぶんだけど、俺はゾラフに自分を重ねてる。
彼が自由になる姿に、己の未来を重ねて見ようとしてる。

こんな、こそ泥みたいな事だけ続けて生きていくつもりなのかと。
己には、立つべき場所が他にあるんじゃないのかと。

それは多分、目の前のこいつに対しても思ってることで────。
(19) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 15:32:14

【人】 孤児 ヘイダル


「…………ぇ!?ちょ、芯は残せよ!?!?」

気付けばちんちくりんは、中心のほっそいところまで食べ進んだ林檎を、しょりしょりと鉛筆を食べるみたいに最後まで平らげてしまっていた。

……種あったし。
そもそも、固くわ甘くなくわで、そこは全く旨くもなかったろうに。

「もしかして、林檎の食べ方も知らないのか、お前」

呆れた風に呟いたけど、こいつの瞳が、あんまりにきらきらしていたものだから、喉の奥がおかしな音を立てた。

それは華やかな夜市の照明よりも、夏の空一面の星空よりも、ずっと綺麗な瞳で、綻んだ笑顔は大輪の花のようで。

え、このちんちくりんが綺麗とか。おかしいだろ。
おかしいだろ、俺。

だから俺は、自分がどんな顔になっているかもわからないまま、

「うん。がんばる。……絶対、負けねー」

なんだか酷く間抜けな返事しかできなかったんだ。*
(20) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 15:35:12
ヘイダルは、アールアレフから、不思議な招待状を貰って首を傾げている。……今頃何の用事だよ?
(a9) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 20:37:07

【人】 孤児 ヘイダル

>>21 >>22 アールアレフへの返し


明日は"戦いの日"だ。

負けるつもりはねーけども。
勝つ気しかねーけども。

────でも、もし負けちまったら。

ゾラフを助ける術は、砂漠から宝石の欠片1個を探し当てるくらい遠いものになる。

夜市を訪れる気も今一つ沸かず、何とはなしにねぐらに籠もっていたら、もう何度か見慣れた男がやってきた。
アールアレフに仕える男。

御丁寧に、招待状まで携えちゃってさ。
(24) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 21:07:00

【人】 孤児 ヘイダル


「…………っ!?」

何度か訪れた彼女の館の応接間は、ジャングルみたいに変貌していた。

この国には無い樹木のオブジェ。見慣れぬ花。偽物の鳥。

そこここには、さあ召し上がれと言わんばかりに見慣れぬ菓子や果物が飾られて。

ちょうど館の前で出会ったちんちくりんは、すごいすごいと至極素直に喜んでいたけれど。

「…………何、考えてる?アールアレフ」

ちんちくりんはともかく俺は────いや、ちんちくりんだって、こんな小手先の"もてなし"で籠絡はしない。

……純粋に、ただ、もてなそうとかするだろうか?
この女が?
今、この状況で?

そこまで脳天気な女ではないという事を、俺は肌から知っている。

あと、まあ、この状況で毒を盛るような女でもないだろうということも、知っている。
(25) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 21:08:36

【人】 孤児 ヘイダル


多分、だけどさ。

俺とあんたは同じ結論に達してる。
ああそうすれば良いのか、って、分かってる。

でもその胸の裡を聞かされたって、はいそうですかで頷いて手を引けるもんでもねーんだよ。

それもあんたは分かってるはずなのに。*
(26) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 21:09:25
ヘイダルは、ちんちくりんの頭をわしゃわしゃかき混ぜた。散々やられたし、お返し。
(a10) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 21:15:42

ヘイダルは、そしてぱぱっと俺も風呂に入ってくるぜのターン!*
(a11) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 21:16:49

ヘイダルは、見ないふり、だと……[ぎぎりぃ](←シカトされる事に屈辱を覚えるお年頃)
(a15) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 22:07:50

ヘイダルは、tenten
(a19) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 22:18:44

ヘイダルは、あ、肉に動揺した
(a20) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 22:19:06

ヘイダルは、……肉。肉、ね…………[ふらふら][じゅるり][ちょろい]
(a21) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 22:20:43

【人】 孤児 ヘイダル

>>27

「……やることが、仰々しすぎるんだよ」

"好ましく思っている事を伝えたかった"とか、さ。

言ってることは、まあわかる。

が、それがなんで応接間のジャングル化に繋がるのかが、俺にはさっぱりわからない。

眉間の皺がしっかりはっきりくっきり深くなる反面、傍らに居る脳天気ちんりくりん魔神はふわふわぷあぷあ喜んでいるものだから、どうにも脱力してしまう。

まあ、効果あるね。ありそうだね。こいつにはね。

「────もしかして、友達作るの、下手でしょ。アールアレフ」

それともこれが"ジョーリューカイキューのタシナミ"ってやつなの?
だとしたら、億万長者になれたとしても俺はそんな世界に踏み込みたくねーなと呆れ顔になったけど、でも眉間の皺は消えていた。

だってさ。
すっげ旨そうな肉が出てきたんだよ?

それはもう、仕方ないだろ?
(28) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 22:28:10
ヘイダルは、なんか、お前に「良かったね」言われるとビミョーな心境になるな
(a24) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 22:38:05

ヘイダルは、ちんちくりんの両頬をびよんびよん伸ばした。
(a25) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 22:38:39

ヘイダルは、頬袋伸ばすと菓子溜め込めるぞ良かったな[みょんみょんみょん]
(a27) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 22:42:52

ヘイダルは、えー、さっきまで頬パンパンでリスかネズミかって感じだったのにな。鏡見せときゃ良かった。
(a29) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 22:50:57

ヘイダルは、「挑発」されたと思ったら「摘発」だったでござる……
(a30) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 23:17:44

【人】 孤児 ヘイダル


>>29

ああ、ちとやりすぎたか?と自覚した時には、既に遅し。

見たこともない菓子を前に、夜市を歩いた時同様、眼をきらきらさせて次々皿に積みあげていくちんちくりん。

その様が微笑ましくもあったけど、なんでか、なんとなく面白くない気持ちもあって、ちょっかいを出した。

  ────なあ。

  そうやって菓子ばっか見てないでさ。

やっと目線が合った、と楽しくなって、ちんちくりんの頬をびよんびよん触る。

最初は驚いていただけの顔が、不機嫌そうに歪んで、そして、遠く距離を取られて。
あっかんべーする勢いで、アールアレフのドレスの向こうから睨まれた。
(30) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 23:18:22

【人】 孤児 ヘイダル


「…………ぁ」

  やりすぎた。
  しまったな。

  いや、そも俺…………なんで?

  なんで、こんな事を?

己の手を見て、ちんちくりんの顔を見て、卓上の肉を見て、鬱蒼とした偽物の樹を見て、アールアレフの顔を見て。

どこにも答えは書いてない。

────なんで?

自問自答して、もしやと思う一つの答えに辿り着く。

いや、でも、ないだろ。違うだろ。
そんなことない。そんなことは。*
(31) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 23:18:36