01:07:05

人狼物語 三日月国


43 【完全RP】音の鳴る瞬間の相手は【R15】

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 子どもたちに向き直り、少し屈んで
  視線を合わせます。  ]


    すごいわね。
    これがこの国の音楽祭なのね。

    ……ね、私、少し
    
忘れ物
を取りに行って
    きてもいいかしら。

    すぐに戻るからここで待っていて。
    ほら、また次の演奏が始まりそうよ>>2:210

    …貴方達も、いつか、この国に
    生まれたことを誇りに思う音に
    出会えるといいわね
   


 
(16) 2020/09/27(Sun) 8:32:29

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 側にいた方
  
お名前を聞いたことがあれば
  オーランジュ様と仰ったかしら
  
は暗に

  
貴方も、此処に、居なさい!
>>2:242
 
  と、訴えておられましたが、
  大変申し訳無くもひとつ首を横に振って、
  深く頭を下げて。   ]


    申し訳ありません、すぐに戻ります
    少しの間だけ、この場をお願いしても
    良いでしょうか
   



[ そう告げて、失礼に失礼を重ねてお返事を待たず
  必死にアメリア様の後について、
  馬車へと向かいました。  ]
 
(17) 2020/09/27(Sun) 8:39:14

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 揺れる馬車で、自然に重ね握り合う手>>@0

  どっと力が抜けて、リズミカルな蹄と
  車両の音に揺られていると、気を抜けば
  すぐに意識が遠のきそうで。

  それでも、平手打ち、なんて、
  貴族の方にはとても不似合いな言葉が
  出ればその目を見開いて。

  

  …アメリア様がヨシュア様を平手打ちする
  なんて光景は、やはりどんなに想像力を
  振り絞って考えても浮かばなくて。
  それでもきっとヨシュア様は甘んじて
  受けるのでしょう、そうしてまた
  ぎこちなく笑って、
  もういいですか、それではお茶にしましょう、
  なんて言うのかも知れない、と思って。



  ちらとアメリア様の綺麗な横顔を見ては
  どうかそんな未来が近くにありますように、
  とまた私は握る手の力を込めたでしょう。 ]*
 
(18) 2020/09/27(Sun) 8:41:13

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 時折、ぎゅ、と強く握り返される手は、
  アメリア様の不安や葛藤、それに
  強さや揺るぎない意志まで、様々な感情が
  込められているように感じる、
  熱いものでした。>>@3

  いつしか馬車はその動きを止めて。
 
  アメリア様を支えるように馬車を降りますが、
  実は自分が支えて頂いていたのかも知れません。

  視線の先には、あの名も知らぬ優しい方と、 ]



    ……ヨシュア様…>>@5




[ 呼ぶ声は、アメリア様のものと重なって。 ]
 
(48) 2020/09/27(Sun) 22:38:18

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 迎えにきた、と仰るアメリア様の瞳は、
  鋭くヨシュア様を見つめていて、
  まるで彼の心の奥底まで見透かそうとするよう。

  一瞬驚かれた様子のヨシュア様は、
  普段見たこともないような厳しい瞳で
  アメリア様の視線を受け止めて。

  矢継ぎ早にアメリア様を責める言葉を
  吐き出すお姿を、
  感情を押し殺したようなその声を、
  私はただなにも言えずにアメリア様の
  お側に立って聞いていたでしょう。>>40

 
(49) 2020/09/27(Sun) 22:39:56

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 僅かな間をあけて、発せられる、
  言葉たち。>>@7>>@8>>@9>>@10

  一言一言に、思いの丈が詰められたで
  あろうその言の葉は、
  触れれば壊れてしまいそうなシャボン玉の
  ようにふわりと風に乗り、それでいて、
  教会のステンドグラスの如く深く澄んで美しく。

  ……そこには、あの病弱で、いつだって少し
  ご自身を卑下した言い方をなさる、>>1:@2
  あのアメリア様のお姿はありませんでした。

  
  
ああこの方はやはり、
  ハイアームズ家を背負って凛と立つ
  清廉なお嬢様なのだと、
  またそうしていられたのは他でもない、
  この目前におられる、
  心の優しい従者さまのおかげなのだと
  


  思わず平伏しそうになるほどの尊さを
  感じたのでした。 ]
 
(50) 2020/09/27(Sun) 22:44:00

【人】 教会住みの娘 エヴィ


    
   
アメリア様!



[ 言い終えるのと同時に、
  倒れようとするお身体。

  けれど私が手を出すより早く、
  ヨシュア様の両の手が、アメリア様を
  しかと抱きとめました。>>42

  きっと、ずっと長い間、そうされていた
  のだろうと容易く想像出来るくらいに
  その動きは滑らかで、一分の迷いも無く、
  そんな場合ではないのに
  見惚れてしまう程。

  腕の中のアメリア様に、ヨシュア様は
  何かを囁いているように見えました。>>43

  そうして大切な宝物に触れるように、
  そっと、そっと、きっととても大切な筈の
  アメリア様のお身体を、人に預けられて。

  ただ黙って頭を下げられるそのお姿は、
  あまりに苦しくて、切なくて。
  私も耐えきれずにその場に
  へたりこんでしまうのでした。  ]
 
(51) 2020/09/27(Sun) 22:49:03

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ ごめんなさい、と。
  伝えられずにいた、言葉を。

  ヨシュア様に届くかはわからないまま、
  私は顔を伏せて、小さく歌うのでした。
  あの日、歌えなかった、歌を。
  お好きではないなんて知らなかったけれど。

  私が、アメリア様と出会わなければ、
  こんなことにはならなかった。

  それを責めることもせず、ただまっすぐに
  助けて下さった、優しい方へ。

  ご自身をそれ以上責められず
  許しを、与えてください、と、
  願わずにはいられませんでした。 ]**
 

  
(54) 2020/09/27(Sun) 23:04:09

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 耳に触れる、ヨシュア様の声。
  歌が好きではないと、初めてご自身で
  仰ってくださいました。>>56
  なんとなくヨシュア様らしい、と思えば
  口の端に僅かな笑みが浮かんだでしょう。

  目の前にすうっと引かれつつある
  闇色のカーテン。

  いつもと変わらないあまり抑揚のないお声が、
  今日はより静かに、そよぐ風に乗っては
  心に届きます。>>57

  視界を闇に落とすカーテンが、完全に
  閉じられてしまう前に、意識を
  つなぎ止めて懸命に顔を上げて。  ]
 
(107) 2020/09/28(Mon) 15:49:12

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 目にしたそのお顔に浮かぶ微笑み>>2:182は、
  あの時>>2:182のものより随分と
  穏やかで、美しくて
   


  手向けて下さった言葉を>>-78確かに
  胸に抱いて、どうかお元気で、と呟いて。

  私もどうにか笑んだと思うのですが、
  届いたかどうかわからないまま、
  視界は真っ暗な闇に閉ざされていきました。 ]
 
(108) 2020/09/28(Mon) 15:50:54

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ あ、と気づいた時には、私は
  宮廷に居たようです。>>85
  …私は少しも覚えていないのですが。
 
  けれどそこに、もしあの華麗に馬を
  操られた方がいらっしゃるのならば>>60
  散々ご迷惑をおかけしたことを詫びて。

  一息だけついたあと、アメリア様は無事に
  ハイアームズのお屋敷に戻られたか、
  お身体にさわりはないか>>@7
  次々とその方に尋ねたことでしょう。

  その際に神父様の動向を、何かの流れで
  耳にすることはあったでしょうか。
  あったのならば目を伏せて。

  そうしてようやく、自分がまだその方に
  名乗りもしていないと言う事に気づいて、
  慌てて名前を伝えるのでした。  ]
 
(109) 2020/09/28(Mon) 15:54:09

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 着替えるために一人になれた私の居る場所は
  明るく差し込む光がキラキラと眩しく、
  昨日見たシャンデリアのように輝いては、
  今までの出来事が頭を過って、
  ヨシュア様やアメリア様の笑顔が
  光の中に浮かんでは消えて。

  ふ、とその世界がぼやけて。
  しばらくの間膝を抱えて、掌に歯を当てて
  嗚咽を漏らさぬようにしながら
  止めどなく流れ出る涙で
  足を、床を、濡らしていました。

  ……同じ頃、同じようにひとり涙を流される
  アメリア様>>@17を知っていたら、
  私はあの方をお一人にしてしまったことを
  心の底から後悔したでしょう。
  例えハイアームズ家の皆様に、
  あとはこちらでと言われたのだとしても、
  あの時、あの方が、
  私にお願いして下さったのに>>58
   
 ]
 
(111) 2020/09/28(Mon) 20:04:42

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 私に湯浴みを勧めてくださる声が聞こえれば、
  ごしごしと顔を擦って。
  まだぼうっとする頭を2、3度振って、
  言われるがままお言葉に甘えてお湯を借りる
  ことにしました。

  身体中がビリビリと滲みるし、髪は所々
  ばりばりに固まっていたし、着ているものは
  汚れは酷いし、こんな姿でアメリア様や
  皆様の前に居たのかと改めて知って、
  消えて無くなりたいような思いでまた
  涙がこみ上げて、慌ててざぶんと頭から
  お湯をかけて誤魔化しました。

  湯浴みに付き添ってくださった方が、
  傷も綺麗に治せますよ、と仰った時には
  驚きましたが、この国の王族方には、
  そのような不思議な力をお持ちの方が
  いらっしゃるということは聞いたことが
  あったのを思い出し、小さく頷いて。 ]
 
(112) 2020/09/28(Mon) 20:06:52

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ …それから、大変暖かいそのお申し出を、
  丁重にお断りしました。



  この傷は、私が生きる証。
  今までも、これからも。



  お気を悪くなさらなかったかしらと
  思いながらも、その方が、傷はそのままに
  綺麗に手当てをしてくださるのであれば
  その手をじっと見つめて。

  着替える為に足を踏み出した時、
  その歩みが随分軽くなっていることに気づけば、
  その方に向き直って深く頭を下げるのでした。 ]*
 
(113) 2020/09/28(Mon) 20:10:20

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 身嗜みを整えて、促されるまま足を向ける
  その場所は、昨日と同じ宮廷内の
  豪華で大きなホール。

  ご厚意でそれは可愛い服に着替えさせて
  頂いていた子どもたちと合流出来たのなら、
  また胸に熱いものが込み上げて
  抱えるように皆を抱きしめたでしょう。


  湧き上がる拍手に視線を上げれば、
  そこには優雅なカーテシーを行って女性>>96

  それは、あの日の審査員の方。

  私に生きる希望を下さった、
  誇り高き宮廷音楽家の
   
 ]



    メイレン様…
 
(125) 2020/09/29(Tue) 8:14:12

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 細く、長いその指>>1:85が、
盤の上を踊る。

  軽やかに、優雅に、舞う指から紡がれる音は
  華やかで、白と黒の鍵盤から鮮やかな花を
  あたり一面に咲かせるよう。


  と、曲調が変化して。
  それはなにかの始まりを感じさせるような旋律。
  刺激的な物に、でもまたしっとりとした物に、
  次から次にその姿を変えて行く音。
  私は瞬きも、息すら忘れて、食い入るように
  見つめていました。

  そしてその指が鍵盤から離れて、
  会場が静寂に包まれた瞬間
   
>>102
 
(126) 2020/09/29(Tue) 8:17:53

【人】 教会住みの娘 エヴィ


    
   
ぅ…わ……


[ 宮廷内だと言うのに、そんなはずはないのに、
  竜巻のような突風がごうと吹き付けたような
  力が、私の背を思わずのけぞらせていました。 ]


    
   
っ、すご……


[ 舞う指は、先程の優雅さとは違う、
  鋭く、強く、叩きつけるような物さえ
  垣間見れて。

  決して不快ではない轟音を轟かせ、
  その存在を確かに知らしめるような、
  それは、まるで
雷鳴
のような
   
  ]
 
(127) 2020/09/29(Tue) 8:20:32

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 最後の音が消えても、すぐには身体は
  動きませんでした。

  拍手をすることすら忘れて、
  ただただメイレン様を見つめていたでしょう。 


  ……これが、この国の誇る、宮廷音楽家…


  周りの方々の拍手で、は、と我に返り、
  今度は改めて、手が千切れるほどに
  打ち付けた、精一杯の拍手を送ったのです。 ]*
 
(128) 2020/09/29(Tue) 8:22:54

【人】 教会住みの娘 エヴィ


  
 ある日の女子会 
  


[ その日も私は、アメリア様にお呼び頂いて、
  ハイアームズのお屋敷にお伺いさせて頂いて
  おりました。

  訪れるごとに深まるように(私は)感じる
  アメリア様との仲。
  お年も近く、その穏やかで控えめな
  お人柄から、私は恐れ多いことながら
  御友人のようにお慕いしていたのです。

  また訪れるごとに異なる、お茶やお茶菓子。

  毎回毎回はじめは恐縮して手を出せずに
  いるのですが、アメリア様は、
  食べないとヨシュアが怒るの、などと仰っては
  微笑んで、私のほうにそっとお皿を
  押してくださるのでした。

  そんな様子にありがたくも申し訳ないと
  思いながら、ちょっとした悪戯心で、
  前からずっと気になっていたことを
  聞いてみたことはあったのでしょうか
  
 ]
 
(129) 2020/09/29(Tue) 8:37:24

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ ……なんて、年頃の女の子たちがするように、
  
  そっとその形の良い耳に口を寄せて。  ]*


 
(130) 2020/09/29(Tue) 8:39:32

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 いつかの恋話 
  


[ 触れるのが怖いほどに薄く美しいカップに
  指を絡ませるアリシア様の動き>>@19は
  音もなく流れて。
  優雅で気品が漂う名家のお嬢様そのもので、
  思わず見惚れてしまうほど。

  返された言葉>>@20、>>@21にはあら、と
  僅かに眉根を上げながら、懐かしそうに、
  時には嬉しそうに見えるそのお顔を
  覗きこむようにして、小さな頃の思い出を
  話してくださるご様子に聞き入っていました。

  

  ちょっと、意外。
  私はてっきり…別の方のお話が出てくるのかと
  思っていましたので!
  

 
(135) 2020/09/29(Tue) 10:46:19

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 少しわくわくした様子でこちらにも
  同じ質問を囁くアメリア様の吐息が、
  お茶の香りで私の耳に届きます。 ]


    わ、私は神の子ですから…
    そもそも男の方にお目にかかることも
    ありませんし。

    あ、でも…



[ そう言って、やっぱり口を閉ざして。

  アメリア様と同じように、カップを手に
  してみたけれど、どうにもガチャガチャと
  音を立ててしまっては、あわわ、と
  なるのでした。 ]
 
(136) 2020/09/29(Tue) 10:47:57

【人】 教会住みの娘 エヴィ


    
(優しい方は、良いですね…
    お仕事に熱心で、課せられた使命に忠実な
    瞳は、とっても素敵だなぁと思います )



[ 私の頭の中には、どなたのお顔が
  浮かんでいたのか、なんて。
  それは言わないから、少し、笑って。 ]*
 

(137) 2020/09/29(Tue) 10:50:40

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 豪華なドレスに囲まれて 
  


[ お好きな物を選んでくださいと仰る、
  その美しい方を見つめながら、たくさんの
  それはそれは豪華な素晴らしいドレスを前に
  私はただただ目をぱちくりさせていました。]


    あの、私、お代を持っていなくて…


[ 申し訳なくて俯いて、小さく伝えたけれど、
  恐らくそれは笑い飛ばされたでしょうか。>>134

  おそるおそる触れるそれらは、私でさえ
  それと分かる、高価で贅を尽くした
  素晴らしいものばかり。


  ……その中で一着。
  薄い
オレンジ色
のワンピース。
  飾りもなにもない、シンプルなそれは、
  あの日の茜の空を思いださせるよう
   
 ]
 
(138) 2020/09/29(Tue) 11:19:39

【人】 教会住みの娘 エヴィ


    これ、着ても良いですか…?


[ あの日見た夕陽は、生涯忘れることのない、
  私の宝物。
  
  頷いて頂けたなら、少し跳ねる心と震える腕を
  どうにか抑えて、袖を通したでしょう。

  色のある服を着るのは初めてだと、
  小さく呟きながら、その方について
  ホールへ向かうのでした。 ]**
 
(139) 2020/09/29(Tue) 11:21:34

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 表彰式・宮廷の大きなホール 
  


[ そういえばなぜこのホールに再び案内して
  くださったのか今一つわからないままにここへ
  来たのですが、そこに並ばれている方々の
  錚々たるお顔を拝見して>>78
  そうか表彰式が行われるのだとようやく
  理解しました。

  私が初めて身にするオレンジ色のワンピースを
  きゃっきゃと褒め讃えてくれる、
  愛しい妹や弟たちに、じんわり顔が
  赤くなるのを感じながら、
  それでもあふれ出る笑みは止められないままに、
  またしぃー、っと人差し指を唇に当てて、
  舞台に目を向けるよう促して、
  自分も同じようにしたでしょう。 ]
 
(140) 2020/09/29(Tue) 13:37:22

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 粛々と、告げられて行く、音の評価。

  4位の発表があった時、私はあっと声を
  上げてしまいました。
  あれは、あの時の、異国の方…>>0:5

  やはり、受賞された!
  あぁ聞いてみたかったなぁと少し残念に思いながら、
  その方に精一杯の拍手を送ります。

  その方の表情までは見えないままに、
  その内のお心など知る由もなく
  
>>119


  皆様それぞれに、出だされた結果については
  思うこともおありなのでしょう、
  涙を流される方や、うずくまってしまわれる方の
  姿まで見えて>>83

  胸の奥がぎゅっとするような、
  なんともいえない心持ちになりながらも
  改めて、この国の持つ音楽の力というものを
  身に染みて体感していました。 ]
 
(141) 2020/09/29(Tue) 13:40:17

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 2位の方々はまた、見たことがないお姿の
  異国の方のようで。
  その音を聞いていたらしい子供たちは
  興奮気味に、口々にその素晴らしい音楽に
  ついて私に聞かせてくれるのでした。
  

  (ちなみにこの子たちの興奮交じりの
   拙い説明では一体どのような音楽なのか、
   さっぱり理解が出来なかったのですが、
   それは口にも出さずに、そう、そう、と
   にこにこ聞くに留めていました。)




  
   
そうして、発表された、1位…… ]
 

(142) 2020/09/29(Tue) 13:44:31

【人】 教会住みの娘 エヴィ




    え…


  
(143) 2020/09/29(Tue) 13:45:31

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 聞き間違えでしょうか。
  あの時も、素晴らしかった>>1:273、と
  言ってくださった方
  
のちに
  宮廷楽長だと知りました
  
が、
  君が今年の最優秀者だ>>82、と
  私の名を、呼んでくださるのです。


  私はなにが起こったのか全く分からずに、
  ぽかんと口をあけてただ立っていました。


  …随分と間抜けな姿だったと思います。 ]
 

(144) 2020/09/29(Tue) 13:50:16

【人】 教会住みの娘 エヴィ


    
   
嘘……




[ 次の瞬間、周りにいる子供たちが、
  わっと歓声を上げて、ぴょんぴょん跳ねては
  私に飛びついて。

  そのまま私の身体は皆にのしかかられて
  ぺしゃんと座り込んでしまいました。

  ぽかんとしたまま見回す子供たちの顔は、
  笑っていたり、わんわんと泣いていたり。

  その様子を見て、あぁまさか本当に、と
  視線を上げて、見えた世界>>83……

  呆然としながら、ふと少ししわが寄った
  ワンピースに、子供たちの涙と鼻水の
  後を見つけては思わずぷっと吹き出して。
  そっと子供たちを撫でながら立ち上がり。

  あの日と同じように、押し出されるようにして、
  ふわふわとする足元を確かめながら
  他の受賞者の方々と並ぶ場へと立ったのでした。]*
 


(145) 2020/09/29(Tue) 13:55:52

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 いつかの恋話
  


[ お互いの視線が含み>>@23を持って絡めば、
  一瞬見つめあったのち、ふふと吹き出して。

  けれどもこうして楽しく話していると
  ついつい忘れてしまうこと。
  
  アメリア様のお身体があまりご丈夫で
  ないことを思い出せば、またその日々の
  過ごす様>>@20などに考えが及べば、
  もしや迂闊なことを聞いてしまったのかも
  知れないという罪悪感に今更のように
  苛まれたことでしょう。  ]
 
(161) 2020/09/29(Tue) 15:34:25

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 微かに曇る心の中を見透かすように
  アメリア様のご提案>>@24がとどけば、
  わ、と手をひとつぱちんと合わせて、
  その顔を伺っては笑んで。

  素敵ですね!と伝えれば、さてアメリア様は
  なにをお作りになるつもりなのか、
  わくわくと逸る気持ちを抑えきれずに
  思わず椅子から立ち上がってしまい、
  あの美しいカップがガシャンとなって。
 
  また慌ててオロオロする様子が、
  お怒りでもなくアメリア様の口元を
  綻ばせたのなら良いのですが。 ]*
 
(162) 2020/09/29(Tue) 15:38:33

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 そう言えば 
  


[ 宮廷内に居る方々が、私と共に歩を進める方に
  向かい次々に礼を行います。

  見事なまでに全員が、その方に敬意を
  捧げているのを目の当たりにして。 ]


     (お名前、聞いていなかったけれど、
     もしかしてこの方やっぱり、偉い方よね…?)


[ ちらり、その美しい横顔に目をやります。

  
私は、その方のお顔を、
  存じ上げなかったのです。


  
今、思えば、何という、ご無礼…
  ]
 
(199) 2020/09/29(Tue) 18:16:55

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 私の耳が、小さな騒めきを拾います。 ]

         
王妃殿下、今日もお美しい…

         
殿下のご寵愛も肯ける…



[ 
…!?


  次の瞬間、がたがたっ、と音を立てて、
  私は後退りをしたでしょう。  ]


      
おっ、おっ、王妃殿下…!?



[ まさか自分に、こんなにも親身になって
  世話を焼いて下さった方が、
  この国の王妃殿下なんて!!?

  恐れ多くもお湯をお借りしたり、
  傷の手当てをして頂いたり(おまけにまさか
  ご厚意をお断りしたなんて!)
  挙げ句の果てには、服を頂いてしまったの私?!

  もうどうしたらいいのかわからないまま、
  その場に慌てて平伏した姿を、王妃殿下は
  どのようなお顔で見ていらしたのでしょうか。 ]*
 
(200) 2020/09/29(Tue) 18:26:46

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 いつかの調理実習 
  



   というわけでね。
   今から作るのは、「クッキー」よ。>>@26



[ むん、と音が聞こえてきそうに胸を張って、
  恐らく初めて身に付けられるエプロン
  (なんて可愛らしい…)をぎゅ、と背中で結んで、
  アメリア様は腕まくりをされました。

  レシピ通りにすれば大丈夫、と仰るお言葉に、
  あらアメリア様はお料理をされたことが
  おありなのね、と思って、少し意外な
  気がしました。

  …私のように、毎日毎日炊事洗濯掃除を
  しているような小間使いではなく、
  名家のお嬢様なのですから。  ]
 
(244) 2020/09/30(Wed) 8:13:50

【人】 教会住みの娘 エヴィ


   
   (さすが、お嬢様だわ。
   お料理も、学んでいらっしゃるのね!)
   

[ 頑張りましょう、と仰るアメリア様の瞳は
  いつもの病弱なお姿とはかけ離れた、
  キラキラと輝く綺麗なものでした。


  …と、同じようなキラキラした尊敬の
  眼差しを向けていた私の考えは
  どうやら私の勝手な勘違いだった、と
  気づくにはさほど時間はかかりませんでした。 ]
 
(245) 2020/09/30(Wed) 8:15:38

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 覚束ない手つき>>@29で、ひっくりかえり
  そうになるボウル、
  
(慌てて私が飛びついて
  惨事は免れました)


  混ぜ方が少し、あの、えっと、
  
不思議な動き
だったり
  
(だ、大丈夫です、混ざればなんでも
  良いのです!)


  粉をすりきり量る際などはもう、
  見ているこちらまで手に汗握るような
  それは慎重なご様子で!
  
(ベーキングパウダー以外はある程度
  適当でも大丈夫ですよ、なんて
  とても口に出せないほど!)
  ]
 
(246) 2020/09/30(Wed) 8:20:02

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ それでもひとつひとつ、ご自身で確実に
  成し遂げてはにっこりと笑むアメリア様は、
  とっても誇らしげで、美しい方でした。
  
  例えそのお顔にお粉がついていても、
  可憐なことには変わりないのです。


  ようやくオーブンに生地を入れて、
  二人で顔を見合わせれば、お互いの顔に
  お粉がついているのを指差しては、
  くすくすと笑い合うのでした。


  アメリア様は、これをどなたにプレゼント
  なさるのかしら。
  私?私は… ]*
 
(247) 2020/09/30(Wed) 8:21:53

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 いつかの籠を持ったお花屋さんと 
  


[ 籠いっぱいの小さな花束は、それはそれは
  色鮮やかに、互いの色を引き立て合うかの
  ようにお行儀良く並んでいました。

  私の名前を呼んでくださるお花屋さん>>219に、
  少し目線を上げて。
  名前を知っていてくださったのだなぁと
  驚きつつ、ほわりと嬉しい気持で
  会釈しては笑みます。

  顔の傷が引きつって、上手く笑えたかは
  わからないままに。


  小さな花束を3つ、買いました。
  どうして3つなのか、自分でも首を傾げながら。
  それらは、小さな兄弟に持たせます。
  小さな子たちが、自分が持ちたい、と
  取り合いをしては喧嘩する姿は微笑ましくて、
  少しだけ、心の雲が晴れたような気がしました。

  お花屋さんはどんな様子でいらしたか、
  私はまたひとつ会釈をして宮廷内を
  目指したことでしょう。>>2:167 ]**
 
(248) 2020/09/30(Wed) 8:43:01

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 いつかのお使い お花屋さん 
  


[ いつだってお花屋さんはいい香りで満ちていて、
  お使いにくるたび心は浮き立つのです。

  それでも注文は決して間違えないよう、
  ひとつひとつ慎重にお伝えするのが常でした。

  お花屋さんは、同じようにひとつひとつ
  丁寧に繰り返しては確認して、
  いつもと同じようにソファを勧めてくださいます。

  腰掛けることはなかったけれど、
  よく手入れされているように見える
  美しいソファは、たくさんの方が
  このお花屋さんを贔屓にしていることを
  表しているようでした。  ]
 
(256) 2020/09/30(Wed) 9:41:52

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ ややあって、受け取る注文の花束。
  教会に飾るための、白と紫の、長いもの。
  
  お待たせしました、と仰るほどには
  いつだって待ち時間はありません。
  ついついじっと見つめるその方の手つきは
  流れるように無駄なく素早くて、
  あっという間に花束ができていくのですから。

  そうして御礼を言って、お代を渡して。
  店を出ようとした私を呼び止める、声。>>220

  少し驚きながら、言われるがままにまた花束を
  お渡しすれば、仲間に加えられる、
  小さな白い花たち。  ]


   
 (…生ける前に、外して、飾って…)



[ それは、もしかして、私のために、なんて。

  …とても直接お伺いはできない私は、
  深く深く頭を下げ御礼を伝えました。  ]
 
(257) 2020/09/30(Wed) 9:45:03

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 抱えた花束に目をやれば小さないくつもの
  白い花が、りんりん、と音を奏でるように
  揺れる様がとっても可憐で。
  

  その花たちが、自分から、私のもとへ
  行きたいと言ってくれたなんて、
  思いもしなかったのだけれど!
  



  神父様には内緒で、こっそり、
  私の寝起きする部屋に飾ってみました。

  それは、色の失せたような生活のなかで、
  確かに私を優しく癒してくれたのでした。]**
 
(258) 2020/09/30(Wed) 9:47:20

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 子どもたちのことまで気にかけて
  下さる方に>>203、すみませんが
  よろしくお願いしますと頭を下げました。

  7人全員がお利口に待っていてくれると
  自信満々にいうので、お行儀良くしていてね、
  と告げて。
  

  (えらいひとってだぁれー?>>203、なんて
   大きな声が歩き出した背に届けば
   ついつい吹き出してしまって、
   慌てて口元を引き締めました。)
   


  雲の上を歩いているようなふわふわとした
  感触を踏みしめながら、受賞者の方々が
  並ぶ場に立ち>>83

  なんだかとても長い距離を来たような
  不思議な気がしました。  ]
 
(286) 2020/09/30(Wed) 14:40:07

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 他の受賞者の方々はとてもご立派で、
  もちろんたくさんいらっしゃる王族の方や
  審査員の皆様にも、自分の傷だらけの顔を
  見せてしまってはきっと失礼だろうし、
  ぎょっとさせてしまうのは申し訳ないなぁと
  思いながらも。
  私は顔を伏せることなく、しっかり前を
  向いて立ちました。

  宮廷楽長様のお声が響きます。>>204

  厳しさを纏うその瞳の中に、幾ばくかの
  優しい笑みを見つけては、逸らすこともせずに
  じっと見つめて、流れる言葉を聞いていました。 ]
 
(287) 2020/09/30(Wed) 14:41:13

【人】 教会住みの娘 エヴィ


    
(私が、宮廷楽士に…)



[ 先程言い聞かせたばかりなのに、
  お行儀が良いとは言えない様子で、
  こちらにぶんぶんと手を振る子どもたちを
  そっと、見遣り。
  ひとつ息を吐いて、目を閉じました。

  
  
送られる、おめでとう、の言葉。>>206
  決して大きくないその声は、けれど
  今までにないほどまっすぐに私の胸を射抜いて。

  そうして手渡された賞状と、ピンバッジ。>>205
  それから…
  あの日。私の目を焼いた、あの腕章>>0:68
  同じ布の、胸章。

  布の中央に引かれた線は
茜色
……
  あの夕景と同じような色。  ]
 
(288) 2020/09/30(Wed) 14:44:43

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ そっと受け取ると、周囲からまた暖かい
  拍手と歓声が湧き上がり、胸の奥から
  じんと熱いものが込み上げるのを感じます。

  思いもよらず頭上に飾られるティアラ。>>206

  抑えた金色のそれは、美しい草花を模したもの。
  わ、と思う間もなく自分では見えない所へ
  それが飾られた瞬間、周囲の方から送られる
  拍手がひときわ大きく響きました。


  …少しずつ歪み出す視界に、
  私の救いの神様のようなメイレン様の姿を
  捉えれば、その口元が、おめでとう、と
  動いては、にっこり笑って下さっていて。>>208

  それを見て、とうとう堪えきれずに
  堰を越えて、涙が一筋だけ伝い落ちました。 ]
 
(289) 2020/09/30(Wed) 14:47:47

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 係の方が、私たちを元の位置へ誘導して
  下さろうとした時。

  ……私はそっと口を開きます。  ]


    あの、このような身に余る栄誉を頂き、
    本当にありがとうございます。
    心から皆さまと、
    コンセールカリヨンの神様に感謝致します。


[ と頭を深く下げました。
  あ、ティアラ落ちないで、と願って、
  少し頭に手をやりながら、

  いらっしゃるであろう王族の方々、
  宮廷楽士や審査員の方々に、身体を向けて、
  力を込めて、目を逸らさずに。 ]
 
(290) 2020/09/30(Wed) 15:04:38

【人】 教会住みの娘 エヴィ



    …あの。
    ここでこんなことを言うのは大変
    場違いで…失礼を承知で申し上げます。


    もしかしてご存知の方がいらっしゃる
    かもしれませんが…

    私の
この傷に関わったある方

    僅かでも、温情を賜わりますよう、
    図々しくもお願い申し上げたく…。



    
何故なら私の歌はその方に、
    教えて頂いたものだからです。



 
(291) 2020/09/30(Wed) 15:08:20

【人】 教会住みの娘 エヴィ



    少しだけ愛し方を、進み行く道を、
    間違えてしまっただけだと思うのです。



[ そう訴えて、また一層深く、頭を下げました。

  
神父様
、と言わなかったのは、
  子どもたちに聞こえているかもしれないと
  思ったから
   
。  ]
 
 
(292) 2020/09/30(Wed) 15:10:23

【人】 教会住みの娘 エヴィ




    主よ今われらの
罪をゆるし


    足らざるこの身を
清むる

    みわざを
たたえまつる



    平和の露もて
心とかし


    痛みと悩みを
静める

    みこころ
いとうるわし



 
 
(293) 2020/09/30(Wed) 15:12:22

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 腰を折った姿勢のまま。

  小さく、それでも確かに心を込めて、
  歌を歌いました。


  …周りの方々の反応はどうであったか、
  あとからしかられてもかまわない、と、
  頭を上げました。



  だってわたしがいまここにたっている。
  それはたしかに、あのひとのおかげ。




  それは、今私がこの場に立って、
  初めて理解した、事実。


  そうしてきちんと伝えることが出来たなら、
  ようやく係の人について、元いた場所へと
  戻ったことでしょう。  ]**
 
(294) 2020/09/30(Wed) 15:19:02

【人】 教会住みの娘 エヴィ

   *

[ また騒がしい子どもたちに合流すると、
  続いて審査員特別賞の発表が始まりました。

  そのような賞があるのだと、また興味深く
  発表の場を見つめて、そして
   


  審査員特別賞のうちの4賞が同一者に贈られる
  という>>155、会場中が沸き立つ驚きの光景を
  目にすることが出来たのです
  



  その前代未聞の出来事を巻き起こしたのは、
  あの日、橋の上で、どこと無く所在無さげに
  佇んで居られた、あの異国の方を含む皆様で
  いらっしゃいました……!


  私は先程のこともすっかり忘れて、
  子どもたちと同じようにお行儀悪く
  ぴょんぴょんと飛び跳ねながら
  ありったけの拍手を送ります。


  ……そうだ。もし、あの方とお話する機会が
  得られるなら、お伝えしたいことが
  たくさんあって
   
  ]
 
 
(295) 2020/09/30(Wed) 15:48:43

【人】 教会住みの娘 エヴィ



    おめでとうございます、って、

    おかげで音楽祭で会えました、って、

    皆様の音楽を絶対に聴きたいです、って、


    それから、



    
    
もう、川にゴミを
    捨てちゃダメですよ、って
   
 ]**
 
 
(296) 2020/09/30(Wed) 15:50:04

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 後片付けまでが調理実習です 
  


[ オーブンから甘い香りが漂えば
  二人で見つめ合っては笑って。
 
  いくらも立たない間に焼き上がった
  クッキーを取り出せば、その見事な焼き色に
  歓声を上げて。
  思わずアメリア様と両手をぱちんと
  合わせてしまったかもしれません。

  お店のものとは違う、少し歪な形の、
  私達の努力の結晶。
  一枚手に取ってそのまま口へと運ばれる
  アメリア様は悪戯をするように
  茶目っ気たっぷりで、とっても可憐。>>@31
  私も真似をして、そっとつまんで
  食べてみましたが驚くほど熱くって、
  目を白黒させていたでしょう。  ]
 

    …おいひぃ…


[ 涙目でそう言って、アメリア様を見て
  また笑って。  ]
 
(306) 2020/09/30(Wed) 16:16:40

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 色とりどりの包み紙やリボンまで、
  準備万端>>@32なアメリア様に
  お礼を言って、そこからはまた楽しい時間。

  あーでもない、こーでもない、と
  ラッピングを進めて行くのはとても新鮮で、
  わくわくする経験で。

  リボンを結ぶアメリア様の指は細く綺麗で、
  流れるような手の動きは、私がいつも通う
  お花屋さんのものと似ているなぁと
  思ったりするのでした。

  
  可愛らしくラッピングされたそれを、
  両手でアメリア様に、差し出そうとして。

  
  
全く同じように、両手に
  今作ったばかりの小さな包みを乗せて、
  私に差し出してくれるアメリア様>>@33。 ]
 
(307) 2020/09/30(Wed) 16:18:15

【人】 教会住みの娘 エヴィ


    あ…



[ ……なんて、偶然。  ]


    あの、私も、これ、
    大切な方に、ってお話だったから、
    出来上がったらアメリア様に、って…



[ そう言って、アメリア様の手のものを
  大事に受け取ってから、次にアメリア様の手に、
  私がラッピングしたクッキーをそっと
  置きました。  ]



    いつも、私を気にかけてくださって、
    本当にありがとうございます。
    これからも、お嫌でなければまた、
    お誘いください。



[ そんな言葉と共に。  ]
 
(308) 2020/09/30(Wed) 16:20:28

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ それから。
  
  猫を象ったつもりだったのに、
  何故か焼き上がったら
  熊のようになっていたクッキーには
  思わず吹き出して。

  上手く行ったものといくつかを小さく纏めて、
  これはヨシュア様に、と小さく付け加えて。


  そんなきらきらした時間は、
  いつだってあっという間に
  過ぎてしまうのだけれど。

  ずっと消えずに色鮮やかに
  事あるごとに私の脳裏に
  すっと浮かんできては、
  私を励ましてくれる、
  大切な思い出となっていたのでした。 ]**
 
(309) 2020/09/30(Wed) 16:22:51

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 それから 
  


[ 3ヶ月の猶予期間を待つ事なく、
  私はお返事を致しました。

  たくさんの提案を頂いたことでしょう。
  そのどれもが暖かく、私や私の兄弟たちの
  ことまでを案じて下さるもので、
  その度にあぁやはり神様は
  いらっしゃるのねなんて都合良く思うのでした。


  
   
けれど結局、
  今も私はあの教会にいて。

  随分と古くなっていたところは、
  ご好意によって改修、補修がなされました。
  その時、ついでにあの地下室は塞いで貰いました。

  忘れることなど出来ないけれど、
  前を向いて進むべき時に、
  仄暗い記憶は埋めてしまったほうがいい、
  とおっしゃってくださったのは
  新しく教会に来られたシスター。

  …ちょっと食いしん坊で可愛くて、
  とっても素敵な明るい御人柄は、
  私の大好きな方に少し、似ているかしら。 ]
 
(355) 2020/09/30(Wed) 22:09:55

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 私には、以前の神父様があれから
  どうなったか、詳しく知る術はありません。

  ただ、どうやら私の願いは
  聞き届けられたようで、その生涯は
  どこか名も知らぬ小さな島で、
  一から神の為に祈りを捧げて
  過ごされることになりそうだ、
  と風の噂で耳にしました。


  子どもたちと共に寝起きし、生活をする
  変わらぬ日々の中、変化したことがたくさん。

  それらを、内から、外から問わず、
  全力をあげて支援してくださったのは、
  言わずと知れた名家の、誇り高き
  お嬢様と聞いた時には、今すぐにでも
  駆けて飛んであの方に会いたいと
  願ったものでした。  ]
 
(356) 2020/09/30(Wed) 22:12:44

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ そうそう。変わったことですね。

  以前から居る兄弟たち以外に、
  たくさんの子どもたちがわいわいと
  集う教会になったこと。

  それは、この国の子どもたちの為に、
  宮廷楽士の方々が、代わる代わる楽器や
  声楽を教えに来てくださるからだ、
  >>1:144と言うこと。


  その中には、演奏だけでなく、この国には
  欠かせない存在である、
  楽器のクラフトマンの方や、
  リペアマンの方>>0:22
  いらっしゃったでしょうか。

  子どもたちの中には、演奏そっちのけで
  楽器の構造や修復の仕方に夢中になる子も
  実は多かったのです。 

  あ、時折ひょっこり顔を出してくださる
  旅のヴァイオリニストの方も
  いらっしゃったかしら。>>0:17
 
(357) 2020/09/30(Wed) 22:15:23

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ あぁ、もちろん大人気なのは、
  荘厳な教会にぴったりの(!)
  電子音楽を演奏される、あの前代未聞の
  審査員特別賞を4人から集めた皆様です。

  メイレン様がそっとしのばせてくださった
  音源を教会で流した時には、周辺の皆様が
  驚いて教会へ走ってこられたっけ。
  お忙しい国内巡回公演の合間を縫って
  いつかここへ来てくださる日を、
  子どもたちとずっと待っています。
  ええ、灰皿は用意しています。


  あの頃とは打って変わって賑やかな教会を
  彩るお花はいつだって、季節に沿って
  その色を鮮やかに変える、
  魔法使いのようなお花屋さんの手で
  それは美しく飾られて。>>0:12
 
(358) 2020/09/30(Wed) 22:17:48

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 私はといえば、週のうち何度かは
  宮廷へ参じる仕事が増えました。


  
“奏者たる者、常に求道者であれ”
>>0:49


  その指針の元、たくさんの新しいことを学ぶ
  機会が私には与えられたでしょう。

  支給された、控えめな銀の革張りに
  国の紋章が施された小さな手帳。>>0:45

  分厚めの頁は同色の革張りバンドで括られていて、
  宮廷楽士に必要なことは全てこの中に
  記されているそれを抱えて、
  時にはマナーやトレーニング法などの学習。
  時には他の楽士の皆様と慰問や公演へ。

  大好きなメイレン様とご一緒出来るときは
  いつだって嬉しくて、ついついぴょんぴょんと
  飛び跳ねてしまって、あ、と顔を赤くしては
  咳払いひとつ。  ]
 
(359) 2020/09/30(Wed) 22:20:41

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ とまぁ、なんだか相変わらずバタバタと
  した日々の中。
  一言では言い表せない程の充実感と、
  幸福と、感謝。

  
  それでも時々月を見上げて一息つけば、
  何処かでお元気にしていると信じて止まない、
  優しい従者さんのことをちょっと思い出したり、
  アメリア様のお身体がずっと長くお変わりなく、
  お元気でお過ごし下さるよう祈ったりして、
  少し感傷的になったりもするのですけれど。

  そんな時には、あの日頂いたティアラを眺めて。
  決まってクッキーをぼりぼりと頬張って、
  また前を向きましょう。  ]
 
(360) 2020/09/30(Wed) 22:23:27

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ あ、そうだ。

  その門外不出の手帳、その中の1ページ…
  私には、特にお気に入りのページがあるのです。

  今日は、そっと、教えて差し上げましょうか…

  内緒、ですよ?  ]
 
(361) 2020/09/30(Wed) 22:24:42

【人】 教会住みの娘 エヴィ




    『メニュレー男爵令嬢が目を輝かせて
     才能に関する話を熱く語り出したら
     そっと話の矛先を逸らすか
     上手くして席を立つこと。
  
     逃げ遅れると最長2時間は
     聞かせられるので要注意』>>0:-26




 
(362) 2020/09/30(Wed) 22:25:46

【人】 教会住みの娘 エヴィ


   アメージング・グレース
   何と美しい響きであろうか
   私のような者までも救ってくださる
   道を踏み外しさまよっていた私を
   神は救い上げてくださり
   今まで見えなかった神の恵みを
   今は見出すことができる

   神の恵みこそが 私の恐れる心を諭し
   その恐れから心を解き放ち給う
   信じる事を始めたその時の
   神の恵みのなんと尊いことか

   これまで数多くの危機や苦しみ、誘惑があったが
   私を救い導きたもうたのは
   他でもない神の恵みであった

   何万年経とうとも
   太陽のように光り輝き
   最初に歌い始めたとき以上に
   神の恵みを歌い讃え続けることだろう



  **
(363) 2020/09/30(Wed) 22:28:29