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人狼物語 三日月国


149 【R18身内村】LOVE OR ALIVE

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【人】 雨宮 瀬里

 

 宮々の家に帰る という言葉が、
 どれほど重い意味を持っているのか、
 私はこの一年で少なからず知っていたはずだ。
 
 そんなことはありえない
 それなのに、貴方は宮々の家に帰ると言う


 「 ………… 」


 私は貴方の言葉を待つ。
 それでも貴方からは続きは紡がれなかった
 まっすぐに貴方の右目を見る私の瞳は
 不安に揺れているように映るだろう

 ……先に、耐えきれなくなったのは私のほう。

 
(20) 2022/05/25(Wed) 14:52:41

【人】 雨宮 瀬里

 


 「 どうして?
   何かあったの? 」


 宮々の家の誰かに何かあったのだろうか
 それとも戻らざるを得ない不都合があったのだろうか
 戻されるべき事情、があったのだろうか

 多分考えないようにしてたんだ、
 もっと良くないこと≠フこと。
 宮々の家に責任があるかのような発想で、
 私は、きっと可能性から目を背けようとしていた

 
(21) 2022/05/25(Wed) 14:52:53

【人】 雨宮 瀬里

 

 貴方の意思で、戻らなければならないこと
 貴方の体調とそれ≠ェ関係あること
 
 …まだ、想像もしてさえいないような、
 悪い事態が起こらなければいい、と。
 私は心に蓋をしたままだった *


 
(22) 2022/05/25(Wed) 14:53:12

【人】 宮々 蓮司

もしも、この恋が終わるとしたら。
お前はそれでも俺を送り出すだろうか。
きっとお前はそうする。
恋と命、天秤にかけるまでもない。


もしも、この命が終わるとしたら。
お前はそれでも俺を許してくれるだろうか。
きっと許してくれないだろう。
恋と命、天秤にかけることすらもしかしたら。


「どうして」の答えを紡げない。

何をどこまで話せばいい?

祖父に告げられたこと。
体が病に冒されているという事実。
治療には恋矢を取り除けばいいということ。自身に刺さった4本の矢、その全てを、あるいは2本を抜き去ることで、治るという。


そんなこと、どうやって話せばいい?
(23) 2022/05/25(Wed) 16:57:16

【人】 宮々 蓮司

それでも静かに口を開いた。
何も告げないままにだけはしたくなかった。



 「 病気、なんだ。
   とても珍しい病気で…… 」


恋熱病
矢を受けた恋天使が罹る病気で、一種のアレルギ反応のようなもの。本来であれば発症自体珍しく、そしてすぐに治るようなもの。
だけど宮々の血筋はそれが発症すると重篤な症状となるケースが多く、ときには命すら危うくなるということ。

それを伝えた。
治療方法はまだ口にできないまま。



 「 でも、
   宮々にはそれを治す方法が伝わっている。」


そんなもの、いっそ無かった方がよかったのに。

*
(24) 2022/05/25(Wed) 16:57:40

【人】 雨宮 瀬里

 

 恋と貴方の命、天秤にかけるまでもない。
 だからすべて話されていたとて、
 答えは決まっていただろう


 病気、の言葉を聞いて表情を曇らせ、
 そして続く貴方の言葉を聞いた。

    
    恋熱病=c初めて聞く病気だ。

 
(25) 2022/05/25(Wed) 18:01:58

【人】 雨宮 瀬里

 

 貴方が話してくれたのはほんの一部だったから
 尚更、私は貴方の言葉に即答をする。


 「 …そう、なんだ。
   でも
よかった
。治す方法があって
   宮々の家に行くのは…気は乗らないだろうけど 」


 ねえそういうこと≠ナしょう?
 貴方が、それを言い渋っていたのは。
 私の表情は明るい、とまでは言い難いけれど、
 きっと安堵の表情を浮かべていた。
……のに。


 
(26) 2022/05/25(Wed) 18:02:20

【人】 雨宮 瀬里

 

 どうしてそんなに、まだ。
 貴方の表情は曇ったまま、なの?

    その違和感に、すぐ気づくほどには
    私ね、貴方の表情を一年ずっと見てきたんだ

 
(27) 2022/05/25(Wed) 18:03:00

【人】 雨宮 瀬里

 


 「 治療法、難しいの? 」


 貴方がまだ顔を曇らせている理由が、わからない。
 だから私は、また少し不安そうな表情を浮かべて
 貴方に尋ねる。 *

 
(28) 2022/05/25(Wed) 18:03:11

【人】 宮々 蓮司

結局、宮々に全てを奪われるのか。
宮々に生まれたことがまるで呪いであるかのように。



 「 ……瀬里は、
   自分に刺さった恋矢を今でも感じるか? 」


俺はない、と小さく零す。


 「 俺には四つの矢が刺さっている。
   治療法は……それを抜きさることだ。」


今もこの胸に刺さったままの恋矢。
とうに気持ちが消えていると思っていた彼女との絆すら、今も繋がったまま。
(29) 2022/05/25(Wed) 19:09:45

【人】 宮々 蓮司


もしも、この恋矢が今もこの心を縛っていたら?
そんな心配を口にした俺に、祖父はこう言った。


 『 恋天使の恋矢はとても強い。
   矢を抜けば、それによって変化した心も、
   そして……その前後の記憶すら失いかねん。」


それは最悪の答えだった。
(30) 2022/05/25(Wed) 19:10:06

【人】 宮々 蓮司

 
 「 ……瀬里……
   もしも恋矢が俺たちを結ばなかったして、
   それでもお前は俺を好きになっていただろうか。」


意味のない仮定。
恋矢は二人を結びつけた。
それはきっと、数ある可能性の中から、ただ一つだけ現実となったもの。
過去は変えられない。
だからそんな仮定は意味を持たない。
だけど、それがこの先の未来の話なら?


*
(31) 2022/05/25(Wed) 19:10:50

【人】 雨宮 瀬里

 


 「 恋矢を? 」


 恋熱病の治療法を尋ねたあとで、
 唐突に出たその単語に、私は首を傾げる。
 それから、無いという風に首を横に振った。
 それが、治療法とどう繋がるのだろうかと、
 私は貴方の言葉を待ち、そして、


 「 そんなことが、できるの? 」


 貴方に刺さった恋矢を抜くこと。
 思わず聞き返したけれど、答えは変わらずYESだろう
 宮々の家にはそれを行う手段がある。そういう話だ。
 
(32) 2022/05/25(Wed) 19:40:52

【人】 雨宮 瀬里

 

 恋矢を抜くこと。
 
 私は貴方が知る最悪の答え≠聞かされていないから
 ただ、想像することしか、できない。

 貴方との絆は恋矢によって、結ばれた。
 それを抜いてしまうということは ── そういうことだ。


      こんな時でさえ、
      四つの恋矢、という言葉に
      違う意味で胸が痛んだこと
      
      ……それが、まさしく恋≠ネんだろう。


 
(33) 2022/05/25(Wed) 19:41:25

【人】 雨宮 瀬里

 

 私がもしも、人間ならば。
 貴方からの問いかけに、仮定≠ノ、
 すぐにでも肯定を返せていたんだろうか。

 だけど私は好き≠持たない恋天使だった。
 恋矢が結ばなかったのならば。
 私は貴方に恋をすることは、なかった。

 貴方と出会うこともなかったし
 貴方のことを知ること≠烽ネかった。

 
(34) 2022/05/25(Wed) 19:41:41

【人】 雨宮 瀬里

 

    もしも本当に聞きたいのなら

     そんな言葉を交わした一年前のあの夜が
     もう、遠い昔のことのように思える。

     恋を知る前の私。
     昔の恋を乗り越える前の、貴方。

 
(35) 2022/05/25(Wed) 19:42:03

【人】 雨宮 瀬里

 


 「 いつか、蓮司が言ってた、
   恋矢が、恋を自覚させるだけのもの
   ………本当に、そうなのだとしたら。

   私は、もし恋をしていい≠フなら
   きっと、蓮司に恋をしてたよ。 」


 答えはYESでもNOでもない。
 恋矢で結ばれる前の私は、
 貴方を好きになってはいけなかった≠ゥら。
 だから恋をしていた、って首を縦には振れない。

 
(36) 2022/05/25(Wed) 19:42:18

【人】 雨宮 瀬里

 

 でも。
 あの時確かに私は貴方を知りたいと思った。

 どんなに貴方に腹を立てていたって
 私では貴方の役に立てないんだと思っていたって
 それでも私は貴方の名前を書いた。

 あの気持ちが私の恋のきっかけだった。

 
      だから答えはNOじゃない。 *

 
(37) 2022/05/25(Wed) 19:42:32

【人】 宮々 蓮司


宮々の家は恋天使であることを生業にしている古い家だった。
恋矢による縁結び≠ヘもちろん、一度結ばれた縁を別の縁で結び直したり。人間には無いその力を最大限に利用していた。

それもあって、宮々の家には他の恋天使にはあまり知られていない知識やノウハウがあった。

恋熱病にしてもそのひとつ。
それは宮々の血筋が昔からその病に患わされてきた証でもあった。
(38) 2022/05/25(Wed) 20:28:49

【人】 宮々 蓮司

 
 「 そうだったな。」


それは友人の受け売りだ。
でも、確かにそう信じたはずの言葉。

もしも恋矢が刺さったままなら、なぜ以前の恋心を失ってしまったのだろう。なぜ、瀬里にだけ恋焦がれるのだろう。



 「 最初は、
   瀬里のことを失うぐらいな、
   いっそ治療なんていらないとさえ思った。」


この恋を失ってしまうのなら。
瀬里のことをなんとも思わなくなるぐらいなら。
この命に何の意味があるのだろう。
(39) 2022/05/25(Wed) 20:29:28

【人】 宮々 蓮司

 
 「 お前は俺の全てだ。
   たとえ恋矢の力が無くなって、
   それで何かが変わってしまったとしても。」


俺はもう一度お前に恋をする。


その誓いを胸に強く抱く。
それが強い不安の裏返しだとしても。



 「 ……、一緒に来てくれるか? 」


もしかしたらお前を傷つけることになるかもしれない。
それでも、お前がそばにいてくれるならきっと乗り越えられる気がするんだ。

*
(40) 2022/05/25(Wed) 20:30:04

【人】 雨宮 瀬里

 

 そうだったな、の声に、
 そうだよ、って精一杯の微笑みを返す。
 私は貴方の受け売り。貴方も誰かの受け売り。
 でもその言葉に納得して、一年間生きてきた。

 恋矢が刺さったままなら…なんて問いを
 私にもし投げかけられていたならば、
 きっとそれは刺さってるだけ≠ネんだよって。
 貴方に返したんじゃないかな。

 刺さっているだけだったから、
 貴方は今まで恋熱病には罹らなかった。
 きっと今回はしっかり恋矢の効果が持続している。
 だから、恋熱病にも罹ってしまった

 ……なんて。机上の空論でしかないけれど。


 
(41) 2022/05/25(Wed) 20:50:27

【人】 雨宮 瀬里

 


 「 ……うん。 」


 私が聞くのは貴方の決意。
 貴方が心に誓った、強い想い。


 「 私にとっても、蓮司は私のすべてだよ。
   治療をしないで、一緒に居られたとしても
   命に関わって……万が一蓮司を失うくらいなら、 」


 言葉を失い、貴方を見る。
 恋と命を天秤にかけるなら、私は命を取る。
 
(42) 2022/05/25(Wed) 20:50:39

【人】 雨宮 瀬里

 


 「 ……私は、
   蓮司に生きていてもらって、
   また、蓮司に恋をしたい。 」


 もしも奇跡が起きるなら。
 ううん、それは奇跡なんかじゃなくて、
 私たちにとっての必然なんだ、って
 心に強く言い聞かせる。

 
(43) 2022/05/25(Wed) 20:50:49

【恋】 雨宮 瀬里

 


 「 好きだよ。蓮司 」

 
 
(?2) 2022/05/25(Wed) 20:51:09

【人】 雨宮 瀬里

 


 「 もちろん。
 
  ……私が、着いて行っていいのなら 」


 もちろん、は即答だったけど、
 そのあと言葉を濁して付け足した。

 宮々の家に、私、着いて行ってもいいのかな。
 そこだけは明らかに不安そうな顔をしたまま
 貴方に向かって微笑むんだ。 *

 
(44) 2022/05/25(Wed) 20:51:21

【人】 宮々 蓮司

瀬里の手を引いて抱き寄せる。


 「 いいに決まってる。
   一緒に来てほしい。
   宮々の家にお前を紹介する気はないが、
   爺様だけにはお前を会わせたいし。」


ただひとり、宮々の家で俺がそこにいることを認めてくれた人。
恋熱病、皮肉にも恋天使であることを証明するその病の原因が、その相手が瀬里なんだって、この娘なんだって知らせたい。


でももしも、恋矢を取り除いた時、瀬里への恋心を失っていたら?瀬里のことを覚えていなかったら?
消えぬ不安をかき消すように強く瀬里を抱きしめる。
(45) 2022/05/25(Wed) 21:16:39

【恋】 宮々 蓮司



 「 瀬里、ずっと一緒だ。
   愛してる。」

*
(?3) 2022/05/25(Wed) 21:19:17

【人】 雨宮 瀬里

 


 「 うん、わかった。
   行くよ、って、……わ、 」


 一緒についていっていいのなら
 一番近くで貴方を支えたい。

 恋をしていなかった私も抱いていた気持ち
 たとえ恋心を失ってしまったとしても
 きっと、その気持ちは変わらない筈だから。

 記憶が消えてしまう可能性があることは
 私は、聞かされていないから、
 どこか楽観的に映るのは否めなかったと思う


 ……と、確かに頷いた矢先に、強く抱きしめられた。
 貴方の言葉が、耳に、届く。 *

 
(46) 2022/05/25(Wed) 21:44:17

【置】 宮々 蓮司

瀬里へ

この手紙をお前が読むときに俺は隣に居るだろうか。
もしもそうなら、この先は読まずに俺に突き返して欲しい。

俺はお前に恋をした。
きっとそれは恋矢の力だけじゃなくて、あの日、あのお見合いで、俺は雨宮瀬里に惚れたんだ。
その強さも弱さも、もちろん可愛らしさも、全部含めて、
お前を女の子として、そしてひとりの人間として、好きになったんだ。

宮々で何が起きるのかは俺にもわからない。
祖父は恋心を失うだけでなく、その前後の記憶すら失う可能性があると言っていた。
この手紙を読んでいるとき、もしかすると俺はお前のことを覚えていないかもしれない。
そんな想像をするだけで手が震えそうになるほど怖くなる。

だけど、俺は信じている。
どんなことになっても俺はお前を必ず取り戻すと。
恋を失っても、もう一度お前に恋をする。
記憶を失っても、必ずお前を思い出す。

そのときは、
俺はお前に言いたいことがあるんだ。
だから、今の俺を忘れないで欲しい。
必ずお前のところに戻るから。

愛している。
誰よりも、いつまでも。

蓮司より  

 
(L0) 2022/05/26(Thu) 9:59:41
公開: 2022/05/26(Thu) 12:55:00