水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a8) 2022/08/13(Sat) 15:49:43 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a13) 2022/08/13(Sat) 21:25:21 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ―― →分娩室 コンクリの壁に、彼女の悲鳴が反響する。 生ぬるいだけだった空気が、振動を肌に伝える。 見せなければ良かった、と思う。 ――胸の中にある大事な何かが、掻き出されるような感覚。 『私』ですら、そう感じるのだから。 『イモウトはまだ生きている』。 彼女の小さな希望は、たった今消えた。 残ったのは、魂の抜けた『イモウトだった物』だけ。 それが現実。 (72) 2022/08/13(Sat) 22:43:37 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ「――これは、夢だよ。 朝になって、おねぇちゃんの目が覚めたら、『イモウト』と一緒にこの病院から帰るんだ。 『僕達』の事も、ここで見た事も、全部忘れて、二人で帰るんだ。」 希望の潰えてしまった現実なら。 そんな地獄のような現実なら、甘い夢のような地獄に堕としてしまおう。 「『アタシたち』が、おねぇちゃんの目が覚めるまで一緒に居てあげる。 だから、泣かないで。」 影の中から、無数の小さな手が沸き立つ。 ――けれど、『俺達』は彼女を慰めるように、ただ彼女の肩に、頭に、手を乗せる事しかできない。 「―〜~※―Ж――♪」 誰かが、調子はずれな歌を口ずさむ。 かつて、カナおねぇさんから教えられた曲>>0:115。 『大好きな人を思って歌うのだ』と、おねぇさんは言っていた。 (73) 2022/08/13(Sat) 22:44:34 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ「ねぇ、『私達』に言って。 このどうしようもない夢を、終わらせたい、って。」 彼女がそう言ってくれれば、『僕』は躊躇いなく彼女を甘やかな地獄に突き堕とせるから。 何も感じる事のない悪霊のように、彼女の心を壊すことが出来るから。 (74) 2022/08/13(Sat) 22:44:54 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a15) 2022/08/13(Sat) 22:47:13 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a18) 2022/08/13(Sat) 23:02:50 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a22) 2022/08/14(Sun) 0:41:51 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ彼女が、夢の終わりを望む。>>91 心の奥が、氷のように冷えていく。 「――わかった。」 彼女の背を撫でるだけだった無数の腕が、力づくで『イモウト』から引き剝がし、そのまま分娩台へと抑え込む。 『イモウト』が晒されていた、分娩台へと。>>1:61 小さな手が、服の上から身体を弄り、両脚を割り開いてしまう。 彼女が身に着けているのがスカートの類なら、その下を隠す事は叶わないだろう。 群がる手が、彼女の上着を握りこんで、てんでバラバラの方向へ乱暴に引っ張り――衣が裂ける高い音が響いた。 まずは上半身、胸元のリボンも、カーディガンも、その下のシャツも、引きちぎられてただの布きれとなって、彼女の柔肌を晒していく。 (106) 2022/08/14(Sun) 11:32:00 |
【人】 水子たちの霊 ヒルコ「――うそ。」 視線が、露わになった彼女の腹部へ注がれる。 『私』が宿った場所が、僅かにではあるが、膨らんでいる。 本当に新しい命が宿っているわけではない。 切り分けた『僕』が潜り込んでいるだけ、と分かってはいるが、その様は―― 「お母さん?」 両手が、腹部に触れる。 掌に、吸い付くような肌の感触と、彼女の体温と、しっかりとした抵抗を感じた。 (107) 2022/08/14(Sun) 11:32:32 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a27) 2022/08/14(Sun) 11:37:05 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a30) 2022/08/14(Sun) 14:56:45 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a34) 2022/08/14(Sun) 16:59:19 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a35) 2022/08/14(Sun) 17:06:29 |
(a39) 2022/08/14(Sun) 22:26:56 |
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